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夜空さくら
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学園島 その1

 ある絶海の孤島に、世界中から成績優秀・容姿端麗・素行優良な学生を集めている、特別な学園があった。

 世界に通用する人材を育成することをスローガンに、全寮制で運営されるその学園には、選び抜かれた者達が集い、そしてその能力を最大限活かすためのカリキュラムに日々取り組んでいる。

 余計なものはないが必要なものは全て島の中にあり、あらゆる分野のエキスパートが育成されていた。

 島にはたまに未来の働き手を求める視察員以外は学園の関係者しかおらず、教育に存分に集中出来る環境が整っている。





 週に一度の定期便に乗って、その男はその学園がある島に――通称学園島に降り立った。

 普段は本土から運ぶ必要がある、最低限のものを運ぶためだけに運行されている定期便だが、時に学園の『視察』を目的とした彼のような男も運ぶのである。

 男は船のタラップを歩いて、島に降り立つ。

「やれやれ。飛行機くらい出して欲しいものだが……それも仕方ないか」

 男は質の良さそうなスーツを身につけていた。着こなしていないわけではないが、きっちりと首元を締めたネクタイが窮屈そうに見える。

 のどかな島の風景を見渡していた男は、ふと、港のすぐ側に立つ建物の前に、高級そうな車が止まっているのを見た。その車の側には、品の良い初老の男性が立っている。

 男はその側に足早に近付いた。

「やあ、皆口学長。学長自らお出迎えとは、光栄ですな」

 皆口学長と呼ばれた初老の男性は、糸目であまり表情は変わらなかったが、柔和に微笑み、頭を下げる。

「学園島へ、ようこそ、吹田様。お待ちしておりましたよ」

 吹田と呼ばれた男は、その恰幅の良い体を揺らして笑顔を浮かべる。

「少し久しぶりになってしまいましたがね。……良い学生が入ったそうではありませんか」

 獲物を狙う鷹のような、鋭い眼光を光らせて吹田が問うたが、皆口学長は曖昧な笑みを浮かべるだけで応えず、車に乗るように促した。

 質問を無視された形になる吹田だが、特に気を害した様子はなく、言われるまま車に乗り込む。車のガラスは中から外は見えるが、外から中は見えないような作りになっていた。少し怪しげな雰囲気が漂う。

