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緑のルーペ
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【ネタ帳お蔵出し】:青春のアフターIF

※緑のルーペのネタ帳から、FANBOXだけのこっそりシナリオをお蔵出し!

そのままコピペしたので脈絡はないかもしれません。

本来使用しないはずのものなのでもろもろご理解ください!




青春のアフターIF 台本


1章●高校時代の3年間


●1999年 10月10日

・さくらと倉橋がキスしそうになるシーンから始まる。

・本当は倉橋がどんなことを思っていたのか描く。

「…本当は、ずっと」「好きでした」

・さくらの言葉。それに対する倉橋の想い。

なんとなく、キス出来そうだなって思った。

こういう瞬間は、今までいくらでもあった。

こういう時に、することなんて決まっているから、今回も、同じようにしただけだ。


「何してんの?」

・鳥羽が声をかける。倉橋が立ち上がって、その場を去る。白けちゃった。

・さくらと、それを追いかける鳥羽を見送りながら倉橋は思う。画面としてはさくらと鳥羽の顛末も映しつつ。


――『何してんの?』と聞かれれば。

そんなのは、単なる反射だ。


いずれ良くないことになることも、心のどっかじゃ解ってる。

でも、ああしないと、すぐにでも良くないことになるだろ?


・さくらに振られる鳥羽。さくらはタイムスリップしない。

・さくらが目を開けて、鳥羽と目が合う。その瞬間、さくらは物凄く後悔し、ぎゅっと顔をしかめて。

「ごめん」

・と、ぼそっと謝ってその場を去ろうとする。

・鳥羽はそれを追いかけて、手を無理やり取る。

「…何で、お前が逃げるんだよ!!」「何で、謝るんだよぉ!!」

・さくらの泣き顔を見る鳥羽。

「私だって、ワケわかんないっ!!!」

「泣くなよぉ…」

「倉橋の、何が良いんだよ…」


「くっそぉ…」



…過剰に好かれることは、面倒くさい。


なあ、教えてくれよ。

恋が良いもんだって言うならさ。


――俺を好きになってくれるお前らが、一体全体、俺に何をしてくれるんだ?


●タイトルコール:青春のアフター IF


●場面転換。1999年 10月14日

・数日後。澤と話す倉橋。口論の末に倉橋の決定的な言葉。

「いや、だからさあ」

「俺ら別に付き合ってないし、文句言われる筋合いなくね?」

・パン、と頬を叩かれる。

「…何よ、それ」「最っ低…!」

・澤に超キレられる倉橋。その後泣く澤。倉橋はそれをなんだか覚めた目で見てる。


・場面転換。考え事しながら、さくらと弁当をつついてる倉橋。

皆が、俺のことを好きになるなんてのは、当たり前のことだ。

でも、こっちには同じ感動が無いから、ああいう態度取られると、冷めちまうんだよな。

(最低、か)(そんなこと言われてもな)

(その恋の熱とやらで、人のこと傷つけてりゃ世話ないぜ)

(…ああくそ、イライラする)(解ってるよ、悪いのはこっちだ)(でもさ)

(相手の望みを叶えてやってたら、いつの間にか悪人になるしかなくなってる、こっちの身にもなってほしいよ)

「ほれ、あーん」

・にこやかに卵焼きをさくらの口元に持っていく。さくらは、恥ずかしがりながらもそれを食べる。でへへ。

・倉橋の視界の隅で、落ち込んで友達に慰められてる澤が見える。

(人が笑ってるのを見るのは好きだ)(安心する)

・自分もさくらの手料理を食べながら思う。

(うまい)(…和食も良いな。あんま作んねえけど、練習しよっかな)


・ガララララ!

