夫婦生活
Added 2025-04-04 15:00:00 +0000 UTC「アナタ。もっと、ちょうだい・・・」
艶のある、女の声。
「・・・ふぅっ。ふぅっ」
それに応えるような、男の籠(くぐ)もった吐息。
ダウンタウンの郊外に在る、豪奢な大邸宅。
一部屋が、普通の家のリビング数個分はあろうかという広さ。
その内の一室、寝室と思しき部屋に男と女が向かい合っていた。
「ジョージ。全然、足りないわ・・・」
「キャシー、そうは言っても・・・」
ジョージと呼ばれた男は、既に汗だくになっている。
肩で息をしていて、呼吸も乱れている。
男は大柄で、身長は『6フィート(182cm)』と言った所か。
かなり逞しい身体付きをしていて、鍛えられていることが伺える。
「なぁ。いい加減、もう“こんな事”は辞めにしないか・・・?」
「何言ってるの。続けてちょうだい」
ジョージは“見上げる”も、キャシーことキャサリンの表情は伺えない。
それは何も、部屋の照明が薄暗くなっているから・・・ではない。
むしろ、照明類は新聞を読めるぐらいには明るく調整されている。
ジョージの目線は、身長から換算して『170cm』ぐらいの高さ。
そのジョージの目の前に、分厚い“壁”が在った。
正確には、壁と見紛うようなキャサリンのお腹だった。
ジョージの拳よりも大きな、ブロック状に六分割された腹筋。
只でさえ分厚いキャサリンのウェストの上には当然、それより広く大きくて。
自己申告で『8フィート(259cm)』『Qカップ』という、凄まじいデカさの胸元。
「・・・・・」
片方の乳房だけで、バランスボール大はあろうかという“BigBoobs”は。
普通に向かい合って立っているだけなのに、夫婦間の視線交換を不可能にした。
「わ、わかったよ・・・」
仕方ない、と諦めたジョージは気持ちを改めて。
手に嵌めた“グローブ”を、強く握り込む。
「ふぅっ! くぅっ」
右、左と綺麗なワンツーパンチのコンビネーションを放つ。
ドゴムッ、ドゴン!
衝撃音からも、腰の入った重いパンチであることは直ぐにわかる。
・・・が、それを無防備で喰らったキャサリンの腹筋は微動だにしなかった。
「・・・ふぅ。全く、効いてないわよ」
「いや、でも俺は・・・」
キャサリンのダメ出しに、ジョージは反論する。
ジョージは数年前まで、ヘビー級ボクシングのチャンピオンだった。
三年ほど王座を防衛した後、“拳の怪我”で引退。
直ぐ様、トレーニングジムの経営者に転身し、事業者として成功しつつある。
「最近、トレーニングをサボってるんじゃないの?」
「キャシーに言われたメニューは、ちゃんとやっている」
ジョージは引退してから更に、自身を追い込むような鍛錬を続けている。
それは勿論、“必要に迫られて”だ。
「むしろ、現役時代よりパワーが付いたぐらいだよ」
太い腕には力瘤が盛り上がり、広背筋も大きく発達している。
明らかに、人を殴る事を目的として鍛え上げられた肉体。
「“このぐらい”は・・・」
キャサリンは、利き手とは逆の左手をギュッと握り込む。
軽く握っただけで、手首から肘に掛けての『前腕屈筋群』がボコッと盛り上がる。
前腕の筋肉の大きさだけで、既にジョージの力瘤より大きい。
「・・・威力、出せないものかしら?」
更に、“発射タイミング”を知らせるかのようにゆっくりと腕を曲げる。
ググ・・・モゴゴォッ!
「お、おい・・・っ」
腕を曲げただけなのに『Qカップ』バストが横から圧迫され、潰れる。
子供の身長ほどもある、『5フィート(152cm)』もの超特大の力瘤。
キャサリンはかつて、『ストロングマンコンテスト(男子の部)』に出場し。
この剛腕で大型トレーラーを持ち上げて見せ、周囲を盛大にドン引きさせた。
「やめ・・・」
キャサリンとしては、“手打ち”のつもりでテイクバックしなかった。
それが却って、ジョージにとっては災いとなった。
キャサリンの片腕は、それだけで『200ポンド(90kg)』もの重量がある。
『90kg』のハンマーで殴られれば、どんな屈強な男だろうと無事で済む筈もなく。
ドゴォッン!!
