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カゴノヒト 最終話③ 「加護の人・トワノカゴメ」

■ あらすじ:拘束プレイ愛好者の十和野カゴメは、ある日自縛プレイのミスにより死んでしまう。その寸前、異世界の神によって加護を経て異世界転移を果たした。異世界で冒険しながらも、貰った加護で拘束プレイの追及に余念がないカゴメ。その周りには徐々にその意思に賛同する仲間が集まって行って――ありがちというにはあまりに異質な異世界冒険奇譚。


■ 本編は全体公開で連載していく予定ですが、それ以外で書きたくなった「おまけ」シーンは支援者様向けに公開予定です。そちらも合わせてお楽しみいただければ幸いです。


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 冒険者たちが守る陣に、次から次へと大小問わず多くの魔物や獣が突撃してきていた。

「倒す必要はない! 逸らせば十分だ! 無理はするな!」

 ギルドマスターの指示が飛び、それに従って冒険者たちは魔物たちを倒すのではなく、直進しづらいように槍衾を構え、魔法障壁を展開し、魔物たちを次々横へと逸らして行っていた。

 知能の比較的高い魔物は冒険者たちが陣を構えているのを見ると、あえてぶつかってくるようなことはせず、左右に避けて逃げていく。彼らは別に人間や街を襲いに来たわけではなく、火山龍から逃げているのだからその判断は当然だった。

 しかし知能の低い魔物や、本能に従ってくる獣はその限りではない。

 幾種類もの敵性存在が、陣に向かって真っすぐ突っ込んで来ていた。

 『三日月』の魔法使い、サマンサがそのラバーケープをはためかせ、その下に隠れていたラバースーツがぴっちり張り付いた身体を晒して顔を赤くしながらも、強力な魔法を唱える。

「喰らいな!」

 彼女の杖から発された氷塊は、まとまって突進しようとしていたイノシシもどきを数匹押し潰し、左右に散り散りにさせた。

 そのうち一体がなおもサマンサに向かって突撃してきたが、それは『三日月』のリーダー・リオルが対処した。彼が着ているライダースーツのようなものも、カゴメが創り出したもののため、加護を宿している。

「うぉりゃああ!!」

 気合い一閃。

 横向きの蹴りを放ち、イノシシもどきの頭部を打ち抜く。

 加護の力で強化されたリオルの蹴りは、イノシシもどきの頭部だけをサッカーボールのように吹き飛ばした。

 続いて襲いかかってきた別のイノシシもどきは、飛びかかろうとしかけたところで急にもんどりうって倒れ、泡を吹いて死んでしまう。

 透明化して潜んでいたクルナエルが毒針を打ち込んだのだ。

「よし! やれそうだな」

「いまはなんとかやれてるけど……これまずいんじゃないかい? 魔力や体力は無限に続かないよ」

「いや……比較的賢い敵は陣を逸れてる」

「ああ、レッサーデーモンの大群が現れた時は犠牲を覚悟したが……あいつらも火山龍から逃げたいだけだったのが幸いしたな」

 レッサーデーモンは『三日月』のような、一般的な冒険者のグループが死力を尽くして戦うような存在だ。加護が付与された装備を着ているいまなら、二、三程度はなんとかなるかもしれないが、数十体ものレッサーデーモンを相手するには冒険者も数十単位で必要になる。

 最悪はそうなっていたかもしれないことを思ってか、サマンサはぶるりと身体を震わせた。

「そういう奴らも相手してたら、さすがに保たなかっただろうねぇ……」

 サマンサはそうぼやきながら、魔力を回復させるポーションをがぶ飲みする。そのポーションは魔力を素早く回復する代わりに、その分の水分も多く取ることになるため、飲み過ぎるとすぐに催してしまうのが欠点だった。

