SamSuka
夏目なつめ
夏目なつめ

fantia


学割縮小インモラル

§  この部屋に昼はなく、夜もなく、ただ茫洋とした宵口だけが広がっていた。  俺は眠る。裸のまま、どこまでも続くシーツの海に埋もれるように。  いつまでもこうしていたい。泥のように眠る、この時間だけは何物にも代えがたい。  だが、そんなものは夢のまた夢。 「お客さんですよ」  そんな声に、ビクッとまどろみからたたき起こされる。  奉仕の時間らしかった。 「10時間コースです。道具ありで本番あり。それじゃ」  それだけ言うと、立ち去ってしまう女性従業員。俺は身をもたげ、出迎えの準備をする。ベッドを整え、申し訳程度に髪を直し。そして、夢の反芻をしながら玄関に向かった。 「また、あの夢か……」  それは、かつての想い人。部活の後輩。涼し気な眼差しに、短い茶髪。女性的な体つき。  どこか気だるげに、“そうですか”と答える口ぶりが、今も耳に響くようだった。  思えばそれは、安穏とした過去の象徴になっていたのかもしれない。    思い出そうとすればするほど遠ざかる夢の記憶。  代わって近づいてくるのは、女性のものと思しき足音だった。 「……ここ、か」  そんな声とともに、ゆっくり降りていくドアノブ。俄かに心拍数が跳ね上がる。この瞬間だけは何度経験しても慣れられない。  そして、ドアが開き。  黒ストに包まれた脚が、一歩部屋に踏み込むと。  俺の頭上を、跨ぎ越していった。 「……ん、誰もいない?」  それは、俺の4倍もの躯体を持つ美少女の声。そして俺を探すのだが、あまりの身長差にお互いお目通りが叶わない。俺の目に映るのはただすらりと長い美脚、その膝元だけだ。その曲線美だけで、思わずドキリと胸が弾む。  同時に思い知らされるのは、相手がおそらく女子高生だということ。もう、戻ることのできない場所に彼女は身を置いているのだ。嫉妬と喪失感に、胸が焦がされる思いだった。 「あの、お客様、ここです……」  タイトスカートのテントの下、そびえたつ黒ストおみ足に囲まれながら。俺は4倍巨女に向かって、情けなくも声をかけた。  そして、振り返ったその黒ストおみ足に思いっきり蹴り飛ばされてしまう。 「ぎゃっ!?」 「ちょっと、足元にいたら危ないじゃん」  そう言って屈みこむ、すらりと長身の美少女。しゃがみパンチラになっているのも構わず、俺を冷たく見下ろしている。 「すっ、すみません…………、えっ!?」  だが、俺は彼女の顔を見るなり動けなくなってしまった。 「……? 私の顔に何かついてる?」  淡々とした声音に、俺を見下ろすガラスのようなその視線。 「は、早坂……?!」  それは夢にまで見た、かつての想い人に他ならなかった。  ⁂  サイズフェチ風俗は、ライトな遊びとして人気だった。  妊娠も暴力の危険もなく、おまけに低価格。クリーンさを打ち出す戦略のおかげで風俗特有の後ろ暗さも軽減されて、中高生でさえ利用するに至っていた。名目上は小人カフェだとかマッサージだとかになっているが、実態は一目瞭然。気軽で、安全に、長時間。そんな言葉とともに、多くの女性客が小人の奉仕を楽しんでいた。  それが、縮小病者の犠牲の上に成り立っているとしても。  実際のところ、縮小病者の奉仕は過酷そのものだった。  だって、自分の4倍も巨大な女性に肉欲をぶつけられるのだ。俺などその乳房にさえ負けてしまう小さな体。一方女神たちは600㎝を優に超えるスケールでそびえたち、俺の矮躯をどう楽しもうか思案している。  考えもしなかった。  女性らが、こんなに小人男子を求めていたことを。  優位に立てる相手を前にして、どれほどの母性と嗜虐心を掻き立てられるかを。  俺を子ども扱いして、乳房を吸わせる年下美少女。  縮小薬で更に縮めて、下着に監禁する女子大生。  様々な女性が女神となる快感に酔いしれ、性欲を加速させていく。  代わる代わる訪れる女神たち。その巨体に包まれながら、必死に手繰り寄せるのが高校の記憶だった。  本来なら、俺もまだ高校生のはず。  