・突如開かれた扉。教室がざわつく。金髪にした鳥羽が教室に現れた。ぽかーんとしてる皆。

・鳥羽、倉橋とさくらを通りがかりにギロリと睨みつけて、自分の席にどかっと座る。

・皆少しだけ沈黙したのち、我関せずと、会話に戻る。

・鳥羽、しばし待つも、我慢できずに立ち上がり、倉橋とさくらの前に立つ。睨むが、何も言えない。それを見てるさくらと、一瞥して無視する倉橋。


「そうだ」「俺も料理得意なんだぜ。さくら、今度一緒に作るか?」

・鳥羽を無視してさくらに話しかけてる倉橋。

「え…?えっと、でも」「あの…ええ?」

「俺も行く!」

「ふえ?」

・動揺するさくら。


●場面転換。1999年 10月19日

・3人で料理。鍋を落として散らかす鳥羽。

「あちっ!」「おわ、あぶね!」

「まこと、大丈夫?」

「…ごめん」

・明らかに鳥羽が足を引っ張っている。

・片付けさえもテキパキと出来ず、倉橋やさくらの手を煩わせる始末。

「料理出来ねえなら邪魔すんなよお前」「クソかっこ悪い」

「…っ」「そんなこと、解ってるよ…っ」

・泣いてる鳥羽。

「もっと色んなこと出来たら、さくらの役に立つ奴なら良かったって、もっと頑張ってりゃ良かったって、今死ぬほど後悔してるよ!」

「でも、ダサくても、格好悪くても、今、頑張るしかないだろ!!」

「だって、気づいちゃったんだよ!!」「俺、お前に勝ってるとこ、なんも、ないって…!!」


「もう、なにもしないままじゃ、生きてることさえ恥ずかしいんだよ…!!」

・必死な鳥羽の表情。少し気まずそうにしつつも絆されるさくらは、倉橋と鳥羽を見比べるように眺める。倉橋は思う。

俺には、恋が分からない。

だから、こいつの気持ちだって、分からない。

でも。


なんか、良いな。こいつ。


「ぷっふふ」「くく」「くっはははははは!!」

「…」

「いや、すまん」「バカにしてるわけじゃねえんだ」「真剣にさ」

「お前、すげーな…って」


「なあ」「友達になるか、俺ら」



●場面転換。1999年 12月24日

・クリスマスイブ。天体観測をしようと、倉橋は望遠鏡を家から持ってくる。

・鳥羽は自転車にそれを積み込んで、超頑張ってついていく。倉橋とさくらはバイクでニケツ。

・到着後。

「お前よく着いてくるよなあ」「邪魔だとか思わねえの?」

「うるせえなあ」「そんな分かりきってること、今更気にしてもしょうがないだろ」

・一緒に飯作ってる倉橋とさくら。

・鳥羽はテント張ってる。二人用サイズ。

「おい、1個目終わったけど?」

「おうご苦労。飯もうすぐだから休んでろよ」

「いや、違くて。テント、これ一つ?」

「そうだけど?」

「………は?」「お前…信じらんねえ…」

「いや、テント一個で良いって言い出したのはさくらの方だぞ?」


・場面転換。前述の発言にくそ凹んでる鳥羽。飯食い終わった後。望遠鏡の準備とかしながら会話してる。さくらはちょっと離れたところでぼうっとしてる。

「つかお前、自分のテント持ってきてねえの?」

「自分の荷物なんか積む余裕なかったよ…」「はー…どうしよ」

「てっきりテント二つあると思ってた…」「お前のテントで寝るつもりだったのに、アテは外れるわショックな話はされるわ…」「はー…」「あー…死にたい…」

「…つか、俺のテントで寝るつもりって…」「恋敵にナチュラルに頼るかね普通?」

「え」「だって、友達でもあるんだろ?」

・きょとんとしてる倉橋。そこで、さくらが声をかけてくる。

「たつみ~まこと~」

「おっと…ごめんな、さくら。もう望遠鏡の組み立て終わったから…」

「眠い…」

「は!?天体観測これからだぞ!」

「ごめん…昨日、あんまり眠れなくて」

「しょうがねえな…」「じゃあいっそ今のうちに寝て、2時位に起きるか」「寝起きに天体観測ってのも乙じゃねえか?」

「ん…」「それで~…お願いします…」

・さくら、半ば寝ぼけながらぺこり。

「んじゃ、俺も寝よーっと」

・倉橋とさくら、二人でテントに入っていく。


「…あれ?どしたの?」

・倉橋とさくらがテントの中に入っていった後、一人外で待ってる鳥羽。さくらが声をかけてくる。

「まこともぉ、入っといで?」

・三人で川の字になって寝る。先に寝たさくら。シチュエーションに納得いかず、呆然としてる鳥羽。

・倉橋が話しかけてくる。

「良いのかよ」

「さくらが許したなら、俺は構わねえよ」

「嫉妬とか、ないわけ?」

「…んー、他の男だったら嫌だけど」「さくらがお前のこと許してる理由もなんとなくわかるし」「俺も、お前のこと、さくらと同じくらいには、好きだからな」


「…」

「こいつさ」「一人だとうまく寝れないんだと」「いっつも婆ちゃんを抱きまくらにしてるそうだ」

「テント一つで良いって発言も、別に他意はないみたいだぞ」「ガキなんだよ、要するに」「良かったな」

「…」

「おっぱいは全然ガキじゃないんだけどなあ」

・無造作に抱きついてるさくらのおっぱいを揉んでる。

「ちょ、お前なあ…!」

「お前も揉むか?」「おっとすまんすまん、お前はただの友達だったな」

「殺してえ…」


●場面転換。1999年12月25日。帰り道。さくらと鳥羽がニケツ。帰りは倉橋がバイクの上に荷物を積んで運んでる。

(胸が当たってる…)

