筋肉ダメイド拡大記04「神のプロテイン」
Added 2024-08-04 15:00:00 +0000 UTC「すみません、ご主人様・・・」
「あ、いや。芽衣子は謝らなくて良いんだよ」
問い詰めたつもりはなかったんだけど、芽衣子はシュンとしてしまう。
「別に、責めるつもりはないんだ」
芽衣子は頭を下げて、肩を落としている。
それでも、その巨体は僕の頭一つ分は大きいんだけども。
芽衣子の自室に、“それ”は在った。
恐らく、常温保存が効くタイプの粉末系の瓶の容器。
その瓶の中央に、アルファベットが綴られていて。
『DIVINOS PROTEINA』。
品名としてはプロテイン・・・のようでは、ある。
「ディヴィ・・・何て、読むんだろう」
英語とは違うようで、アルファベットの綴りをそのまま読む事が出来ない。
「直訳すると、【神のプロテイン】って意味らしいです」
何というか、凄く大仰な商品名だな・・・。
海外製品にありがちな誇大広告(オーバー)と言えば、そうだけど。
「ふぅん、なるほど・・・」
スマホで検索すると“神の”とか、“神聖な”って意味があるらしい。
「神って、いわゆる“GOD(神様)”のことなのかな」
「どうなんでしょう・・・」
僕も学業レベルの英語ならわかるし、芽衣子は読書家。
お互いの知識を駆使すれば、と思ったんだけど。
しかし意外と、英語以外の横文字はわからなかったりする。
「これ、何だろ・・・」
瓶の裏面に、小さい文字で説明文らしきものが。
『Misterio materias primas・・・』
「神秘的な原材料を用い・・・うーん、わかんないや」
幾ら、現代文明の利器を駆使しても、限度ってものがあった。
「こっちにあるこれ、読んでも良い?」
「はい」
僕は、瓶の傍に添えられていた便箋を手に取る。
『芽衣子さん、ごきげんよう。今回はちょっと、お願いがあってね』
ウチの両親らしい、軽快な文面が綴られていて。
長いので要約すると。
土着信仰の継承と、地域振興を兼ねて。
【アマゾンの秘薬】を大量生産に合うようマイルドにした上で、商品化することになり。
折角なので、『モニター』として試して欲しい、ということだった。
尚、『僕にはナイショで』と注意書きまで添えられている。
「なるほど。僕が“いつ気付くか”も治験内容に含まれていたんだね」
「はい。そうなんです」
更に、『面白いので、ギリギリまで隠すように』と余計な文面が書かれていて。
芽衣子は、ウチの両親の言い付けを忠実に守っていた、ということ。
そうなんだよな。芽衣子の雇い主はあくまで、ウチの両親。
雇用主が被雇用者に仕事を振るのに、僕を通す必要なんてない。
「ずっと、ご主人様にはお話ししようか迷っていたんですが・・・」
「いや、ホントに気にしなくて良いよ」
芽衣子は、僕と両親との間で板挟みになっていたようで。
黙っていることをずっと、気に病んでいたみたい。
僕のことを慮って、そう思ってくれたと思うと。
それはそれで嬉しくもある、って感じるのは芽衣子に悪いだろうか。
「それはそれと、して」
改めて状況を踏まえた上で、僕は芽衣子の全身を見遣る。
とはいうものの、既に芽衣子の身長は『2m』超えなので、完全に見上げる形。
「今まで、ホントに気付いてなかったの?」
「・・・?」
芽衣子は、キョトンとした表情。
芽衣子の筋肉ボディに合わせて特注した筈のメイド服は、見るも無残な状態だった。
ついさっき、『バイセップスポーズ』で力瘤を盛り上げた際。
上腕二頭筋に連動する形で隆起した三角筋によって、右肩の生地はブッツリ切れて。
肩口からの『Uネック』な胸元は、僧帽筋をドォンと曝け出す一方で。
爆乳バストの嵩が増したのか、『Y字』ラインの深い谷間を形成していて。
そんな大きくなった胸の下も、二段目まで覆っていた腹筋は。
裾が上がってしまい、一段目までしか生地が届かなくなっていて。
指の第一関節ぐらいならスッ、と飲み込んでしまいそうな。
そんな厚みのある、ボゴッと盛り上がる腹筋が殆ど露出。
「服は何か、キツくなった感じはあったんですけど・・・」
芽衣子は、身体の可動域を確認がてら、上半身を捩(ね)じってみると・・・
ビリッ。
「・・・あ」
腋・・・というよりは発達し過ぎた広背筋の盛り上がりが、腰の生地を裂いた。
「そう、か」
僕はやっと、気が付いた。
