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枡久野恭(ますくのきょー)
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SSS リコリス・リコイル 井ノ上たきな、錦木千束 ハロウィン


SSS リコリス・リコイル 井ノ上たきな、錦木千束 ハロウィン


「たきなのエロい姿が見たいっ!」


 10月末のある日。錦木千束は定期的に見舞われる発作に見舞われていた。すなわち、リコリスの相棒である井ノ上たきなに可愛い格好をさせて愛でまくりたいという欲求が抑えきれなくなってバタバタしていた。今回の発作では普段よりもよりストレートにたきなの煽情的な姿を見たい欲求に駆られていた。


「ずっとDA本部に籠ってきたたきなは世間の常識に疎い。ハロウィンについて嘘八百を並べてエロいコスプレをしてもらおう♪」


 千束は下種なプランを立てると早速明後日に迫っているハロウィンの準備を始めたのだった。


 そして迎えたハロウィン当日の夜。


「……ハロウィンのコスプレイベントは本当にこの銭湯で行われるんですか?」

「うん、本当本当♪」


 千束は訝しがるたきなを近所の銭湯へと連れ出していた。

 この銭湯でハロウィンコスプレコンテストが開かれ、喫茶リコリスの店員として2人でイベントに参加しないと嘘をついて。


「他の参加者がいないみたいですが……」


 瞳を細めるたきなはどう見ても疑いの眼差しだった。


「まだ来てないんでしょ。町内会の小さなイベントだから。進行グタグタでも仕方ないって」

「そんな、もんですかねえ……」

「細かいことは気にしないで着替えよ。この脱衣所が女子部門の会場だから♪」


 千束は笑みを浮かべながら力業で押し切ろうとする。だが、たきなは動かない。


「そんなに疑うなら仕方ない。私が先に着替えるよ」


 千束は喋りながら服を脱ぎだした。自分を囮とすることでたきなにコスプレさせる作戦だった。

 全裸になった千束は猫耳と猫グローブ、猫尻尾を装着してみせた。更には顔に簡易な髭を描いてみせた。


「じゃ~ん♪ ハロウィンらしく化け猫になってみたよ~♪」





 千束は笑いながら猫コスプレを披露してみせた。だが、たきなは冷たい瞳をしたままだった。


「コスプレコンテストなのに、胸丸出しっておかしくありませんか?」

「参加者も観客も女性限定だから問題ないの♪ コンテストが終わったらみんなで入浴って流れだから裸で問題ない♪」


 千束は今思いついた設定を淀みなく笑顔で語ってみせた。


「…………まあ、千束がコスプレしてみせてるんですし。そういうイベント、なのかもしれませんね」


 大きなため息の音が漏れ出る。

 DAの外の世界に疎いことを自覚するたきなは千束の熱に折れてみせた。

 

「それで、私は何のコスプレをすれば良いんですか? 何も準備してませんよ」

「大丈夫♪ たきなにして欲しいコスプレは私が用意しているから♪」


 千束はカバンの中から茶色いとんがり帽子を取り出してみせた。


「この帽子を被って魔女のコスプレをして欲しいの♪」

「帽子だけ被って魔女って……安直過ぎませんか?」

「ここは銭湯。裸に最小限のアイテム装着が正解なのだよ♪」

「…………なるほど」


 たきなは疑いの眼差しをしたままだったが、それ以上の反論はなかった。

 代わりに服を脱ぎ始めた。


「おお~♪ たきなの生ストリップショーの開幕だ~♪ ささやかなおっぱいにお札挟んで良い?」

「ぶん殴りますよ」

「殴ってから言わないでぇっ!?」


 たきなは裸になって千束から受け取った魔女帽子を被ってみせた。


「これで、良いですか?」




 全裸に帽子だけ被って魔女コスプレ。安易すぎるコスプレ。そして裸という姿にたきなは照れていた。

 一方で、照れた裸魔女コスプレをしたたきなを見た千束は──


「ブラボ~っ! ブラボ~~♪♪ 最高だよ、たきなぁあああああああああぁっ♡♡」


 大興奮だった。

 にじり寄ってたきなをガン見しながら涎を垂らしていた。

鼻息荒い千束にたきなはドン引きだった。


「千束、涎を垂らして汚いですよ。町内会のイベントなんですからもっと節度を持って……」

「ああっ、町内会イベントって嘘だから……あっ」


 興奮しすぎてつい口を滑らせてしまった。

 千束がまずいと気付いた時にはもう遅かった。


「なるほど。やっぱり嘘でしたか」


 たきなは笑顔のままだった。目だけは赤く染まっていたが。

 笑みを浮かべたまま拳銃を2丁カバンから取り出して構えてみせた。


「嘘までついて私に恥ずかしい思いをさせて。覚悟は、できてますよね♪」




 目が良い千束は気付いていた。銃は本物で、実弾が装填されていることに。

 すなわち引き金を引けば弾が発射されてしまうことに。


「たきなっ!? ここ、銭湯なんだけどっ!? 弾が逸れたら他のお客さんに当たっちゃうかもしれないんだよっ!?」

「千束が避けなければ他の誰も被害をこうむりませんよ」

「避けなきゃ私が死ぬじゃんっ!」

「千束の自己犠牲の精神……私は忘れません」


 たきなは笑みを絶やさぬまま引き金を引く指の力をほんの少しだけ強めてみせた。

 後少し力を籠めれば実弾が発射されてしまう。


「たきなにはして欲しいコスプレがまだまだある。死んで……溜まるかぁあああぁっ!!」


 千束はたきなの銃口から身を逸らすと全力疾走で銭湯の外へと逃げていった。

 裸に猫耳、尻尾、グローブという煽情的というか変態な姿で。


「おっぱいもアソコも丸出しで外へ飛び出して行くとか……痴女そのものじゃないですか」


 たきなは拳銃をしまい、帽子を脱ぐと移動して広いお風呂を堪能したのだった。

 それからしばらくして、東京のハロウィンナイトに全裸で疾走する美少女がいたというネットニュースが出回ったのだった。





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