「ねーまこと」「私の事、好き?」

「え?」「あ…うん」「好き、だけど」

「どういうところ?」

「え~…?」「あー…」「料理が上手で」「素っ気ないけど世話焼きなとこあって」「でも奔放なとこもあって」「ちょっとだけ、掴みどころがなくて」

「…そういうの、全部、可愛いなあって、思う…けど」

「ふうん」

「…どうして?」

「…」「辰巳にね、言われたの」


『卒業まで、3人のままで居るって…ダメか?』

『鳥羽のことも、卒業までは、見てやって欲しいんだよ』

『それが終わったら、俺か鳥羽か、お前が決めてくれりゃ良い』


「意味わかんない」

「…ごめん」

「別に」「まことのせいじゃないし」

「…俺は、さくらが好きだよ」

「でも、さくらは倉橋のことが好きだってことも、ちゃんと分かってるし、でしゃばるつもりとか、別に、ないから」


「でも」「好きだよ」「うん」「さくらのことが、大好きだ」

「あー…はは」「好きな人に、好きって言うの、すっげー気持ちいいわ!」「ごめんな!」

「うん」「そうだね」

・朝日の中、自転車でノロノロと帰る鳥羽とさくら。




●場面転換。2000年2月11日

・倉橋と鳥羽、二人きり。ふっと言う鳥羽。

「…名前で呼べば?」

「は?」

「前に言ってたじゃん」「俺とさくらのこと、同じくらい好きなんだろ?お前は」

「じゃあ、名前呼びくらいしないと、嘘だろ」

「…え」「良いのか?」

「は?なに言って…」「あ…、お前まさか…遠慮してたのか?」「…ぷっ」「はは」

「…バカにしてんの?」

「いや、ごめん」「…」「お前、超だせーなって」

「バカにしてんじゃねえか!」

「悪い悪い」


「…よろしくな、辰巳」

「…おう」

「なんだよ、ここは名前で呼び返すとこだろ」

「うるせえなあ」


「…言っとくけど、俺は、お前とさくらが一緒に居ることも、3人で一緒に居ることも、ちゃんと不快だからな」「さくらだってそうだ」

「勘違いすんなよ」


「…ったく」「ホントに」「…うるせえなあ」


●場面転換。2001年 7月29日

「今までありがとうね」

・鳥羽と倉橋が二人でいる時に、お婆ちゃんが声をかけてくる。

「3人とも頑張ってくれて…ヘルパーさんも呼ばんでようなって…」

「ほんとは、こんな子供に頼るん、恥ずかしゅうて、悲しゅうて、そう思っとったけど…でも、それでも、嬉しかった」

「ごめんね、こんな老いぼれの世話なんかさせて。若い子らがねえ…」

「ぜんっぜん良いです!さくらと一緒ならなんでも楽しいです!」「お前それ微妙に失礼じゃね?すんませんね、こいつバカで」

「ええんよええんよ」

・柔和に笑うお婆ちゃん。

「さくらには、厳しいことばあっかり言うとった」「心配で…いつ一人になっても良いように、色々やらせて…」

「…ワシも癇しゃく持ちやから…」「つい言わんで良いこと色々言うてしまったけど」「あんたらにもね、ほんとに、ごめんね」

「…でも余計なお世話やったね」「こんな頼もしい男の子二人も侍らせて…ぷっ」「ふふふ」


「…あんね」「あの子は…もしかしたら」

「あんた達の前から、急に消えてしまうかも知れん」

「でもね、勘違いしたらアカンよ」「あの子はあんた達二人のこと、本当に大好きやからね」

「毎日毎日、あんた達二人の話ばっかりしとるよ」「倉橋くんも、鳥羽くんも、大好きやっていっつも言うとる」


「だから、消えてしまったとしても」「あの子のこと、信じて待っててあげてね」

「絶対、ちゃんと…戻ってくるからね」


・お婆ちゃんは老人ホームに行った。3人居たから、ヘルパーを雇う必要がなくなったら、逆にそのヘルパーさんは自分の実家のお婆ちゃんを家に返して世話することになったため、老人ホームに空きが出来た。

