花園パンデモニウム(終)
Added 2021-03-31 06:36:09 +0000 UTC俺の毎日に今日はなく、昨日はなく、明日はなく、ただただ繰り返される凌辱の変奏で埋めつくされていった。 壊れたら捨てられる。そんな恐怖ととてつもない巨体の肉感に襲われながら、これまでと同様俺はなぶられるだけの日々を送る羽目になったのだ。 いや、或いはこれまで以上だったかもしれない。 「ん、……朝、ですか」 以前のように、俺は爆乳という凶悪なベッドに圧し包まれて過ごすことになっていた。無論、ろくに眠れるはずもない。少女のたわわに実った巨大な乳房、その見た目の麗しさからは想像もつかないほどに住環境は壮絶だ。押し花さえ作れてしまいそうな圧力と旺盛な代謝は俺を苦しめ、その極上の柔らかさと香り高いアロマは俺を酔い狂わす。指を差し込めばぎっちり抜けなくなるような谷間だ、当然のことだった。そこに閉じ込められて、毎朝生きていることに驚嘆する日々。これを絶望と言わずしてなんとしよう。 「おはようございます。生きてますか~?」 乳房をこじ開け、まだ寝起きの、湿っぽい声でレティシアが言う。レティシアこそ軽口のつもりらしいが、こっちとしては冗談ではない。丸々とした乳、それの密着面で呼吸さえままならない中濃密な少女の香りだけが充満するのだ。悶えるような密閉空間が、寝返りの度、呼吸の度、柔軟に形を変えて俺を弄ぶ。拷問だった。 汗でぐっちょりとした主人を、メイドが無理やり引き抜く。勃起したペニスに乳肌が擦れて思わず声が出るが、斟酌してくれるレティシアではない。きゅぽんっと音がしそうな勢いで俺を抜き出し、そのままシーツに立たせた。 シーツの雲海からはるかに伸びていく寝起き美少女の巨体。何度見ても慣れない100倍体格差には、何度見ても気圧される。他方レティシアはぐぐっと伸びをして、何気ない風で地面を揺らすだけだった。 「今日はどこにしましょうか? 手? 胸? お尻?」 そして、俺自身に今日の牢獄を決めさせるのだ。調教された俺の体は、そこを示されるだけで反応するまでに躾けられていた。俺を圧し潰した指先。俺を挟み潰した谷間。俺を座り潰した巨尻。レティシアの全身を覚え込まされてしまい、もうどこを見せつけられてもその記憶がフラッシュバックしてしまう。そしてその反応次第で、レティシアはその場所を差し出す。 「今日は胸みたいですね? あはっ、さっきまで潰されてたのにまだ足りないんですか? ヘンタイ♡」 クスクス笑いながら、ブラを解いて寝転がって見せる。そうして俺を乳房のふもとに立たせると、自発的に這い上ってくるのを待つのだ。 目の前にどゆんっとそびえる巨大な乳房の山。わずかにツンッと上を向いたそれは俺など一顧だにせず左右に流れ、鼓動の度わずかに震えている。並の劇場なら占領してしまえるような乳は、一瞬確かに俺を自失させた。 「……くそっ」 それでも、いつまでも呆けている訳にはいかない。 俺は谷間から肋骨の段差を登ると、デコルテへと歩みを進めた。まだ寝ぼけたような甘い体温で肌はしっとりとしていて、肌に吸い付いてくるほどに瑞々しい。そして鎖骨の方まで迂回してから、乳首の方へと進み出るのだ。 「近すぎてもう見えませんね。まだですか? ふふっ、女性の胸を這いまわる虫に話しかけるなんて、なんだか変な気分♪」 「話すな、ゆ、揺れる……!」 ボリュームのあまり、囁くような声でさえふるふると揺れる乳。慌てて乳肌に這いつくばり滑落すまいと全身で張り付く。それが一層面白いらしく、含み笑いでなお乳は揺れたまま。けれど、いつまでも待たせるわけにはいかない。早くしないとそのままブラを着こまれ、もっとも乳圧の高いところで挟まれる可能性があるからだ。