 高級車の後部座席に並んで座った吹田と皆口学長。

「学園まで頼む。ああ、ゆっくりとな」

 皆口学長の指示に従い、運転手はゆっくりと車を発進させた。

 その後部座席で、吹田と皆口学長が言葉を交わす。

「吹田様は今回もまずは見学コースでよろしかったですね?」

「ええ。目当ての学生はいますが、まずはじっくり視察しないとね……おや」

 ふと、吹田が窓の外に視線をやった。

 その視線の先では、学園の運動部と思わしき女学生の一団が、健康的な体操着姿でまとまって走っている。ただ、その姿はほんの少し違和感のあるものだった。

 普通、同じ学園の者であれば、体操着は同じ形や色に統一されているものだ。しかしその女学生たちは、それぞれが違う服を身につけていた。

 学園の名前が刺繍された基本的な体操着にハーフパンツという者もいれば。

 陸上の選手が身に付けるような、体にぴったり張り付くタンクトップにスパッツを履いている者もいて。

 なぜかいまの時代にはほとんど採用されなくなったと言われる、古めかしいブルマを身に付けている者もいる。

 髪の長さも、同じ運動部にしてはバラバラで、長い三つ編みを揺らしながら走っている者もいれば、運動に相応しくボーイッシュに短くしている者もいた。

 一緒に走るという行動は統一されているが、その実、まるで色んなところから掻き集めたようにバラバラだった。

 実際、学園には世界中から学生が集められている関係上、バラバラなのも当然だったが、学園の色として統一する気はないように見える。

 唯一、彼女たちの意匠に共通点があるとすれば、服のどこかに被らない番号が記されていることだろうか。それが何の意味を持つのかは、その場だけでは判然としなかった。

 彼女たちが汗を搔きながら走る姿を、吹田は車のガラス越しにじっと見詰める。

「……45番と、23番。そのふたりはキープで」

 そう吹田が告げたのは、彼女たちが身に付けている服に記された番号であった。

 学園長は素早く手元にタブレットを取り出し、吹田の言った番号を入力する。

「さっそくキープしましたね」

「運動部は魅力的ですからな」

 笑顔で言葉を交わす二人。

 しかしその笑顔にはどことなく暗い影のようなものが滲んでいた。





 学園に到着したふたりは、校内を歩いて学長室へと向かう。

 その途中でも、学園の学生たちと擦れ違った。

 学生たちはそれぞれに個性があり、魅力があった。男女比率は女性の方が圧倒的に多く、二割が男性、残りが女性といった様子だ。

 数少ない男性にも、それぞれに備わった魅力があったが、吹田がキープを告げたのは女性ばかりであった。

 学長室にたどり着いたふたりは、部屋に用意された接客用のソファに腰掛け、一息をつく。

 彼らの前に、飲物が用意された。用意した学長秘書は、ふたりに一礼すると部屋を退出し、部屋にはふたりだけが残される。

 一口飲んで喉を潤した吹田は、満足げに笑う。

「いやぁ、それにしてもやはりこの島は夢のような島ですなぁ。なんとも素晴らしい女性……いやさ、学生ばかりで」

「そういっていただけると、世界各地から学生を仕入れているこちらとしても嬉しく思いますよ」

「この環境を維持するのは、並大抵の苦労ではないでしょう?」

「皆さんが喜んでくださるのなら、これくらいの労力は大したことではありませんよ。色々と便宜も図っていただいておりますし」

 言いつつ、学園長はタブレットにひとりの女学生の情報を表示する。

「さて、吹田様は今回、例の彼女をご要望とのことでしたが……」

 そういう学長がタブレットを操作すると、学長室の壁の一角にその女学生の情報が表示される。さらに、その周囲にはここに来るまでに吹田が『キープ』した女学生たちが表示される。

 情報としては、女学生達の顔写真と、所属する学年や部活動など、細かな情報が表示されている。

 それだけなら、不審な点はなかった。しかし、表示されている情報を良く見ると、身長体重などの基本データの他に、スリーサイズや性交経験の有無、一週間の自慰の回数や、好きなプレイの内容と性癖などといった、普通ならば絶対に有り得ない情報が表示されていた。