「さっき言ってたヘルパーさんがね」

「お仕事止めて、自分とこのお婆ちゃん、家で世話するんやて」

「で、そのお婆ちゃんが予約取り消したもんじゃから、老人ホームに空きが出来たんよ」「今まで苦労かけたね」「気が向いたら、さくらと一緒に、遊びに来てや」


「結局私らは、どっかで誰かの世話にならんと生きていけん」

「けどね、そんなの誰だって一緒よ」

「一人で生きて行きたい人はおっても、一人で死にたい人はおらんから」

「一人にならんように、一人にせんようにね」



●場面転換。2002年 2月28日

「で」「答えは?」

「……決めたくない」

「…」

「だって…」「3人で居るの、楽しかった」「どっちかだけだと、なんか、不安になるくらい、楽しかった」

「たつみと二人だと、まこと、どうしてるかなって思うし」「まことと二人の時も、たつみ、何してるかなって…」

「なんで、こんなになっちゃったのかな?」

「…今の時間が、楽しすぎて」「幸せすぎて、私、バカになっちゃったのかな?」

「……決めたくないよぅ」


「…ま、やっぱこうなるわな」

「…どうするよ?まこと」

「……いや、僕に決定権なんか」

「いや、決定権はお前にしかない」

「俺もさくらと同じ気持ちだもん」「3人で居られるなら、その方が良い」

「お前がここを抜けるか、このまま3人で居続けるか」

「その二択だ」

「………」「どうする?」


「……ったく」

「大学、皆同じだったよな」「あん?まあ、一般入試まだだし、受かるかわかんねーけどな」「…大学卒業までだ」

「それまでは、このままでも、良い」「付き合ってやるよ」

「そっか」「そりゃ、揃って合格しねーとな」「うっうん!皆で、合格!」


「…しんどいな」

「あ?」

「だからさ」「三人で居たいって言うなら」「もっと長い時間我慢しろって言うんなら」

「…何か、ご褒美をくれても良いんじゃないの?」


「ふむ」「なるほどな」

「確かに、それくらいの特典でもなきゃ、受験も頑張れないかもなー」「え…いや別に受験は余裕だけど」「そこは乗っかれよ!!全っ然息合わねえな!?」

「…特典?」

「いやだから、さくらがさ~…」ごにょごにょ」

・耳打ちする倉橋。顔真っ赤にしてるさくら。

「え、何?何を話してんの?」

・恥ずかしがるさくら。しかしやがて意を決したように、

ちゅっ。

・鳥羽にキスをする。その後、すぐ倉橋にもキス。


「ごっごっごご…」「ごほう、び…」

「これで、こんなん、で、ホントに良いなら、別に」「いくらでも…する、し」

・ぽかーんとしてる鳥羽。

「ひっひっひ」「いや、良いな、今までで一番気持ちいいキスかも」

「じゃもーいっかい♡」

・倉橋がさくらに要求して、さくらは再びキスをする。

「ほれ、不公平にならんようあっちにも」

・鳥羽に再びキスをするさくら。鳥羽、二度目のキスで気絶。



2章●大学時代の4年間


●場面転換 2003年 8月11日

「むっ無理無理無理無理無理っっ!!」

「き、キスなら良いけど、その先は、ホント、無理!」

「えー」「お前さー、こっちに引っ越して3人で下宿生活してんのに、今更そんなのなくない?」

「一人で寝れない癖も治んねえし」「それは…」「三人川の字になってお前が熟睡してる間、俺らがどんだけ男としての欲望を我慢してると思ってんの?」

「う~…」

「いや、僕は別に、いくらでも我慢するし」「嫌なら倉橋は出てけば?」

「お前ここぞとばかりに攻めるねえ!!?」

「はー…まことも味方になってくんねえし」

「くっそー、酒飲ませれば行けると思ったのになー!失敗かー!」

「お前とんでもねえこと言ってんな…」


