ヒトネコトリップ! ~ヒトネコホテル~ 2
Added 2019-10-29 14:17:57 +0000 UTC私の目の前で、作業対象のヒトネコがあられもない格好で吊られている。
両手首と両足首をまとめて縛られている彼女は、天井から鎖で吊り下げているフックによって拘束具を牽かれ、背中の一部分のみが地面に着いている状態だ。
拘束具は女性の力程度ではびくともしない強靱なものだから、彼女はその状態でいることしかできない。
「ふにゃッ、にゃあッ、んにゃああ……ッ」
水浴びを嫌がる猫のように首を振り、身体を捩らせているが、その程度でどうにかなるものではなかった。
(……それにしても、ここまでシャワーを嫌がってると、本当に猫みたいねぇ)
別にヒトネコだからといって、水を嫌がる演技をする必要は無いのに。
四肢を拘束した状態で、まして狸縛りのような格好にする必要も本当はないのだけど、これに関してはプレイの一環であり、ヒトネコホテル『クロブチ』の支配人の趣味であった。
他のホテルでは、極普通に洗うだけのところもあるし、『ご主人様』が部屋のお風呂場で洗ってあげる形式もある。
ヒトネコの扱いに関してはホテルごとに違いがあるのだ。
この子も、うちはこういう洗い方のサービスを受けられるホテルだとわかって来ているはずなのだけど。
(まあ、実際にやられてみると思ったより恥ずかしくて、つい抵抗しちゃう……ってことはあるものねぇ)
きっと特別恥ずかしがり屋のヒトネコなのだろう、と私は気楽に考え、暴れる彼女の爪などで引っかかれないように注意しながら、作業を進めることにする。
ボディソープをよく馴染ませたスポンジで、まずは太ももに触れた。
「にゃっ!!」
びくん、と彼女の身体が跳ねる。
暴れた拍子に身体が回らないよう、手首と足首を縛る拘束具に軽く手を置きながら、スポンジで彼女の太ももを擦った。
その場所を最初に選んだ理由は特にない。
彼女の体勢と、彼女のお尻側という位置的に、一番手が届きやすかったというだけだ。
何気なく洗い始めたけど、すぐにそのヒトイヌの、実に素晴らしい身体を実感することになった。
(柔らかっ……ううん。やっぱり若い子は肌の張りが違うわね……いいわぁ)
スポンジ越しなのに明確にわかるくらい、彼女の身体の張りは抜群に良かった。
引き締まった細い脚。けれど一時期逸ったモデル体型みたいなガリガリに痩せているということはなく、程よく脂肪のついた太ももだった。触り心地といい、弾力といい、素晴らしいという言葉しか出てこない。
膝裏から脚の付け根までスポンジを往復させていると、肉がぷるんと柔らかく動く。いつまでも触っていたくなるほど心地よい弾力で、同性なのに思わず吸い寄せられるほどのものだった。
(さすが、自分からヒトネコになろうって人は違うわね)
ラバースーツを着ることで、ある程度は引き締められるとはいえ、元々の素材が良くなければ、いいヒトネコにはなれない。いや、慣れはするけど、こんなヒトネコたちに混じって行動しようなんていう気にはなれない。
心に決めた恋人とのプレイとか、他者の視線が入らないところでならヒトネコになったっていいけど、このヒトネコたちと比べられるのは正直耐えがたいものがある。
いくらラバースーツによる補正があっても、元々の体つきが素晴らしい彼女たちと並びたくはない、という人が大半だろう。
そういう視点で見ると、私が洗浄を担当しているこの彼女は、その図抜けて優れた容姿を持つヒトネコたちの中でも、最高クラスのヒトネコと言えた。
とにかく体つきがしなやかで美しい。
ヒトネコとはかくあるべし、という代表例みたいなものだ。顔立ちも程よく凜々しく、
程よく幼くて、可愛いだけでもない猫のイメージにぴったりといえた。
なかなかこのクラスのヒトネコはいるものではない。心を通わせた相手だけではなく、万人受けする感じ。そんなヒトネコ、少なくとも私はいままでほとんど見たことがない。
(これが私の仕事だから気にしないけど……正直、妬ましくはあるわね)
一人の女として負けを認めるようで悔しいのだ。
とはいえ、仕事である以上、作業に手は抜かない。念入りに洗ってあげるとしよう。
恥ずかしがり屋らしい彼女に対しては、それだけでささやかな意地悪になるだろうから。
太ももを綺麗に磨き上げたら、今度は膝下、ふくらはぎを重点的に磨いていく。
「ん……ッ、にゃっ……!」
こそばゆいのか、恥ずかしいのか、彼女の身体に力が入るのがわかる。筋肉が硬直すると、また少し違う感覚になって、また別の感触で楽しませてくれる。
ふくらはぎが済んだら、次は腕。くすぐったそうに身体を捩る彼女の動きに合わせて手を動かし、脇の下までしっかり擦ってあげた。