 しかしサマンサが着ているラバースーツには、膀胱に溜まった尿を随時処理出来る機構があるため、そのデメリットはあってないようなものになっている。

「ふぅ……しかし、これが済んでも、相当長い間、こいつは脱げなくなっちまうだろうねぇ……」

 魔法を使えば使うほど脱げなくなる時間は増えてしまう。

 出し惜しみ出来るような状況でもないため、使わざるを得ないのだが、それは極めて大きな不利益だった。

「……元々、割と気に入ってなかったか? 特に必要ない時もラバースーツを着ていたような」

「おい、クルナエル!」

 そう指摘したクルナエルを、リオルが窘めた。

 しかしすでに言いたいことはすべて言われてしまったあとだったため、サマンサの顔は茹で蛸のように真っ赤になる。

「なっ、ばっ、そんなわけないよ! 単に、そう単に着替えるのが億劫だっただけさ!」

「わかってる! わかってるから大丈夫だサマンサ!」

 リオルが取り成して場を収める。

 俯いて真っ赤になった顔を隠しながら、サマンサは周囲の警戒を続けた。

「まったく……とんだ誤解だよ……」

 ぶつぶつと呟く。そんな彼女にクルナエルは何か言いたげだったが、その身体を再び透明にして、潜み直した。リオルは何とも言いがたい顔で前衛に立ってサマンサの顔を見ないよう配慮していた。

 そんな三人の近くの木々が揺れ、新たな魔物が出現する。

 現れたその魔物の姿を見て、三人は即座に警戒度を最大に引き上げた。



「ギルドマスタ-! ハイトレントが出現! 『三日月』が食い止めていますが、長くは持ちそうにありません!」

「なにぃ!? 近くのグループを救援に向かわせろ!」

「了解! 『白蛇組』と『銀翼』に援護に向かわせます!」

 迅速に指示を下しつつも、ギルドマスターは忌々しげに唸った。

「ハイトレントは本来森の奥から出てくるような魔物じゃねえんだけどな……向こうのテリトリーじゃないだけ、マシか」

 トレントは動く樹の魔物の総称だ。その中でもハイトレントと呼ばれる魔物は、人間と意思疎通が出来るような知能こそないものの、独自のルールで動く知能があり、魔法も用いてくる強敵だ。

 何より大木そのものが動くということは、それだけで脅威だ。大きくて重い物が動くというのが脅威なのは、火山龍の規模でなくとも同様なのである。

 太い枝による打撃攻撃だけでなく、無数の細い枝を鞭のように振るい、絡め取ってくる手数の多さも厄介な点だった。

 火で焼き払おうにも、実際の生木が火を着けても中々燃えないように、大魔法でもなければハイトレントに火が点くことは中々なく、点いたら点いたでその高い生命力が尽きるまで、燃えさかる身体で暴れ回るのだ。

 大抵は衝突を避けるし、どうしても必要な時は複数の冒険者グループが十全な準備を整えて対応するような魔物である。

「……進行方向にデカい火を焚いて逸らすことは出来ると思うか?」

「おそらくですが、準備が間に合いません。ハイトレントは多少の火をものともしないのはわかっていますし、急ごしらえの焚火では魔法で鎮火されてしまうでしょう」

 ハイトレントの弱点は起動力の低さだ。ゆえに移動の際には必ず最短距離を行こうとする。その習性も相成って、いま一番出て来て欲しくなかった魔物であった。

「ええい仕方ない! ハイトレントに戦力集中! 予備戦力を全部回せ! 他が薄くなるが、そこが突破されたらどうせ同じことだ! 最速でハイトレントを仕留めろ!」

 本来ならじっくり時間をかけるべき相手である。

 だがギルドマスターは、ハイトレントに戦力と意識が割かれ続けることを避けるべきだと判断した。

 いまのところは冒険者たちが、カゴメの分け与えた加護付きの装備も活かして、それぞれうまくやっているが、戦いが長引けば長引くほど全体の戦況は不利に傾く。

 ギルドマスターは陣の最奥、カゴメが拘束されつつある様子をちらりと見た。

 普段のギルドマスターであれば、かつてカゴメがいた世界でならセクハラに当たるような軽口のひとつでも叩いただろうが、切迫した状況でそう言うほど彼は無作法な人間ではなかった。