「あ~…せめておっぱい揉みたい…」

「この関係始まってから俺ともあろうものが数年単位の女日照りだぞ…?ありえねえ…女からの誘いも全部断ってさあ…律儀かよ…」


「……?」「別に…」「おっぱいくらいなら…良いけど」

・間。倉橋も流石に呆れている。


●場面転換。朝チュン。一人目覚める鳥羽。ズボンだけ脱いでる。横にさくらと倉橋が寝てる状況が物凄く変な感じ。

・冷蔵庫の牛乳を飲む鳥羽。


「俺にも一杯くれー」「ん」

「っぷはー」「はー、昨日は良い仕事したわー」

「まさかあの流れから全裸にひん剥くまで5分もかかんないとは思わなかったわ…」「どんだけ女慣れしてんだよ…」

「常識とか貞節とか、その場の勢いでどうにでもなるっつーことだな」ひゃっひゃっひゃ」

「ま、結局、指で触るくらいだったけどな」

「処女だししゃあねえべ、二週間位は下準備だよ」「えっマジかよ…セックスってそんな大変なの?」

「だから無理強いしたくなかったんだよな、一日の勢いでどうこうなるもんじゃねえし」「無理してヤッて、セックスが嫌いになっても困る」

「処女は面倒くさいって、マジなんだな…」

「嫌か?」

「そんなわけねー」

「ひひっお前はそうだろうな」


「…っていうかさ」「チンコ入れる段になったとして…どっちが先にするわけ?」

「本人に聞けば良いんじゃね?」「どっちのチンコが先に欲しいか本人の口から聞いてみようぜ」うわっそれエロ!」・笑ってる倉橋。

「いや、選ばれなかった方地獄じゃん…」っていうか俺が地獄じゃん」

「んなことねえだろ」「正直さくらは、もう俺もお前も対等に見てると思うぞ」

「…そうは、思えないけど」

「なんでよ?」・倉橋の鍛えられた体つきと自分の貧相な身体を見比べながら。

「……別に」


「…身体、鍛えよっかな」

「?」



●場面転換。2003年 8月14日。前回の数日後。


「…二本、入るようになったな」「もう、痛くないか?」「ん…」

「思ったんだけど、これ、膜もう破れてねえ?」

「当たり前じゃん、んだよそんなのに拘ってたのお前?クソ童貞だな」「べ、別に拘ってねえし!」

「…明日、出来そうか?」

「…ん」

「で、どっちからする?」

「…………」

・そっと鳥羽を指差すさくら。

「…え」「え、マジで?」「でも、なんで」


「……まことの方が」「小さいから、痛くなさそう」・さくらの発言にまたもショックな鳥羽。ぶふっと笑ってる倉橋。


・3人で一緒にコンドームを買いに行く。処女喪失前最後の夜。

「とうとう明日かー」「いやー、楽しみだ」

「言っとくけど、先にするの俺だからな」

「別に良いしー、お前の次に俺だって使わせてもらうしー」「俺処女とかどうとか、そんな物質的なこだわりねえもん」

「いやおもっくそ精神的だろ…」

「…はあ」「まさか、こんなことになるとはな…」「結局、自分から離れることも出来ずに、行き着くとこまで行っちまった…」

「なあさくら」「お前、これで良かったのか?」


「……私」

「どこかずうっと遠くで」「誰か大好きな人と、二人っきりで過ごすのが、夢だった」「小さい頃読んだ少女漫画のハッピーエンド」

「…でも、今は」


「遠くにいくなら、いつまでも、3人が良い」


「…そっか」

・コンドームを買って、各々簡単な買い物をしたいとコンビニで散り散りに。その折、さくらはタイムスリップしてしまう。


「…………あれ?」

・さくら、このルートでは初めてのタイムスリップ。一人ぼっちのさくら。

「…え?」「うそ、え?」

・廃屋になってしまっている元コンビニを出る。広がっているのは、知らない街。

「なんで?」

