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剣士ルートⅠ/発情デバフをかけられた勇者が仲間と解呪にいそしむ話

 勇者は淫性スライムに呑み込まれた!  こうげき力ダウン!ぼうりょ力ダウン!HP吸収!MP吸収!発情状態付与!全身の感度が10上がった!スライムは粘性媚薬を吐き出した!発情状態加算!全身の感度が50上がった!スライムは淫魔の呪いを発動!淫魔の呪いにより光の加護が打ち消された!こうげき力大幅ダウン!ぼうりょ力大幅ダウン!全身の感度が100上がった! 「いやー、まさか勇者が崖から転げおちた先で巨大スライムに食われてるとはなあ」  しかもエッチなやつ。  けらけらと笑う魔導士を賢者が肘で小突いた。 「笑いごとじゃないわよ。たまたま他の魔物が近くにいなかったから無事で済んだけど、もしこの状態で見つかってたりしたら」  賢者が視線を投げかける。ステータス爆下がりの上に度重なる発情状態付与により、息もたえだえで、仲間の剣士に支えられてかろうじて立っている勇者に。 「わるい……こんなことになって」  うっかり崖から転がりおちた先で、たまたま散歩していた巨大スライムに飲みこまれてから数時間。駆けつけた仲間たちによって救出されたものの、媚薬でねちょねちょのぬちょぬちょ、もはや満身創痍の勇者の状態異常は、賢者がいくらヒールをかけても解くことができなかった。 「ほんとにな。せっかく街を出たところなのにまた後戻りだぜ」 「ちょっと」  すまない、と勇者はうなだれる。勇者を揶揄する魔導士の一方、剣士はなにも言わずに前を見据えて、へろへろの勇者をしっかりと支えていた。 「なんにしろヒールが効かないなら、これ、ただの状態異常じゃなくて呪いだよ」  一度宿に戻って解呪の条件を探らなくては、という賢者の意見に勇者のパーティは合意した。  街角の古びた宿屋。  勇者の部屋に賢者が赴き、魔法陣の中心に勇者を据え置いて解呪の条件を探っていた。  するりと解かれた魔法陣。勇者が伏せていた顔をあげる。 「わかったか?」  賢者が勇者を見つめる。薄目に細まるその瞳に映る、哀れみと、懸念と、すこしの同情。 「ユリア?」 「直腸に、直接、精液を注ぐ」 「え?」 「それが唯一の解呪の条件」  賢者は顎に手をあてて「あのスライム、ただの淫性スライムじゃない」とつぶやいた。 「こんな強い呪い……淫魔のしもべ? だとしても、どうしてあんなところに」  今さら考えても仕方ないか、と立ち上がり、 「それじゃあ、あとはがんばって」  踵を返そうとする賢者に勇者は「待ってくれ」と声をあげた。 「ほ、他の方法は」 「ない。あったら言ってる」 「……がんばるって」 「言わせないでよ」  すまない、とこうべを垂れる勇者。賢者は小さく息をついた。 「右の部屋が剣士、左の部屋が魔導士」  どちらか好きな方を選べばいい、と左右を差す人差し指に、勇者は数年ぶりに泣きたい気持ちに駆られた。背に腹は代えられない。勇者として旅立つ際にあらゆる苦難も受け入れると決めた。しかし、 「知った顔よりは、いっそ知らない顔の方が……」 「外にでて男をあさるの? 象徴の勇者様が?」 「う」 「勇者の顔を知らないやつなんてない。弱みを握った人間がなにするかもわからない。信頼できる仲間内で解決したほうがよっぽどましでしょ」  信頼……。賢者の言葉が耳に響く。 「じゃあ、あたし、何も知りたくないから。