「……頼むぞカゴメ。間に合わせてくれよ」

 その呟きには、彼女に対する後ろめたい気持ちも、わずかながら含まれていた。





 両腕が、全く動きません。

 合掌縛りの如く、手首がうなじに付くほどに捻りあげられただけでも苦しいものですが、今回はその拘束は縄ではなく金属の枷によって行われています。

 いくら私が力を込めても枷はぴくりともせず、腕を固めてしまっていました。

「ぃ、ぎぃ……っ!」

 苦痛に耐えかねて身体をゆすると、腕がミシミシと音を立てて軋むのがわかります。

 思わず深呼吸をしようとして肺を膨らませようとしたら、胸の上下を絞り出すように抑えている金属の枷が身体に食い込んで来ました。

 もう満足に息をすることもできないのです。呼吸の度に激痛が走り、目の前で星がチカチカと瞬いているようでした。

「ふひぃ……っ、ふひっ……ぃ!」

 少しでも腕が楽なようにと、両手の指は絡めていたのですが、その指の一本一本が急に無理矢理開かされました。

 きちんと拝むように左右の指同士が合わさったかと思うと、その指のひとつひとつが、連結された指輪のようなもので固定されてしまいました。

 人差し指は人差し指と。中指は中指と。

 それぞれに嵌めた左右の指輪同士が連結しており、それは指が曲がらないように一組の指に対して二つの指輪が嵌められていました。

 私の手は指先に至るまで――正確にいうならば親指を除く指の先端だけは、痙攣程度には動かせましたが、それは動かせるうちに入れられません――動かせなくなってしまいました。

(……っ! 我が加護ながら……ここまでディテールに懲りますか……!)

 指先までの自由を奪いたいのであれば、それこそ指先が分かれていないラバーグローブでも被せればいいだけのはずです。それをわざわざ、金属の指輪で行っているところに、執念のような拘りを感じます。

(確かに、そういうグローブを嵌めるだけなら、やったことありますしね……加護でしか出来ないこと……ではあるのでしょう、けど……!)

 グローブでの拘束はまだまだ動かせる余地がある拘束方法だったのだと、私は実感していました。金属の強固さで固められている私の指先は、石のようになって動かせません。

 ただ、純粋に固められているのとも違い、それは確かに拘束されている感覚を生じさせていました。

「ふっ……ふぅ……ふぅ……!」

 腕が固定されただけなのに、私は額に滝のような脂汗を掻いてしまっていました。腕が軋み、激痛を発しているためです。

 そんな私を、下に控えてくださっているナギさんが、不安そうに見上げていらっしゃいました。

(ああ……ナギさんに心配をおかけしてしまって……いますね……)

 これまでナギさんの前でしてきたプレイで、私がここまで顔を歪めたことはありませんでした。いままでのプレイが温かったわけではないのですが、今回のプレイは私が施したものなのに、私の想像を超えた苦痛を生み出していたのです。

(大、丈夫、ですよ……ナギさん)

 この苦痛を乗り越えた先に、きっといままで以上の快楽が待っているはずですから。

 私はそういう想いを込めて、ナギさんに向かって微笑みました。

 私の意図は伝わったのか、ナギさんの心配そうな表情の中に、若干の呆れの感情が混じったような気がしました。

 確信を持てなかったのは、私の方にその余裕がなくなったためです。

 直立不動の状態で固定されていた脚の先、足の指にひやりとした感触を感じました。

 まだ首から上は自由に動かせたので、俯いて足先を見てみると、足の指が開いた状態で固定されていました。

 足の指それぞれに、手の指と同じような指輪が嵌められています。それらの輪は左右で五つずつが連結していて、私は足の指を開ききった状態のまま、閉じることも曲げることも出来なくなっていました。

 足の指まで拘束しようとは、私の望みはどこまでも徹底しているようです。

 その足の指輪の、足の甲側にあたる部分から、鎖が伸びていきます。五つの鎖は五つまとめて束ねられるように編まれ、十分な太さを有した状態で背中側へと引き上げられていきます。

 そうすると私は自然と足を曲げることになり、足の長さが半分になってしまいました。

 背中側はさすがに見えませんが、鎖は極短い長さで腕の拘束具と連結されたようです。まっすぐ上向きではなく、斜め上へとテンションがかかっているため、踵が腰の横に来るような形になっていました。

(これくらいは……まあ……平気ですね……)