・あてどなく走る。見知ったマンション。鳥羽と、倉橋と、三人で暮らしているマンションだ。自分たちが住んでいた部屋のベルを鳴らす。

「ったく、誰だよこんな時間に――」

・ドアが開く。先に居た人の顔は、暗闇でよく見えない。

「…どちらさん?」


・場面転換。さくらを探す倉橋と鳥羽。どこを探してもいない。

「何で…?この生活、嫌になっちゃったのかな?」

「バカ!んなわけあるか!!」「…警察に連絡したから、事件性がありゃ追々調べがつくとは思うが…」

「まさか誘拐とか…」「馬鹿言うなよ!俺ら以外にコンビニに人居なかったぞ!どうやって誘拐するんだよ!」「わあってるよ!うるせえなあ!!」

「……」「これから…どうするよ?」

「…待つよ。ずっと待つ」

「何年だって待ち続けてやる」

・決意する鳥羽。それを見てる倉橋。


●場面転換。2005年 1月12日

・季節は過ぎる。2年位?大学卒業間近。車で二人旅してる鳥羽と倉橋。家の前。

「…結局、見つかんなかったな」

「…そうだな」

「やっぱ、俺らから逃げたのかな」「最近、不安になるよ」「二人とも好かれてたんじゃなくて、二人とも嫌われてたんじゃないかって」

「…バカ」

「そんなわけねーだろ」

「じゃあ!なんで…あいつは居なくなったんだよ」


「……タイムスリップ、とか」

「は?」「アホかお前」


「…そんなでもないと、説明がつかないって思って」

「それは説明してるとは言わねーよ…」「はあ…でも、そうだな」「あの場に居たのは俺ら3人とせいぜい店員が一人」「さくらが消える前後、店員はずっとレジに居たし、他に客は居ない、出入り口は一つ」

「…さくらが自発的に逃げたわけじゃないとしたら、それこそ、瞬間移動かタイムスリップか…」「だとしたら、どうしようもねえな…」


「なあ…」「もしずっと、ずっと帰ってこなかったら…」「どうする?」

「……?」「まあ、二人でずっと生活するしかないんじゃないの?」

「お前、それで良いのかよ」

「…良いよ」

「…俺も、三人が良い」「さくらが帰ってこないなら、お前と二人だ」

「今更、一人になんかなれっこねえし」


「…お前のこと、好きだよ」割りとな」


「……あ」

・鳥羽に初めて言われて、ぽろぽろ泣いちゃう倉橋。

「はああ!!?」「な、なんだよ急に!?」

「あれ?」「あ、わり」「いや、はは」「生まれて以来の疑問が、今、やっと氷解したなって…そっか、そっか!!ははは!」「そっか…ああ、皆も、さくらも、お前も…こんな気持ちだったんだな」「悪いことしたなあ…そっかあ…」

「こんな気持ちがあるから、皆、人に優しくなれるんだな…」「こんな嬉しいことって、世の中に、あるんだな…」

「辰巳…?」

・倉橋は愛を知る。

「なあ。近くによっていいか?」

「…ああ」

「なあ、俺さ、俺さ…実は…すっげえ我慢してたことあんの!」

「ホントはずっとずっとそう思ってたけど言えなかった」「俺がそんなこと考えてるヤツだなんて、自分で思いたくなかった」「けど、それでも、聞いて欲しいんだ」「…聞いて、くれるか?」

「…良いよ」「今日くらいは、なんでも聞いてやるよ」


・朝チュン。

・翌日。ピンポーン、とベルが鳴る。

「はーい、どちらさんー?」

・ドアを開ける。目の前に立っていたのは、さくらと、二人の男。二人の男は、自分たちにどことなく似た顔立ちをしているような気がする。

「…さく、ら?」「さくら!!」

「まこと!!」

・がばっと抱き合う二人。後ろからやってくる倉橋。

「…マジで?」「うおおお!?さくら!!さくらなのか!?マジかよ!!」

「…え、っていうか、誰?」

・後ろに立つ二人は何者だ?