そのまま一日中歩き回れたらどうなるか、骨の髄まで俺は知悉していた。 だから、サクランボのような小さくぷっくりした乳首に抱き着いて。 そのふくらみの影に隠れるほかなかったのだった。 「じゃあ着てしまいますね。……脱いだら血シミになってたりしたら笑っちゃいますね♪」 そう言って、左右からブラカップを寄せるレティシア。紫色のセクシーな半球が空を覆ったと思うと、一気に俺へ密着してくる。染み込んだアロマが少し冷えている分、下着の中に忍び込んでいる感覚が生々しい。けれど、そんな感慨も束の間。フロントホックを止めようと乳を寄せ付け始めれば、一気に乳圧が高まるのだ。ブラ特有の、まろやかな質感のパッドが俺を包み込む。もう、乳頭さえ少し形を変えるほどだ。 「ぐっ、乳首に挟まって、ッ……!」 一方どうも具合がよくないらしく、ブラをずらしたり肩紐を調整したりしているレティシア。それから突如手をカップの中に突っ込むと、掬い上げるように下乳を持ち上げ始めた。 「何を、……わああ?!」 キツキツだったブラ内に隙間ができ、一気にカップの表面を滑り落ちる小虫。そしてそのまま手を引き抜けば、降ってくるのはあの丸々とした爆下乳で── 〈ん、こんなところかしら……〉 “ドサッ!”と重力に任せて降ってきた巨乳、それがブラに受け止められ“たぱぁ……♡”とたわむ。その球面の底で、小人を張り付けて。 (ぐっ、し、死、ぬッ……!!) 対してレティシアはまだもう片乳と対話しているらしく、俺のいる方の腕で乳を上げたり、揺らしたり。そして二の腕で乳房を潰すものだから乳圧はいや増して、俺に悲鳴を上げさせるのだ。 最後に、ブラ紐を調整し、パッと手を離す爆乳メイド。そうすれば“ばるるんっ♡”と乳が揺れ俺を打ちひしぐ。もっとも加重のかかる場所に俺を閉じ込めたまま、おっぱい監獄が誕生してしまったのだ。 〈うん、いい感じですね♪ どこにいるかわかんないですけど、ま、いいですよね?〉 クスクス笑いながらブラ越しに乳を撫で、たゆんたゆんと揺らして見せるのがいかにもレティシアらしい。 そして一日の仕事へ向かうのだ。 俺がどうなるかなど、考えもせずに。 ──けれど、まだ、まだそれは温情というものだった。 靴の中やタイツの中、ショーツの中に閉じ込められた時がどれほど過酷かを思い返せば、まだ死の恐怖は薄かったからだ。なにより、むっちむちの乳に下敷きにされ跳ね回られ、ずっしり重いシリコンのような感覚を叩き込まれる、それが快楽でないわけがなかった。跳ね回る、Gカップはありそうな100倍おっぱい。たっぷんたっぷんミルクの揺れる音さえ聞こえてくる乳肌からは、少しずつ汗とアロマが染み出して世界を甘く蒸れさせる。そして、乳にめり込むペニスへ絡んできては、俺の理性を蒸し殺すのだ。 それは過酷で、甘美で、被虐的な快感をもたらすのにはもってこいの空間だった。 何より、ふかふかのブラはクッションとしては優秀で、いかに乳が暴れ回っても一定の緩衝材にはなってくれた。 だから、まだマシというほかなかったのだ。 だって、少なくとも下着や靴に、守られてはいたのだから。 ⁂ 更なる地獄が訪れたのは、ふとした瞬間だった。 〈そういえばまだ、逃げたオシオキをしていませんでしたね?〉 不意に脚を止め、思い出したようにそういうツインテ娘。それからブラの中に手を突っ込むと、トロトロに蒸しあげられた俺を息で叩き起こした。 「ジルやリリーに飼われていたのは知ってますけど、ずいぶん長居なさったようですし」 「な、何をいまさら……」 「私から逃げられると思ったんですか? ばぁか♡ 躾が必要ですね♡」 そう言って足と腕を摘むと、ピンっと張って俺を上下に引き延ばす。