健やかなる時も、病める時も
式は終わった。 俺はもう既婚者だ。 「何見てるのかな?」 立ち尽くしチャペルの十字架を仰ぎ見る、そんな俺の背筋をなにかが這い上がった。 タキシードの背を這う、繊細な指使い、まとわりつく、蔓のような感...
2019-03-23 19:06:06 +0000 UTC View Post
式は終わった。 俺はもう既婚者だ。 「何見てるのかな?」 立ち尽くしチャペルの十字架を仰ぎ見る、そんな俺の背筋をなにかが這い上がった。 タキシードの背を這う、繊細な指使い、まとわりつく、蔓のような感...
2019-03-23 19:06:06 +0000 UTC View Post§ 友好的な上位種のもとに、半年間。 そう決めたのは自分のため、キャリアのためなはずだった。 世界の裏側に隠れていた、聡明な妖精たちが姿を現し、まだ日は浅い。今滞在すれば、貴重な経験として扱われるは...
2019-02-27 08:39:01 +0000 UTC View Post§ 美しい、あまりに美しい少女が微笑んでいた。 亜麻色の髪はほろほろと、白い頬は朱を差して、現実離れした美少女の顔。 慈愛の表情は絵画のごとく、けれど、たしかにそこにいる、その感覚だけが生々しい。 ...
2019-02-23 16:21:06 +0000 UTC View Post「……あの、この薬じゃ戻らないん、です、よね?」 処方箋を受け取りながらの、いつもの問答。 俺の無駄な言葉に、女医も笑う。 「無理ですね。進行は止められても、根本的な治療には至りませんし」 研究医も...
2019-01-24 20:57:15 +0000 UTC View Post