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デアカルテ
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悪魔のアプリLv19「高さ:220cm」

「何て言うか、その・・・凄いね」

「あ、はは・・・」

横に並んで立っている女子バレー部主将が、シミジミとそう言った。


放課後。


私は女子バレーボール部に、体験入部に来ていた。

元々請われていたこともあってか、バレー部は私のことを快く受け入れてくれた。

勿論、あわよくば晴井さんの代わりに、なんて魂胆もあっただろう。


女バレ主将は、184cmあるらしい。部内で一番背が高いらしく、体格もガッチリしてる。

卒業後は、実業団やら企業やら、色んな所からお声が掛かっているぐらいの猛者。


・・・なんだけど、私と並ぶと大人と子供にしか見えない。

184cmの高身長でも、私の胸元に顔が来る程度。肩にすら、背が届かない。


高校の女子バレーって、ネットの高さが220cmらしいんだけど、主将の万歳と丁度同じ高さ。

一方の私は、既に額より上がネットからハミ出てる。普通に立ってるだけなんだけどね・・・。


ハミ出てると言えば、私は初めてバレーボールのユニフォームを着せて貰った。

制服や体操服と違い、いわゆる短パンにタンクトップという比較的、布地が少ないデザイン。


228cm247kgの超絶筋肉ボディでも何とか着られると思われて、着せられたんだけど・・・。


トップ188cmMカップのイニシャル通りなメロン爆乳を覆ったところで、タンクトップの生地は足りなくなった。

タンクトップの裾はアンダーバストあたりで力尽き、脂肪の全くないレンガブロックな腹筋が露わ。

短パンに至っては、138cmの剛脚を通したせいか、既にスリットが入っている始末。


そして、タンクトップだから辛うじて通ったものの、62cmの上腕は主将の頭より二回りは大きい。

その剛腕が、万歳するだけでネットより高い位置に出現するのだ。


「痛かったら、言ってね」

物は試しと、私が万歳したネット越しに、他の部員がスパイクを放つ。


バシィ。


乾いた音を出しながら、ポーンッとバレーボールは飛んで行く。


「凄・・・弾いたボールがあんな飛んでくの初めて見た」

ボールは、9m先のエンドラインを軽く飛び越えて行った。


「彼女、ウチのエースでスパイクは時速100km/h超えるのに・・・」

ホントに頑丈なのね、と主将はこれまたシミジミ言った。


時速100km/hと言っても直径21cm、重さ280gのそれなりの大きさの球体。

顔面に喰らえば怪我も有り得る。そんなバレーボールの直撃も、私の剛腕はビクともしない。


「因みに、跳んだらどのぐらい? まあ、跳ぶ必要は無いんだけど・・・」

女子バレーのスパイク時の最高到達点は、約3mと言われているらしい。


現に、さっきエースの彼女が跳んだ時が、そのぐらいだろう。だけど、私の万歳で賄える高さだった。

つまり、私ならブロックで跳ぶまでも無く。万歳しただけで、ほぼ全てのスパイクを止められる計算になる。


「跳んでみましょうか?」

「うん、見てみたい」

周りの女バレ部員たちにも期待の眼差しを向けられ、私の“この身体で初めて”全力のジャンプをした。


ギュオッ!


という凄まじい靴と床の摩擦音。


「・・・あ、あれ?」

「「「・・・えっ!!?」」」

私は、自分自身が想像していた以上に、ビョーンッ!と跳び上がってしまった。


「うわっ、と・・・」

余りに高く跳び過ぎたのか、Mカップよろしくなメロン二つが、空中でバルンッと上下に揺れる。


「・・・と」

ドズゥンッ!!と、これまた凄まじい着地音。


「嘘、今・・・」

「え、見間違い・・・?」

バレー部員たちが、口々に今起きたことを理解出来ないで居る。


「ちょっと、誰かスマホ持って来て」

「はい、これ」

別クラスなので面識は無いけど、私と同じ一年生の部員がいそいそとスマホを持って来た。


「もっかい、お願いして良い?」

「あ、はい」

今度は、私もどのぐらい跳べるのか、意識しながら跳んでみることにした。


「せー、のっ!」

ギュギュオッ!