今夜は一晩別の宿を取るので、あとはせいぜいがんばって……いや、がんばらなくてもいいけど、でもがんばって」  明日の朝、匂わせるのとかもなしにしてね、と釘を刺して賢者は部屋から出ていった。くらくらと目が回る。今もなおからだを巡る発情のデバフのせいだけじゃない。突如とんでもない選択を迫られた勇者のあたまはパンク寸前だった。  しかし、ゴブリンの一匹も倒せない状態で冒険をつづけるわけにもいかないとわかっていた。  勇者は剣士の部屋を訪れた。  ベッドに座り、相棒に等しい大剣の手入れをしていた剣士が顔をあげる。 「どうした」  短く刈られたブラウンの髪。額についた傷跡。たくましい体躯をもって大剣を使いこなす姿は同じ男でも見入るときがしばしばあった。 「解呪の条件がわかったんだ」 「そうか」  よかった、と僅かに口元を緩める。寡黙ながらも仲間思いの彼に、勇者は「直腸に、精液を、注いでもらわないといけなくて」と残酷な事実を告げた。 「だから、その……た、頼めないだろうか」  羞恥心に首を絞められるような心地で振り絞る。返事はない。おそるおそる顔を上げる。いつもの鉄仮面とも違う。完全に表情を失った剣士を前に、 「ごめん」  勇者は咄嗟に謝った。 「嫌だ、っつーか、むり、無理だよな。わるい、変なことを言って」  耳まで真っ赤に染めあげて、勇者は一歩後ずさる。そのままくるりと翻りドアノブに手をかけたところで、頬の横に勢いよく腕が突かれた。覆いかぶさる大きな影。 「だ、ダラス?」 「どこに行く気だ」 「どこ、って」  このまま自室に戻りたい。しかしそうも行かない。 「おれが断ったら、イサークのところへ行くのか」  はい。別の仲間とセックスしてきます。言えるわけもない。察してほしい、と唇を震わせる勇者を前に、剣士の眉にしわが寄る。 「……一週間前のことを忘れたのか」  勇者は目を瞬かせた。記憶をたぐりよせようとするも、そこには日常しかなかった。 「……おれは、てっきり」  そう呟いてから、剣士は視線を落とす。ドアノブにかかった勇者の手を取り、自らの口元まで持ちあげる。 「あ……っ」  手の甲に唇を落とす。ちゅ、と小さな音を立てて、薄く開いた唇からのぞく舌が肌に触れた瞬間、勇者の肩がびくんと跳ねた。 「っ、ダラス……」  今の勇者には、そんな淡い刺激も毒だった。剣士のもう一方の手が腰元にまわる。そのまま下半身へとすべり落ち、深みに入ろうとする手を咄嗟につかんだ。 「その……ベッドへ」  二人の男を乗せたスプリングがぎしりと軋む。  身を固くする勇者の上に被さる剣士はその首元に顔をうずめていた。 「っ、あ」  首筋を軽く吸われた瞬間、声が漏れた。口元に手の甲をあてて塞ぐ。けれど服の裾から入りこんだ手のひらに肌を撫でられると、ぴく、ぴく、と反応してしまうのも、上擦った吐息も我慢できなかった。  勇者は剣士の肩を叩く。   「な、なあ、そんな、丁寧にしなくていいから」 「……そう丁寧なつもりもない」 「えっ、あ、そっか」  そうなんだ。え。これで?じゃあいつもはどんな、と仲間内の性事情にそれ以上ツッコめるわけもなく、愛撫を止める手立てをなくした勇者はされるがまま高められていく。腹筋をなぞり、胸元を撫でられ、熱い舌を這わされる。無骨な指が繰りだす甘く優しい触れ方は、すでに発情に濡れた肉体には酷だった。 「はっ、ぁ……っ……」  きもちいい。けれど、もどかしい。正直つらい。そんなつもりはないんだろうけど、勝手に焦らされているような気になって、放置された性感帯がずくずくと疼きだす。窮屈そうに衣服を押しあげる勃起に時折剣士のからだにこすれるだけでたまらない刺激が走る。