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ぬ!@一次創作限定
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ボンデージフィットネス

 美香は学生でも通いやすいフィットネスジムがあるとの噂を聞きつけ、まずは無料体験コースを受けることにした。

 建物は碌に車も通らない辺鄙な場所にあり、とても流行っている様子ではない。しかし外観も中も新しく、どうやらごく最近できたジムのようだ。

 案内されるがまま更衣室で着替えを済ませてスタジオに向かう。他には誰も来ていない様子で、どうやら借り切り状態になっているようだった。

 少し待っているとインストラクターが現れた。軽く挨拶を済ませて、マットの上で柔軟体操を始める。

 フィットネスマシンを利用したかったのだが、体験コースでは使わせてもらえないのだろうか。概要をよく確認せず応募してしまったのでこれから何が始まるのか全く分からない。


「はい、柔軟はこれくらいでOKです」


 すっかり全身が解れた所でいよいよ何かが始まりそうだ。期待半分・不安半分といった気持ちでいると、インストラクターは縄の束を持ってきた。


「では身体を縛っていきますね」

「……はい?」



 全く意味が分からなかったが、インストラクターの動きは実にスムーズだった。困惑している内に後ろ手に縛られ、膝上と足首まで縄を巻き付けられてしまう。


「あ、あの……! 何ですかこれ……!」

「高手小手縛りです」

「いや縛り方じゃなくて」


 床に転がされた美香は身をよじらせるが、縄が緩む気配は一切無い。どうやら本気で縛られてしまったらしい。


「ではフィットネス開始です。私の所まで這いつくばって来てください! ワンツー・ワンツー! リズムよく~!」


 このままでは解いてもらえそうになかったので、言われた通り芋虫のように這いつくばってインストラクターの元へと向かっていく。



「初めてなのにお上手ですね~。もっとスピード上げましょう! ワンツー・ワンツー!」


 こんなことは生まれて初めての経験だったため、どんどん疲労がしていくのが分かった。運動は得意なのでちょっとやそっとのことで息を上げるつもりは無かったが、インストラクターの足元へ到達する頃には呼吸が乱れてしまっていた。


「お疲れ様でした~! 一旦休憩しましょうか」

「はいぃ……」


 休憩とは言っても縄を解いてもらえるわけではないようで、美香は横になってじっとするしかなかった。

 インストラクターと話をすると、どうやらここでは身体を縛られた不自由な状態で何とか動こうとすることで劇的な運動効果を得ることが特徴のジムなのだと教えてくれた。


「学生さんは割引が効きますので、ぜひ通ってくださいね! 痩せますよ~!」

「あ、あはは……」


 窮屈な思いはするものの、普段使わない筋肉をよく使っている感覚はある。継続すればきっとここでしかできない身体作りをしていけるのだろう。


 その後は縛られた状態で鬼ごっこをするなど、遊びと運動を織り交ぜたトレーニングをいくつも行った。

 トレーニングの最後に美香は正式に入会する手続きを済ませ、次回の予約も取り付けてから家路につく。

 縄に締め付けられる感覚が腕や脚にまだ残っている。


(結構よかったなぁ。縛られたのに何でだろ……)


 美香は得体の知れない高揚感を覚えながら、予約した日付を手帳に書き込んだ。

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