「うわ、凄っ!?」

「え、え?」

意識してると、一気に“上がる”視線に跳んだ私自身が面食らってしまった。


「・・・っと」

ズズゥンッと着地。


「ねぇ、見てこれ」

「・・・うそ」

私は、動画で撮影された自分自身のジャンプを見て、驚いた。


短パンより上、腹筋あたりまでバレーボールネットの上に跳び上がっていたのだ。

推定だけど、少なくとも垂直跳びで1m近い跳躍をしたことになる。


「ウチの学校の垂直跳び、私が記録持ってたんだけどね・・・」

主将が驚きやら、悔しさやらが入り混じった言葉を放った。

女子バレー部主将の垂直跳びの記録は、75cmらしい。因みに、世界記録は120cmとのこと。


バレーボールの最高到達点(ジャンプ時の手の位置)は女子だと3m、男子でも3.5mと言われている。

そんな中、体育の授業程度でしかやったことのない私が、一発跳んだだけで軽く4m超え。


「こんなこと言うのアレだけど、その体格(ナリ)でそんだけ跳べるのって凄い・・・」

女子同士とは言え、体重に関する話題は気を遣う。・・・んだけど、まあ言いたいことは良くわかる。


70~80kgなアスリートが1m跳ぶのとは訳が違う。私は体重は、247kg。

単純計算、片足あたり124kgの高重量を1mも持ち上げたことになるのだ。


「最近、ちょっと自主的に筋トレ始めたので、その効果なのかも・・・」

思い当たる節があると言えば、最近始めた“自動車挙げ”だけど・・・。


1t超えの自動車を持ち上げる、なんてことが出来たのは、この下半身の強さがあってのことなのか。

それとも、自動車挙げで鍛えたからこその、下半身の超筋力ってことになるのか・・・。


「気を取り直して、次はスパイク行ってみよっか」

主将が私のジャンプを確認したのはスパイクを見据えてのことだったみたい。


だけど、余りに跳び過ぎる私を見て、ジャンプしてのスパイクは諦めた模様。

まあ、私の場合、万歳しただけで3m近い。つまりは、跳ばなくても女子バレーの最高到達点とイコールな訳で。


「空振りしても良いから、トス上げたら思い切り叩いてみて」

「はい」

バレーボール素人な私としても、いざ跳んだらボールを狙って打つ、なんて動作出来る自信ない。

立った状態で待ち構えて、ボール来たら打つ、だったらまだやれそう。


「行くよぉ・・・」

「・・・んっ」

私は立ったまま、身体全体に力を籠める。


モゴッ・・・モリモリィッ!


「・・・それっ」

「えぃっ!」

ヒュゴォッ!


バァンッッ!!! ビッ、ビリビリッ!


「「「え」」」

幾つかのことが同時に起きて、みんな理解が追い付いていない。


「あれ? ボールは・・・」

打った筈のバレーボールが“何処にも無かった”。


「う、っそ・・・何、これ。みんな、観てみて・・・」

“一部始終”を捉えたスマホの動画をみんなで確認してみると・・・。


私が右手を後ろに振り被った瞬間、上半身がモゴォッと大きくなった。

正確には、只でさえレンガ張りの厚さの腹筋が更に一回り大きくなり。

首から肩、背中に掛けての広背筋が二回りは肥大化し、ユニフォームをピッチピチに引き伸ばし。


右手をボールに振り下ろすインパクトの瞬間、私の上半身は更に一回り巨大化。

筋肉の隆起に耐え切れず、タンクトップのユニフォームはビリビリに破けてしまった。


「肝心のボールは・・・?」

そうだ、ボール。動画を再生してみても、ボールが何処に飛んで行ったかわからなかった。


「私、目が良いんだけど・・・」

主将がそう、前置きした。


「ボール、何処にも飛んでって無いよ。その場で破裂してる」

「・・・えっ!?」

動画をスローモーションで何度も再生してみた。確かに、主将の言った通りだった。

周りを隈なく探すと、バレーボールの表皮と思しき布切れがあちこちに落ちていた。


「あはは・・・ボールがボロくなってたんですかね・・・」

「それよりも、着替えないと」

私も流石にボールが消し飛ぶとは思ってなくて、上半身が半裸なのに気付くまで時間が掛かった。


「何か、すみません・・・」

「ウチらが誘ったんだし、気にしなくて良いんだけど・・・」

みんなが、着替えたばかりの私の身体をジロジロ見ている。正確には、上半身なんだけど・・・。


全力スパイクでボールを破裂させたせい・・・かどうかはわかんないけど、上半身がパンプアップしちゃってる。

バレー部ユニフォームのタンクトップのさっきと同じサイズなのに、既にピッチピチの状態。


「バレーのスパイクって、腹筋と背筋を使うとは言われてるんだけど、ホントにそうだったのね」

ブロック一つが拳大にまで肥大化した腹筋、ボディアーマーのように巨大化した背筋を見てそう言った。


「次はサーブを試してみよっか」

私はネットから離れ、エンドライン際に立って、ボールを手に持った。


「打つんじゃなくて押す感じで、ね。八分目ぐらいの力で・・・」

「あ、はい」

私はボールを破裂させないよう、“押し出す”イメージでサーブを放った。


バシィッ!! ヒュゴォッ!!


