空間把握①
Added 2024-01-10 11:51:59 +0000 UTCこんにちは!
少しfanbox更新期間空きましたが、新年最初の投稿です。
新年一発目はリクエスト解答記事です!
めでたい(?)ですね。
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MIXの空間感について解説できますか?
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というリクエストでした。
ありがとうございます。
「空間感」というワードが出てきました。
空間感………!!
おそらくこの場合2通りの空間を指している気がします。
- 立体的なサウンドに仕上げるという意味での空間
- EQ等の周波数処理による空間(つまり良いmix)
- ディレイ・リバーブを用いた空間系の処理のこと
ということで、どちらの場合でも役立てるよう、連載して書いていこうと思います。
機材の話
少し残念な話をしますが、実際に耳で聴く音をアップデートしないとイマイチ正確な空間が掴めないと思っています。
周波数帯域のみならず、残響、トランジェント、ダイナミクス等を正確に把握するためにはそれなりの機材投資が必要だと思います。
理想をいえば、音響のために考慮されたいい部屋で、良いスピーカーから音を鳴らし、良いヘッドホンで細かいチェックを行うのが一番ですが、
かなりのコストがかかります。(僕も全然こだわりきれてないです…)
なので、コストパフォーマンスを優先し、一番手っ取り早く万人に効果がありそうなヘッドホンについて書いていきます。
空間把握には開放型が良い
いわゆる音楽制作用のモニターヘッドホンには2種類あって、
それは密閉型と開放型と呼ばれています。
密閉型の特徴
- 開放型と比べて、音が前に張り付くように鳴る
- 音漏れが少ない
- 低音のチェックに比較的優れている
- 長時間付けてると耳が痛くなる(個人的に…)
電車の中でも聞けるようなワイヤレスヘッドホンは全部密閉型です。
開放型の特徴
- 密閉型と比べて、音が奥に広がるように鳴る
- 結構音漏れする (外出には不向き)
- 中音域から上の空間の再現性に優れている
- 長時間付けていても耳が痛くなりにくい傾向にある
- 低音の鳴りが比較的チェックしづらい傾向にある
機種にもよるけどざっくりこんな傾向があります。
そして、僕は好んで開放型のヘッドホンを使っています。
モニターヘッドホンは何度も購入しましたが、ほぼ全部開放型のヘッドホンです!
初めてAKGの開放型を聴いたときの衝撃は忘れられません
空間系の音や今まで聴こえなかった細かい粒子のような音を把握することができ、音楽制作が楽しくなりました。
この価格帯のヘッドホンでも、かなり効果的だと思います。
ちなみに今使ってるヘッドホンは変わらずbeyerdynamicのDT1990 proですが(廃盤になったので今買うならDT1770 proがいいかも)、
これは開放型と密閉型のサウンドがいい塩梅でまとまってるようなパンチのあるサウンドだと思います。
ただ、ハイがうるさくローがチェックしづらいのでSoundID Referenceのヘッドホン版を通して補正を少しかけています…!
全く補正をかけなくていい、完璧な夢のヘッドホンはいつ現れるのでしょうか…!
とにかく、立体的に音を把握したいのであれば、開放型のヘッドホンを使ってみることをおすすめします。
近い音、遠い音を意識する
近い音、遠い音をはっきりわけて聴かせてあげると効果的です。
ここでいう近い、遠いというのは音量の大小の話ではありません!
具体的に言うならADSR, 特にアタックとリリースについてです。
例を挙げます。
↑この2つの音源、どちらも同じspliceのボーカルサンプルと、同じサウンドのアルペジオが鳴っていますが、
どちらがボーカルを際立たせ、気持ちよく聴こえますか?
