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ケイドロ編③

~登場人物紹介~

名前:三崎さん(2年生)

仲間の中では頭脳派。新たな特技の習得に成功したようだ。

名前:一ノ瀬さん(2年生)

体力自慢。腕力なら同世代の子には負けない。

名前:二宮さん(1年生)

警察官に憧れており、捕まえた悪人を羞恥責めにする妄想で毎晩興奮している。




 学年混合ケイドロ大会の日がやって来た。

 ケイドロとは警察役と泥棒役に分かれて追いかけっこする遊びのことである。一学期に一度行われるこの大会は全校生徒を巻き込んで大々的に行われていた。


 三学期の凍えるような寒さも走り回っている内に誰もが忘れてしまっている。

 警察役の一ノ瀬がその健脚により、瞬く間に泥棒役の三崎を捕えた。


「捕まえた!」

「あ~ん、捕まっちゃった」


 一ノ瀬の脚力に三崎が逃げ切れるはずもない。それは三崎も熟知していて、なおも余裕な笑みを浮かべていた。


「これから縛られるっていうのに全然焦ってないじゃん?」

「ふふっ、まぁね」


 そもそも三崎であれば正々堂々と追いかけっこなどせず絶対に見つからない場所を考え出し、最後まで隠れ通すことくらいは簡単にできた。しかしそれではあまりに退屈なので今回はわざと捕まってあげたのだ。

 もちろん、大人しく縛られておくつもりもないのだが。


「えっへっへ……ついに三崎先輩を縛る時が来ました!」


 遅れて追いついてきた二宮は既に恍惚とした表情を浮かべ、早速その手に持った縄を三崎の身体に這わせていく。


「二宮ちゃん、手加減してね?」

「誰が手加減なんかするもんですか。前回の恨み、晴らさせてもらいます!」


 二学期の大会で二宮は菱縄縛りという屈辱的な緊縛を施されている。プライドを粉々に砕かれた二宮にとって、今日という日は逃すことのできない絶好の復讐チャンスと言えるだろう。

 やがてギチギチと音を立てる縄がしっかりと結ばれ、厳しい緊縛状態が完成した。


「どうだ! えっへへへ、早速無様な姿を晒して回って……え?」


 キツく縛ったはずの縄が三崎の身体からシュルシュルと解け落ちていく。


「じゃーん。縄抜けの術、大成功」

 


「な、何が起きたの!? えっ、ちゃんとギューって縛ったのに!」


 困惑する様子の二宮に一ノ瀬が答える。


「二宮、私見てたけど三崎の身体すごく柔らかいよ。さっきまで体が固い振りをして縛りを受けてたから縄が緩かったんだ」

「な……!」


 二人の驚く顔が見られて満足感に浸る三崎は伸びをしながら付け加える。


「何度縛っても同じよ。そもそも二宮ちゃんは縛るのが下手だし、これくらいならいくらでも抜けられるわ」

「ぐぬぬぬぬぬ……!!」


 歯を食い縛り悔しそうな二宮の顔が愉快でならない。相手の「こんなはずでは」という顔は何度見てもいいものだ。


「一ノ瀬先輩、三崎先輩を逃さないで! ちょっと必要なもの借りてくるので!」

「わ、分かった」


 何を思いついたのか二宮が一目散に走り去っていく。よほど悔しい思いをしたのか、普段ならすぐに息切れする二宮がこの時ばかりは俊敏な動きを見せていた。


「どうするんだろうね~。一ノ瀬ちゃんは分かる?」

「さあ」


 いくら縄抜けしようとも一度警察に触れられた泥棒は逃げてはいけないルールだ。三崎は一ノ瀬と共に大人しく待つしかない。



 数分後、追加の縄やガムテープを持ってきた二宮はやはり大きく息を切らしていたが、疲労にも構わない様子で一ノ瀬に指示を出した。


「一ノ瀬先輩、三崎先輩の腕をグッと引き上げてください。柔らかいんだから遠慮はいりませんよ」

「おっけー」


 三崎の腕を関節の可動域限界まで折りたたみ、手首を背中の高い位置に持ち上げられる。その状態で何本もの縄を幾度となく巻きつけられた。

 三崎もさすがにキツいと思ったが、まだ手先は自由に動く。腰を曲げて身体の縄に指が届けば簡単に縄抜けできるはずだ。


「よーし、仕上げにこれを……」


 背後でベリッと音が鳴ったかと思えば、肩甲骨辺りで合唱させられた三崎の指先にガムテープが巻かれていった。


「あっ、ちょ、それは……!」


 この日のために三崎が覚えてきた縄抜け術は身体の柔らかさと器用な手先を活かしたものだけだ。ガムテープで指を封じられてしまっては縄抜けができない……!


「二宮、口にもテープ貼っちゃおうよ」

「もちろんそのつもりですよ?」

「んぐっ!?」


 物言えぬ状態にされ、しまいには股縄まで通される始末。

 全校生徒があちこちで走り回っている校庭で、本格的に身動きができなくなってからようやく周囲の視線が気になり始めた。


(い、いや……! こんな屈辱的な格好、見られたくない……!)


「気分はどうですか~? 三崎先輩……ね!」


 ギュウウっと股縄が持ち上げられ、思わず甲高い悲鳴を上げてしまう。


「んんんんんぅっ!?」



(こんなことなら最後まで隠れてればよかった……っ)


 後悔先に立たず、今まで一ノ瀬や二宮にしてきたように、三崎もそのあられもない姿で校庭内を練り歩かされることになった。

ケイドロ編③ ケイドロ編③ ケイドロ編③ ケイドロ編③ ケイドロ編③ ケイドロ編③

Comments

とうとう三崎さんが縛られる事に! さすがに一筋縄ではいきませんでしたが、警察側の方が一枚上手でしたね。ジャージ姿の背面合掌縛りもとても可愛くて最高でした! ケイドロはとても良いものですね、ありがとうございました!

かし


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