腰が浮きそうになるのを必死にこらえていたが、ついに剣士の手がそこに触れた瞬間、我慢できずに腰が大きく跳ねた。 「うんん……っ!」  あからさまな反応。かっと羞恥が巡る。 「ちが、その、ふだんはこんなじゃ」  スライムのせいで、と繰りだそうとした言い訳は、意図をもってうごきだした手により閉ざされた。大きな手で包まれて、すりすりと服の上から擦りあげられる。それだけでもうだめだった。 「あ、ッ、ッ〜〜〜………!!」  ぐんと背をしならせて下着のなかに吐精する。絶頂の余韻に震えながら、勇者は仲間の手で達してしまった事実とそのあまりの早さに打ちしおれた。しかし剣士はからかうこともなく「すまない。汚したな」とズボンと下着を取り払う。  一度達したところで、根本から断たれないかぎり発情はおさまらない。ザーメン濡れのまま滾る性器。更にその奥、淫性の呪いによって勝手にひくつく窄まり。  そのすべてが仲間の目に晒される。今すぐに頭上の窓を割って宿屋から飛び出したい。  そんな衝動に駆られたが、それはなによりもここまで付き合ってくれた剣士にわるい。いい加減に覚悟を決めなければ……と目蓋を閉じるも、次のアクションがない。剣士は視線を落としたままうごかなくなっていた。 「……ダラス?」  名前を呼ぶと、無表情で硬質な表情が僅かに揺れた。それから、すまない、と小さく零す。なにを意図した謝罪なのか。生々しい男性器を前にとうとう臆したか。いけるかいけないかの判断を見誤ったのだろうか。巡る思考が蕾に触れた感触に弾けとぶ。 「っ……」  指の腹でくにくにと閉じた窄まりをほぐしてから、潤滑油を纏った指が挿入される。節くれだった剣士の指にずるりと腸壁を擦り上げられた瞬間、勇者の足がシーツを蹴り上げた。 「ッ……!」 「痛いか?」  目を見開いて震える勇者に剣士が尋ねる。咄嗟に首を振ってから気づく。この状況下で痛みを否定したら、残るものはひとつしかない。 「なら続けるぞ」  剣士の指が蠢く。きつく指に絡む媚肉をほぐすように揺りうごかしながら、根まで埋めこみ、ぐるりと搔き回す。 「──っ、っ……!!」  勇者は未知の感覚に翻弄されていた。呪いにかけられてからずっと、腹の奥に居座っていたじくじくとした疼きが、刺激を得ることで確かな快感へと形を変えた。内側がこすれるたび、剣士の指が蠢くたび、ゾクゾクとこみあげてくる甘さを煮詰めたような感覚。すこしでも気を緩めればあられもない声をあげてしまいそうだった。 「っ、ふっ……っん、ぅ゛う……っ♡」 「……」 「んん゛っ! く、ぅ……っ!」  触れられてもいないペニスが、アナルの刺激に連動するようにぴくぴくと跳ねる。二本目の指が宛がわれる。ぬるりと入りこんだ指先がペニスの裏側をこすりあげた瞬間、 「んッ、うぅう゛ッ♡♡!?」  勇者の肉体は呆気なく陥落した。自分でも何が起こったかわからない。腹のなかで重く弾けた快感にぶるぶると震えながら目を白黒させる。アナルの刺激で達したのだと、腹に散った精液で知った。それは勇者を見下ろす剣士にも明らかなはずだったが、剣士は指を止めず、そのまま敏感な膨らみをこちゅこちゅとこすりあげる。 「ふぅ゛っ……♡!? っ、ん゛ーっ、んんッ! ッ、ッ、ッ〜〜〜!!」  懸命に悲鳴を飲みくだす勇者の顔が真っ赤に染まっていく。我慢しなくていい、と剣士が言った。 「苦しいだろう」 「っ、で、も……あっ♡ 声、こんなっ、いやだろ……っ」 「嫌じゃない」 「えっ、あ……んんっ♡♡」  指先が折れる。敏感な場所をぎゅう、と押しあげる。 