僕は後者の方が良いと思います。皆さんも多くは後者を選んだのではないのでしょうか。
前者のアルペジオはアタックが早く、減衰も急速に行われ、リリースも短めの鋭いパーカッシブなサウンド。
後者のアルペジオはアタックが遅く、減衰はほぼ無く、リリースがゆったりと伸びるサウンドです。
前者が全くダメというわけではなく、このボーカルをしっかり聴かせたい状況において、後者の方がボーカルの邪魔をせず遠い音に徹しているということです。
後者のような、
- アタックが遅い
- 減衰がほぼ無い
- リリースがゆったりと伸びる
サウンドは、決して目立つことはないしメロディとして認知もされにくいですが、言い換えれば曲を影から引き立てる役割を完璧に行ってくれます。
曲全体において他のトラックを邪魔することなく、おぼろげなニュアンス、心地よさのニュアンスをプラスしてくれます。
このサウンドの対比構造が、さらに楽曲に立体感を出してくれると思います。
いわば、「空間感」ということです。
ボーカル、もしくはLeadやMain Bassなど大きな主役を登場させるときは、
同時に鋭いサウンドを鳴らしすぎないようにしましょう。(ドラム以外)
音程を伴った鋭いサウンドはどうしても耳がそちらに意識が向いてしまうので、主役のサウンドにフォーカスさせるのが難しくなります。
サウンドの空間づくりを突き詰めると、この「主役のサウンドにフォーカスさせる」働きをコントロールすることができるので、
聴き手に余計なストレスを与えること無く、大きなインパクトを生み出すことが出来ます。
ダイナミクスの働きを知る=空間を知る
ここで、サウンドのダイナミクス(ADSR)が生む効果を簡単に覚えておくと後々役に立つと思います。
こんなことはいちいち書かなくても皆さん感覚的にわかるとは思いますが、
知識として入れておくとサウンドデザインを行う際にヒントになると思います。
①速いアタック・減衰ほぼ無し
一番前で鳴っているように聴こえるサウンドです。
ダイナミクスはともかく、一番はっきりとメロディを追えるので、リードサウンドに向いています。
全帯域を通して鳴るようなサウンドがこのパターンだと、かなり大音量に聴こえます。
また、「モダン」「ソリッド」なイメージをもたせることができます。
例: Supersaw、派手なBass, 今風のVocalなど
②速いアタック・減衰あり
①ほどでは無いにしろ、2番目に耳に主張させるサウンドです。ついメロディを追ってしまいます。
減衰がつく分、ノーツの連打にも対応できるので、さらにリズムを重視した新たなグルーヴを構築させやすいです。
過激なサウンドデザインにすることで、こちらもメインリードとして活躍せることができます。
また、「明るい」「派手」なイメージをもたせることが出来ます。
例: Pluck, Stabなど
③遅いアタック・減衰あり
3番目に耳に主張させるサウンドです。
Future Bassの柔らかいアルペジオやSynthwaveのChordなどを想像してもらえれば良いです。
アタックが遅くなると、耳への主張がソフトになり、逆に言えばリードサウンドに対して合わせやすくなります。
なので、hiphopなどのジャンルは、ボーカルの主張を際立たせるために、ビートのシンセは遅いアタックのサウンドが多用されています。
さらに、耳への認知を遅らせることで、裏ノリ的なグルーヴを出すことができます。
また、「懐かしい」「柔らかい」イメージをもたせることが出来ます
例: Furebass/Future house, Synthwave的サウンド 等
④遅いアタック・減衰ほぼ無し
シンセでいうといわゆるPadが代表例のこの分類は、
最も耳に主張されにくいサウンドで、ほとんどの場合裏方に徹することになります。
このサウンドが遠くの方でずっと鳴っていると、近いサウンドの近さがさらに強調されます。
演奏手法によりますがストリングスや金管楽器もこの分類で活躍させることができます。
また、「神秘的」「落ち着いた」イメージをもたせることが出来ます。
例: Pad, ストリングス(Legato), アンビエント等
このように、↑に挙げた4つのカテゴリの音をバランスよく組み合わせることが
「空間感」の作成に不可欠だと思います。
リバーブやディレイにこだわらなくても、このサウンド選びに気をつけるだけで
空間はしっかりと固まります!
それにさらにプラスして、ディレイやリバーブなどの空間作りを行っていくのが良いでしょう。
というわけで今回は以上です!
ではまた〜〜
Comments
ありがとうございます!とても助かりました!
Valuve
2024-01-10 16:07:50 +0000 UTC