 私は極端に身体が柔らかいというわけではありませんが、正座の状態からお尻を地面につけることが出来る程度の柔軟性はあります。なので、足が折りたたまれた程度では特に苦しみは感じませんでした。

 足の指を開いた状態でそういう体勢を取ったことはなかったので、足が吊ってしまうのではないかとひやひやはしましたが。幸いそういう類いの痛みは生じませんでした。

 次はどんな拘束が出現するのか待っていると、足の付け根と足首をまとめて引き絞る枷が出現しました。柔らかい太ももに固い金属の枷が食い込みます。

「ん……っ」

 鎖で引っ張られていた時からそうでしたが、これで完全に足をまっすぐ伸ばすことが出来なくなりました。

 次に出現したのは、足の膝を覆うプロテクターのようなものです。プロテクターと先ほど出現した足の付け根に食い込む枷は鎖で連結され、プロテクターが外れないように固定していました。

 膝の皿を覆う形のプロテクターの先端、膝から鎖が伸びて、左右の膝がそれぞれ斜め下へ引かれます。

「……あっ」

 思わず声が出てしまいました。

 左右の膝が斜め四十五度で引っ張られた結果、私は股間を九十度――直角に開く姿勢になってしまったのです。

 私の股間はラバースーツが覆っているとはいえ、スーツは肌にぴったり張り付いています。凹凸の陰影ははっきり見えてしまっているでしょうし、下手をすれば穴の位置までわかってしまうかもしれません。

 いままでも拘束姿を人の目に晒したことはありましたが、股間を開けっぴろげにするこの姿勢はさすがに恥ずかしく、顔に熱が集まるのを自覚します。

(うぅ……こっちを見ないでくださいよ……?)

 周りには冒険者の皆さんがたくさんいます。押し寄せる魔物の対処でそれどころではない人が大半でしたが、中にはナギさんのように私の方を見ている人もいました。

 視線が集中する感覚に、思わず身体が震えてしまいます。

 手と足の拘束が終わった段階で、私はいつもに比べても相当感じてしまっていました。

 腕の拘束は厳重で身もだえするほど辛いものではありましたが、ひとたび波が過ぎてしまうと、痛みよりも自由を剥奪された快感の方が大きいのです。

 むしろ、いまだに頭にじんじんと響く痛みが時を追うごとに高まっていくような、そんな感覚になります。

 空中で「人」の漢字のような体勢になった私。

 そんな私を空中で磔にするべく、増したの地面から棒が伸びて来ました。その棒の先端を見た私は、それが見た覚えのある形状をしていることに気付きます。

(あ……これって……)

 燭台のように枝分かれした先端と、その男性器を思わせる先端の形状は、娼館のヤロスワラー……ラワちゃんがナギさんに体験させたのと同じものでした。

 あの時、二本に枝分かれした棒の先端はナギさんの口と肛門を同時に貫かれてしまっていました。

 今回も先端は二つに分かれていましたが、私の体勢はあの時のナギさんのように身体を逸らして三日月状になってはいません。

 真下から突き上げてくる時点でわかっていましたが――その二本の先端は、私の膣と肛門を同時に貫いてきました。

「んぎぃ……ッ!!」

 その部分だけラバースーツに穴が空き、私の身体の中に直接それが入ってくるのがわかります。根元付近が燭台の受け皿のように広がったかと思うと、私の股間を覆う貞操帯のように広がり、どうやっても抜けないように、金属製のパンツを履かされたような状態になっていました。

 外からは見えなくなりましたが、内部の感覚がハッキリしている私は、思わず身体を跳ねさせて悶えるほどの感覚を覚えていました。

「う、うぁ……! ああああっ!」

 私の中に入り込んだ棒は、私の身体の中をどんどん進んでいたのです。

 膣の方はすぐに行き止まりに――子宮口に到達したはずですが、先端がさらに細くなって硬く閉じている子宮口の中にまで入り込んで来ます。

 成人向け漫画では稀に子宮口の中までペニスが入り込む演出がありますが、普通そんなことはありえません。子宮口というのは硬く閉じているのが普通で、それを無理矢理押し広げでもしたら激痛が走るためです。