 さらに、学長が中央に表示されている、吹田の目的である女学生にタッチすると、その顔写真の映す範囲が大きく広がり、全身を様々な角度から撮った複数の写真に変わった。

 さらに、顔写真の時には身に付けていた制服が消え、全裸の写真が映し出される。当然、その写真にモザイクなどの修正などはなく、彼女の全身が余すことなく表示されている。

 綺麗なお椀の形をした美乳の、頂点にあるピンク色の乳首の形がハッキリ見え、品良く整えられた下の毛の様子までわかる。

 彼女本人が見たら、悲鳴をあげるような、赤裸々な写真だ。

 そして、吹田と皆口学長のふたりは、それが映し出されることに一切動じていなかった。

 吹田などは、明らかに性的な意味で目を輝かせ、舐めるようにその彼女の全身写真を見詰める。

「予定通り、例の彼女――井塚葵を呼びだしても構いませんか?」

 そう皆口学長に問われると、吹田は少し考え込むような素振りを見せた。

「ふむ、そうですなぁ。キープした学生達も、とても魅力的ではあったのですが……彼女の魅力には届きませんでしたからな。予定通りで」

 考え込む素振りは見せたものの、ほぼ迷うことなくそういった吹田に、皆口学長は少し苦笑を浮かべてみせる。

「まあ、吹田様の好みドンピシャですからねぇ」

 少し砕けた調子でいう皆口学長に対し、吹田は笑みを浮かべた。

「わかっていらっしゃる。まだこの学園の『裏の顔』のことは知らないのでしょう?」

「ええ。転入してきたばかりですからね」

 不穏な会話を交わす二人。

 吹田は満足そうに頷いた。

「ならば、やはり彼女ですな。他の誰かに先を越されても面白くないですから」

「わかりました。では……」

 皆口学長が手元のタブレットを操作すると、少し間があって放送が島中に鳴り響いた。

『2年B組の井塚葵さん。至急学長室までお越しください』

 そのいかにも、な放送を聞いて、吹田は楽しそうに笑みを浮かべる。

「いやぁ、これですよ、この放送。いかにも、じゃないですか。やはりこの学園は最高ですな」

「ふふ。楽しんでいただけて何よりです」

 雑談に花を咲かせることしばらく。

 学長室の扉がノックされた。そして扉の向こうから、若々しい女学生の声が響く。

「失礼します。2年の井塚です」

 皆口学長がソファから立ち上がり、歩いていって扉を開いた。

 扉の先には、先ほどまで壁に赤裸々に情報が映し出されていた、井塚葵が立っていた。

 真面目そうな黒髪を、ふたつに分けてお下げにした姿は、文学少女らしい姿で。少々野暮ったい眼鏡をかけてはいるものの、先ほどの全裸写真で考えればその下には平均値を遙かに上回る美貌があることは、吹田も皆口学長もハッキリ認識していた。

