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ヒトイヌ公園の施設 ~ヒトイヌペットショップ・Fake~ 物色する客

■ 久々の執筆となりましたが、『ヒトイヌ公園』シリーズ(novel/series/959260)の新作です!

■ シリーズを読んでいる方が楽しめると思います。ヒトイヌ公園には様々な施設があり、この『ヒトイヌペットショップ・Fake』もその一つです。

■ ペットショップの雰囲気を楽しむのが目的なので、ヒトイヌの売買は行われておりません。……少なくとも表向きはそういうことになっています。信じるか信じないかは、あなた次第……(ΦωΦ)フフフ…

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 ヒトイヌ公園には利用者が楽しむための施設が、いくつか備えられている。

 そのうちの一つが、『ヒトイヌショップ Fake』だ。



 そのペットショップの中には、壁の一面を覆うようにケージが積み上げられており、その中に多数のヒトイヌが展示されていた。

 ケージは正面を向いている面が扉になっており、その扉は透明なガラスのようなもので出来ていた。中の様子が良く見えるようになっているわけだ。

 扉の右上には大きなラベルが貼られており、個体名や体長など、本当のペットショップのように情報が貼りだされていた。

 そんなケージの中でヒトイヌ拘束を施された人間たちが、それぞれの個性に合わせた動きを見せている。

 ペットショップに足を踏み入れた男は、その現実離れした倒錯的な光景に思わず息を呑む。

(まさか、リアルでこんな光景が見られるとは……遠路はるばる来た甲斐があるというものだ……)

 ケージの数はざっと数えただけでも二十以上。

 さすがにその全てが空きなく埋まっているわけではなかったが、設備に見劣りしないだけの数のヒトイヌが揃えられていた。

 男が早速一番手近なケージに近づくと、そこでは女性のヒトイヌがケージの中で丸まって眠っていた。

 四肢を折り畳み、手首と足首がそれぞれの付け根と密着するような拘束を施されている。

 口にはこの公園で良く見られる犬のマズルの形を再現した口枷が嵌められていた。

 体は薄手のラバースーツに覆われており、その豊満なバストを強調するようにハーネスが取り付けられている。

 股間は貞操帯のようなものに覆われており、お尻からは尻尾が飛び出していた。

 普通の人間が取り付けられたらとても寝るどころではない、厳重な拘束だろう。

 しかし彼女はその拘束をされることに慣れているのか、すやすやと眠っているようだ。

(この状況でよく寝れるもんだ……まあ、慣れてるのかもしれないが……)

 まじまじと観察していても全く起きる気配がなかったため、男は次のケージの前へと移動する。

 そのケージのヒトイヌも女性だった。

 先ほどのヒトイヌより一回り小さいように見える。

 施されている拘束具自体は、先ほどとほぼ同じだったが、彼女はその積極性が段違いに強かった。

 ケージの中を折りたたまれた四本の脚で器用に動き回り、男が見ていることに気づくと、男に近づいて、ためらいなく手を――ヒトイヌとしての前脚を持ち上げ、ケージの壁にのしかかる。

 まるで本物の人懐っこい犬が、興味を惹かれて寄ってきたときのような、実に自然な振る舞いだった。

 そんなヒトイヌの振る舞いに男が見入っていると、制服を着た店員の女性が彼に歩み寄った。

「いらっしゃいませ。『ヒトイヌショップ・Fake』へようこそ。当店のシステムについて、ご説明いたしましょうか?」

 ニコニコと笑顔を浮かべた彼女は、まるでごく普通のペットショップの店員かのように振る舞っている。

 明らかに異常な光景で、倒錯的な状況であるにも関わらず、その自然な振る舞いは男を高揚させる。

「ん……んんっ。そうですね。お願いしても?」

 咳ばらいをして気持ちを整えつつ、男はそう店員を促した。

「はい。それでは当店のシステムについて説明いたします」

 そういって上に向けた掌でケージを示す店員。その中にいるヒトイヌたちは、その多くが来訪者である男の方を見て、男の様子を観察していた。

「まず重要なことですが……ペットショップを模しているとはいえ、売買は行われておりません」

 あくまでプレイの一環であり、実際のショップとは違うということを店員は念押しした。

 売買が行われていたらそれは人身売買になってしまうので、それは当然だと男も受け止めている。

(まあ……正直裏で本当に人身売買が行われていても不思議じゃないけどな……)

 なにせヒトイヌ公園の規模は凄まじいものだ。

 街中にこんな施設が存在するということ自体、相当な権力や財力がなければなされないことであり、それを考えれば多少非合法なことが行われていたとしても不思議ではない。

 とはいえ、男はその裏を知るような立場になく、一利用者でしかないので、そこは考えないことにしていた。

(楽しめれば、なんでもいいし、そういう裏がない方が後腐れなく楽しめるしな!)

