※ヤムさんの小説「風の女神の真ん中は・・・(1)」の私的続きとなります。
ピンポーン!
インターフォンから発せられるチャイム。
「…」
その音に玄関に向かっていくのは部屋の主、速水優夏。
彼女は今回の来訪者が誰だか分かっていた。
すぐさま扉を開けようとする優夏であったが、ふとドアスコープからその姿を確認しようとする。
「…えっ!?」
そこから見えた"モノ"に思わず"ギョッ"とする優夏。
スコープに映ったのは丸い物体…
それは訪問者が来ている衣装のボタンのようであったが、その形が彼女がよく見知った形状…"相棒"の"お腹"についているものと同じ形をしていたからだった。
「え、み、瑞希!?」
扉を開けた瞬間、彼女はさらに驚愕した。
「ヤッホー、優夏♪」
そこに立っていたのはまごうことなき、ビーチバレーでチームを組む彼女の相棒たる蒼井瑞希。
スレンダーな長身の体躯、試合時と同様にまとめ上げられたポニーテール、誰もが見とれてしまう美貌の持ち主…
だが今、彼女は別の要素で優夏の目を引いていた。
彼女が今着用しているのは青を基調としたノースリーブシャツにホットパンツ…
彼女のすらりと伸びた手足…引き締まった二の腕と太ももをまるまるさらけ出した極めて布地の面積が小さい格好であったが、殊更目を引くのは彼女の正中線に沿って並ぶモノ…
首元から腹部に向かってシャツの前立てとホットパンツのフロントに付いたボタンであった。
それは短丈のシャツとローライズのパンツの間の肌から堂々と顔を覗かせていた彼女自慢の一品…引き締まった腹部の真ん中に鎮座する"渦巻きデベソ"と同じ形をしていた。
「み、瑞希…そ、その格好…」
「ど~れがアタシのおヘソだ?」
「…えっ!?えぇ…?」
どう答えていいか分からずドギマギする優夏。
「ほらほら、よく見てよく見て。分かったら直接"正解"を指で突っついて!」
腰に手を当てて、“答え”を強調するかのようにお腹を突き出す瑞希。
それはまるで自分の格好に動揺する相方の反応を楽しんでいるかのようであった。
「も、もう…!とにかく早く部屋に入って!」
もし隣人にこんなところ見られたら…咄嗟に相棒の手を引き玄関内へと引き釣り込む優夏。
ドアを閉めようやく一息つく。
「も、もう…何なの瑞希、その格好…?」
「ん~♪アタシ特注の衣装だけど?どう?」
少なからず動揺している優夏にお構いなく、再び腰に手を当てそのお腹のシンボルを見せつけるような仕草を取る瑞希。
「前から考えてたんだけど、このアタシのおヘソを模したグッズとか作ってみたいなーって。そしたらこの前偶然このおヘソと同じ形したボタン付いた服見つけてさ!それで全部アタシの臍の形したボタンにしてみたら面白いかな~って…」
青のシャツとホットパンツに取り付けられたボタン…
それには二つの勾玉を合わせたようないわゆる"太極図"の模様が付いており、彼女の言うとおり自身の"渦巻きデベソ"と同じ形状をしていた。
さらにボタンは赤と白の二色に塗り分けられていたが、なんと彼女の臍までもがそれに合わせるように塗分けられている。
「おヘソの半分にちょっと頬紅を付けてみたんだけど…ほら!このボタンとまったく同じで見分けがつかないでしょ?…でもちょ~っとアタシのお腹のボタンの方が大きいかなぁ…アハハハハ!!!」
あっけらかんとして笑う瑞希。
ここに来る道中、多くの人たちからその奇抜な格好と色分けされた渦巻きデベソを凝視されてきたことが容易に推察できたが、そんなことなど露も気にせず堂々と街中を練り歩く相方の姿が思い浮かぶ…
優夏は改めて相方の大胆さと図太さに思わず苦笑いを浮かべた。
「ま、まあおヘソさらけ出すのも…ほどほどにね…」
そう言いながら相方を室内へと案内する優夏。
ダイニングチェアに座った瑞希を尻目に冷蔵庫から麦茶を取り出しグラスに注ぐ。
「…外、暑かったでしょ?」
「まあこんな格好だから結構涼しかったよ。おヘソに風当たるのが心地良かったし…」
そう言いながら自分のむき出しの臍をグニグニと弄る瑞希。
「もう…瑞希ったら………」
