壊れたのはごく一部分だったはずなのに、気がつくとどんどん腐食が進行して壊死が広がっていく。
壊死を食い止める方法はどこにもなくて、ずっと欲しかった愛情も優しさも評価も称賛も、全部が恐怖の対象になる。
「助けて欲しいなら声に出して叫びなさい」とテレビドラマかなにかで言ってたからそうしたら、沢山の欲望が寄り集まってきて体中の肉を好き勝手に食い千切っていく。
愛されたかったのも幸せになりたかったのも助けて欲しかったのも、結局はただの欲望なんだと悟って、欲望が呼び寄せるものは結局欲望でしかなくて、だからきっと全部自業自得。
食い千切られた皮膚と肉の裂け目が腐食していくさまを眺めて、壊死が広がっていくのを眺めて、やがて腐敗がある程度まで進んで悪臭を放つようになれば、餌が目当ての魚も獣も寄ってこなくなって、雑に放置される。
欲望がこの星を回してるのだと感じて、ありとあらゆる欲望から逃げたくなるけど、逃げたいという感情もまた欲望だから、結局欲望からは逃げられない。
いつか駆動するために必要な全てのパーツが腐食する頃には、きっともうお金も必要なくなってるだろうから心配なことなんて何もない。
まともな人間のふりをするのに疲れてしまって、
頑張ってるふりをするのに疲れてしまって、
全部ただの「ふり」なのになぜか疲れてしまって、
なんだかとても疲れてしまった。
穴を塞いでも、穴を塞いでも、いくつ塞いでもまたすぐ別の穴が開いて、隠しようもなくなってしまう。
全部ハリボテだった事が露呈して、何かを期待して集まった観衆に、いつだか愛を囁いた誰かに、心底がっかりされて、みんな去って終わり。
そんな事を何度も繰り返して、なんだか虚しくなるけど、そうするしか出来ないから、またそうするだけ。
ハリボテのパレードの劣化模造品みたいなリサイタル。
メランコル
2019-10-09 13:28:05 +0000 UTCレッドΔ
2019-10-09 12:42:46 +0000 UTC