そうなれば俺はまるで小さな糸きれ。背骨がぽきぽきと不穏な音を立て、俺を悲痛に叫ばせた。 このまま、上半身と下半身に引き裂かれてしまうのだろうか? このまま、糸くずのように引きちぎられ、儚くも散ってしまうのだろうか。それなら、まだ乳房で叩き潰された方がマシだった……。 そう思った矢先、 「……そうですね」 何か思いついたのか、体の張力が和らいだ。 「少し趣向を凝らしてみましょうか」 それから再び俺を摘まみ直すと。 指に灯ったのは、あの面妖な光。あの、巨人種だけが持つ未知の力だった。 「まっ、まさかもっと縮めるつもりか!?」 「その方がよかったですか?」 「なんだって……?」 「縮めるしか能がないなんて思わないことですね♪」 恐慌状態に陥る俺を、レティシアはクスクス笑って嘲るだけ。 そうする間にも光は俺を包み込み……。 だのに、変化の兆しが見られない。 「どういうことだ……?」 「こういうことです♪」 そう言って足を上げると、俺へつま先を押し当ててるレティシア。そして── 「うふふっ♪ 伸びちゃえ♡」 俺を、ゴムのように引き延ばしたのだ。 「…………え?」 それは、常軌を逸した光景だった。体が風船のように膨らみ、少女の素足を包んでいくのだ。ぴっちり少女のつま先に張り付くように体が薄膜へと変化していき、真っ白にその色を変えていく。そのまま靴下のようにぎっちぎちに延ばされて、足首を、ふくらはぎを膝を太ももを包んでいき、まるで、まるでその姿は……。 「ふふふっ♡ どうですか、体を白タイツにされていく、き・ぶ・ん♡」 それは、痛みでも苦しみでもない独特の感触だった。体が繊維になったと思えば、少女の素足や生脚にぴっちり張り付いていくのだ。全身で少女の美脚に抱き着いて、股へ尻へと進んでいく。そして片脚にすっかりまとわりついてしまうと、今度はもう片足を突っ込まれて白く光沢をもつ俺の体。レティシアのスラリと長い脚が俺に入ってくる。無理やり俺を無機質に変えていく。叫ぼうったって無駄なこと。もう口も体もなくして、白い繊維の網に変わってしまったのだ。 (そんなっ、どうすれば、た、助けて……!!) スルスルと、美少女の下半身型に変わっていく狂気的感覚。あまねくその造形美を教え込まれ、はち切れんばかりに伸長していくとてつもない絶望感。けれど同時に感じてしまうのは、下着として美少女様に穿いてもらえる、抗いがたい多幸感だった。俺の一本一本が悲鳴を上げるほどに膨らませられ、これ以上なくレティシアに食い込ませてもらっている。吸い付くような肌が体表面すべてに密着してきて、第二の皮膚へと俺を変えていく。しかも、今のレティシアはノーパンで直穿きタイツ、その尻に股にみっちり張り付いて、直接性フェロモンを浸透させられていくのだ。道具として使われる悦びは、俺の理性を徐々に侵略しつつあった。 そして、パチンッと口を閉じてしまえば。 「んっ♡ すっごいフィット感♡ これから一日、た~っぷり穿き潰してあげますね♡」 “たしっ”と巨尻を鷲掴みにし、己の肉感を知らしめる巨人種メイド。そのぎっちぎちの尻肉で、既に極薄の体がダメになっているのがわかってしまう。脱いでもらってももう、その爆尻によって俺の体は伸びきってしまって戻るまい。しかも、既に少女の活発な代謝で俺の内側は蒸れ始めている。一日たてばどうなってしまうのか。 「侍女の下着にされた気分はどう? 誰にも気づかれず、声も出ないで穿かれ続ける……すっごく無様ですね♡ 私の下着、すぐヨレヨレになってしまうんです。せいぜい破れないよう頑張ってくださいね? ご主人様♡♡」 地獄はこれから。 そう思ったとき、流れるはずもない涙が太ももに沿って一筋、流れた気がした。