芽衣子の上半身はボリュームが有り過ぎて、自分自身でお腹回りが確認出来ないのだ。
いわゆる、巨乳とか爆乳って言われる人たちは、足元が見えないって聞く。
芽衣子の場合、立った状態だと胸元より下どころか、脇腹すら死角になるって寸法。
「でもさ、鏡って見たりしないの?」
「見切れてしまうんですよね」
ウチには姿見の立て鏡はあるけど、確かに『2m』超えな芽衣子だと映り切らない。
立て鏡が見切れるって時点で、気付いても良さそうなもんだけど・・・。
「プロテインって、飲んだら身長が伸びたりするんでしょうか?」
「・・・う。言われてみると、確かに」
実際、身長の伸び幅と筋トレは無関係、というのが通説らしく。
過剰にタンパク質を摂取したからといって、身長が伸びたなんて話は聞いた事がない。逆も、然り。
「体調は、何ともないの?」
ウチの両親絡みってことが確定したとなると、途端に出所が怪しく。
そうなって来るとやっぱり、体調面が気懸かり。
「それが・・・」
「・・・それが?」
芽衣子にしては珍しく、溜めを作る。
「全っ然、何ともないです!」
「そ、そうなんだ・・・」
勿体付けた割に、いつもの返答だった。
「・・・本当に?」
「はい。プロテイン飲んでから、凄く良い感じで♪」
芽衣子曰く。むしろ、飲む前より体調が良いぐらい、とのこと。
「・・・ふぅ、む」
以前の、【アマゾンの秘薬】もそうだったけど。
ウチの両親も流石に、身体に害を及ぼすような物は勧めて来ない、か。
健康被害が無ければ良いのか?と言われれば、それも違うとは思うけど。
「ジム通いって普段、どんな格好で行ってるの?」
「えーっと。ご主人様が着てるのと同じデザインの・・・」
芽衣子は、クローゼットからジャージを取り出して来た。
「もう何着目か、わからないですけど」
僕がたまに着るジャージと、デザイン的には全く同じ物。
「で、っか・・・」
だけど、大きい。兎に角、僕のとは比較にならないぐらい、大きい。
タグには、【7XL】の記載が。
「もし良かったら、着てみます?」
「え、良いの?」
衣服としては、男物のジャージなんだけど。
女の子の普段着を、男子がそう簡単に着ても良いものなんだろうか?
「ご主人様なら、全然オッケーです♪」
「芽衣子がそう言うなら・・・」
芽衣子の促され、僕は特大ジャージに袖を通す。
「いや、これは・・・」
「あ、はは・・・」
驚く僕に、芽衣子の苦笑い。
ブカブカ、なんてレベルじゃなかった。
裾が僕の膝にまで達して、ボトム要らず。
腕も“萌袖”なんてモンじゃないぐらい長過ぎて、半分近く袖が余った。
僕とお揃いに拘ったのか、着心地やデザインが気に入ったのかは、わからないけど。
芽衣子は筋量が増す度にジャージを買い替え、今(7XL)に至るらしい。
「じゃあ、私が着てみますね」
「そのまま、着るの?」
芽衣子は、まだ上下揃ってメイド服のままだった。
「あ、そうですね」
あちこち切れたり裂けたりしてはいるものの、まだ何とか着れているメイド服。
「・・・あ、れ?」
「どうしたの?」
芽衣子は、上だけでも脱ごうと背中のファスナーに手を伸ばした所で、止まる。
「ご主人様。後ろ、見て貰っても良いですか?」
「あ、うん」
背中、というよりは。芽衣子の巨体の裏側にグルッと回る感じ。
「・・・・・あ」
「どうでした?」
表から見て、無残な状態なのに。裏側が、無事である筈もなく。
「ファスナーが完全に壊れてる」
『Uネック』の右肩がブツ切れているのに、背中がベロンと開かないのが不思議だった。
肥大化した広背筋はファスナーを潰しつつ、その隆起で生地を張り付かせていたのだ。
裾が上がったせいで、立体的に広がる背中に引っ掛かった格好。
右肩が切れ、左脇腹が裂け、背中は『V字』にパックリと開いて。
特別製の頑丈なカスタムメイド服は、既に満身創痍だったのだ。
「これ。僕だともう、どうにもなんないかも」
裾に近いファスナーレールが噛んだ部分は、未だにガチッと嵌っていて。
一般人な僕の力だと、引き剥がすことは出来そうにない。
「前に教えた“これ”、やって見せてよ」
「良い・・・んですか?」
僕は身体の前で腕を『くの字』に曲げるポーズを見せると、芽衣子は察したようで。
「わかりまし、たっ」
上半身の全ての筋肉を盛り上げる、『マスキュラーポーズ』。
芽衣子の筋肉巨体で行われるそれは、想像以上の破壊力だった。
ボボッバァンッッ!!
