SS 俺ガイル 由比ヶ浜結衣 雑旅3 東京
「ハッチ~♪ 次の雑旅は埼玉に行こうよ~♪」
「埼玉だとっ!? あの『終末トレイン』で西武池袋線が死と隣り合わせのデンジャラス異世界ゾーンであることを示した埼玉に行くというのかっ!?」
6月後半に突入した某火曜日夜のバスルーム。一緒に入浴中のJK愛妻結衣は3度目の雑旅を提案してきた。だが、その提案した場所は色々な意味で問題があった。
「もぉ~、大げさだよぉ。西武池袋線の吾野にはあたしの同じ声友達の中富葉香ちゃんが住んでいるんだから。安全だよ~♪」
「いや、その中富葉香というか、洗脳されていた葉香姫によって西武池袋線沿線というか世界は大変なことになってしまったのだが……」
「大丈夫。葉香ちゃんはとっても良い子だよ~♪」
結衣はにこにこしながら埼玉行きを譲らない。こうなると愛妻は譲らない。
「埼玉にはおっぱい仲間の桐ヶ谷直葉ちゃんや喜多川海夢ちゃんもいるんだよ♪ ハッチーにとっても目に眼福でしょ~♪」
「それ、夫に向かっての誘い文句か?」
呆れはするが、結衣が退く気がないことがまた明らかになった。
埼玉行きを認めるしかないだろう。だが──
「前回行った沖縄と違って今回は短距離だ。お義母さん(ガハママ)から資金援助を請うのが難しいかもしれない」
「千葉から吾野まで3時間ぐらい掛かるよ」
「ちょっとした旅行だな……」
意外と大事になりそうで額から冷や汗が流れる。
だが、考えてみるとよく分かる話なのだ。埼玉も千葉も東京に隣接している。東京への通勤、通学圏内という見方が一般的には強いのだ。だから両県とも、東京への交通に便利な所ばかりが発達している。
千葉県で言えば東京から近い側から見て千葉駅まで。千葉から南下、或いは東に行こうとすると極端に交通が不便になる。
埼玉県の場合には、JRや私鉄が池袋や新宿から南北縦断する様に走っている。そこから外れると、地理的には東京から近くても自動車なしには到達が困難という面倒な特性を抱えている。
吾野は西武池袋線圏内であることは確かだが、その終点に当たる駅。確かに吾野から更に北に向かって西武秩父線が走っている訳だが、池袋からは80分掛かる。吾野まで行く電車の本数は少ないので、実際には多くの待ち時間を要する。東京への通勤圏内と考えるにはギリギリというかアウトな地帯なのだ。
「吾野に行って葉香ちゃんと合流して遊んで、秩父温泉で泊ってくれば良いよ~♪」
「結衣がそれで良いというのなら構わないが……西武秩父まで行くとなるとさらに時間が掛かるな……」
「無問題だよ~♪」
愛妻はキラキラした瞳で断言してみせた。
幸いにして、西武秩父駅から温泉宿まで送迎バスが出ているという情報が幾つも出ていた。西武線の果てまで行けばどうにかなるというのは間違いない。
後は、路銀だが──
「…………ママが宿泊費は出してくれるけど。交通費その他はあたしたちで出してだってさ。ぶ~」
電話を掛けて直接交渉を行った結衣はその結果に頬を膨らませていた。だが、俺に言わせれば、昨今天井知らずで上昇中の宿泊費を出してくれるだけでもありがたいことだった。
「なら、今週の平日は短期バイトしてその金を持って週末埼玉に行くとするか」
「だったら、おっぱい仲間で同じ声仲間でもある佐々木千穂ちゃんがマグロナルドで短期の店員を募集しているから早速明日から入ろうよ~♪」
「幡ヶ谷まで行くと、交通費でバイト代がだいぶ削られるが……まあ、仕方ないか」
俺は結衣の提案を受け入れることにした。
俺たちは佐々木千穂の紹介でファーストフード店で働いた経験がある。経験があるということはアルバイトを遂行する上で大きな強みとなる。給金の何割かは交通費に消えてしまうだろうが、結衣も安心しているし良しとしよう。
というわけで俺と結衣の3日間限定のマグロナルドでの短期バイトが決まったのだった。
「いらっしゃいませ~♪」
「マグロナルドへようこそ♪」
美少女巨乳店員が2人に増えたことで店は3日間繁盛しっ放しだった。
結衣と千穂のどたぷ~んに鼻の下を伸ばしている男客どもは知らないだろうが、人気を集めている2人のJK店員は共に既婚者、人妻だ。
由比ヶ浜結衣、佐々木千穂の名前で名札が出ているが本名ではない。比企谷結衣、真奧千穂が真名だ。人妻であることを隠してバイトしている2人なのだ。もっとも苗字で既婚者であることを悟る客なんていないとは思うのだが。
「…………美少女巨乳店員効果で客がいつもより多く押し寄せて注文が止まらない。幾ら働いても時給が上がらない短期バイトには酷な話だ」
裏方で黙々とポテトとバーガーを詰める俺にとっては店の繫盛はありがたくない話だった。そして、一瞬たりとも気が抜けない状況が3日間続いたのだった。
***
「大きなお風呂、気持ち良い~♪」
「銭湯ってホッとできる広さ、なんだよね♪」
3日目のバイト終了後、結衣は千穂に誘われて銭湯を訪れていた。
八幡はバイトですっかり疲れ果ててしまいスタッフルームでまだ休憩中。生じてしまった時間の有効活用でもあった。
童顔に似合わず巨乳。明るく純情そうに見えても高校生人妻。ギャップが大きな2人の銭湯での会話はこれまたギャップが大きなものだった。
「千穂ちゃんは毎晩真奧さんを絞り尽くしているの?」
「うん♪ 貞夫さん、搾り尽くすと絶望の魔力を吸収して巨大化するから。気分一新してえっちを楽しめるんだよ♪」
「いいな~ハッチーは搾り取って行くと干からびていく一方だから。搾り尽くさない様にあたしがコントロールを気を付けてないといけないんだよね~」
「私は貞夫さんの搾り尽くされ状態を自在に操れるわけじゃないから。コントロールして毎晩えっちをいつまでも続けられる結衣ちゃんが羨ましいよぉ」
2人は明るい表情でそれぞれのセックス事情を赤裸々に話していた。
「あっ、あの2人……何で、こんな公共の場であんなえっちなトークしてるのかなっ!?」
2人の会話の内容が聞こえる女客たちはドン引きしていたという。