 無論、彼女本人は裸などではなく、きっちり制服を着込んでいる。その着こなしにも彼女の真面目な性格が反映されていた。

 その場にいる二人に、ありとあらゆる情報と生まれたままの姿を余すことなく見られていたことなど知らぬ彼女は、なぜ呼びだされたのか、というような不安な顔をしていた。

 そんな彼女を安心させるように、皆口学長が笑顔で彼女を学長室内へ誘う。

「ああ、井塚くん。よく来てくれました。君を呼びだしたのは他でもありません」

 そういって皆口学長は吹田を紹介する。

 それは誰が聞いても驚くような、有名企業のスカウトとしての紹介だった。企業名くらいは彼女も聞き及んでいたのだろう。目を見ひらいて吹田を見詰める。

「そんな大企業が……わたしを……!?」

「ええ。ああ、まずは話をしたいとのことです。あまり緊張せずに話してください」

 皆口学長はそう言ったが、葵の不安そうな顔は晴れなかった。

「な、何かの間違いじゃ……? だってわたし、まだ学園に来てそんなに時間経ってないですし、目立った実績も……」

「いえいえ、何をおっしゃる」

 吹田はここぞとばかりに葵に声をかけた。その表情は柔和で、裏表などないと言わんばかりの、屈託のないものだった。

「貴女の優秀な話は聞いておりますぞ。例えば――」

 そう言って、吹田は彼女がこの学園に転入するに到った過去の実績をあげていった。

「そんなことまで……」

「ええ。ぜひ貴女にお会いしたいと思いまして。我慢出来ずに時間が出来てすぐ来てしまいましたぞ」

 朗らかに笑う吹田。そこに邪気は全く見えない。

「ともあれ、まずは腰を落ち着けてください。井塚くん」

 そう言って吹田の対面のソファに葵を座らせる皆口学長。

 彼女の前に、一杯の紅茶を差し出した。

「これでも飲みながら、ね。気を楽にして、話をするとよいでしょう」

「あ、ありがとうございます……いただきます」

 お礼を言って紅茶を飲む葵。

 吹田はそんな彼女としばし、過去の実績についての話をした。

「いやはや、その歳でこれほどの実績……『素晴らしい』の一言です。ぜひ我が社に来て欲しいものですぞ」

「そ、そんな……わたしなんてまだまだ、で……?」

 不意に、葵の顔が歪んだ。

 ふらり、ふらりとその体が左右に揺れる。

「あ、あれ……? ごめん、なさ……なん、か……へんで……」

「ああ、心配することはありませんぞ」

 吹田はそこで初めて、邪悪な笑みを浮かべた。

「じっくりと――商品を見定めさせてもらいますからな」

 何か問い返そうとしたのだろうか。

 葵は口を開き掛けた、そのまま、ゆっくりとソファに崩れ落ちた。横にずり落ちそうになるのを、背後に立っていた学長が支え、ソファの背もたれに持たれ掛けさせる。

 その際、学長の手は葵の胸を、乳房を鷲掴みするような形になっていたが、葵は全く反応せず、穏やかな寝息を立てていた。

 そして持たれ掛けさせてから、その柔らかさを堪能するように手を動かしたが、それでもやはり葵は起きない。

「おや。データより少し成長していますね……また情報を更新しておかなければ」

「皆口学長。ずるいですぞ」

 言葉ほど強くない調子で、苦笑気味に吹田が皆口学長に抗議する。

 役得だと言わんばかりにしれっとした態度で、学長は吹田に告げる。

「吹田様も、これからお楽しみくださいませ。要望通りに準備いたしますので、そちらのエレベーターで地下に参りましょう」

 そう皆口学長が示した先は、入り口ではなく、学長室の奥にひっそりと用意されたエレベーターだった。

 葵を抱えて持ち上げた皆口学長と、その背後に吹田が続く。

 エレベーターは学園の校舎には存在しないはずの地下へと降りていった。


 そうして、学長室から人知れず三人の姿が消え、後には静寂だけが残った。





 その学園には『裏の顔』が存在した。

 世界各地から集められた学生たち。その彼ら彼女らは、皆『性奴隷候補』として集められた存在であった。

 外界と遮断されたその島では、例え何が起きたとしても、仮に人が一人消えたとしても、騒ぎになることはなかった。

 学生たちも時折学園にスカウトがやって来ていることは知っており、急にいなくなった学生はそのスカウトたちに連れられて島の外に出て行ったのだと考えている。

 実際は学園の地下にある巨大施設に連れて行かれ、想像を絶する調教や激しいプレイを受けているのだが、学生達はそのことを知るよしもない。

 一部の学生の中には、激しい調教を受けながら日常生活を送ることを強いられている者もいる。無論地下の施設や学園の真実は誰にも話すことは許されておらず、何も知らず暮らしている学生たちに紛れて、耐え忍ぶしかないのだ。

 そんな学園の裏側に、学園に来てたった二週間しか経っていないにも関わらず――井塚葵は早速引きずり込まれてしまったのだった。





 ギチギチ、と縄の軋む音がする。

「ンーッ! ンンーッ!!」

 くぐもった声でもわかる、必死な叫びが地下室の壁に反響していた。

 壁に設置されたハンドルのようなものをゆっくりと回しつつ、吹田は恍惚とした笑みを浮かべていた。

「ああ、いい……いいなぁ……なんとも心地よい悲鳴だ……」

「ンフーッ! ウーッ!! ウゥッ!」

 部屋の中央では、無残な姿になった井塚葵がいた。否、いた、という表現は適切ではないかもしれない。

 葵は、その身に纏っていた制服や野暮ったい眼鏡を剥ぎ取られ、生まれたままの姿にされていた。その文学少女然とした見た目に反した豊かな乳房や、薄い毛に覆われた秘部が露わになっている。

 その上、彼女は裸に剥かれただけではなく、その四肢に金属製の枷を嵌められていた。枷にはそれぞれ別の方向から縄が伸びており、その縄がそれぞれの方向に引かれることによって、彼女の体は宙に×の字になって浮いていた。

 枷が血行を遮らない作りになっているのか、手足の先が鬱血している様子こそなかったものの、引き延ばされた手足は相当な激痛を発しているらしく、彼女は全身から汗を噴き出し、涙を垂れ流して悶絶していた。

 手足は通常よりもかなり伸びているようで、今にも関節が外れてしまいそうだ。

 吹田が回していた壁のハンドルは、彼女の手足に繋がった縄を引くためのものだった。逆回転はしないように作られており、彼がそうしようと思わない限り、彼女の体を四方に引き千切ろうとする力が緩むことはない。

 ゆっくりと、吹田がハンドルを回すごとに、数ミリずつ葵の手足は引き延ばされていた。

「楽にしてほしいかい?」

 場違いなほど優しく、吹田が呼び掛ける。

「ングッ、ンンンンッ」

 葵は口枷が嵌められて自由に声が発することが出来ないが、その吹田の言葉を肯定するように、必死に頷いていた。

 吹田はそれを受け、ハンドルを回すのを止め、壁のボタンを押す。

 すると、なんと葵の四肢を引っ張っている縄が繋がっている先そのものが動き、彼女の体をぐるりと半回転させた。

「ンギッ!? ングウウウウウウウッ!!」

 力のかかり方が変わり、痛みになれかけていた葵が再度大きな悲鳴をあげる。さらに逆さまになったことにより、頭の方に血が上り始めたのか、元々羞恥と激痛で赤かった葵の顔はさらに赤くなっていった。

