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その後の三つの願い08「バストアップ」

「先ず、は・・・」

家(ウチ)の壁には、赤ペンで何本も横棒が刻まれている。

普通の家庭なら、子供の成長記録と言った所なんだけど。


その内の一つは、強調するように太く塗られていて。


『――2m!』


と、ビックリマーク付きでわかり易く書かれている。


「身長は、っと」

頭頂部の高さで合うようにペンを這わせ、壁にマーキング。


『2m』地点が、いわゆるベンチマーク的な扱いで。

そこから巻き尺を伸ばすことで、直ぐに身長がわかるのだ。


何度も成長を繰り返した結果、身長測定の手順が最適化されていた。


「こっから・・・ここ、で」

巻き尺は、『21cm』を指した。

つまり、トータルで『221cm』。


「・・・大台、なのかな」

私の身長は、『220cm』の大台に突入していた。

とはいえ、『2m』を超えた辺りからピンと来なくなってる。


目線が高くなったことはわかっていたので、実感はあるけど。

具体的にどれだけ高くなったのか理解が追い付かない、ってイメージ。


「こっちも、大変なんだよねぇ」

身長の次に計るのが大変、というか面倒臭い部位。

それは、『上腕』だった。


「ん、っしょ・・・」

上腕二頭筋の山の頂上に、セロハンテープで巻き尺をペタッと貼って。

巻き尺を這わせつつ、グルッと一周させる。


「84、かな」

腕は、肩の高さで平行に伸ばしたままの状態。

力を籠めない『上腕伸展囲』が、『84cm』。


普通にダランと伸ばしてるだけなのに、私の腕は成人男性の胸周り並み。


「ん・・・ぅ」

そこから、ゆっくりと腕を曲げて行く。

這わせた巻き尺を千切らないよう、慎重に。


モゴォッ。


「うわぁ、っと」

手首をクイッと手前に倒して力を籠めると、倍近くにまで膨らむ。


「・・・130」

こっちも、大台って言って良いんだろうか。


タイヤや浮き輪で何度も、『バーストチャレンジ』して遊んだけれど。

大きくなった自覚はあったものの、こうして具体的な数値で見るとビックリ。


『130cm』って実に、サッカーボール(65cm)二個分のデカさがある。


例えば、学校の体育の授業でサッカーをやったとして。

私がゴールキーパーだったら、『ダブルバイセップス』でボール四個分の隙間を埋められる計算。


「太腿は・・・137」

太腿の測定も、両手が使えるからといって簡単ではなかった。

『137cm』というサイズは、鍛えたプロレスラーの胸板並み。


大昔に放映していたロボットアニメで。

幾つかマシンがパーツとなって合体して、巨大な決戦ロボットになるのがあった。


私がもし、そのロボットだとすると。

右脚と左脚に、それぞれプロレスラーがくっ付いた状態ってこと。


下半身にプロレスラー二人が付いてる、なんて訳はないんだけど。

それだけ太いと、歩くだけで太腿が擦れ合ってギュギュッと音が鳴る始末。


「次は、・・・188」

我ながら少し、唖然としてしまった。


バレーボール選手の身長、ではない。

まして、私の身長はとっくの昔に『2m』なのは見ての通り。


私の身体で、身長の次にビッグなサイズ。

それは胸囲、つまりは『トップバスト』だった。


大胸筋もそうだけど、銃弾なんて屁でもない広背筋。

それが、更に大きくなったということ。


「えー、マジでぇ・・・」

こればっかりは、少し困ってしまう。


私としては、自分から進んでは大きくなるつもりはないんだけど。

もし仮にこのまま成長が続けば、『2m』用の巻き尺だと足りなくなる。


巻き尺はまだ、『3m』用に買い直せば済む話だけど。

こと、ブラジャーに関しては、そうは行かない。


背中が余りにもデカ過ぎると、ブラのホックが届かない。

今でさえ、延長ホックを継ぎ足して使っているので、強度に問題が出る。


「・・・ん、と」

取り敢えず、どのぐらいホックが足りないか確認すべく。

手持ちのブラを合わせてみる、も。


「・・・あ、れ?」

ブラが、嵌らない。


身に着ける以前の問題、というか。

ブラのカップに、私の乳房が入らないのだ。


「え、うそ」

無理やり収めようとするも、柔肉が零れてしまう。


「何で・・・あ、そうだ」

一つ、計り忘れていることに気付いて。

慌てて、計測。


「148・・・」

アンダーバストが、『148cm』になっていた。


「トップが・・・で、アンダーが・・・」

トップバストが『188』で、アンダーバストが『148』の場合。

アンダー差は、差し引き『40cm』。


「え、え。何で」

元の数値は、『173(K137)』。

アンダー差は、『36cm』だった。


「これじゃ、『Lカップ』じゃない」

アンダー差の境目は、『2.5cm』単位で変動する。


Kカップ:35.1~37.5cm

Lカップ:37.6~40.0cm


正確な測定じゃないとはいえ、『3cm』も増えるのは誤差では済まない。

『3cm』違えば、それだけで一カップ分の違いになるのだ。


「何で、おっぱい増えてるの・・・」

アンダーバストは、男性で言う所の胸囲に相当するので。

アンダーバストが増えた事自体は、単純に筋肉は増えた、で済む。


だけど、アンダー差は純粋な乳房の高さの差。

なので、筋肉は関係ない。


「ご飯が美味しくて、脂肪が付いちゃった・・・?」

日々の食事で脂肪が増えた可能性は、有り得なくもない。


「・・・んぅ」

改めて、右腕を曲げてみる。


モゴゴォッ!