ズボォッ! ズッパァンッ!!


「「「・・・・・」」」

「あ、はは・・・」

みんな、無言になっちゃった。私の乾いた笑いだけが、体育館をこだましている。


力任せの素人サーブは、低い弾道で放たれ。先ずは、ネットを“突き破った”。

某サッカー漫画でゴールネットを突き破る描写があるけど、正にそんな感じ。


それでも勢いは落ちず、ボールはそのまま低空の弾丸ライナーで数十メートル先の体育館の壁にブチ当たって漸く止まった。

いや、むしろ勢いは落ちていたのか、ボールは衝撃音の割に破裂せずに済んだ、とも言える。


「ネ、ネットも傷んじゃってたのか、な・・・はは」

部員の一人が、フォローでそう言ったものの。誰一人として、実際にそう思っていないのは明らかだった。


「せ、折角だし、最後にレシーブでも、やってみる?」

「あ、はい・・・」

何か変な空気になって来ちゃったけど、ここまで来たら今の私の身体でバレーボールしたらどうなるかは全部見ておきたい。


「多分ブロックよりは痛くないと思うけど、危なそうだったら避けてね」

「はい、大丈夫だと思います」

ブロックの時も、別に痛くなかった。ネット際の至近距離でノーダメージだったので、まあ大丈夫。


「そーれっ」

「ぬんっ!」

主将がトスを上げて、エースが明らかに渾身の力を籠めたスパイクを放った。


バシン。


今まで一番大人しい音、というか。私の前腕に弾かれたボールは、ポーンッと大きく跳ね返って行った。


「ね、腕ちょっと触って良い?」

「あ、はい。良いですよ」

何か思うところがあったのか、主将は私の前腕をさわさわと触って来た。


「嘘、硬った・・・」

「ホント、ガッチガチ・・・」

他の部員たちも、便乗し始める。


「筋肉ってここまで硬くなるものなの? カッチコチ・・・」

「ちょ、くすぐったいです」

前腕だけで飽き足らず、他の部位の筋肉も触り始める始末。


「実は、レシーブであそこまで飛んだのは初めてよ」

反対側のエンドラインを超えて飛んで行ったボールを指して、主将はそう言った。


「は、はぁ」

私はイマイチ、要領を得ない。


「普通の人だともっと柔らかいし、スパイク受けたら衝撃で腕が下がるの」

つまりは、ショックアブソーバーの役割を果たし、ボールの威力はある程度吸収されるらしい。

だから、自陣でトスに繋げるよう、ボールを上げることが出来る。


「アナタの筋肉って、ボールからすると壁、なのよね」

「・・・壁」

筋力が強過ぎて、女子バレー・・・いや、人間が放つスパイク程度ではビクともしない腕。

硬さも加味され、衝撃が全く吸収されずに壁打ちの要領でボールが大きく跳ね返ってしまうと言うのだ。


私自身が超絶テクニックを持ってるならまだしも、そうでないなら自陣に返るようにレシーブするのは無理ってことらしい。


スパイクしたら、ボールが消し飛び。

サーブしたら、ネットを突き破り。

ブロックやレシーブは、ボールが明後日の方向に飛び過ぎてしまう。


ちょっと力を籠めるだけで、パンプアップしてユニフォームを破るオマケまで付いて来る。


「アナタのパワーを、バレーボールって枠に収めるのは無理みたい」

それが、結論だった。

Comments

感想ありがとうございます。 バレー部なので元々大きなサイズがあった、という想定です。この辺は描写すべきだったかも知れません。まあ、丈が全然足りてない上に破いてしまいましたが・・・

デアカルテ

感想ありがとうございます。 今後もこういう描写は増やして行きたいと思っています。

デアカルテ

色々規格外なスペックを発揮してしまうの好き

名無しです

更新お疲れ様です。 何故、彼女の着れるユニフォームがあったのでしょうか… もしや晴井さんのだったりするんでしょうか… 今後の学校でのイベントが更に楽しみです。

okita


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