相棒の目の前のダイニングテーブルにグラスを置く。
「ありがと優夏!ま、アタシとしては"コッチ"の方でも良かったんだけど」
グラスにビールを注ぐ仕草を見せながらも、相方が注いだ麦茶が入ったグラスを即座に手に取り、そしてそれを一気に飲み干す。
「………」
「プハー!生き返りますなー!もう一杯!!」
「…!、う、うん!」
またも並々と茶を注ぐ優夏。そしてそれをゴクゴクと飲み干す瑞希。
青のノースリーブシャツが彼女の体型をくっきり浮き立たせるほどのピッチリサイズであったため、彼女が喉を鳴らすたびに、その腹部がうねる様がまざまざと見て取れる。
衣装のボタンと彼女のお腹のボタンが交互にうねる様を見つめる優夏。
そんな相棒の視線を知ってか知らずか、瑞希は5杯の麦茶を一気に飲み干すと、グラスをテーブルにトンと置き優夏の方を向いた。
「…で、改めて話って何?」
「…う、うん……それはね………」
「もしかして!"引退"を撤回してくれるとか?」
「!、そ、それは…」
どことなく落ち着かない様子でソワソワし始める優夏。
「…優夏は優夏の人生があるから…とやかくは言えないけど………でもアタシは優夏ともっとバレーがしたいよ…」
「………」
「あ、結婚してもさ!ちょっとだけ休んで落ち着けばまた…」
「…う、うん…」
「…ど、どうしたのよ優夏…?なんか…妙にソワソワして……心……ここにあらず…って………いう………か…………」
「ッ!!」
ガタンッ!
瑞希がそのまま椅子から崩れ落ちそうになるのを慌てて支える優夏。
「…瑞希?」
その表情を伺うと気を失っているものの微かに息をしているのが見て取れた。
「………」
ホッと胸をなでおろす優夏。
そして彼女はダイニングに隣した部屋の方へと視線を向けた…
「………」
薄暗いダイニング…
そこで優夏は震える手つきで小さな"ハンドル"を回していた。
"器具"本体を左手で押さえながら、自分の手に収まるほどの小さなプラスチック製のハンドルを右手でゆっくりと捻じるように…そして気づかれないように…
あまりもの緊張感に脇がじっとりと汗ばんでくる…
ハンドルを回すにつれ、罪悪感とそして何か得も知れない感情と共に"ソレ"が目に見えて浮き上がってくる。
「………んぅ」
目の前から不意に聞こえてきた小さな呻きに思わずビクッと震える優夏。
優夏の目の前のテーブルに横たわっている人物…それは他ならぬ彼女の相棒、瑞希であった。
眠りの状態にあっても、ついに"身体の異常"を察したのかその身を捩らせ始める。
捩れる体の中心部…人体の芯ともいえる部位…まるで太極図が埋め込まれたかのような円らなシンボル…
それを覆うように張り付いていたのは透明なシリンダー…陥没乳首を強制するために使用される強力な吸引力を持った『ニップルサッカー』であった。
だが今その吸引機が張り付いているのは、瑞希の硬い腹筋の中心に位置するデベソ…
ハンドルを回すことで内部が真空となり、そこから生じる強力な吸引力が彼女のお腹で唯一柔な肉を容赦なく引き釣り上げていた。
「あう…!うぅ…!」
苦し気に呻く瑞希。
既に目視で5cmほど飛び出している状態で、"故意的に"眠らされていた瑞希もさすがにその違和感に意識を覚醒させようとしていた。
「うぅ~!うぅッ!!!」
もう今すぐにでも起きそうな相方の様子に思わず器具から手を放し後ずさる優夏。
「う…うぅんッ!!!!」
ついにパチッと瑞希の目が開く。
そして意識が無い間もずっと何処かで感じてきた"違和感"を確認しようとその目が動く。
その瞬間、彼女は自分の身が置かれた異常さに思わず叫んだ。
「な、ナニこれぇッ!!???」
【続く】
ポロシャツ
2023-12-11 10:10:06 +0000 UTCポロシャツ
2023-12-11 10:07:56 +0000 UTCヤム
2023-12-10 22:04:50 +0000 UTCroosectre
2023-12-10 16:09:37 +0000 UTCなな
2023-12-10 13:05:52 +0000 UTC