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枡久野恭(ますくのきょー)
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SSS 俺いも 五更瑠璃他 芸術の秋


SSS 俺いも 五更瑠璃他 芸術の秋


「ねぇねぇ、瑠璃お義姉ちゃん♡ 頼みがあるんだけど良いかなあ♪」




 11月3日文化の日の昼過ぎ。高校生人妻高坂瑠璃は自室で夫である高坂京介と共にゲーム作りに励んでいた。そこに義妹の高坂桐乃がノックもなしに部屋に入り込んできた。

 桐乃の顔はにやけ切っていた。瑠璃は義妹がこの表情を浮かべている時はろくなことを考えていないことをよく知っていた。


「貴女がシナリオを書き上げるのに締め切りを大幅に破ったしわ寄せで私も京介も休日返上で働いているのよ。聞きたくはないけれど……聞かないと出て行かないのでしょ?」

「さっすが、お義姉ちゃん♪ アタシのこと、よく分かってるぅううううぅっ♡」

「本当にうざいわね、貴方の妹」


 デレデレが止まらない桐乃から目を逸らして瑠璃は京介を睨んだ。


「いつも言ってるが、今は瑠璃の義妹でもあるのを忘れないでくれよ」


 一蓮托生。京介は全てを諦めて達観した表情で述べてみせた。


「それで、貴女は私に何の頼みがあるのかしら?」


 諦めて尋ねる。桐乃は最高のにやけ顔を浮かべながら望みを述べた。


「日向ちゃんにヌードモデルになってもらって絵が描きたいの~♡ 良いでしょ♡ はぁはぁハァハァ」




 桐乃は腰をくねくねさせて過呼吸になりながら瑠璃に妹をヌードモデルにすることの許可を願った。


「ダメに決まってるでしょ」


 即答で却下だった。断られるとは思っていなかったらしい桐乃は慌てふためいた。


「何でダメなの? 芸術の秋だよっ!? 絵画の秋だよっ!? ヌードモデルぐらい普通じゃんっ!?」

「絵が描きたいなら勝手に描けば良いわ。ただし、妹の裸を描きたいのは却下よ」

「アタシが最も芸術欲を掻き立てられるのは第二次性徴を迎えるか否かのちっぱい美少女なの♪ 日向ちゃんは最適な存在なんだから~♪」


 桐乃は涎を垂らして美少女ヒロインにあるまじき欲望に満ち満ちた表情を浮かべていた。


「その話を聞かされたらますます却下に決まってるでしょ」

「桐乃、お前はもう立派な性犯罪者だが、これ以上罪を重ねるなよ……」


 対して瑠璃と京介は冷めきっていた。桐乃の性犯罪話を聞かされるのはもはや慣れっこになっていた。


「どうしてもダメ? 日向ちゃんを裸にしてあんなことやこんなことを欲望の限りしたいの♪」

「ダメに決まってるでしょ。そして貴女、建前を簡単に捨ててるじゃない」

「警察にお世話になるのはダメだぞ。警官である親父の肩身がまた狭くなるからな」


 桐乃の再度の訴えも通じなかった。そして義妹は作戦を変更することにした。


「よしっ! なら、ターゲットを変更するっ! 可愛い幼女なら他にも幾らでもいる♪ ちっぱい晒してくれる子を探し求めてアタシは旅に出る♪」


 言うが早いか桐乃は部屋を飛び出して猛ダッシュで階段を下って行った。

 瑠璃たちが声を掛けようとした時には既に家の敷地を飛び出していた。


「追い掛けるか?」

「後の始末は優秀な警察官に任せましょう。私たちは仕事に戻らないとゲームが完成できないわ」

「だな。アイツに追いかけっこで敵うわけもないしな」


 高坂若夫婦は性犯罪者を警察に任せることにして沙織プロデュースの18禁ゲーム制作に戻ったのだった。



***



「くんくん……こっちの方から美幼女のかぐわしい匂いがする~♡」


 高坂家を出た桐乃は本能に従って街を駆け巡った。そして、幼女センサーが反応して不慣れな街の住宅街の中へと入っていった。

 そして幼女を追い求めることにかけては天才的な勘を働かせる桐乃は理想の幼女を発見することに成功したのだった。


「頭の髪飾りがロボっ娘っぽいロングヘア幼女発見♪」




 桐乃は日向と同じかもっと幼い雰囲気を醸し出す長い髪の幼女を視界に捉えた。頭の飾りがアニメでよく見るロボット娘を彷彿とさせる不思議な雰囲気の少女だった。


「お嬢ちゃん、お姉ちゃんと一緒に芸術の秋しましょ~♡」


 桐乃は後ろから迫ると少女の手を握ってそのまま走り出した。

 説明するまでもなく誘拐の手口だった。


「お姉さんは、誰ですか?」


 県記録を持つ桐乃の速さに全く動じることなく並走する少女は不思議そうに首を捻った。


「プロのクリエイター高坂桐乃。中学生にしてゲーム作りをしているの」


 桐乃は走りながら答えた。彼女の担当はシナリオだが、その辺はぼかした。


「お嬢ちゃんは誰かな~♪ でへへへへ」


 桐乃は幼女の情報収集に回った。情報が多いほど興奮できることを性犯罪者は経験で知っていた。


「神里アルマ、小学5年生です」

「小5かぁ~♪ 小五ロリ悟りで最高の学年だよね~♪」


 桐乃はデレデレしながら走り続ける。アルマと名乗った少女は桐乃に引っ張られながら平然と付いてきた。