「僕らは結構旅に出てる時期が多かったから」「飛ぶ時間がある程度ランダムな以上、一緒についていかないと、居場所が解らないと思ってね」「わざわざ一緒に飛んできたわけだけど…」

「まあ、うん、要するに」

「…僕らは、未来の君たちだ」


「…は?」


・未来の鳥羽と倉橋に因る説明。

「君たちがさくらと離れ離れになった時」「彼女はタイムスリップしていたんだ」「およそ16年後にね」

「僕らはその時もここで生活していて…突如、当時と同じ姿のままで帰ってきた彼女と、再会した」

「少しの間、楽しい共同生活をしていたわけだが…」

「色々と試した結果、過去にも飛べること、ある程度なら飛び先をコントロールできること、そして、他者を巻き込んで飛べるということが解って…」

「じゃあ、元居た時間に返してやろうって思ったのさ」

「ま、2年ほどズレが生じたようだが…それくらいならギリギリ許容範囲かな」「君たち、待つのにはもう慣れっこだろう?」

「…いや、ちょっと待て」

「タイムスリップって言うのは分かったけど」「それ…過去改変にあたるんじゃないか?」

「お、飲み込みが早いね」「流石まこと」

「質問に答えろよ」


「そうだね、未来の僕らが元の時間にさくらを連れ帰ったことで、僕達の、『さくらを失ったまま過ごした16年』はそもそも存在しなくなる」「タイムパラドックスだ」

「…え…それって、どうなるんだ?」

「さあ?」

「さあって…」

「勿論話し合ったさ」「あらゆる可能性を考えて…その結果、『どれでも良い』って結論に達したんだ」


「過去改変をすることで、時空のつじつま合わせが行われ、僕達の未来にも16年後のさくらが現れて、僕らの記憶も修正されるのかもしれない」

「もしも過去を変えたことで並行世界が生まれるのなら、僕達のもとにさくらは帰ってこなくて、僕らは二人でずっと生きていかなきゃいけないのかもしれない」

「…あるいはタイムパラドックスの衝撃で、僕らは消滅するのかもしれない」


「そのどれでも、僕たちは構わないって結論した」「さくらを本来あるべき時間に返すことよりも、大事なことなんかない」

「…僕達じゃ、このさくらよりもずっと先に死んでしまうからね」


・突如、未来からやって来た二人の体が淡く光り始める。

「…おっと」「そろそろ時間みたいだ」「じゃあな」「3人で仲良くやれよ」

「…おい!」「なんだよ、急にやって来て、未来の俺達だとか言って…」「ろくに説明もなしに、消えるのかよ!!」

「…ああ、消える」「でも、大丈夫」「俺達がどうなろうとも、お前達が、きっとさくらを幸せにしてくれる」「なんせ俺たち自身だからな、信用してるぜ」

「じゃあな」「さよならだ」

・最後に、手をつなぐ未来の鳥羽と倉橋。そして消滅する。

「…っ」

「……んだよ、これ…!」

「…消えた」「パラドックスで…消滅したって…ことだよな?」「なあ…さくら…」

「…?」「あれ、ただの立体映像だよ?」

・急にギャグになる。

「はああああ!!!??」

「未来はこういうの当たり前になってるんだって」「すごいねー」「ほらこれ、電池で1時間位動かせるんだって」「立体映像がこんな小さな機械で作れるなんて、すごいよね~」


「……」「はあ~………」

「どうかしたの?」


・消える二人。あ、これ、使い捨ての立体映像だよ。未来はこういうのが当たり前なんだって、すごいねー。

・彼女から離れるな。彼女は酩酊状態や昏睡状態の時にタイムスリップしやすくなる。寝る時は常に抱きしめて寝ろ。今まで運が良かったけど、いつまたタイムスリップするかわからんぞ。

・覚醒状態だとタイムスリップはしにくい。激情やトランス状態に引っ張られるのも逆効果だから、そうだな、常に、程よく刺激的で、幸せな、恋愛のドキドキでも味あわせとけば、タイムスリップなんかしないんじゃね?


