SamSuka
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fanbox


迫力



2-3ヶ月前に、今度リリースしたい楽曲のミックスをしてほしいという相談がありました。

僕は変なこだわりが高じてこうやってfanboxで色んな方法や思想と垂れ流しているくらいですから、

それはそれは嬉しい依頼でした。ぜひ手掛けさせて頂きたいです!と言いかなりの格安で引き受けました。

後日、何度かバージョンを経て納品し、その方には大変喜んで頂きました。



僕はミックス作業に取り掛かる前に、まず先方がミックスを行ったdemoバージョンを聴きました。

その方に色々伺った結果「音圧」「迫力」が足りなくて悩んでいるということでしたが、

LUFS値のメーターを見ると軽く-3を飛び越え、結論からいうと既に十分すぎる音量が出ていました。



これはかなりよくあるというか、皆さんが直面する問題だと思いました!

結論から言うと、「音圧を出す」と「迫力を出す」という2つの課題を一緒に考えてしまっているということです。


音圧

音圧を出す方法は簡単です!

マスターにリミッター、クリッパー、マキシマイザーなどを挿して

ガッとGainをぶち上げればいいだけです。


それでも足りないなら、サチュレーターをガンガンに噛まして、

音を倍音まみれにして飽和させればいくらでも音はデカくできます。


でも、それは殆どの場合本当の解決にはなってないですよね。


音圧が出なくて悩んでいるという場合、たいていはそういうことを知りたいわけではないんです。

誰でも簡単に音圧なんて上げれるわけで。


真の問題というのは、そうやって音量を上げた結果、迫力が無くなってしまうことに起因していると思っています。



迫力

僕がここでいう迫力というのは、簡単に言ってしまえば「ダイナミクス」ということです。


大きい音が大きく聴こえるのは、その前に小さい音も鳴っているからです。

最初から最後まですべての音が大きいと、リスナーがボリュームを下げたら全部小さい音になります。

verseでもdropでもずっと同じ音量で、迫力もそこまでありません。


対して、1曲を通して聴くときに存在する音の強弱は、ボリュームを操作しても変わりません!

リスナーがどんな音量で再生しても、ダイナミクスをコントロールできれば同じ迫力、ドラマチックさを演出することができます。



マクロの迫力(ダイナミクス)とミクロの迫力

この記事で言いたいことは、

「drop以外の音量を抑えて、dropで大きい音量にしよう!」

みたいな話ではありません!


まあそれもtipsとして有効だと思いますが、

追求すべき迫力(ダイナミクス)というのはさらに細かい部分にもあると思うのです。


曲全体の展開ごとのダイナミクスも大事ですが、

その展開の中の一つ一つのサウンドデザインのダイナミクス管理も同様に大事だと考えます。


端的に言えば、音の強弱の話です!


ADSR、つまりアタック、ディケイ、サステイン、リリースが生み出す音の強弱が生むグルーヴは音圧に左右されません!

音圧が高くても低くても、同様に迫力を与えられます。

大きい音の前後に、ちゃんと小さい音が入りますから。


傾向として、音圧が高くなればなるほど瞬間的なピークが削られるので、

相対的に「小さい音量の瞬間」が目立っていきます。

一瞬一瞬すべて音量がでかい曲の場合、小さい音量の瞬間が無い為、

ピークを削れば削るほど、急激に音量差が無い平坦なサウンドになっていきます。

結果、ただ音が大きいだけの窮屈なパンチの無い音になるのです。

ダイナミクスを出すために


1. 音量管理

一番大きい音量を出したい音は何なのか、

ドラムの中ではキックかスネアか、

キックとベースではどちらか、

シンセ類はキックやベースと比べてどのくらい音量を出したいのか、等


優先順位をはっきりと決めて、グループ化等で厳密に音量管理を行った方が良いです。


各役割ごとに、「音量の上限」を設けることでサウンドに立体感が生まれ、

小さい音量が入り込む隙間が生まれます。


結果、多少ピークが削れていても音像を崩さずにある程度保つことができます。



2. 強弱を強調させる

メインベース、メインリード等、主役となるサウンドも強弱をつけた方がよりよい結果が得られます。

あえて言えば、音が鳴る瞬間にしっかり音を大きくして、音が鳴った後しっかり音を弱くする、ということを大げさに表現するということです。

シンセの場合はADSRを調節するのが有効ですし、

サンプル素材であれば、例えば音が鳴る瞬間にアタック用のノイズをレイヤーさせて、その後はボリュームオートメーションで音を弱くするのも有効です。


どうしても音圧が無いと嫌だ!という人にとって朗報ですが、

一瞬一瞬全ての瞬間で音が大きくなくても、音がなる瞬間だけデカければ十分存在感は与えられるのです。


音を小さくして終わらせると、その分隙間が生まれます。

この隙間こそがグルーヴ・メリハリを生み出し、次に来る大きな音を強調させてくれます!



3. 同時に大きい音量の音を鳴らしすぎない

よくある事例に、シンバルクラッシュの音が大きすぎるというのがあります。

クラッシュの音が大きいと高音が急にうるさくなるので満足するかもしれないですが、

当然高音域にも一度に表現される限界があるので、そのクラッシュによって他のサウンドが犠牲になっている可能性を考えてください。


一瞬一瞬のタイミングで、一番大きく聴こえてほしいサウンドは何なのかを考え、

それ以外のサウンドを脇役に徹底させて音量を抑える(これ前にも言った気がする)ことが結果的には曲に一瞬の隙間を作り出し、ダイナミクスを生み出すことにもつながるのです。



まとめ

- ただ数値上の音圧を出すだけなら誰でもできる

- 求めているのは音圧ではなく、迫力(ダイナミクス)かもしれないことを考慮する

- 音圧が高く聴こえるのは、音量が低くなっている瞬間があるから

- ダイナミクスはリスナーの再生音量に左右されず、ダイレクトに曲の演出に貢献してくれる

- 迫力を出すためには小さい音量が入り込む隙間を作っていく



ということでした。

なにか一つでも参考になれば幸いです!


継続してリクエスト募集しているので、なにか聞きたいテーマがありましたらなんでも尋ねてください!


ではまた〜〜


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