オートスコアラーの一体、レイア・ダラーヒムとの交戦に入った雪音クリス。
一進一退の攻防を繰り広げる二人だったが…
一瞬の隙をつかれ、コインを変換錬成して繰り出されたトンファーの痛烈な突きを受けてしまうクリス。
そしてその先端部は見事に彼女の"臍穴"を射貫いていた。
ギアを纏っているとはいえ、装甲に覆われていない、しかも人体で最も脆弱な急所である臍穴をピンポイントに突かれたことで、想像を絶する痛みがクリスの臍奥に炸裂する。
トンファーが引き抜かれるや否や、その穴を庇うように屈みこむクリス。
だがそれでも必死に痛みに耐えながら敵を睨み付け戦闘を続けようとするその刹那、さらなる烈痛が彼女の臍に迸った。
なんとトンファーを構成していたコインが、そのままクリスの臍の中に残置していたのである。
まるでその臍穴に蓋をするように埋め込まれたレイアのコイン…
これがクリスにとって悪夢の始まりであった。
「ぐほぉッ!!?」
クリスの腹部にめり込むレイアの拳。
今、雪音クリスはオートスコアラーの一体、ファラ・スユーフに背後から羽交い締めにされた状態で、レイアの猛攻にその身をさらし続けていた。
既に何十発叩き込まれたのか分からないほどの打撃に、今や彼女のギアは大破も同然の状態で、特に集中的に狙われた腹部は完全にスーツが剥がれ落ち、その惨たらしいまでの痣と傷が白日の下にさらけ出されてしまっている。
その見るも無残な腹部の中央…そこにクリスをここまで窮地に陥れた"元凶"が存在していた。
鈍い黄金の光を照り返しながら存在感を示すその物体…
レイアが初撃でクリスの臍に埋め込んだ、穴の縁が裂けんばかりにギチギチにはまり込んだ特製コイン…
それこそキャロル・マールス・ディーンハイムが対シンフォギア装者用に作り出した『デストラクション・ディ・ノンブリル』であり、それは対象者の臍穴に埋め込むことで、"臍"という人体で脆弱な組織を常時刺激し、シンフォギア装者の力の源となる"歌"を封じる一種の妨害装置であった。
キャロルの思惑通り、臍穴に異物を埋め込まれたクリスの戦闘能力は著しく低下し、さらには他のオートスコアラーが加勢したこともあって、一方的に追い詰められそしてついにはギアの完全破壊寸前まで追い込まれてしまっていた…
「く、くそぉ…」
息も絶え絶えのクリスから悪態の声が漏れる。
オートスコアラー達にいいように嬲られ、全身をズタボロにされ、ほとんど戦う力も失ってしまったクリス。
それもこれも全ては自分の臍に埋め込まれた"コイン"のせいであった。
「ひ、人のヘソに…こんなもの…埋め込みやがって……ぅぐあッ!」
今なおもクリスの臍穴の奥を激しく刺激し続ける『デストラクション・ディ・ノンブリル』。
文字通り臍を破壊されるような痛みに悶え続ける彼女を背後から拘束しているファラが嘲笑う。
「フフフ、まさか人の"ヘソ"というものがここまで脆弱な器官だったとは…」
「ホントですよォ~、マスターがまさか"臍穴を狙う"とか言い出した時は、頭おかしくなっちゃったんですかぁ~?ってガリィ思っちゃいましたけどもぉ!」
他の同僚たちが寄ってたかってクリスを嬲る様を一人離れた場所からニヤニヤしながら見ていたガリィ・トゥーマーン。
「フン、マスターの目論見通りとはいえ、臍に異物を埋め込まれただけでこのザマとはな…」
冷たく言い放つレイア。
「テ、テメエら…ぜ、絶対にこのままで…終わると…」
臍奥に疼き続ける激痛に顔をしかませながらも、なおも戦う意志を見せようとするクリスであったが…
「へぇ~!ココってそんなに弱いのカァ~?」
「ッ!?」
突然目の前に降り立ったオートスコアラー、ミカ・ジャウカーン。
ついに4体のオートスコアラーに囲まれ、絶体絶命の窮地に立たされるクリス。
そんな彼女に無邪気な顔で問いかけるミカ。
「なぁ、お前?"ヘソ"って何のために付いているんダ?」
「し、知るか…!」
「え~、教えてくれないとこうしちゃうゾ~」
コツ…!
「ッ!?、うぎィッ!!??」
クリスの臍に迸る烈痛。
その鋭い爪先でクリスの臍穴のコインをコツコツと突き始めるミカ。
「ホラホラホラ~、教えてくれないとおヘソ壊しちゃうゾ~?」
「や、やめろぉおおッッッッッ!!!!!!!!ア、アタシの臍がァッ!!!アタシの臍がァああああアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」
見た目には小突かれている程度であったが、『デストラクション・ディ・ノンブリル』はそこに受けた衝撃を何十倍にして臍穴奥に送り込む機能も備えられており、今クリスは臍の中で何度も爆発が起こっているような衝撃と激痛に悶え苦しむ羽目となっていた。
「ホラホラホラホラホラ、教えてくれだゾ~?」
「あがアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッ!!!!!!!?????」
臍穴に間髪入れず連続で炸裂する激痛に、ついに耐え切れなくなり気を失ってしまうクリス。
「フン、堕ちたか…」
「それじゃ、マスターの命令通りお持ち帰りってことで、ファラ?」
「分かっています」
力が抜けたクリスの体をそのまま担ぎ上げるファラ。
そしてそのまま彼女たちは、クリスを連れたまま彼女たちの居城へと帰還するのであった…
【続く】
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2023-05-27 23:38:02 +0000 UTCpowt
2023-05-27 12:28:51 +0000 UTC