いつもながらの、特大な力瘤が盛り上がる。


「硬っ・・・た」

鋼鉄を捏ね回せる超握力でも、凹ませる事すら出来ない。

超合金製か何かと勘違いしそうな、ガッチガチの上腕二頭筋。


「まあ、そうだよね」

ここのところ、『ゴミ置き場』で筋トレした結果。

脂肪分は、むしろ減ったように思う。


「お腹も・・・うん」

隙間に指が入るぐらい、ボゴォッと盛り上がる腹筋。


脂肪が全くないとは言わないけど、無駄な贅肉は皆無。

むしろ、筋トレしたことで脂肪が落ちた可能性すらある。


それに、そもそもの話。


一晩でカップサイズが上がる程、おっぱいが大きくなるなんて。

そんな成長期の身長が伸びる、みたいな話は聞いた事がない。


「こんなの、初め・・・あ」

初めて、ではなかった。


私は、思い出す。


『・・・だったら、【私の胸を両手でも掴み切れないぐらい、大きくして】』

【魔人】への【二つ目の願い】として、こう願った。


内容の良し悪しとかの是非はこの際、置いておくとして。

この時の願いの成就によって、私は一晩で『Kカップ』へとバストアップした。


二つ目の願い:【私の胸を両手でも掴み切れないぐらい、大きくして】

三つ目の願い:【私の身体を、この胸に相応しい均整の取れたナイスバディにして】


【三つの願い】の内、私自身に作用するのはこの二つだけ。


「・・・あ。いや、でも」

“気付き”というには、余りにも荒唐無稽な考え。


【魂】を得ることで、【爆乳に相応しい身体になる】願いが効いていると思っていた。

それ“だけ”が効き続けている、と勘違いしていた。


「アンダー差って、メモで残してたっけ・・・」

成長に合わせて、服選びをしたこともあってか。

ブラを買っても合わない、を避ける為に寸法はメモを取ってた・・・筈。


「あ、あった」

机の引き出しに、書き殴ったメモが残っていた。


1回目:34cm

2回目:35cm

3回目:36cm?

4回目:36cm


いつの、どの時点の成長かはわからないけど。

数回分の、アンダー差の数値が記載されていた。


「この、『36cm?』って・・・」

巻き尺でのアバウト測定なので、恐らくだけど。

実際は、『35.5』ぐらいだったんじゃないかな。


「・・・・・」

私は、胸元辺りで両手を広げてみる。

普通に、“大きな”手の平。


「・・・ん」

再び、右腕の力瘤を盛り上げる。

そして、広げた左手で上腕二頭筋をガバァッと掴む。


力瘤の山の半分ぐらいは、覆えてしまう。

言い換えれば、サッカーボールぐらいなら掴んで持てるぐらい大きい。


もっと、わかり易く言えば。


子供と大人の手や足を比較して、サイズは同じではないという事。

正確には、身体のサイズは身長に比例する。


「何で、気付かなかったんだろ・・・」

実際問題、既に何度か“靴を買い替えて”いた。

身長が伸びるに連れ、足のサイズが大きくなったからだ。


足が大きくなったのであれば、手も大きくなっている。

そう、考えるのが自然だ。


「私、手袋しないもんね・・・」

これは、好みの問題なんだけど。


手袋といった手を覆う系統の衣類は、好きじゃなくて。

鍋掴み用のミトンとかも、ウチには存在しない。


そうでなくても、普段から手のサイズなんて考えて生活してる人は居ないだろう。


「身長だけじゃ、ないもんね・・・」

【魂】を獲得した結果、起きる現象はあくまで『成長』であって。

身長が伸びるのは、その内の一側面でしかないのだ。


「手も、大きくなって行ってたから・・・」

【両手でも掴み切れないサイズの胸】という条件は、ずっと生きていて。

アンダー差の数値の履歴の通り、徐々に胸のサイズも増えていた。


そして、ここに来ての【魔人】化。


減衰しないダイレクトな【魂】によって、膨乳が顕在化した。


Comments

感想、ありがとうございます。 バストアップは描写が難しい面もありまして、いつか別作品でメインに据えたいと思っています。

デアカルテ

投稿お疲れ様です わずかながらも望ちゃんのおっぱいがデカくなって興奮しました! この感じだとおっぱいは筋肉みたいに爆発的にデカくなる感じではなさそうですね

NL


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