「ふにゃ、にゃふ、にゃはっ」
脇の下に手を入れて擦ると、くすぐったいのか喘ぐ声が少し変わる。ちらりと彼女の顔を見ると、温かいシャワーを浴びていることだけが原因じゃない様子で、顔を真っ赤にしていた。
(やっぱり、相当な恥ずかしがり屋さんなのね)
身体をまさぐられる感触は相当恥ずかしいだろう。この洗浄形式を選んだ自分を恨んでもらおう。
くすぐったいのを必死に堪えているのか、顔を歪めて不自由な身を捩る姿は、なんだかエロ可愛かった。
しっかり脚と腕を洗った後、胴体の洗浄に移る。
一端ヒトネコから手を離すと、彼女はぐったりと脱力した。強ばっていた身体が弛緩し、ゆらゆらと揺れる。
ふと、いままでぴっちりしまっていた右足と左足の間に、脱力したことで空間が出来ていた。
(脱力してるいまなら、もしかして……)
ちょっと茶目っ気が出て、スポンジを脚の間から胸へと突っ込んだ。
良く馴染ませたボディソープのおかげで、スポンジを持った手はぬるりと彼女の股の間をくぐり抜ける。
「ふにゃあっ!?」
まさかそこに腕を突っ込まれるとは思っていなかったのだろう。甲高い悲鳴をあげてヒトネコが身悶えた。脚を強く閉じて抵抗しようとしたみたいだけど、すでに遅い。私の腕は彼女の脚の間を通って鳩尾あたりに触れている。
そうして感じた感覚は、思った以上にすべすべしている、ということだった。
ぎゅっと閉じられた脚に挟まれた腕からは、彼女の欠点一つ無い肌の感触が伝わってきている。
程よい弾力は相変わらずで、包み込まれるように固定され、すごく心地よい。少し下品だけど、男性が股間にある物を挟まれたら一瞬で果ててしまいそうな感じ。
(うーん。すごいなぁ)
その状態で手を動かす。彼女は抵抗しようとさらに腕を脚で力強く締め付けてくるけど、ボディソープでヌメって滑る腕は止められない。
むしろかえって程よく抵抗感が生まれ、彼女の方がくすぐったくなってしまっているようだった。
「ふにゃ……にゃあっ」
そんな彼女の嬌態を眺めつつ、手を動かして彼女の胸部を洗う。
彼女の胸は同性として羨ましく思うほどの美乳だった。
あからさまに大きくは無いけど、大きく見せようと思えば見せられる程度のボリュームで、和服でも洋服でも、着る服に合わせて楽に調整が利きそうな、実に「程よい」感じ。
若さによる張りも勿論あるのだろうけど、その形自体も見事なもので、性的な魅力と芸術的な美しさを両立させている。
さっきまで彼女が着ていたラバースーツには形を整える機能もあったけど、それがなくなった素裸の状態でも綺麗なのだから本当に素晴らしい。
全く黒ずんでいないピンク色の乳首が、可愛らしく美しいアクセントになっていた。
(神様って不公平よねぇ)
贔屓目で見ても並み程度の容姿しか持たない私はつくづくそう思う。
少し妬みの感情が強くなってしまった私は、スポンジを一端彼女のお腹の上に置き、掌を直接彼女の乳房に這わせた。
直接、とはいっても私が着ている作業用のウェットスーツは手の先まで覆っているから、彼女からしてみれえばゴム手袋が触れてきたようなものだろうけども。
だけど、その効果は劇的だった。
「にゃっ!?」
びくんっ、と彼女の身体が跳ね、眼をまん丸に見開いて私の手に覆われている自分の胸を見る。その顔が紅玉のように赤く染まった。
それを確認して、マスクの下で口の端を歪めつつ、ゆっくりと掌を動かして行く。
ギリギリ乳首に触れる位置で手を動かすと、掌に彼女の乳首が擦れているのが伝わってくる。
ボディソープで滑っているとはいえ、スポンジとは比べ物にならない抵抗力があるから、乳首に対する刺激も強烈なものになっているだろう。
彼女は眼を白黒させながら、不自由な身体を震わせて乳首への刺激に耐えていた。
そうしているうちに、徐々に彼女の乳首が硬くなっていく。刺激を与えたから当然なのだけど、快感を覚えている証のようにも思えるだろう。
それを自覚出来るよう、乳房を覆う形にしていた掌を反らし、硬くなった乳首だけが掌に触れているのだということをわからせるようにした。
自分の乳首が硬く勃起している、ということを彼女も自覚してしまったのだろう。
ただでさえ赤かった顔は病気を疑うほど真っ赤に染め上がり、恥ずかしさを堪えて強く瞑った瞼の端に、うっすらと涙が浮かんだ。
そんな彼女の姿に、いけない気持ちがムクムクと湧いてくる。
(おっとと、いけないいけない……っ)
もうちょっとで自制が利かなくなるところだった。
私は別に同性愛者じゃないのだけど、それを超えて訴えかけてくるものが彼女の表情にはあった。
的確な表現では無いかもしれないけど、無性に虐めたくなってしまったのだ。