だのにもう、安穏とした高校生活が遠い昔に思える。  軽音楽部でベースを弾いて。  後輩に恋をしたりもした。   クール女子を絵に描いたような女の子だった。  淡々とした敬語に、凜と涼しげな、どこか影を背負ったようなまなざし。  茶色のショートヘアも涼し気で。  彼女はもう、輝かしい過去の象徴だった。  それが今まさに、目の前に鎮座している。  瞠目するのは、当然だった。 「はっ、早坂!? なんで、こんな、ところに……!?」  どもりながら、必死に言葉を捻りだす小男。  対する彼女は、 「あーー、えーーっと、どこかでお会いしましたっけ?」  面倒そうにしながら、頭を傾げてみせるだけ。短い茶髪がわずかに揺れ、同時に乳もたゆんっと揺れる。俺だと気付かないのか、そもそも俺など覚えていないのか。 「俺だ、部活で同じだった一個上の……」 「あー…………。そういえばいましたね、思い出して、きた、ような」 「そんな……」  下心があったとはいえ、あれだけ世話をして練習にも付き合ってあげて、それでこのザマとは。アプローチの一ミリも奏功しなかった事実にがっくりと来てしまう。対する早坂は煩わしそうにその様を見下ろして。 「あー、どうします? 人、変えてあげましょうか?」  そんなことを言う始末だった。 「やりにくいでしょ、センパイも。っていうか、こんなところで何してるんですか? 自分から縮んだんですか?」 「そんなわけあるか! 縮小病になったんだ。そ、それより、俺をここから連れ出してくれ!」 「はあ?」 「もう家族とも連絡がつかないんだ! それに毎日毎日酷使されて、このままじゃおかしくなっちまう!」 「嫌ですよ、なんでそんなこと」 「お願いだ! この通り!」  膝に取りつき必死に懇願する俺に心底面倒臭くなったのか、露骨なため息を吐く早坂。それからコンコンとローファーで床を小突きつつ、 「知らないんすかセンパイ? 小人風俗ってのは家族に捨てられた死にぞこないが来るところなんです。知らないだけでセンパイは捨てられたんですよ」 「そ、そんな……!」 「第一なんで私がそんなことしなくちゃなんないんですか? お金払ったのはこっちなんだから、さっさとすることしてくださいよ」 「そんなこと言ったって……」  好きな女子とデキる、それ自体は願ってもないことかもしれない。だが今、俺は縮められて早坂は俺のお客様なのだ。好きな人に、ただ性処理のためだけに犯されるだなんて。とてもじゃないが耐えきれない。もう、汚れ切ったこの体で触ることさえ憚られるくらいなのだ。  だが一方で。  見上げる早坂はあまりにおっきくて。  今まで見たこともないほど肉感的な体に、これまでの誰とも違う涼し気な視線。この冷たい視線に見下ろされながら、熱く柔らかい女体に蹂躙されたりなんかしたら……!  懊悩する俺。そんな俺をよく見ようと言うかのように、早坂は俺を抱き上げると、 「で、チェンジします? ヤリます?」  ギュウッと胸を押し付けながら、フッと馬鹿にするように俺の顔を覗き込んだのだ。 「なっ!?」  押し付けられ、“むっちいぃ……♡”っと潰れるパツパツおっぱい。既に限界までシャツを膨らませた爆乳は今にもはち切れそうで、まるで乳鈍器だ。汗ばんでいるのか、黒いブラがシャツ越しに透けて見えてしまっている。 「ほら、早く決めてくださいよ。じゃないとこのまま帰っちゃいますよ?」  そう言いながら早坂は、囃し立てるようにむにむにと乳を俺に練りつける。あまりのボリュームに前面へ大きく張り出した爆乳が、俺を求め“ぎちっ♡”と潰れているのだ。その熱量で、むわっと湿る俺の体。乳熱を注がれ、徐々に体温が上がっていく。 「ぐ……っ!」  初めて女性の巨大さに性的に惹きつけられ、けれど最後の恋を壊したくない。第一この場を逃せば、早坂と会うことは二度とないだろう。視界で揺れる乳と、記憶に浮かぶ過去の情景、そして、そんな俺を弄ぶだけの初恋の人。俺はもう発狂しそうだった。 「……はあ」  それでも容易に答えを出せない俺を見かねたのか、蓋を開けると。 「女々しいんだよチビ」  思いっきり、俺の顔を谷間に押し込んだのだ。 