「あぅう゛、ッ〜〜〜!! っや、やぁ、そこッ……あ゛っ♡」  一度決壊してしまうともうだめだった。アナルを弄られるくちゅくちゅという水音とともに甘い声がひっきりなしに溢れだす。揃えた二本の指が緩く抽送する。肉筒全体が擦りあげられて、更に腹側を丁寧に圧迫する指先に、勇者はまた精液を飛ばした。 「あ゛あぁっ……♡♡」  三度目の絶頂。シーツをひっ掴みながら、全身を包む痺れるような快感に震える。こんなに、だしたことない。こんなに続けてイッたこともない。しかし衰えない発情。触れられるほどに感度を増していく身体に勇者は焦りを感じていた。三本目の指を窄まりに宛がわれて、咄嗟に首を振る。 「だ、ダラスッ、もういい……っ」  その先を察した剣士はしかし、と渋る。 「おそらく、まだ入らない」  おもわず見てしまった。剣士の下半身。立派なテントを張ったそこを。 「おお……」  服の上からでもわかるその強大さに純粋におののいた後、これが入るのか?と冷静になる。  ──というか、勃起している。  勇者は仲間のペニスが勃たないことを前提に、賢者に精力剤をもたされていた。それでもダメだったら愛撫ありきでたたせなければと覚悟していたので、そのどちらも発動しないうちからいきり立つものを予想していなかった。 「な、んで……ぅあっ♡」  三本目の指が肉縁を広げて入ってくる。剣士の太い指が束になれば、それはもはやちょっとしたペニスほどの質量と化した。 「んっ、ッ、ぅ゛う〜〜〜♡!!!」  その太さになかを搔き回されるとたまらなかった。思考が快感に塗りつぶされる。開いた内腿をガクガクと震わせて、とろけた肉壁で必死に指を締めつけて、今度は射精もなしに尻穴だけで達した。勇者が一際高い声をあげた瞬間、微かに息を呑む声が聞こえた。剣士は勇者を見ていた。自分の下で、足をひらき尻穴を指でほじられて乱れる姿を、じっと見下ろしていた。 「みっ……みないでくれっ──あっ!」  ぢゅぽんっと指を抜かれる。剣士が下履きをずらしてペニスを露出させる。どっしりとしたそれを目にした瞬間、恥ずかしいくらいにからだの中心が熱くなった。 「……レメト」  低く名前を呼ばれる。剣士が片足を持ちあげて剛直を窄まりに宛がう。触れられたところが熱い。鼓動が高鳴る。期待している。言い訳のしようもなく。指であんなにきもちがよかったのに、それでかき回されたら、とおもうほどに吐息が熱を帯びる。これも呪いのせいだとはわかっていながらも、 「すまない」  勇者は自らのあまりの浅ましさに辟易としていた。 「こんなことを、させて」  しかし、この一晩だけ。今夜限りだと誓える。こんなにも情けない姿をさらすのは。 「すぐに元に戻る。だから……明日にはすべて忘れてくれ」  返事はない。そろりと視線をあげる。剣士は唇を引き結び、なにかを堪えるような顔をしていた。 「え……っ」 「……力を抜いておけ」 「あっ……!?」  入ってくる。指とは比べものにならないほどの質量が。 「──ッ…………!!」  勇者はその衝撃に打ち震えながら、白く染まる頭で必死に記憶を手繰り寄せる。いっしゅうかんまえ、一週間前……の、夜。 「大丈夫か?」  酒場の喧騒の中。背筋を正して座る男の隣に腰掛けた。散らかった机の上。空のジョッキが目に留まる。 「ユリアに飲まされたんだろ」  当の本人は舞台の上で知らないだれかと踊っていた。剣士が顔をあげる。完全に据わった目。ともすれば睨んでいるようにもみえる鋭い視線に、勇者は小さくほほ笑み返した。顔色にこそ変化がなくわかりにくいが、この男がこれで泥酔していると知っていた。 