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デアカルテ
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悪魔のアプリLv.03「きゃくりょく:170」

『“つながり”は“はんえい”となる。おぼえておくといいよ』

『てきのこうげきをかわすには、“すばやさ”のほかに“しりょく”もよくないとだめ』

「ふぅん・・・」

私は、地道に情報収集していた。


拠点となる街。そこの人々、つまりはNPC(ノンプレーヤーキャラクター)に話し掛けているのだ。

マップ移動するゲームが減ったので、そもそもNPCが居ないゲームも多い。

一周回って、こういった単純作業は今となっては珍しく、あまり苦にならなかった。



眼の件は、保留。


眼科で診て貰った結果、「慢性的な眼精疲労が治った」だけなんじゃないか、とのこと・・・。

確かに、『デビルズクエスト』やるようになってから、他のゲームはやってない。

でも、他ゲーは眼に悪いけど、『デビルズクエスト』は眼に良い、なんてことがあるんだろうか。

取り敢えず、経過を見ることになったので、今は考えても仕方ない。



――で、このゲーム。


とにかく、情報が少ない。何をするにせよ、情報が提示されないのだ。

ステータスの上がり方も謎だし、“せいかく”とかのパラメータにしたって、そう。

何処にどう影響するのか、全くわからないのだ。マイナーアプリのせいか、攻略サイトも無い。


せっかくキャラメイクした自分のアバターが1ミスで即死してご破算、だけは避けたい。

必然的に、周到に情報収集し、綿密に計画を立て、無理をせず進行する、というプレイスタイルになる。


「みのまもりとすばやさだったら、やっぱりみのまもりだよね」

いわゆる、『DEF型』か『AGI型』かという問題。


守備のパラメータを上げて“被ダメージ量”を減らす、『DEF型』。

敏捷のパラメータを上げて“被ダメージ回数”を減らす、『AGI型』。


ゲームにおける“回避”は通常、確率判定。パラメータ補正はあるにせよ、100%にはならないはず。

一方、“守備”は引き算。もしくは、割合ダメージ(敵の攻撃値に対してマイナス補正)。


つまり言い換えれば、“みのまもり”は“被ダメに100%影響する”のだ。

しかも、このゲーム、回避に“しりょく”っていう別パラメータまで影響する。

“すばやさ”“しりょく”の2つを上げて更に確率判定では、効率が悪い。『トシオ』みたいなことになりかねない。


「後は、“与ダメ”に影響しそうなステを上げてけば大丈夫かな」

“力”は正義、ってことで私は“わんりょく”と“みのまもり”を中心に上げて行く方針にした。


【クエスト:みちをふさいでいるいわをどけろ】

【クエスト:まちのいえづくりをてつだえ】

【クエスト:まちのひとのひっこしをてつだえ】


わかり易く、肉体労働系のクエストばっかりこなして行った。

「また何か、増えてる・・・」

“きゃくりょく”に関しては、わかり易かった。移動速度が上がったのだ。

敵とのエンカウント率にも影響してるっぽくて、敵に遭い難くなった。


「今日はこの辺かなー」

ある程度、ステが上がったことに満足して、その日は床に着いた。



「おはよー・・・あれ?」

「どしたの?」

明子が私を見るなり、驚いた表情。


「今日、早くない?」

「うーん、そうなんだよねー」

登校時間はいつも、私より明子の方が早い。


明子はバス通学、私は徒歩通学プラス毎晩ゲームで夜更かし。

どっちの登校が早いかは明白、だったはずなんだけど・・・。


「何か今日、身体の調子が良いんだよね」

朝起きたのは、いつもの登校ギリギリの時間。家を出たのも、いつのもギリギリのタイミング。

通り道の青信号のタイミングは良かった。だけど、今まで運良く早く来れてもマイナス2分ぐらい。

だけど、今日はマイナス5分。所要時間の歴代最短記録。勿論、私の登校人生の中で、だけど。


「ま、こういう日もあるよね」

たまたま、“全ての信号が偶然青だった”そういう日が今日だったかも知れない。

ゲームキャラと違い、自分の体調なんて数値化出来ないモノ、気にしたってしょうがない。


この時の私は、まだそんな風に思っていた。

悪魔のアプリLv.03「きゃくりょく:170」

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