SamSuka
デアカルテ
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悪魔のアプリLv.08「太腿:71cm」

結局あの後、保健室から病院に直行して、そのまま早退した。


病院での診断結果は、『異常なし』。擦過傷、いわゆる擦り傷すら無かったというのだ。

晴井さんの“殺人スパイク”を至近距離で受けて、文字通りの無傷。ノーダメージ。


念の為・・・というか、次いでに首から下、つまりは“身体全体”についても聞いてみたけど、こちらも異常なしだった。

「良く鍛えられた身体だねぇ~」とか褒められる始末。むしろ、「何の運動してるの?」と聞かれて回答に困っちゃった。


「・・・ふぅ」

帰宅するなり直ぐ様、パッツンパッツンだった制服を脱いだ。ブラとショーツのみで、立て鏡の前に立つ。


「・・・・・っ」

改めて、自分の身体をマジマジと見る。つい、生唾を飲み込んでしまった。


“均整の取れた身体”とはこういうモノか、と自画自賛してしまう。ただ、間違っても私にナルシストの気は無い。

ボディビル(肉体の構築)なんて、生まれてこの方、興味すら持ったこと無いのだ。万年、帰宅部は伊達じゃない。


「んー・・・」

ネットで、ボディビルダーの写真を検索してみる。どっちかというと、ガチムチ。

女性のボディビルダーでさえ、胸板は筋肉。海外ビルダーだと、シリコンで巨乳化してる人も居るみたいだけど。


「むんっ」

鏡の前で、全身に力を籠めてみる。繰り返すけど、私は決して、ナルシストでは無い。


Bカップブラが今にもはち切れて零れ落ちそうなぐらい、盛られた乳房。当然だけど、シリコンじゃない生のおっぱい。

しかし、力が入った箇所はムキムキッと筋張った筋肉が盛り上がった。


『フィットネス』と『ボディビル』の中間。ムキムキというか、ムチムキッな感じ。


とても、“自然に身に付く”ような筋肉じゃない。それは、間違いないように思う。

かと言って、短絡的に“ゲームのアバターの変化”が即、そのまま反映されてるようにも見えない。


「うーん・・・やっぱ、“こっち”の方が凄いよね」

“四頭身”の、ゲーム内の私のアバター。


一言で表現するとすれば、“女傑”。筋肉モリモリ。


胸も筋肉も、現実(リアル)の私と比較しても、明らかに凄い。

もし、“これ”が反映されたら、とてもじゃないけど制服なんて、着て居られない。


――でも。


逆に、“全くの無関係”かというと、それも否定し切れない自分が居る。

仮に、“何らかのパラメータ”が影響するのだとしたら一体、何が・・・。


例えば、『わんりょく』が腕の筋肉、『みりょく』が胸の大きさだとして。じゃあ、“頭身”は何故、変化したんだろうか。

最初は、二頭身だった。それが三頭身になり、今では四頭身。今のところ、オープンになってるパラメータの中で『しんちょう』は無い。


「まだ隠されてるだけ、なのかな・・・」

ゲーマーとしての血が、騒ぐ。


わからないパラメータ、現象があるなら、検証せずには居られないのだ。試さずには、居られない。


「うーん、違うなぁ・・・」

『しんちょう』や『とうしん』なんて、パラメータどころか、単語すら出て来なかった。


「空振りかぁ」

寝ずに色んなクエストを試したけど、結局は成果なしだった。


「ふわぁ~・・・ぁ」

明日は、土曜日。明日一日頑張れば、またこのゲームに“没頭”出来る。


いつの間にか、“検証”なんてどうでも良くなっていた。私はもう、このゲームにどっぷりとハマっちゃったのかも知れない。

手段に感(かま)けて、目的を完全に忘れてしまった。いや、むしろ、目的なんてどうでも良かった、まである。


――朝。


「ふわぁ・・・あ」

「どしたの、寝むそうじゃん」

明子の顔を見るのも辛いぐらい・・・眠い。ホントに、眠い。結局、二時間ぐらいしか寝られなかった。


「私、どっかおかしくない?」

「うーん? いつも以上に寝むそうだな、って」

少なくとも、今朝の段階では“大丈夫”みたい。


実は、寝落ちしたこともあって、パラメータがどれだけ上がったか確認出来ずに学校に来たのだ。

もしかしたら、学校に居る間に何か起こるかも、なんて不安も杞憂だったみたい。


結局、お昼ご飯食べた以外、学校で何やったか記憶に無い。そんな一日だった。


「・・・Lv30。結構、上がったなぁ」

家に帰るなり、直ぐに『DQ(デビルズクエスト)』でパラメータ確認。



「頭身も、上がってる・・・」

前の四頭身と比べて、今は五頭身ぐらい。


“今の状態”になった時もそうだったけど、アバターと現実の私は基本、一致しない。

少なくとも、“これ”からわかることは、“リアルタイム”じゃないってこと。


「何か、“切っ掛け”とか“条件”みたいなのがあるのかな」

即反映、じゃないとしたら。直ぐに思い付くのは“時間”、ぐらい。


「ふわぁ・・・あ、ねむ・・・」

そういや、昨日はほぼ徹夜したんだった。ゲームは立ち上げたものの、余りにも眠過ぎて、進める気になれない。


「明日一日時間あるし、今日はもう寝よ」

折角の土曜夜だけど。私は“Lサイズ”の寝間着を着て、眠りに付いた。


昨日の、今日。もし、何かあったとしても“ちょっと大きめ”を着て寝れば、大丈夫。私はそう、タカを括っていた。


―――。


グ・・・ググッ。


ミチ・・・ミチヂッ。


「・・・・・」

グ・・・グググ、グモォッ。


ミヂィッ! ピリッ・・・。


「・・・・・・・」

グッ、グモォッ! モリッ!