 そんな葵の側に、吹田が近付く。逆さまを向いたことにより、葵の顔は吹田にとってちょうど良い位置に来ていた。

 口枷の中央には穴が空いており、その穴は排水溝の栓のようなもので封じられている。

 吹田はその栓を抜き、葵の口の中を外気に晒させた。

「ンオッ、オウッ、フハッ」

 栓が抜けたことにより、葵の苦しげな声が大きくなる。その穴の縁から、どろりと葵の涎が溢れた。口枷があるために涎を飲み込むことが出来ないのである。

「ブフッ、フーッ! ンァッ、オゥゥ……」

 垂れた涎が鼻の穴に入り、噎せる葵。

 その涙と涎と鼻水でぐちょぐちょになった顔は、つい先ほどまで学長室で見せていた真面目で整ったものとは似ても似つかなかった。

 そんな葵の無様な姿を見て、吹田はにやりと笑みを浮かべる。

 そして、そのズボンの中から、逞しい男性器を取りだした。その太さと長さに申し分はなく、目の前にそんな凶悪な男性器を出された葵は目を見ひらいて硬直する。

「一発出すまで体勢は戻さないから、頑張って奉仕しなさい」

 あまりにも無情な命令を下した吹田が、逆さまになって開かれた葵の口内に男性器を挿し込む。

「ングッ、グッ、オェッ」

 男性器が喉の奥を突いたのか、びくんと体を跳ねさせて葵が藻掻く。

 だがそれは引き延ばされ、吊された自分の体を痛めつけるだけの行動になった。ギシギシと縄が軋む音だけではなく、葵の体自体が軋み、関節が悲鳴を上げる。

 吹田は容赦なく喉の奥を男性器で突きつつ、目の前に広げられた葵の女性器を見詰めた。 ぱっくりと開いた両足の間に、薄い毛に覆われた一本の筋。使い込まれた様子はなく、綺麗な形と色を保っている。

「ふふ……可愛らしいものだ」

 吹田は腰を動かしつつ、葵のスジに指を触れさせた。葵は思わず腰を引こうとしたが、逆さまに吊された状態でまともに動かせるわけもなく、ただ体が揺れる結果に終わる。

 葵のささやかな抵抗を楽しみつつ、吹田はさらに両手を使って葵のそこを大きく広げて見る。

「ふむ……まあ、これは仕方ないか」

 小さく呟いた吹田は、一端葵のそこから手を離す。葵がホッとしたのもつかの間。

 吹田は彼女のお尻側に手を回し、両手で鷲掴みにするようにお尻の肉を掴んだ。

「ングッ!?」

「ああ、実にいい。この張り、柔らかさ……肉付きが良くて、最高だねぇ」

 葵の臀部を揉みしだく。そして、両方のお尻を掴みながら、吹田は葵の秘部に口を近づけた。彼の吐息が、直接葵の秘部に当たる。

「ンンーッ!!」

 息を吹きかけられ、ぞわりと背筋に悪寒が走ったのか、葵が一際大きく悲鳴をあげた。

 そんな葵の反応を楽しみつつ、吹田は口を葵の秘部に着け、ぺろりと下でそこを舐めた。痴毛のざらざらとした感触を吹田が味わう。それは、葵はそこを舐められる感覚を与えられているということだ。

「ンッ、ングッ、フク、ゥッ!」

 その刺激に悶える葵。悶える彼女の動きが、彼女に男性器を咥え込まれている吹田にとっては、とても気持ちのいい刺激になった。

 思わず動いたのであろう舌が、吹田の男性器を舐める。その刺激に思わず力が入った結果、さらに強く喉を突かれることになった葵は、嘔吐いて上半身を吊された魚のようにうねらせてしまう。

