海辺の小さなカフェ「マリンシュガー」
「お待たせしました!新発売の特製アイススピーチティーです!」
メイドビキニの制服に身を包み、テラス席のお客様へ笑顔で向かうマヌカ店長。
マリンシュガーのテラス席は潮風を感じながら海を眺望できる人気の席だ。
ガシャン!
うっかり蹴躓き転んでしまうマヌカ。
転んだ拍子にアイスピーチティーは海の中へ落ちてしまった。
「も、申し訳ありません。すぐに新しいものをご用意します!」
慌ててお客様に頭を下げるマヌカ。
お客様はマヌカにお怪我はないかと語りかける。大丈夫ですとマヌカ。
替えの商品を用意しようとキッチンに戻ろうとするマヌカを引き止めてお客様はこう語りかけた。
「マヌカ店長?海に落ちたピーチティーの気持ちも考えてあげて?」
マヌカの表情が凍りついた。
ごぽ.....ごぽ.......
数分後、水深10メートルの海の底にマヌカは正座していた。
メイドビキニを脱いで生まれたままの姿、手錠と足枷で両手両足を拘束して。
身に纏うものすべてを脱ぎ飾らない姿で、逃げないという意志を示すために自らに拘束を科す、マヌカの誠意だった。
真夏の海でも海の底は素肌には染みるような冷たさだ。
口元をきゅっと一文字に結んで息がこぼれないようにするマヌカだが、
呼吸を求めた身体はびくびくと痙攣し、「ぐぶっ.....」「ごぼっ.....」とくぐもった声とともに大きな泡がこぼれ始めた。
息が苦しくなってきて、どくんどくんと心臓の鼓動が早くなってきても謝罪を続けるマヌカ
ごぼっ...ごぼぼぼぼぼっ.....頭を下げたまま口を開く。
「申し訳ございません....」
「私の不注意で....アイスピーチティーを.....海に落としてしまいました....」
「せっかく暑い中足を運んでくださったのに.....っ.......」
ー『海に落ちたピーチティーの気持ちも考えてあげて?』ー
お客様の言葉を反芻し海に落ちたアイスピーチティーに向かっても謝罪を続ける。
「ごめんなさい.....」
「お客様に楽しんでもらえると思ってたでしょうに......」
「でも、お客様のお手元に届く前に....深い海の中に沈めてしまいました.....」
がぽっ...ごぼごぼっ....ひときわ大きな泡が口元からこぼれた。
身体の中の空気を全部吐き出しながらマヌカは続ける
「すべて私の不徳の致すところです....誠に申し訳......ございま........」
最後の空気がマヌカの口元からこぼれていった。
意識がぼんやりする。足枷が外れふわっと身体が浮かび上がる。
口元からこぽこぽと小さな泡をこぼしながら海底に漂うマヌカ。
「身体が軽い....私は......お赦し.......頂けたのでしょうか.......?」
意識を手放す間際まで謝罪を続けたマヌカ。
その姿は沈んだアイスピーチティーのように儚く、美しかった。
もちづきちよ
2025-08-13 11:28:20 +0000 UTCToOceanSky
2025-08-12 15:30:51 +0000 UTCもちづきちよ
2025-08-11 15:38:58 +0000 UTCNK
2025-08-11 15:34:40 +0000 UTC