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デアカルテ
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その後の三つの願い02「寝起きのパジャマ」

「・・・うぅ、ん」

少女が、ベッドからモソモソと起き出す。


「・・・あれ?」

気付くと、まだ外は明るい。・・・が、もう、太陽は沈み始めても良い時間だった。

二度寝のつもりが、かなりの時間が経っていた。


「ふぁ、あ・・・」

大きな欠伸。


ミチ・・・ミチチッ。身に着けているパジャマから、聞こえる衣擦れの音。


「・・・ん」

嫌な、予感。今、“それ”はやっちゃいけない。だけど。


「んぅ~~~っ・・・んぁっ!」

身体の奥底から来る欲求に任せて、私は思いっ切り“伸び”をした。つい、してしまった。


モリッ・・・モリモリ・・・モゴゴォッ!


ビリビリビリッ! ビリッ・・・ビリリィッ!!


「あ、あぁ~~・・・あ」

数日前まで。服として、“大きくなった私”をちゃんと包み込んでくれていたパジャマ。

それはまるで暴漢にでも襲われたかのような、見るも無残な姿になっていた。


肩口は裂け目程度で済んでいるものの、肩から伸びる袖の二の腕部分がほとんど無くなっていた。

パンプアップしているのか、力瘤も三頭筋も明らかにモリッと盛り上がっている。

胸元は、大胸筋という土台が上ずったせいで爆乳が押し出され、上着のボタンが粗方、弾け飛んでいた。

ズボンタイプのボトムは、穿く前はまるで丸太でも通せるかのような余裕があった。

なのに今となっては、太腿を動かすだけであちこちがピリッ、ビリッと裂け目を増やして行っている。


さっきの感覚は、紛れもなく【魔力】による身体の肥大化だった。パンプアップではなく、バルクアップ。

一時的な肥大化ではなく、恒常的な筋肉の成長。またしても、私の筋肉は成長してしまった。


「・・・でも、どうして」

正直、心当たりがない。


「・・・・・」

私は、散らかった部屋を見渡した。


「まさか」

物取りか何かが私が寝てる間に、寝室に侵入。そして、私は寝たまま、ソイツを・・・。


「・・・まさか、そんな」

にわかには信じ難い。


物取りや空き巣について、ではなく。

寝た状態の無意識で、人間をヤってしまったという、事実。


例えば、寝返りを打って、その次いでに枕や布団を自分の方に引き寄せる。

もし、その“行為”を人間相手にやっていたら。


例えば、もし仮に『私に【彼氏】が居た』として。

その【彼氏】と同衾して、たまたま【彼氏】を抱き締めちゃったら。


「え、と」

私は、確認するまでもない確認の為に、散らかった部屋の隅っこから掃除機を取り出した。

壊れて放置されていた、部屋用としては大型の掃除機。粗大ゴミに出さなきゃ、と思いつつも忘れ去られていた代物。


「・・・ん」

程良い大きさの“それ”を、私はおもむろに抱き締めた。


メキメキ・・・メリィッ。バキッ! バキバキッ、バキャッ!!


私の腕の中で“それ”は、掃除機だったかどうかすらわからない鉄屑に成り果てていた。

正直なところ、力なんて全く篭めていない。腕を内側に曲げただけでスイカ大の力瘤の盛り上がり、圧し潰してしまったのだ。

自動車を潰し、資材コンテナを持ち上げる私の超筋力。その超怪力を以ってすれば、鉄とかプラスチックなんて、ペッチャンコ。


人間の胴体と掃除機が同じ硬さかどうか、なんてことは知らない。だけど、“そう”したらどうなるか、は知ってる。


「・・・だって、ねぇ」

私は改めて、姿見鏡の前に“距離を取って”立ってみる。


一般体型を写すことしか想定されてない縦長の立て鏡では、私の全身は半分も写らないのだ。

“引き”で立つことで、ある程度ではあるものの何とか全身を写すことに成功した。


「“この身体”、だもんねぇ・・・」

2mを超えた身長だけど、頭のサイズはほとんど変わらないようで、9.5頭身・・・ぐらいはあるのかな。

いつの間にやら9.5頭身の超モデル体型。勿論、それは頭のサイズと身長を比較して、何頭身かってことにだけ注視した場合の話。


私の肉体には、その超長身の“縦幅”に有り余るぐらい、これでもかと搭載された筋肉。過積載なんてレベルじゃない。

ファッションモデルどころか、ボディビルダーですら及ばないような超筋肉。


「“こう”、かな」

私は見様見真似で、鏡に向かってボディビルのポーズを取ってみた。

上半身を前傾させ、お腹の前あたりに両手が来るよう両腕を『くの字』に曲げる、『マスキュラーポーズ』。


「んっ、く」

私としては、ホンのちょっと“力む”程度に力を入れただけだった。


グググッ! ブバァンッ!!


「うえぇ!?」

パジャマの生地が、“爆ぜた”。


比較的無事だった首回り、襟足部分の筋肉。つまりは僧帽筋が扇型にドカンと盛り上がり、襟ごと生地を弾き飛ばした。

パジャマの体を成していた肩や前腕部分も、三角筋や前腕筋の隆起でビリッビリッに裂けてしまっていた。


更に、振り返りながら背中を確認してみると・・・。


「・・・うそ」

僧帽筋から広背筋へのモコモコと続く筋肉山脈が露になっている。背中部分の生地が、完全に無くなっていたのだ。


因みに、胸元はボタンが全て弾け飛んだことで、却って生地そのものは無事だった。

まあ無事と言っても、パジャマの背面が無くなったことで、前面の生地は首から掛けて垂らしたマフラーみたいな感じ。


「もう、こうなったら・・・えぃやっ」

私はひと思いにと、敢えて渾身の力で『ダブルバイセップス』ポーズを取った。


ギュギュギュ・・・バリッ、ビリリィッ!


大きく盛り上がり過ぎるスイカ大の力瘤と前腕筋の擦れ合う音と、残った生地が千切れ飛ぶ音が重なった。


「気のせい、じゃないよね・・・」

前回測定した時と比べる意味もあったんだけど、やっぱりというか。明らかに、一回り大きくなってる・・・。


「ズボンももう、ダメだよね。じゃあ・・・んっ!」

最後に取ったポーズは、『アブドミナル・アンド・サイ』。何で最後かというと・・・。


ブボバァンッッッ!!


一回りどころか二回りも一気に太くなった太腿は、ズボンを一瞬で消し飛ばしてしまった。細切れの生地が宙を舞っている。


「うげぇ」

腹筋と脚を強調するポーズは私自身、初めてだった。初めてだけに、想像以上の結果に変な声を上げてしまった。


「我ながら、ここまでとは・・・」

二頭筋と三頭筋による前後にスイカが二玉も付いた上腕。そんな極太な上腕を更に上回る、超弩級の太腿。

多分、片腿だけで人間一人分の筋肉量を全て賄える。そんな、ビア樽腿。


私の中で、『太い』を超える最上級の形容詞が『ビア樽』になった瞬間だった。


身長:214cm(+3cm)

力瘤:118cm(+4cm)

太腿:126cm(+4cm)

Comments

コメントありがとうございます。ちょっとずつでも続きを書いていけたらと思っています。

デアカルテ

待望の続編ですね! 大きくなり続ける望ちゃん最高です

名無しです


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