「ほら。水」  透明のグラスを彼の前に置く。 「無理に付き合わなくていい。いつでも宿に戻って休んでいいからな」  剣士の目は何も答えず、まっすぐ向いたまま。執拗な視線に、後ろになにか、と振りかえると、その先には給仕の女性がいた。 「なんだ。気になるのか?」  いたずらっぽく笑うと、剣士の眉根がゆがんだ。 「ちがう」 「いいんだぜ。ダラスだって、もっと好きに振舞って」  イサークはやりすぎだけど、ととっくの昔にだれかと消えていった男に苦笑する。 「……すきに、振る舞う」 「そう。気になったんなら口説けばいい」 「……口説く」  オウム返しの男に、ほんとうに大丈夫か?と心配になるも「どうすれば」と尋ねられて些か面食らう。  口説く、といっても、 「まず、まっすぐに相手を見つめて」  彼が口下手なことも勇者はよく知っていた。 「長く見つめても相手が目をはなさなければ、腰を引き寄せて、手の甲にキスをする。ダラスならそれだけで十分な口説き文句になるだろ」  ガタリと剣士が立ち上がる。つられて視線を上向けると、両脇に手を掴まれて引っ張りあげられた。 「うわっ」  足が宙に浮く。向こうの方から、何してんだと笑う声が聞こえた。高さを調整されて足裏が地に突く。どうした、と顔を上げるとバチリと目が合った。 「ダラス?」  剣士の腕が腰元に回る。ぐいと引き寄せられて、互いの顔が近づいた。酔いに濡れた瞳に至近距離で見つめられて、不意に心臓が跳ねる。剣士はからだを前方に傾けるようにして、更にぐぐ、と近づいてきて、そして、そのまま倒れ込んだ。 「だっ──ダラス!」  剣士の目は、あの時と同じ瞳の色をしていた。それに気づいた瞬間、ぶわっとからだが熱くなる。 「っ、っ」 「どうした」 「あ、その、ちが、」  鼓動が早まる。顔が見てられず、壁を向いた勇者に剣士は訝しげに眉を寄せた。ダラスが?おれを?いつから?いや、それよりも、ほんとうにそうだとしたら……おれは、なんてことを。 「ちがう、ちがうんだ、おれ、知らなくて」 「……なにを」  一寸置いて、剣士の瞳が僅かに揺らぎ「思いだしたのか」と呟いた。勇者は頷くことも、首を振ることもできなかった。 「いい」 「え?」 「なにも考えなくていい」  勇者が二の句を発する前に、剣士は律動を開始した。滾る肉棒をギリギリまで引き抜いて、 「えっ……あ゛ッ!?」  ずんっと一息に奥までを貫く。 「───っ、っっ~~~~♡♡」  二人の腹の間に潰れたペニスがとぷりと精を漏らす。しかしそれを意に返さず、同じ動きが繰り返される。太い竿でみっちりと広げられた内壁を引きずる勢いで抜かれて、その衝撃が飲みこめない内から奥まで貫かれる。 「あんっ、んんんん゛……!! だっ……ダラスッ、だらす、まて、待……って、あっ♡ あぁ゛っ、ま、またイ、い、くっ、ぅ゛ッッ、ッ………!!!」  身構える余裕も、落ちつく間もなく、激しいピストンに繰り返し強烈な快感を打ちこまれる。敏感な場所を突き上げる剛直にまた絶頂に落とされて、それでも止まらない刺激に逃げを打つように、ペニスを包む媚肉がびくびくと激しく収縮する。 「ひぅ、っ、ッ、ッぅ゛~~……! んぅ、んんん゛……♡♡」  目蓋をかたく閉じ、奥歯を噛みしめて快感の荒波に揺さぶられる。これ以上惨めな姿を見せまいとする意思を砕くように、ばちゅんっと深く腰を打ちつけられて、濁った悲鳴が喉を駆けぬけた。 「あぁあア゛ッ……!! い゛っ……も、もう、イった、イってるっ、ダラス、待って、おかひ、っからだ、あぁあ゛っ、ああ゛ぁあ゛っ♡♡」  これ以上の快楽は受け止めきれない。