 そう、こんな風に。

「いぎっ――ああああああああああ――ッッッ!!!」

 身体が無理矢理割かれるような激痛が私を襲い、堪えらずに私は悲鳴をあげていました。

 視界が真っ白になってグラグラと揺れます。ナギさんが私の名前を叫んでいるような気もしましたが、聞いている余裕はありませんでした。

「あああああッ! うぁっ、うぇっ、ウ、げぇえッ」

 あまりの激痛に口から吐しゃ物が出てしまったのがわかります。折角マリエッタさんが作ってくれたご飯を吐き出してしまい、申し訳がない気持ちになります。

「う、あ……お、っ――ごぉっ!?」

 ずん、と身体の奥から突き上げられる感覚が生じます。無理矢理子宮口を押し広げた先端が、子宮壁を押し上げたのだとなんとなく察します。その先端が風船のように膨らみ、子宮を無理矢理に妊婦の如く広げ、お腹がぽっこりと内側から盛り上がって来たのを感じました。

 圧迫された膀胱から尿が噴き出したと思いますが、それはラバースーツが吸収して、垂れ落ちるようなことはなかったようで、少し安心します。

 ただ、枝分かれした先端がさらに枝分かれし、膀胱の中にも入り込んできたようで、漏らしてしまったはずなのに、異様な焦燥感が生まれます。

「おぁ……う、あ……ああ……」

 死ぬほど苦しい状態なのに、まだ先端が齎す暴挙は続いていました。

 肛門の方に入り込んだ先端は、際限なく潜り込んで来ていたためです。膣の方は子宮で止まってくれましたが、そちらの方はまだまだ入り込んで来ていました。

 身体の中を蛇が這いまわっているような、そんな感覚です。何度も嘔吐を繰り返し、胃液も出なくなってしまいました。

(あの時……上からでしたけど……ナギさんも同じようなことをされていましたが……こんなに、辛かったなんて……)

 ナギさんの時はラワちゃんが苦痛を感じないように、魔法で体を柔らかくしてくれていました。

 体内を物理的に拘束する――確かに憧れていた手法ではありましたが、ここまで苦しいのは想定外です。

(意識……が……ッ!?)

 気絶しそうになって薄れた意識が、無理矢理覚醒させられました。

 子宮内を埋め尽くした先端が、バイブのように振動したのです。身体の内側をハンマーでぶっ叩かれたような、強すぎる刺激が私を襲います。

「んぎぃ……! もう、だ、めぇ……っ」

 これまで激しい拘束にも成れてきたつもりでいた私でも、体内拘束はあまりにも辛く、厳しすぎました。

 勝手に涙がボロボロ零れ、苦しみに叫んで鼻水や涎を垂れ流してしまいます。

 けれども、どんなに後悔しても、一度始まった拘束は止まりませんでした。

 やがて、みちみち、と喉の奥から異様な音がして、あげていた叫びが内側から押し潰されます。

「おご、ぉ、ぉ、ぅ、ぁ……ッ!!」

 私は首を仰け反らせ、出来る限り上を向きます。

 喉が下から盛り上がり、太い何かが口から突き出されます。


 とうとう私は、肛門から口までを一本の棒で貫かれてしまったのです。


 まるで串刺し刑に処された罪人の気分でした。もちろん殺すことが目的ではないので、死ぬことはないのですが、それは死ぬほどの苦しみがずっと続くということでもあります。

 口から飛び出した先端は、私の口の中で膨らんでボールギャグのように私の口に噛み、声をあげることも出来なくしました。

「う……ぁ……ぁ……」

 モズのはやにえのようになった私は、小さな呻き声をあげるのが精一杯で、呼吸すらままなりませんでした。

 すると、口から飛び出した先端の一部が、さらに大きく広がり、仮面のようになって私の顔面に覆い被さってきました。

 フェイスハガーのようですね、と私が頭の片隅で思うと同時に、私の視界は完全に閉ざされてしまいます。顔にそれが張り付いて、目も、鼻も、そして耳も覆ってしまって、全ての機能を失わせてしまったのです。


 こうして私は――身体の全ての自由を失い、感覚もすべて剥奪された無音の暗闇の世界に――拘束されてしまったのでした。



エピローグにつづく





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