「アルマちゃんは5年生の中では小さい方かな~?」


 小4の日向と比べても背が低く、第二次性徴は見られないことから桐乃は5年生の中でもロリと判断した。その顔はますます緩んでいた。


「はい。クラスの女子児童のみなさんと比べて背が低いことは確かです」

「小5ロリの中のロリっ娘……最高ぅううううううううぅっ♡」


 テンションが上がるついでに足が更に速くなる。ほぼ全力だった。だが、アルマは先ほどと変わらず平然としたまま桐乃に付いてきていた。


「アルマちゃんは足が速いんだね~♪ 実は忍者だったりして~♪」


 骨の髄までオタク脳なので幼女くのいちは最初に選択肢として自然に出てきた。

 だが、アルマの回答は違っていた。


「いいえ、私は忍者ではありません。戦闘用ロボットです」


 はぁはぁ言い続けていた桐乃の息が止まった。そして──


「ロリロボッ娘……キタぁああああああああああああああああああぁっ♡♡」


 桐乃は大声で叫ぶとより一層呼吸を荒くしてみせたのだった。


「美少女ロボっ娘との18禁体験はオタクの夢、ロマン、希望。燃えて、いや、萌えてキタぁああああああああああああぁっ♡♡」


 桐乃はアルマのロボットだという告白を否定しなかった。それどころか全力で推していた。

 桐乃は欲望を爆発させながら彼女を人気のない児童公園、その中でも人目に付かない物陰へと連れ込んだのだった。


「アルマちゃん、今すぐ脱いでっ! パンツも含めて全部っ!」


 桐乃の瞳は欲望のピンクに染まっていた。ロボット娘、それも幼女型の裸に強い興味を示していた。


「何故でしょうか?」


 当然の疑問が返ってきた。桐乃は力業で押し切ることにした。


「私は芸術家。アルマちゃんが絵のヌードモデルになってくれないと、体内の芸術家魂が溜まり過ぎて大爆発を起こしてしまうの。芸術は爆発なんだからっ!」

「諸々のセンサーを駆使しましたが、お姉さんの体内に爆弾は感知されませんでしたが?」

「芸術家の爆発は精神エネルギーなの。現代科学じゃまだ感知も測定もできないの」

「なるほど」


 アルマは桐乃のホラ話を信じて頷いてみせた。

 性犯罪者はとても素直なロボ娘ににやりと笑ってみせた。


「さあ、アルマちゃん。この街を爆発から救うために早く脱いでっ!」

「分かりました」


 アルマは桐乃の言葉に素直に従って服を脱ぎ始めた。

 羞恥心に欠けているのか、使命に忠実なのか躊躇せずに衣服をすべて脱ぎ去ってみせた。


「脱いでみました」




 桐乃の目の前に堂々と裸身を晒している少女の姿があった。


「お胸ぺったんこのロボッ娘のフルヌード、ゲットだぜぇええええええええええぇっ♡♡」


 桐乃は両手を天高く伸ばして喜びを表現してみせた。


「ロボットとは思えない肌の色つや、そしてちっぱいのディティール♪ うぉおおおおおおおおおぉっ!!」


 重度のオタクである桐乃にとって、美少女ロボットが人間と見分けがつかない程精巧な外見をしていることは当然のこと。アルマが実は人間とは考えなかった。


「ハァハァハァハァ。触らせてっ! そのちっぱいに、桜色の突起に触らせてぇっ♡」

「何故でしょうか?」

「爆発を抑え込むにはアルマちゃんのちっぱいに触れている必要があるの~♪ でへへへへ」

「爆発のメカニズムはよく分かりませんが、分かりました。私の胸で良ければ触って……」


 触ってください。アルマがそう言おうとした瞬間だった。

 桐乃の手がアルマの乳房に向かって先んじて伸びていた。だが、彼女の手が幼女ロボに届くことはなかった。


「高坂桐乃さん。ロリペド撲滅法違反で現行犯逮捕です」





 桐乃の手首には手錠が掛けられていた。年若い女性警官が性犯罪者桐乃を逮捕してみせた。現行犯逮捕された少女は諦めて項垂れてみせた。


「川合麻衣ちゃん。せめて後10秒。ううん、1秒で良いから遅れて逮捕して欲しかったなあ」

「後1秒遅れていたらこの女の子の胸に直接触っていたでしょ? そんなのダメです」

「いや、この子本当はロボット娘だから人間じゃない。だからセーフとか……」

「こんな精巧な人型ロボットを現代技術で作れるわけがないでしょ。馬鹿なことを言ってないで警察署に行くわよ」

「は~い」


 川合麻衣と呼ばれた女性警官に連行され、桐乃は大人しく公園を出て行った。彼女は性犯罪者の少女専用の留置所で夜を明かしたのだった。


「……爆発は、もう大丈夫なのでしょうか?」


 一人残されたアルマは服を着直しながら首を捻ったという。




 その頃、高坂家では──


「桐乃が自分勝手にシナリオを変えたせいで、イラスト部分が元々の想定と全然違うものになってしまっているじゃないの。一からやり直しだわ。京介、撮影をお願い」

「絵師さま自らヌードモデルになって作画資料とするとは。クリエイターってのは凄いな」

「時間がないの。早く撮って頂戴」

「へいへい……はい、ポーズ」




 瑠璃は自らヌードモデルになって、桐乃のやらかしを埋めるべく奮闘していたのだった。



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