SamSuka
デアカルテ
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悪魔のアプリLv.01「デビルズクエスト」

『デビルズクエスト』


私はふと、そんな『アプリ』を見付けた。

今のご時世としては珍しく、買い切り型の『RPG(ロールプレイングゲーム)』。


「提供元は・・・デビルズソフト」

デビルにデビル、悪魔尽くし。何だろ・・・この、そこはかとない糞ゲー臭。


「こんなの、“やる”一択でしょ」

インドア派ゲーマーとしては、こういった糞ゲーはやらずに居られなかった。


「なになに・・・」

【これは、冒険に出ることでアナタ自身が成長するゲームです】


「ま、在り来たりかなぁ」

まあ、RPGの導入としては、良くあるパターン。


パシャッ。


「・・・え?」

突然、スマホのカメラが起動した。


「私、カメラアプリ触ったっけ・・・」

間違って、カメラアプリをタップしちゃったのかな・・・。

ゲーム画面の中には、デフォルメされた女の子。つまり、私のアバターが表示されていた。


【アナタのアバターが登録されました。冒険の世界へようこそ、『ヒトミ』。】


「あれ? 主人公の名前、私と同じ?」

たまたま。偶然、なんだろうか。

名前を入力した覚えはない。それに、スマホ内に登録してあるアカウントも、本名は使っていない。


「ま、良いか」

若干、気味の悪さを覚えたものの、この手の糞ゲーにありがちな誤動作と思い、私は続けることにした。



舞台は、意外にも現代だった。

ただ、やってることは中世風RPGと変わらない、お使いゲー。


【チュートリアルは『七日間』です。その間は“何度死んでも大丈夫”です】


「ヤバい。糞ゲーというよりは、マゾゲーかも」

チュートリアルは意外と難しかった。しかし、課金要素もなく、程良い難しさのあるバランスで嫌いじゃなかった。


【このゲームはリアル。つまりは現実、特に“死”を忠実に再現したゲームです】


ビックリしたのは、ゲーム内でキャラ・・・つまり、私自身のアバターが死ぬと、レベルが1に戻されるということ。

それだけだと糞ゲーなんだけど、徐々に、それが上手い具合にゲーム内に緊張感を醸し出していることに気付いた。


【チュートリアルが終了しました。ここからが本当の冒険です。“決して死なないよう”頑張って下さい】


<ステータス>

なまえ:ヒトミ

レベル:5

しりょく:50

わんりょく:20

みのまもり:30

すばやさ:10


【これが、アナタの生死を分けるパラメータです】

【パラメータには、レベルが上がることで開放されるものもあります】

【レベルを上げて、頑張ってパワーアップして行きましょう】


見た目、貧相なパラメータだけど、少なくとも最初の拠点の周りでは安心して戦闘出来るぐらいにはなっていた。


【旅立つアナタにヒント。旅には必ず、『フレンド』を連れて行きましょう】

これも、ソシャゲにありがち。でも、買い切り型RPGでは珍しいかも。


ソーシャルゲームにおける『フレンド』とは、いわゆる別プレーヤーを表す。

『フレンド』を借りる、つまり冒険やクエストに連れて行くことで、手助けをして貰うのだ。

初心者でも高レベルの熟練者を連れて行けば冒険が楽になる。


「『フレンド』はこの、酒場?ってトコで集めるのか」

基本は3人パーティらしく、自分以外の2人分の枠を『フレンド』で埋めると、冒険に連れて行けるらしい。


「まあ、最初だしこの2人で良いや」

私は、『メイコ』『トシオ』って2人をパーティに加えた。


特に、『トシオ』はレベルが20もあり、かなり強い感じだったので、遠出が出来そう。

『トシオ』を隊列の先頭に置いて盾替わりにすれば、多少は無理が効くと思ったのだ。

序盤でも無理して先にエリアに進めばそれだけレベルアップが早くなり、クリア時間短縮に繋がる。RPGあるある。


と、思いきや。


「・・・あ」

遠出した数回目の戦闘でアッサリ、『トシオ』が死んじゃった。


パーティを組んでみてわかったけど、『トシオ』はすばやさ全振りの育成らしく、意外と防御が脆かったのだ。

私は仕方ないと思い、最初の町に戻ることにした。


「・・・ん、あれ?」

そういや、RPGにありがちな“棺桶”が無い。

戦闘からマップに戻った時点で、パーティは私こと『ヒトミ』と『メイコ』だけになっていた。


「何だ、そういうことか」

【“死”を忠実に再現】なんて大仰を謳っていたけど、『フレンド』が死んだら戻らない、ってことか。

確かに、酒場に戻って『フレンド』リストを見ても、『トシオ』の名前は無かった。


<ステータス>

なまえ:ヒトミ

レベル:9

せいかく:ごうたん New!

しりょく:80

かしこさ:11 New!

わんりょく:25

みのまもり:38

すばやさ:20


「あれ、パラメータ上がってる。それに、増えてる」

パラメータが増える、イコール私自身が成長したかのように感じて、我ながら嬉しくなった。

どんな糞ゲーでも、マイキャラが成長するのはやっぱり楽しい。


『トシオ』の犠牲は、無駄じゃなかった。



ウーウーウー。ピーポーピーポーピーポー。


何だろ、外が何やら騒がしい。


「何か、事件でもあったのかな」

いつの間にか、かなりの深夜になっていた。


「もう、寝よ」

私は外の喧騒を気にすることなく、気分良く眠りに就いた。

Comments

コメントありがとうございます。ずっとこのペースと言う訳には行かないですが、程々にはUPして行きたいと思っています。

デアカルテ

新作投稿のペースが速くて良いですね! 今後の展開に期待です

名無しです


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