 いまは吹田がお尻を抱き抱えるようにして、秘部に口を当てているため、結果的に支えている形になっている。

 そのため、葵が藻掻いた結果の震動は吊された四肢にかかることがなかった。

 もしそれがなかったら、葵の両足の関節は根元から外れていたかもしれない。

 だが地獄の苦しみに変わりは無い。

 葵は全身から感じる苦痛と、受け入れがたい秘部への刺激に、頭が混乱していた。

「……早く私を逝かせないと、死んでしまうよ?」

 逆さまの状態で奉仕しろというのは酷なことではあったが、吹田は許す気はなかった。

 どんどん血が溜まり、葵の顔は真っ赤になっている。そのこと自体は見えなくとも、意識が遠ざかるのは感じているのだろう。

「う、ウゥ……ッ」

 葵は必死になって舌を動かし始めた。吹田の男性器に少しでも刺激を与え、射精を促す。

 吹田もまた、葵の舌の動きに合わせるように腰を動かし、積極的に快楽を享受していた。

「ん……っ。いいぞ……! その調子だ! ほら、頑張れ、頑張れ!」

 理不尽な応援を発する吹田。

 良いように弄ばれる葵。

 やがて、葵の顔が真っ赤を通り越して赤黒くなり始めた頃、ようやく吹田が射精のタイミングを迎えた。

 むくむくと膨れあがった男性器が、葵の口内を一杯に埋め尽くす。

「ん……っ! 出すぞ!」

 そして、その喉奥に向けて大量の白濁液を迸らせた。

「グぅッ! ゴフッ! ゲボッッ」

 白濁液混じりの胃液が葵の口から噴き出す。吹田の男性器と口枷の隙間から溢れたそれは、重力に従って葵の顔や頭をドロドロに汚していった。

 大量の射精をした後、吹田は少し小さくなった男性器を葵の口からゆっくりと抜く。

 その動きに合わせ、さらに溢れた様々な液体の混合物が葵の鼻に吸いこまれていった。

「ブッ、フゥッ」

 噎せて咳き込んだ葵の鼻から汚い汁が飛び散る。

 吹田が少し葵から離れた瞬間、さらなる悲劇は起きた。

 いままで堪えていた葵の股間から、黄色い液体が流れ出したのだ。あまりの苦しみの連鎖に、葵が漏らしてしまったのだ。

 勢いのない失禁だったため、そのほとんどが葵の体を伝い、全身を余すことなく汚していく。大きなものを漏らさずに済んだのは、奇跡だった。

 逆さまのまま、全身を汚物で汚してしまう葵。

 吹田はそんな彼女の悲惨で無様な姿を、存分に特等席で堪能していた。

 しかし、さすがの吹田も、尿や胃液の独特の匂いが漂ってくると、少し顔を顰め、数歩後退する。汚物の臭いなどに性的興奮を感じる人間もいるが、吹田はそういう意味では普通の感性の持ち主だった。

「やれやれ……漏らしてしまうとはね。仕方の無い子だ」

 顔まで尿で汚れてしまった葵に向かってそう呟きながら、壁際のスイッチを押して葵の体勢を元に戻す。

 そして十分に距離を取った状態で、壁に設置された別のボタンを押した。

 すると、葵の上方から、シャワーヘッドのようなものが伸びてきて、葵に向かって容赦ない勢いの放水を開始する。

「ウゥッ、ウー……ッ」

 あっという間に濡れ鼠となった葵。そのおかげで尿や吐瀉物など、汚いものは体から流れ落ちていった。

 ただ、全身ずぶ濡れになった彼女の姿は、悲惨という他ない。

 地下室は一応空調もあったが、いまは使われていないらしく、地下らしく冷え込んでいる。

 そんな場所でずぶ濡れになればどうなるか。結果は一目瞭然だった。

 先ほどまで全身に冷や汗を搔いていた彼女は、吊された体を小刻みに震わせ、その顔からは血の気が失せていた。

 吹田はそんな葵の姿をみて、満足そうに頷きつつ、部屋の片隅においてあった謎の液体の入った缶と、それに漬けられていた道具を取り出す。

「体が冷えただろう。いま温かくしてあげよう」

 そういって吹田が謎の液体の入った缶から引き抜いた道具は、先端が幾つにも分裂した鞭――通称、バラ鞭と呼ばれるものだった。

 その鞭は縄で出来ていて、漬けられた液体を良く吸っていた。

 吹田は寒さ以外の理由でも震える葵に向かって、そのバラ鞭を容赦なく振るう。

 ばしーん、と大きな音を立てて鞭は彼女の体を叩いた。

「ングゥ――ッ!! ……う、ウウッ!? ウア、ウウ、ウウウッ!!」

 鞭に叩かれて体を跳ねさせた葵は、一拍置いて、叩かれてもいないのに体をしきりに揺すり始めた。

 彼女が体を揺する度に、その大きな乳房がぶるりと震える。

「ふふ……効くだろう? 鞭が浸されていた液体はね、一種の痒みを生み出すのさ。ああ、そんなに強い毒性じゃないから、目や口に入ったとしても平気だし、ちょっとかかった程度じゃ問題ないが……それを染みこませた縄の鞭で叩きつけると、良く効くだろう? 叩かれたところに、ミミズが這い回るような不快感があるはずだ」

