SS 俺いも 五更瑠璃、サリフィ バレンタイン
バレンタインデーを目前に控えた日曜日。高坂瑠璃は異世界から千葉を訪れてきた同じ声仲間のサリフィと共にスパを訪れていた。
「サリフィはもう既婚者なのよね?」
「うん♪ 色々あったけど、王様とは結婚して今は正式な夫婦だよ♪」
瑠璃はお湯に浸かるサリフィを改めて見つめてみた。
サリフィは年は瑠璃と同じか少し幼いぐらい。小柄な瑠璃と似たような身長。肉付きもどちらかと言えば貧相な方。総じて言えば中学生にしか見えない。そんな彼女が既婚者。しかも結婚相手は普通ではなかった。
「サリフィの旦那さんって魔族、なのよね?」
「うん。魔族の王様だよ」
サリフィは普通ではあり得ないことをごくあっさりと認めてみせた。
「魔族の王様ってことは、きっととても大きいんでしょ?」
「そうだね。レオは私の倍ぐらいの身長はあるんじゃないかなあ?」
サリフィは顔はライオン、体格は人間風な魔族な夫を思い出しながら頷いてみせた。
平然と語ってみせるサリフィが瑠璃にはちょっと疑問だった。
「…………サリフィは、大丈夫なの?」
「何が?」
瑠璃はどう話すべきかちょっと困った。
「…………私と夫の京介は、頭1個分ちょっとの身長差があるのだけど。それでも……夜の夫婦の営みの際には、その……京介の身体をとても大きく感じて。荒々しさに翻弄されてしまうこともあるわ」
瑠璃は外見的には性と無縁そうに見える少女相手にどう話したら良いのか苦労していた。
「ああっ、レオとのえっちのことだね♪」
サリフィは瑠璃の意図を汲み取ってあっさりと口にしてみせた。
「大胆なのね……」
「まあ、これでも一応は王妃だから。世継ぎはどうしたとかで根掘り葉掘り聞かれることも少なくないから慣れちゃったって言うか」
「身分が高過ぎるってのも考えものね」
「魔族の王様のところに人間が嫁いだんだから。色々気になって知りたくなっちゃうのは仕方ないんじゃないかな」
「見かけによらず強いわよね、貴女は……」
瑠璃は自分だったらとても耐えられない開けっ広げな生活を送っているサリフィに賛辞の眼差しを向けた。
「それで、どうなのかしら? 身長が2倍もある相手と、夜の営みをこなせるものなの?」
「まあ、何とかなってるとしか言いようがないかなあ」
サリフィは天井を見つめた。
「私はレオが初めての相手だから。子作りってこういうものなんだろうなあって受け入れたというか受け入れるしかなかったというか」
「ほんと、逞しいわよね貴女は」
「せめて心ぐらいは強くないと。魔族の国で王妃様やるなんて無理だよ♪」
朗らかに笑ってみせる人妻少女が瑠璃には眩しかった。
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「……というわけで、サリフィに話を聞いて。私も自分を見つめ直さないと駄目だと思ったわね」
帰宅後。瑠璃は夫京介と入浴しながら今日会った友人の話をしていた。
「それで瑠璃は具体的に何を見直そうと思ったんだ?」
夫は瑠璃の話から当然導かれる疑問を口にしてみせた。
「夜の夫婦生活において、もっと大胆でオープンになって良いということよ」
瑠璃はドヤ顔を浮かべてみせた。
「…………もう十分すぎる程にオープンになっていると思うんだがなあ」
夫婦の愛の営みをこの間も妹と義理の妹に覗かれていたのを思い出しながら苦笑してみせたのだった。