 基本的にこの公園には強制されている者はいない――というのが表向きに説明されていることだ。

 男のようなただの入園者も、ヒトイヌ入場する者たちも、みんな望んでここにいるということになっている。

 事実がどうあれ、男はそれに全力で乗っかって楽しむつもりだった。

 ただし、表向きの理由であれなんであれ、だからこそルール違反には非常に厳しいのも、この公園の特徴だった。

(あんまり酷いと、それこそマジで秘密裏に消されかねないらしいし……うん、ルールは守ろう)

 男はそう自己完結し、店員の説明に集中するのだった。

「ここでは触れ合いコーナーを設けてありますので、気になる子がいたらそちらで数十分程度の『触れ合い』が出来ます」

 ここで重要なのは、と店員は指を一つ立てる。

「『触れ合い』出来る範囲は個々によって違います。撫でたり遊んだりすることだけが出来る子もいれば、もっと激しく『遊ぶ』ことも出来る子もいます。この公園の大原則――ヒトイヌの気持ちが優先されるのは、ここの触れ合いコーナーでも変わりありませんので、ご注意ください」

「ああ、わかった。……もしかしてその『触れ合える範囲』ってのは、そこに書いてある内容ってこと?」

 そう言って男が指し示したのは、各ケージの扉に張り付けられているラベルだった。

 ラベルには個々の情報の他に備考欄に、『撫でられるのが好き』だとか『玩具が大好き』だとか、そういう内容が書かれていたのである。

「お察しの通りです。触れ合いの際にはちゃんと私が見ておりますので、わからないことがあれば何でもお尋ねください」

 そう言って説明を切り上げる店員。

 男は彼女に礼を言いつつ、改めてケージのヒトイヌたちを見渡した。

(全身覆っているタイプのヒトイヌもいるから、好きなヒトイヌを選びたい放題だな……)

 ここの施設が他の場所より優れているのは、ここにいるヒトイヌたちは少なくとも関わり合うこと自体を拒否するものはいないという点だった。

 公園では自由にヒトイヌとの交流が行えるが、ヒトイヌ側が接触を好まない場合、どれほど好みのヒトイヌであっても、利用者側は遠くから見るしかない。

 男は幾度となく公園内でヒトイヌを見かけていたが、彼が触れ合いたいと思うヒトイヌは大抵が接触禁止だった。

(ルールは守るが、そういうのが続くとさすがに凹むからな……ここなら、間近で見ることも出来るし)

 男はケージ内にいるヒトイヌたちを一頭一頭眺めていく。

 全身を覆っているタイプのヒトイヌ拘束を施されている者はよくわからないが、それでも全体的に粒揃いだった。

 顔立ちが美しかったり、体つきがエロかったり、とにかくどこかに魅力があって、見ているだけでも飽きない。

(誰でも選べるかと思うと、目移りしちまうな……時間は有限だから、考えて選ばないと……)

 しかしその選ぶ時間もまた楽しいものであることは事実だった。

 ヒトイヌの中にはケージから出してもらって遊びたい者もいるのか、わざとらしく足を開いたり、短くなった手を振ったりして、自分の存在をアピールする者もいる。

 お尻を突き出して尻尾を振って見せる――それはつまりそれが差さっている肛門を動かしているということである――者すらいた。

 いずれも嬉々とした様子であり、嫌々ながらしているような者はいない。

(本当に、夢のような施設だよな……ん……)