「ングッ、ンンンーッ!!」

 その吹田の言葉を肯定するように、葵の体がびくんびくんと跳ね回る。吊された状態で体を揺らすと、それはまるで不格好なダンスを踊っているかのように見えた。

「しかし同時にそこに熱を帯びる。だから、叩かれたところだけ温かく感じるだろう?」

 無論、温められているわけではないので、錯覚のようなものなのだが、温かく感じる、ということに嘘はない。

 異常な感覚の暴力に、葵の精神は縮れて霧散する寸前だった。

「とりあえず百回、耐えるがいい!」

 ギリギリのところで翻弄される葵をいたぶるように、バラ鞭を振るい続ける吹田。


 葵の悲鳴と、縄と関節が軋む音。

 そして容赦のない鞭の奏でる炸裂音が、しばらくの間、地下室に響き続けた。





 ようやく葵が解放された時、時刻は夕方をとっくに過ぎていた。

 全身に鞭打ちの跡が残り、全身の穴という穴から色んな液体を垂れ流し、地面に横たわる葵。

 葵をそんな風にした元凶の男――吹田はどこにもいない。

 つい先ほど、彼を呼びに来た学長に伴われ、地下室から出て行ったからだ。

 やるだけのことをやられて放置された葵の元に、学長の秘書がやってくる。

 彼女は葵の側にしゃがみ込むと、その鼻の前に小さな瓶の蓋を開けて差し出した。

「――フグッ!」

 するとぐったりとして気を失っていた葵が体を跳ねさせ、起き上がる。

 アンモニアのような、気付けに相応しい薬がその小瓶の中には入っていたのだ。

 蓋を閉めながら、学長秘書の女性は告げた。

 学園の『真の顔』としての言葉遣いで。


「お疲れさまです――葵さん。今日の『プレイ』は終わりです」


 一瞬唖然としていた葵だったが、秘書からその言葉を聞くと、ふにゃりと顔を緩ませた。

 社長秘書が彼女の口枷を外すと、どろりとした唾液を吐き出しつつ、大きく息を吐く。

「はー……うん。死ぬかと思った……ねえ、『転入』して、いきなりこれって、酷くない?」

 その葵の言葉に、学長秘書は苦笑いを浮かべる。

「それは……申し訳ありません、としか言えませんね。葵さんの容姿や性格設定が、吹田様の好みに非常に合致していたようでして……」

 枷を取り外しつつ、学長秘書が告げると、葵はもう一度溜息を吐いた。

「うーん、まあ、しょうがないとは思うんだけどさ-。もうちょっと一般学生としての日常も楽しんでおきたかったなー、って。これでわたしは『真相を知る学生』役でしょ?」

「そうですね。そうなります」

「それはそれで楽しそうではあるんだけどねぇ……明日からも暫くあの人が相手?」

「ええ。吹田様の滞在時間は三日となっております」

「うぇぇ……あの人に三日間やられるのか……相当キツそうだなぁ」

 やれやれ、と葵は呟きつつ、特に彼女に悲観した様子はなかった。

 吹田に嬲られていた時に見せていた絶望しきった様子など微塵もない。

 それはある意味、当然だった。





 学園島の『裏の顔』とは。

 この島を訪れた者は、学園に通う学生たちを性奴隷候補として、全世界から集められた逸材達を、好き勝手に陵辱することが出来る、ということ。


 学園島の『真の顔』とは。

 この島に集められた学生たちはいずれも、無情に、非常に、乱暴に扱われることを望んでいる、いきすぎたマゾヒストたちばかり、ということだ。


 学園島は、両者の暗黙の合意で成り立っている――いわば盛大な性のテーマパークなのだから。



つづく


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