恋人同士ならそういうやり取りも許されるけども、私はあくまで仕事で彼女の身体を洗うだけ。
あまり妙なことをやりすぎて、後で苦情を言われても困る。
私は意地悪を止め、再びスポンジを持って彼女の身体を洗い出した。
全身をくまなく洗うということは、当然股間も洗わなければならない。
私はその場所にスポンジを這わせかけ――私の方に向いている彼女の割れ目から、透明な露が垂れているのを見てしまった。
それは彼女が性的に感じてしまっていることを示す、何よりの証拠だ。
全身じっくり洗った上、特に胸はそう感じるように触ったのだから無理もないとはいえ、見ず知らずの人間が相手にも関わらず濡らすのは、相当な好き者と言わざるを得ない。
容姿は完全無欠な彼女だけど、その性質は相当なマゾヒストなのかもしれない。
私はそんなことを考えつつ、彼女の股間を手早く洗った。
スポンジが前後した際、彼女はまた身体を震わせたが、一瞬だったのでさほど感じはしなかったようだ。
そして、彼女を吊していた鎖を外し、体育座りのような体勢に彼女を起こした。
彼女も事ここに到って暴れるようなことはしない。大人しくされるがままだ。
そんな彼女の頭から、一端耳当てと猫耳を外す。耐水性だから、濡れても大丈夫なのだけど、頭部を洗う際は流石に邪魔だ。
耳当てを外してしまったから、いまの彼女は人間の声も普通に聞こえてしまう。だから私たち作業員は作業中一言も喋らないように徹底されている。
手早くシャンプーとリンスを済ませ、ざっと洗い流す。洗顔も一応やったものの、元々化粧はほとんどしていなかったようで手早く済んだ。
(若いっていいなぁ)
この仕事を始めてから、もう何度思ったかわからないことをもう一度考えつつ、彼女を担ぎあげ、シャワールームを出た。
脱衣所に当たるところで彼女の身体を大雑把に拭き、洗面台を使って彼女の髪を乾かし、顔や髪のケアもし、整え、再び猫耳付き耳当てを被せた。この間、彼女の四肢はずっと拘束したままだったけど、そんなことは関係なく、放心したようにされるがままだった。
その姿がなんだか本当に強制的にお風呂に入れられた猫が放心している様子のようで、思わずマスクの裏で笑ってしまった。
(完全にヒトネコになりきってるのかしら……それとも素でこれ? ここまでネコっぽいと、その筋の人にはすごい人気よねえ)
見た目も中身も満点となれば、彼女をヒトネコとして飼いたいという人はたくさんいるはずだった。そんな彼女が特定の『飼育者』とではなく、ツアー旅行客の一人としてこのホテルにやって来ているのは不思議といえば不思議だ。
(ととっ、いけないいけない。余計な詮索したら怒られちゃう)
このホテルの作業員として働く上で最も重視されるのは、プライバシーを守ること。仮に親しい友人や血縁のある者が客として来ていても、ここでのことは絶対に話題に出してはいけない。ましてや、ここで見かけた者のことを外で調べようとしたら、相当に重いペナルティが課せられることになっている。
ペナルティの詳細は伏せられているけども、若干アングラ寄りの施設なのだ。何をされるかわかったものじゃない。
(私は私の仕事をするだけ……ってね)
ともあれ、これで彼女の洗浄は終わり。
私は彼女を抱き上げて隣の部屋に運び、そこの担当者に引き渡す。
そこでは彼女が再びヒトネコになるための、ラバースーツなどが用意されていた。
「それじゃ、あとは頼むわね」
「まかせといて」
着付けは別の作業員が担当するので、私の役割はここまで。
彼女を床に下ろし、四肢を拘束していたベルトを取り外した。四肢が自由になった彼女は慌てて仰向けの状態になった身体を反転させて起こし、身体を丸めて両手で胸を隠す。羞恥に震える彼女はとても可愛らしかった。初々しい感じがとてもいい。
私は最後に彼女の頭を撫でる。
「よーし、良い子だね。縁があれば、またね」
「んにゃぁ……」
なるべく優しく聞こえるような声音にしたのだけど、彼女は恥ずかしそうに身体を縮こめるばかりだった。
ちょっと意地悪もしたし、その反応は仕方ない。ぽんぽん、と彼女の頭を優しく叩き、次のヒトネコを洗うために元いた部屋へと戻る。
(さーて、次はどんなヒトネコかなぁ)
さっきの子のような極上のヒトネコに当たることはそうそうないが、ヒトネコになろうなんていう人は大体皆綺麗で美しい。
仕事とはいえ、そんな彼女たちのあられもない格好を見られるのだ。
歪んでいる楽しみだという自覚はあった。けど、それくらいは楽しめないと健康な人間一人を抱えて洗うなんて、一般的な介護よりも大変な重労働はやってられない。
私は楽しい仕事を続けるべく、次のヒトネコが待つ部屋へと向かった。
つづく