そう思うのに浅ましい媚肉はペニスにしゃぶりつくように絡み、離さまいと食いしめる。滾る肉棒に甘い快感をもたらす淫靡な動き。ぽたりと、自分を犯す男の肌から汗が滴った。 「はっ……ひ、ぁ゛っ……」  不意に顎を持ちあげられる。濡れた瞳に見つめられて、とくん、と鼓動が高鳴った。 「だ、ダラス……んっ」  口づけが落とされる。ちゅ、と触れるだけのキスの後、深く重ねられた。開いた唇の隙間から舌が入りこむ。熱い吐息。熱い舌にかき回されて勇者の表情が蕩けていく。咥内を塞がれたまま、肉筒を掻き回される。触れる舌の甘さとは真反対の荒々しい腰つきで、長く、太いペニスがごちゅごちゅと敏感な肉を扱き立てる。 「ふぅう゛っ♡♡ んん゛っ……ぐ、んんッー!!」  剣士の手が勇者の後頭部に回る。肌の隙間がなくなるほどに抱きしめられて、満足な身じろぎひとつもできないまま犯される。 「ん゛っ、っ─────♡♡♡♡」  ぐり、とカリ首に敏感なしこりを穿たれて、瞑った目蓋の裏に閃光が散った。 「っ〜〜〜は、はぁ゛っ♡ ふぁっ、あっ、あぅ、う……っ♡」  唇が解放されて、だらしなく開いた口端からどちらともつかない唾液が伝いおちる。焦点の合わない瞳。赤く染まった頬。 「はっ……ぁ、っは、だ、ダラス」  きっと、心底情けない顔を晒しているだろうに。剣士は愛しさに満ちたような瞳で勇者を見つめていた。 「どういう理由であっても、お前がおれのところに来てくれて嬉しかった」  汗で額に貼りつく前髪を指先で梳き、 「この状況を利用して悪かった。お前が言ったとおりに」  頬を包みこむ厚い皮膚、硬い手のひらに彼を感じた。 「明日には、すべてを忘れてくれ」  ただこの一晩だけは、と呟く声はそこで途切れて、ダラス、と勇者が剣士の名前を呼ぶ前に律動が再開した。不意に最奥でペニスが止まり、吐きだされる熱を感じた。肉体を蝕む疼きが消えていく。忌々しい呪いは解かれた。しかし彼の腕のなかにいる間、高鳴る鼓動がやむことはなかった。  ──翌朝。 「いつまで寝てんだよ」  ノックの音に起こされて扉をひらいた先。勇者の部屋の前には、魔導士が立っていた。 「……おはよう」  そう、勇者の部屋の前。シーツのよれもない、なんの痕跡もない自室に一人。まさか夢かともおもったが、 「ダラスは」  魔導士が、ん、と指差す。窓の外。一つの型をなぞるように延々と剣を振るう男の姿。 「いつからか知らないけど。少なくともおれが起きたときから、ずっとアレ」 「……イサーク。呼んできてくれないか」 「え、やだよ。なんでおれが」  頼む、とうつむく。その奇妙さに逆に断ることにわずらわしさを覚えたのか。魔導士は剣士を呼びにいった。そのあいだに身支度を済ませ、宿の入り口に集まった仲間たちに声を掛ける。 「昨日はすまなかったな。今日からはまた長旅になるだろうから、あらためて物資を調達してから出よう」  さあ、と一歩踏みだしたところで、あらぬところに走ったあらぬ違和感に勇者は盛大によろけた。その肩を剣士が支える。 「あ、ありがとう」  昨日とおなじだ。自分を支えるその腕も、その恰好も、昨日となんら変わらないはずなのに。その瞬間まで二人意識して逸らしていた視線が交わされる。その瞳の奥に揺らめく熱を、見てみぬふりはできても、気づいていないふりはもうできなかった。  一歩後ろの賢者は、匂わせんなっつっただろ……と虚空を見つめていた。


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