 物色を続けていた男は、最初のヒトイヌのところに戻って来てしまった。

 そのヒトイヌは徹頭徹尾、丸まって眠っている。そのあまりにマイペースなあり様に、かえって引かれた男は店員を呼んだ。

「店員さん、すみません。この子と触れ合ってみたいんですけど……可能ですか?」

 店員は男がどのヒトイヌのことを差しているかを理解すると、苦笑を浮かべた。

「ええ、もちろんです。すぐ起こして連れていきますので、あちらでお待ちください」

 そういって男を触れ合いコーナーの椅子に促すと、店員はそのヒトイヌのケージの扉をノックする。

「ほら、ジュン。起きて。ご指名よ。ジュン! 寝ぼけてないで、体を起こして!」

 手慣れた様子で声をかけている辺り、そのヒトイヌが居眠りをしているのはどうやらいつものことらしい。

 男は実に変わった女の子もいるものだと思いつつ、ヒトイヌと触れ合える瞬間が近づくのを感じ、胸を高鳴らせるのだった。





 その日、私はその店の『店員役」として出勤していた。

 同僚の純子は、嬉々とした様子で準備をしている。

「それじゃあよろしくね〜。秋穂ちゃん♡」

「はいはい。わかってるわよ」

 どの役をするかは、持ち回りだから仕方ない。

 本当なら『店員役』だけをする人がいるのだけど、つい先日辞めてしまったのだ。

 円満な寿退社だから仕方ないのだけど、その人の存在がどれだけありがたかったか、今更ながら私たちは身に染みていた。

 準備を終えた純子は、私の前にやってくると、その体に羽織っていたバスローブを脱ぎ、素裸を晒す。そこにあまり恥じらいはない。

 ここは更衣室で、同性しかいないということも勿論なのだけど、一番大きな理由は、今更裸を晒した程度では恥ずかしいことなど何もないということが大きい。

 純子の体は理想的な体型を保っていて、同性の目からしても美しく見事なものだ。

 ただ、以前より少しだけ肉つきが良い気がする。

「純子……ちょっと太った?」

「えへへ。最近よく眠れるからかなぁ」

 悪びれもせず純子はそう答える。

 私は少し呆れつつ、指摘した。

「仕事中に寝てるからじゃないの?」

「だって指名されるまで暇なんだもん」

 その気持ちはわからないでもないけれど。

 私はとりあえず、さっさと着替えるように促した。

「『開店』まであんまり時間がないんだから、早く着替えちゃってよ」

「わかってるってば……えーと……」

 準備していた『制服』を純子が手に取る。

 それは、かなり薄手のラバースーツだった。ぴっちりと体のラインに沿って張り付く様は、全身タイツのようにも見える。

 ただし、ちゃんとラバー素材であることを示すように、怪しげな光沢を放っていた。

「うんしょ……っと」

 そんなラバースーツを、純子はせっせと身につけていく。

 体に潤滑油を塗り、その上で足を通して腰の上まで引き上げていく。

 多少肉つきが良くなった純子の脚をラバースーツが覆って引き締める。

 見事なプロポーションを形作り、彼女のプリッとしたお尻をさらに綺麗に引き締めていた。

 触りたくなるような弾力を有しているのが、見るだけでハッキリとわかった。

 両腕もスーツに通し、体の大半がスーツに覆われる。

「秋穂ちゃん、手伝って〜」

 そういって純子は私に背を向けた。背中にはチャックが付いていて、ぱっくりと開いている。

 蝶が蛹から出てくる時のような、あるいは蝉の幼虫が脱皮する時のような状態だ。

 ただしこの場合、それらとは全くの逆の意味を持つ。

 彼女はこれから、ラバースーツという蛹の中に閉じ込められることになるのだから。

 私は背中を向けた彼女に近づくと、そのチャックを下から引き上げていく。

「純子、触るわよ」

 一応そう声をかけて、純子の胸の位置を調整しつつ、さらにチャックを引き上げていく。

「ひゃんっ♡ 秋穂ちゃんのえっちぃ♡」

「はいはい。エッチでいいわよ。ここに『ヒトイヌ』としている時点で今更でしょうが」

 純子がふざけるのはいつものことなので、私は淡々と受け流し、彼女の着付けを済ませていく。

 彼女とは、大学生時代からの腐れ縁だった。大学を卒業して別々の道に進んだから、会うこともめっきり減ると思っていたけれど、まさかこんな場所ですぐ再会するとは思わなかった。

 当時から純子は「ペットになって優しいご主人様に飼われたーい」などと赤裸々な冗談を飛ばすような天然だったから、ここにいても不思議ではなかったのだけど。

 その頃の冗談が割と本気だったのには驚いた。

 本人曰く「ほんとに飼われるのはさすがに嫌だけど、ここならペットみたいな体験がお金をもらって出来るじゃない? 一石二鳥だよねー」とのこと。

 私も似たような考えではあったので、人のことは言えないのだけど、割と天職に近いんじゃないかと思っている。

 そんなことを思いながらも、勝手知ったる私の手は絶えず動き続き、純子のヒトイヌ化の手伝いを終えていた。


 全身をラバースーツに覆われ。

 両手両足を折り畳んで拘束され。

 身体にはハーネス代わりのボンデージ。

 口には犬のマズルを模した口枷。

 耳当て兼、犬耳が頭に被せられ。

 太い首輪がその首に巻かれている。

 そして――股間に被せた貞操帯と、そこから突き出した、犬の尻尾飾り。


 ヒトイヌとなった純子――ジュンはとても嬉しそうに笑っていた。

「ウーッ♡」

「はいはい……ケージに入れてあげるから……」

 さっさとケージに入って寝たいのだろう。

 そんなだから太り気味になるのだろらうけれど、これだけ怠惰な割りに、彼女が指名される率は決して悪くなかったりする。

 ある意味、それも才能というわけだ。


 そしてこの日も、彼女はお客さんに指名され、『触れ合いコーナー』に移動するのだった。



つづく

Comments

ありがとうございます! がんばります!

夜空さくら

너무 기대 됩니다! 아주 기대 하고 있습니다! 기대! 기대! 기대~~! WWWWW!

goremz

ありがとうございます! ヒトイヌとして暮らすのに慣れ過ぎた人の話も、いずれ書いてみたいと思います。 現実や現代の話だと、ずっとヒトイヌでいるのは無理なので、それこそ近未来の技術などを用いることになるかと思いますが……

夜空さくら

이번 이야기도 흥미롭습니다! 아주 좋네요! 인간개 생활을 이미 6개월 보냈다. 같은 이야기도 나중에 있으면 좋겠네요!

goremz


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