ビチッ、ビチィッ!


「・・・・・・・・ぅ」

モリモリモリィッ!


「う・・・・・」

ビリッ! ビリビリビリッッ!!!


「うぇっっ!!?」

私は、飛び起きた。


「う、苦し・・・」

胸元が、苦しい。いや、胸元だけじゃない!


「電・・・」

まだ薄暗いままの部屋で、私は電気を点けようと手を伸ば・・・


ミチッ・・・バァンッッ!!!


「え・・・」

・・・そうとしたら、寝間着の胸元が弾けた・・・ような感覚。


「う、眩し・・・」

電灯で明るくなった部屋。窓の外はまだ、薄暗い。


「何、これ・・・」

煌々と輝く電灯の元、露わになる私の双丘。


砲丸のように丸々としつつも、ドンッと前方に突き出す、大きな両の乳房。

吹き飛んだ胸元の生地の傍に、フロントホックが完全に壊れたブラがダランと垂れ下っている。


「そうだっ! 鏡・・・」

私は兎にも角にも、立て鏡で全身を確認することにした。


「・・・嘘。何、これぇ・・・」

電灯の下に晒される“Lサイズ”の寝間着は、見るも無残な状態になっていた。


肩はモコッとアメフトのプロテクターみたいに膨らみ、肩口の生地は幾つも裂け目が出来ている。

更に、そこからモゴォと盛り上がる二の腕は、曲げ伸ばしする度に袖を引き裂き、弾き飛ばした。


ウェスト周りは余裕があるものの、丈そのものはやはり足りていなくて、更に彫りの深くなった腹筋が覗く。

太腿に関しては、余りに太過ぎたのか、股下から膝までのズボンタイプのボトムの生地は全て散り散りになっていた。


「何で、こんな・・・」

最早、“ムキムキ”なんてレベルじゃない。筋肉“モリモリ”。


「これで、二度目・・・」

二度目なら、“まだ偶然が重なっただけ”って可能性も、ある。

でも、もし。身長が伸びたと気付いた時を“最初”とするなら、これでもう・・・三度目。


「・・・ってか、さ」

“これ”、偶然とかそうじゃないとか。もう、“そういうレベルじゃない”・・・よね。


「・・・んっ」

いろいろと確かめるように、私は鏡に向かって、幾つかポーズを取ってみる。


力を篭めて腕を曲げれば、胸元の巨乳と遜色のない、砲丸のような大きさの力瘤が盛り上がり。

脚に力を入れれば、ギュギュゥッと太(ぶっと)い腿が更に太くなり、股下の隙間が無くなった。


「・・・あんっ」

つい、変な声が出ちゃった。

私は敢えて、こんな筋肉隆々な身体でグラビアポーズを取ってみた。勿論、見様見真似だけど。


身体を揺らす度に、胸元がブルンッと揺れた。世間一般的に巨乳と言って差し障りのない、大きなバスト。

全身筋肉だらけで体格が良くなった筈なのに、ウェストはキュッと縊れて凄い逆三角形な体型。


ある意味、“パラメータ”通りの【きんにくびじょ】で【じょけつ】な体型だった。


「う、っそ・・・」

前にも使った、『1m』の巻尺。その巻尺が、私の胸回りを測るには“足りなくなっていた”。

全然、足りてない。多分、10cm以上。いや、明らかに、足りていなかった。


「お尻は・・・100cm」

生涯初めて、『1m』超えを果たしたメートルバストに対し、ヒップはギリッギリで『1m』に収まっていた。


後からわかったことだけど、ウェストとヒップは“Lサイズ”の寝間着でギリギリ収まるサイズだった。

そのお陰か、腰やお尻周りの生地は比較的無事で済んで助かった。


「太腿は・・・え? 71cm!?」

そりゃ、こんだけ太いと女性用のズボンに収まる訳なかった。71cmって、競輪選手並みなんじゃ・・・。

因みに、高校生男子の腰回りの平均値が69cmらしい。クラスの男子のウェスト並みの太腿って・・・。


「力瘤は・・・51cm」

太腿と比べると何か、大したこと無いようにも見える。だけど、高校生男子の“太腿”の平均値とほぼ同じサイズだった。


「男の子の脚と同じ太さの力瘤、腰と同じ太さの脚・・・」

何かもう、サイズ感がおかしくなりそう。


「ボディビルダー・・・」

私はふと、ネットで検索してみた。筋肉ムキムキでモリモリのボディビルダーがどんどん、検索結果として出て来る。

こういう時、ホントにネット社会って便利だと思う。さっきの高校生男子のサイズも検索の賜物。


「良し。負けてる負けてる」

私は、“男性”ボディビルダーの写真を見ながら、そう独り言(ご)ちた。


検索一覧にある、“女性”ボディビルダーの写真は見ない。敢えて、見なかった。

今の私のサイズが、男子ビルダー未満、女性ビルダー“以上”だなんて、信じない。



悪魔のアプリLv.08「太腿:71cm」 悪魔のアプリLv.08「太腿:71cm」

Comments

感想ありがとうございます。 成長モノは海外だとドンと来い的な感じの作品が多くて、それはそれで良いんですが、やっぱり戸惑いとか驚きが情緒あって良いと思う次第です。

デアカルテ

筋肉成長ものは最高ですよね 成長に戸惑う感じが醍醐味だと思ってます

名無しです

感想ありがとうございます。 服破りは個人的に好きなんですが、色んなお話で描いてるんで、マンネリにならないかいつも不安です。パラメータに関しては、今後をご期待頂ければと思います。

デアカルテ

お疲れ様です。 成長で衣服を破壊するの大好きです。カンストっぽい数値ですが255を突き抜けて欲しいです。 今後も楽しみにしてます。

okita


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