「うわぁっ!」
鋼鉄製のファスナーを引き剥がすどころか、もう何度目かの『服爆発』。
イチ部品に成り下がったファスナーが、僕の額を直撃した。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、うん。平気・・・」
芽衣子は、僕の指示通りに筋肉を盛り上げて、メイド服を破いただけ。
とはいえ、やらせておいてなんだけど、想像以上だった。
着ている服をビリッと破く、みたいな生易しいものではなく。
爆発的な僧帽筋、広背筋の隆起によって、メイド服の生地は爆発四散した。
「すご、い・・・」
芽衣子の背中を、こんな至近距離でまざまざと見るのは初めてかも知れない。
項(うなじ)と繋がり、扇型に盛り上がる僧帽筋は、背中の中心に鎮座していて。
下半分も『V字』に広がり、背骨周辺を完全に覆う勢い。
そして、位置的に僧帽筋の下地になる広背筋が立体的に隆起し、残る背中全体をカバー。
細いウェストの上に、まるで大きな富士山が乗っているかのようだ。
「ん、あれ・・・“ブラ”は?」
「・・・・・え」
神々しいまでの筋肉山脈の山肌には、布切れ一つすら、付いていない。
そう。
本来なら、身に着ける筈の肌着が存在していない。
メイドの服という上着に対する、下着。
トップスなので、いわゆる『ブラジャー』と呼ばれる代物。
「もしかして、それ・・・」
「・・・・・あ」
僕と芽衣子は、同時に足元にハラリと落ちたブラジャーだったものに気付く。
「きゃあぁぁっぁっ!?」
流石の芽衣子も、上半身が裸なのは想定していなかったのか。
悲鳴を上げて、その場にしゃがみ込んでしまう。
人間の動作として。
しゃがんだり、屈んだりする時には、足が支点になる。
膝を曲げると、それに連動してお尻が後ろに出っ張る。
一般的な人体比率だと、一番大きい筋肉は太腿だと言われている。
では、その次。二番目に来るのは何と、『大殿筋』なのだ。
芽衣子の特盛筋肉巨体に、一般的な比率が当て嵌まるとは限らないけど。
それでも、スカート越しに押し出されるお尻は。
ドンッ!
と僕に凄まじい衝撃を齎す。
「うぉあぁっ!?」
僕は、芽衣子の部屋の中で端から端まで吹っ飛んだ。
いつぞやに喰らったヒップアタックは、振り向き様で僕を吹っ飛ばす威力。
それが今回は、真っ直ぐ僕に向かって放たれている。
ドムンッ!
「・・・え、あ! ご主人様っ!?」
芽衣子が、慌てて駆け寄って来る。
「ご主人様っ! ご主人様っ!?」
「・・・ぅ」
僕はホンの一瞬、意識が飛んでいたようで。
「い、痛てて・・・」
「だ、大丈夫ですかっ!?」
芽衣子が、上半身裸のまま乳房を曝け出しながら、僕を揺すっていた。
こういう時、あんまり揺らさない方が良いんだけどな・・・。
「だ、大丈夫。大丈夫」
「ほ、ほんとですか?」
芽衣子は涙目で、僕を優しく抱き留めている。
「多分、“これ”に助けられたんだ」
「・・・あ」
枕やらクッションも一杯あるけど、それを台座にして積まれた大量の縫いぐるみ。
僕の後ろでクッション替わりになってくれたのは、縫いぐるみだった。
「頭も打ってないよ」
コブどころか、痛みもない。
「ご主人様ぁ。良がっだぁ~っ」
涙目どころか大粒の涙を浮かべながら、芽衣子がガバァッと抱き付く。
芽衣子の胸元は、覆う布地が何も無い完全フリーなので。
むっぎゅうぅぅぅ・・・むにゅん、ずぶずぶ。
「う、っぷぉ!」
『161cm(Iカップ)』という特大バストな生乳に、僕の顔は吸い込まれて行く。
「め、い・・・」
リアル“ぱふぱふ”を喜ぶ余裕なんて、僕にある筈もなく。
僕はバンバンッ、と“タップ”をしながら。
僕の意識が途切れるのが先か、芽衣子が気付くのが先か。
ホンの少し前、九死に一生を得たばかりなのにも関わらず。
我が身の命運を、天に委ねたのだった。