「ぐっ!? ~~~~~~~ッ!!」  ただでさえ高弾力のパツパツおっぱい、それに押し付けられれば俺は息さえままならない。  おまけに“バツッ!”という音とともにボタンがはじければ。  いよいよ俺は、生の乳肌に口を塞がれて、完全に窒息させられてしまったのだ。 「後輩のおっぱいでちゅよ~。ほら、なんとか言ったらどうですか。嬉しいですかぁ?」  それは、爆乳渓谷に深く埋もれる未知の感覚だった。左右からはぎっちぎちのおっぱいが俺の顔を挟み潰し、胸底は蒸れた乳肌で俺の呼吸を奪ってくる。それに加えて、このとてつもない弾力性。俺の頭など容易く包み込んでしまえる乳房は柔らかくもみっちり詰まっていて、このままギュッと左右から挟み潰されてしまえば今にも俺は破裂してしまいそうだった。押し返しても押し返しても溢れてくるどたぷんおっぱい。それに抗えも出来ないまま俺は、命を弄ばれる。 「ははっ、おっぱいで死にかけるなんて悲しくないすか? それとも本望かな? あんたはこのまま私のおっぱいで窒息死するんだよ。ほら、嬉しいって言ってくださいよセンパイ。そしたら潰してあげますよ」  “むっぎゅううぅ……♡”と俺を挟み込む凶悪おっぱいと、その殺人的な乳圧。その柔らかさに意識を奪われるように、徐々に力が抜けていく。  ダメだ。  死ぬ。  おっぱいですり潰される。  谷間に顔を突っ込んだまま、脱力しブランと垂れさがる手足。  そして、いよいよJKおっぱいの犠牲になりかけた、その矢先。 「こんなもんかな」  どうでもよさそうにむちむち女子高生は、俺を谷間から抜き出した。 「決まりましたかぁ?」  そう言いながら、眼底を見透かすように俺の目を覗き込んでくる美少女。  圧倒的な女体、そのエロい威力を前にして、言えることなど一つだった。 「ふぅん」  たいして、それを聞いた早坂は。  何も言わず。  肉厚の舌で、怯える俺の顔を舐め上げた。 § 「そうだ、センパイ」  晴れて俺の“お客様”となった早坂は、脚を組んで俺を足元に跪かせていた。  そして、のたまいて曰く。 「とりあえず縮めますね」 「なっ!?」 「何か不満ですか?」  俺は絶句した。縮小プランは確かにある。とはいえそれは、ただの縮小者好きじゃない、純粋に小人の好きなマニア向けといってよかった。当然、プレイはハードになる。どこまで縮められるかもわからない。それを最初から? それは、彼女が本当のサイズフェチであることを物語っていた。 「ちょっと待ってくれ、せめて、せめて少しこのサイズでしてから……!」  小さくなればもう、ろくな奉仕は出来ない。それはつまり、一方的に道具として使われるということだった。これから何時間も何時間も、縮んで、縮んで、縮んで、縮んで……。考えるだけで眩暈を起こしそうだった。 「うるさいセンパイですね。私は客なんですよ? 何してもいいってわかってます? 口答えすると問答無用で縮めますよ」 「ぐっ……! だ、だけどせめて準備くらいさせてくれ!」  存外に強く抵抗したのが面倒に思ったのか、しばらく俺を冷たい視線で見下ろす早坂。むっちりとした脚を組み、気だるげな眼差しで俺を見下ろすのだ。  煩わしそうに、美少女はしばらく小男を見下ろしていた。  それから、はぁ、と息をつく。 「そんなに言うんだったら、チャンスを上げます」  そう言って背を向けると。 「スマホいじってるんで、適当にやっててください。気持ちよくしてくれたら、まあ縮めるのはナシにしてあげます」  ゴロンとうつ伏せに横たわってしまう。時間をやるから、悦ばせてみろというのだ。それは、ほとんど放置に近い一方的な奉仕関係。これほど屈辱的な構図は、経験したことがない。  だが、一方で。  目の前に横たわるのは、黒ストに包まれた肉感的な下半身。  すらりと長く美しい脛と、丸太のようにむっちりとしたむちむち太もも。  それらが、マットな金属光沢を放ち俺の前に鎮座しているのだ。  たまらなかった。


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