・セックスする三人。

「えっと、ごめんね」「私、初めて、あげられなくて」「…もしかして、あいつら?」「…ごめん」

「…ん~…」「ま、他人に奪われるよりマシか~」

「っつかアイツラ絶対、さくらに過去に送り届けるから最後の思い出に~とか言ったろ!」

「まことが言いそうなことだよ」

「お前だって人のこと言えねえだろ」


「ま、何はともあれ」


「…おかえり」

「ただいま」




●2009年 4月1日


・車で移動中。スケッチブックに絵を描いている鳥羽。お腹が膨らんでいるさくら。妊娠中。

「三人から四人になったら、どう手を繋げば良いんだろうな?」

「んん~?誰が真ん中?えっえ~っと…」

「あ、これって結構真理な気がする」


「二人が手を繋げば、対等な関係」

「三人が手を繋げば、一人を守る二人」

「四人で手を繋いだら…はて、端の二人はなんだか仲が悪そうだし。っていうかこれ、僕と倉橋が端に行くよな?どっちかが子供と手を繋いで、どっちかがさくらと手をつなぐって事か?」

「難しい…さくらと手をつなぎたいけど、子供をないがしろにするのはなあ…」


「一日ごとに交代すれば良いんじゃね?」

「あ、なるほど」

「……そっか、そういうことか」

「あん?」

「いや、こういうのさ。普通じゃないってだけで忌避されるけど」

「結局当人同士が納得できる落とし所さえ見つければ、それはちゃんと妥協じゃなくなるっていうか」


「選択さえすれば、いや、選択さえしなくても、きっと」「いつだって、その人にとって一番良い人生がそこに転がってるんだなって。ぼんやりそんなことを思っただけ」

「ポエマー!」

「…お前の影響だよ」


「よーっし、到着!」

・桜が舞っている。三人+1人(澤)で、お花見にやって来たのだ。

・澤が管をまいている。

「うちの旦那、浮気とかありえないー!!」「やるならもっと上手くやれっつーの!!くっそー!!」

・とか言ってる。本編と同じ。

「いいよねー、鳥羽はさくら一筋で、こんな旦那欲しかった~」「私もこんな一途に愛されたいよ~」

「どうやったらそんな風に誰かのこと好きになれるのー?」

「…いや、そんなの」「たまたまだと思うけど」

「えーなにそれー」「理不尽ー」


「理不尽なのが愛ってもんだろ」

「何それ倉橋のくせに、それっぽいこと言っちゃって」

「俺もまた、愛に生きる一人の人間だったってことさ」

「ぶっはははは!バカみてー!!」


・遠くから帽子が飛んで来る。それを追いかける女の子。みい子。

・その帽子が鳥羽達の元へ下りることはなく。帽子を追いかけていく女性を、鳥羽が注視することもない。

・そのままみい子と鳥羽は知り合うこともなく終わる。


「綺麗だなあ」

「…うん」

「さくら」「?」

「さくら…」

「…まこと?」「今、幸せ?」


「うん」

「幸せすぎて、嬉しすぎて」

「毎日、涙が出ちゃいそうなんだ」

【ネタ帳お蔵出し】:青春のアフターIF

Comments

先生を知るきっかけになった作品であり、一番好きな作品である『青春のアフター』をこのような形でまた読めて最高です!

新小平

鳥羽、倉橋、みい子の逆ハーならあり得たかもね。さくらはな~~性格が悪いからな~~(直球どストレート)。

緑のルーペ

みい子はポリアモリー的な指向性ないので、4人で手を繋げるような子じゃないんですよね~。本来、鳥羽じゃなくても幸せになれる子だし。 「劇中人物の誰もが幸せなハッピーエンド」を作ろうとすると鳥羽とみい子はそもそも出会わないのが最効率、というな~。

緑のルーペ

三人幸せだと、必然みい子がハブられる・・・(涙 4人で手を繋ぐ場合、それぞれが両手にさくらと子と繋いで輪になれば良いんじゃ・・・そして動けない(笑

仮井


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