「うぼぉっ!」
ジョージは、寝室の端から端まで吹っ飛んだ。
不幸中の幸いだったのは、寝室がかなりの広さがあり。
硬い材質の家具は無く、大型のキングサイズベッドがあるのみだった事。
ドガァッ!
「うぎゃ」
ベッドでバウンドするも、衝撃が吸収され切らず。
ジョージは寝室の壁に打ち付けられ、ようやく止まった。
「ちょっとっ! ジョージ、大丈夫っ?」
流石に、拙いと思ったのか。
キャサリンが巨体を揺らしながら、慌てて駆け寄る。
ドンッ、ドンッ。
『300ポンド(136kg)』もの体重のジョージが、床の振動でフワッと浮き上がる。
「うっ、おっ・・・やめ」
無事だったのか、ジョージはキャサリンを制止する。
『ストロングマンコンテスト』時代。
キャサリンは『7フィート(213cm)』『800ポンド(362kg)』と、公称していた。
「だ、大丈夫だから・・・っ」
ジョージは再度、改めてキャサリンを落ち着かせる。
ジョージは現役時代、一つだけ誰にも負けない特技を持っていた。
相手の身体サイズ、強さを見抜く審美眼。
「キャシー。最近、“測った”事はあるかい?」
「何、突然。コンテストも出られないし、測ってないわよ」
『ストロングマンコンテスト』は、トレーラーの件で殿堂入り。
有り体に言えば、“出禁”にされた状態である。
「そう、か・・・」
ジョージは改めて、自身の審美眼で以ってキャシーを見遣る。
身長:8フィート(259cm)
体重;900ポンド(408kg)
これが、ジョージの見立てだった。
実に、『1フィート(30cm)』『100ポンド(45kg)』ものサバ読み。
「何かもっと、他の方法を考えないか?」
厄介なのは、キャサリンが『被虐性欲者(マゾヒスト)』だった事。
『ストロングマンコンテスト』に出たのも、“超ウェイト”に出遭える事を期待したからだ。
一般人では用意出来ないようなウェイトで、それこそ骨でも折れてしまって良い、と。
結婚してから、キャサリンは“夫婦生活”でも“痛み”を求めるようになった。
「何か、って。具体的には?」
「それ、は・・・」
これだけの巨体を持つ、キャサリン。
多くの対戦相手をマットに沈めたメガトンパンチですら、全く意に介さない。
それどころか、引退の直接の原因がそもそも、この“夫婦生活”なのだ。
妻の顔面を殴るのは、流石にジョージが拒否。
かと言って、脂肪が詰まり過ぎな『Qカップ』バストでは、“痛み”を感じず。
腹筋が隆起しているとはいえ、最初はお腹を殴るのも難色を示した。
その代わりとして、太腿を殴っていたのだが・・・。
「・・・・・」
ジョージは、キャサリンの太腿に視線を送る。
ハードパンチャーで自慢だった、自身の拳を破壊した超極太な太腿。
公称ではなく、ジョージの目算で『6フィート(182cm)』というビッグサイズ。
想像通りなら、自身の全身の筋肉を搔き集めても、キャサリンの太腿には足りない。
大腿四頭筋の一本の筋だけで、自分の太腿と同じぐらいの太さがあるのだ。
もしまた、“夫婦生活”を太腿で、となれば。
自分は二度と、拳を握れなくなるかも知れない。
「少し、時間をくれないか」
「そう? わかったわ」
キャサリンが何かを思い付く前に、代替案を挙げなければ。
・・・と、ジョージは内心、焦っていた。
キャサリンがお手本とばかりに、自分へ新案を実践すれば。
また、先程のように壁まで吹っ飛ばされ兼ねない。
次の“夫婦生活”までの時間は、ジョージ自身のタイムリミットでもあるのだった。
Comments
なるほど!そうでしたか! はい、私的にはこちらで書いていただくの全然アリです(°▽°)
Nogi_(°Д°)
2025-04-05 11:06:57 +0000 UTC感想、ありがとうございます。 挙げて頂いたシチュに似た展開も考えたのですが、白衣の女の方に活かす形になっています。こちらでも書いてみるもアリ・・・でしょうか。
デアカルテ
2025-04-05 08:29:58 +0000 UTCマゾヒストの筋肉巨女良いですね(^^)この二人の出会いや前後の夫婦生活も気になりました。あと、自分を痛めつけてもらうためにあえて危険なスラムに赴き輩に襲わせて、逆に輩の方を痛めつけてしまうみたいなシチュとかも妄想しましたw
Nogi_(°Д°)
2025-04-04 18:15:43 +0000 UTC