SSS 僕のヒーローアカデミア 麗日お茶子、蛙吹梅雨 新アニメ
「いよいよ、ヒロアカアニメの新シリーズが始まるんだよ、梅雨ちゃんっ!」
「テンション随分高めだけど……どうせ、いつもの通りに事実無根な妄想話なのでしょケロォ~」
9月末日。
麗日お茶子と蛙吹梅雨は温泉に湯治に来ていた。一緒に露天温泉に浸かる2人の会話は10月から始まるヒロアカアニメの新シリーズが話題の中心だった。
「違うよ、ほぼ公式準拠だよ」
「本当かしら?」
「そうだよ。オールフォーワンを裏から操り、地球征服を目論むケロン星人の尖兵でもある悪の女王梅雨ちゃん。梅雨ちゃんの策略でヴィランが暴走しこの国は、ううん、全世界がとんでもないことになってしまったのがこれまでのお話」
「お茶子ちゃんの中では、私が悪の黒幕っていう設定まだ残っていたのねケロォ~」
梅雨は呆れていたが、お茶子は瞳を輝かせながら私の考えたヒロアカ最終章を嬉々として語っていた。
「差し入れのおにぎりの中にモウドクフキヤガエルの毒を混ぜ、1年A組のみんなを無慈悲に毒殺。ケロケロと悪の笑い声を発する梅雨ちゃんの悪い顔が映ったところで前シリーズは終了したんだったよね」
「お茶子ちゃんの頭の中だけでしょ、その展開と終わり方は……」
梅雨は遠い瞳でお茶子を見ていた。
「新シリーズでは時が流れて5年後。1年A組の中で唯一生き残った私とデクくんの子どもたちが荒廃した世界で世紀末救世主となって悪者どもを相手に無双し、悪の女王梅雨ちゃんを倒すのが新シリーズの大まかなストーリーなんだよ♪」
お茶子の顔には満開の笑みが浮かんでいた。
「…………言いたいことは色々あるけれど。新シリーズの舞台が5年後で、お茶子ちゃんの子どもが主役で無双するって。一体、幾つの子どもにバトルさせるつもりなの?」
「5年後だから……長男の優雅が4歳。次男の天哉が3歳。長女の三奈は2歳で次女の響香は1歳。3男の猿夫は産まれたばかりかな」
「4歳でヴィランと戦うの? 緑谷ちゃん以上に過酷過ぎない? というか、子ども多過ぎでしょ」
「1年A組の生徒の名前をあいうえお順で付けていくからまだまだ毎年増えていくよ♪」
お茶子の顔はキラキラと輝いている。20人近い子どもを産むことに何ら躊躇いを持っていなかった。
「緑谷ちゃん、頑張り過ぎじゃない?」
「うん♪ でね、デクくんは私との子作りを頑張り過ぎて腰を痛めちゃって。ヒーローとしてはもう活動できないの。私も出産を終えると1か月後にはもう次の子がお腹にいる状態が何年も続いていて子育てもあるからヒーローは流石にできないかな」
「主役交代の理由としては最低過ぎるわ。色ボケ夫婦が主役を降りて幼子が戦うとかケロ」
梅雨の瞳は精神的疲労で曇り切って目の前がほとんど見えなくなっていた。
「でも、仕方ないの。梅雨ちゃんの卑劣な攻撃で全世界の主要ヒーローはほぼみんな死んじゃってるから」
「そう、なの? 私、随分とワルなのね……お茶子ちゃんの妄想の中の話だけど」
「豪華声優陣だと出演料もかさむから。経費削減の為にオールマイト以下のヒーローたちはみんな死んじゃってるの。で、新人声優さんが新人ヒーローの声を充てるのだけど、結局弱いから私とデクくんの子どもたち大活躍ってなるの♪」
「ヒーロー全滅の理由が切なすぎるわケロォ~」
梅雨はお湯の中深くへと沈み込んで行った。
「でも梅雨ちゃんだけはあまりにも凶悪過ぎる敵だから、私とデクくんが正体を隠して助っ人参戦して人気を博すから。円盤の売り上げ的にも問題なし♪ 新シリーズも安泰だね」
「腰を痛めたヒーローと身重ヒーローが援軍に来たぐらいで倒せる私に世界のヒーローは全滅したのケロォ?」
梅雨はお湯の中でブクブク泡を吐き出しながらツッコミを入れる。カエルっぽいことは大体何でもできるので、お湯の中でも溺れたりしなかった。
「ちなみに、私とデクくんの世界を救う次世代ヒーロー製造模様は僧侶枠で別途放送する様に嘆願書を提出済みだからそっちもよろしくね♪」
お茶子は虚空に向かってウィンクしてみせた。
「お茶子ちゃんは自分の18禁シーンがテレビ放映されて恥ずかしくないの? まあ、そんなまっとうな感覚、あるわけないわねケロォ」
梅雨はお湯の底から最後のツッコミを入れるとしばらくそのまま動かないことにした。梅雨は考えるのを止めた。
「私とデクくんが激しく愛し合う場面の放送が待ち遠しい~っ! 早く放送開始になれ~っ!!」
お茶子は血を滾らせて空に向かって新シリーズの開始を叫ぶのだった。
僕のヒーローアカデミアFINAL SEASONは10月4日土曜日放送開始予定