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鷹取リュウゴ
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マッスル眼鏡の官能視界 2

2視点がここまで変化しちまうなんて    眼科であらかじめ作ってもらった眼鏡の処方箋を元にレンズを合わせ、一時間後には例の「シンビオティックメタル」とか言う新素材を使った眼鏡を手に入れていた。 最初に勧められた時は絶対に買うまい、と思っていたのに……。 試着した時にも思ったが、フレームはとても軽い。 まるで眼鏡を掛けていないのか? と思う程に。 その上、締め付け具合が丁度良い。まるで俺の顔の幅、形に合わせてあつらえたみたいだった。 ゆる過ぎずキツ過ぎずぴったりフィットする。これだけで十分価値はあるんじゃないか、と思える。  受け取ってすぐ古い予備から新しい眼鏡に掛け替えた。 ショップから出る時、見送ってくれた店員さんの姿がとてもクリアに見える事に感動したのだが、妙に色っぽく、セクシーに見えたのは何故なのだろうか? 相手は男なんだぞ? ともあれ、コンタクトレンズが使えなくなった代わりにふさわしい眼鏡を手に入れられたのは本当に良かった。 なんとなく店先のショーウインドウに映る自分の姿を見る。俺みたいな野暮ったい顔でもそれなりに「見られる」顔立ちになっている気がする。 「見慣れてきたのかな? 悪くないじゃないか」 早くも『シンビオティックメタル』ってやつの効果が現われたのか? ……いや、そんなのじゃなくて単に新鮮な気分を味わえて、はしゃいでいるだけなんだろう。 ◇  翌日、実に爽やかに目が覚めた。 昨夜は妙にムラムラして何度もオナニーしまくっていたのに起きてみれば気だるさも疲労感も残っちゃいない。 むしろ体力も気力もみなぎっていて実に清々しい。 そして朝勃ちもしっかりガチガチにしていやがった。 「あんなヌき過ぎかってほどヌいたってのに? 急に絶倫になってたのか?」 自身の股間に呆れながらもベッドから抜けて眼鏡を掛け、洗面台に向かう。 「ん? ちょっと違くないか?」 鏡に映る自分を見てふと気付いた。 コンタクトから眼鏡に切り替えてまだ二日目だからだろうか? いつもの俺よりもちょっぴり凛々しく男っぽさが増したような気がした。 「ま、気のせいか。眼鏡を掛けりゃ見た目の感じは変わるしな」 眼鏡の着け心地は相変わらず素晴らしい。しっくり馴染んで何年も使い慣れた馴染み具合だ。 歯を磨き無精ひげを剃り、洗顔を兼ねてシャワーを浴びる。 「んん? やっぱりなんか違くないか?」 寝間着代わりのTシャツを脱いだ時だった。 やけに腹筋が引き締まっているように見える。 30代目前にして少々ブヨってきていた腹周りを意識して「そろそろ何とかしねぇと」と思うものの、忙しさにかまけて何も対策はできていない。 それなのに、だ。 「なんか良い感じになってんじゃん。あれか? 知らず知らずの内にカ〇〇ーを控えていたのか?」 まぁ、このままメタボにまっしぐら、って事にならないのであれば嬉しい限りである。 スウェットパンツを下げて下半身を見てみると、やっぱり太ももや尻が引き締まった感じがする。 「おし! なんか知らんがダイエットできてんなら良し!」 シャワーから熱い湯を浴びている間もずっと勃起したまんまだったので、大人しくさせるため結局もう一発抜いたものの、 相変わらず元気いっぱいにビンビンだもんだからさらに3発も追加でぶっ放してしまった。 そこまで射精しておかないとダメなほど欲求が溜まっていたのか、と呆れつつも疑問を覚えていた。 ◇  「おはようございます、苅羽さん。お~! 新しい眼鏡、良い感じにキマってますね!」 月曜日、いつもより遅く会社に到着したのは起きてからずっとオナッていたせいだ。 遅刻こそしないで済んだものの、朝飯は食えなかった。 「おはよう。翼こそ相変わらずイケメンだな」 「何言ってるんすか。普段はそんな事言わないくせに」 出社して何でもない挨拶を交わしたはずなのに、俺はすらすらと後輩を褒める言葉が口をついて出て来た。 確かに普段の俺ならそんな風に「見た目」を褒めたりはしない。 たとえ本心から後輩をイケメンだと思っていたとしても、だ。 「もしかして昨日、変なモノでも食べちゃったんですか?」 「いや? 別におかしなものは食ってない。マジでお前ってイケメンだなって思ったから言っただけだ」 「……やっぱ変です。いつもの苅羽さんならそんな事絶対に言わないじゃないですか」 「むむ。そう言われてもなぁ」 自分でも何故かは分からない。なので、変だと言われたってどうしようもない。 「でも、俺、今の苅羽さんのほうが良いと思います。褒められればやっぱ素直に嬉しいですし」 笑顔をほころばせた後輩が席に付き、鼻歌を歌いながら業務用のパソコンを起動させた。 そんな後輩を横目で見ながら、俺は心のどこかで何故か後輩の裸を想像していた。 今風な爽やか系イケメンを抱き寄せ、熱い口付けを交わしてから裸の肉体をまさぐり合う……。 ――ムクリ 「うお!? だ、ダメだ! ここは職場だろ!」 「はい? 苅羽さんどうされました?」 後輩が俺の声に反応してこっちを向く。 「あ、いや! 何でもねぇ! 何でもねぇよ!」 まさかお前で妄想して股間が反応しちまった、とも言えず、俺はしどろもどろに繕った。 「……やっぱ苅羽さん、変ですよ。最近忙しかったし残業も凄くされてたようだし。かなり疲れているんじゃないんですか?」 「い、いや、そんな事は……、昨日と一昨日は休みだったし……」 「土日で抜けないほど疲労が蓄積していたって事ですね? 無理はいけません。ぶっ倒れてからじゃ遅いんです。今日ぐらいは思い切って早めに上がられて後は俺や他の者に任せてください!」 胸を張った後輩の「金剛 翼」は溢れんばかりの善意を俺に向けてくれた。ならばそれに応えない訳にもいくまい。 「そ、そうだなぁ、はは、翼の言う通り疲れが溜まっているのかもな。それじゃお前の言う通り今日は早めに退社させてもらうとするか」 「それが良いと思います。今の所スケジュールがタイトな案件は来ていませんし」 後輩の親切な提案は提案として、今朝の俺はすこぶる元気で体力も集中力も有り余っている。 そのお陰か、いつも通りであれば残業確定の流れだったのに、同じ仕事量を前倒しで処理できてしまった。 ともあれ、他の社員の足を引っ張らずに帰れるのなら堂々と帰るまで。 「さぁて、まだ18時か。久しぶりに美味い飯でも食いに行くとするか」 拡げていた書類をまとめて片付けていると隣のやさしい後輩君が声を掛けてきた。 「苅羽先輩が早く回してくれたおかげで俺も早く終わっちゃいました。疲れていてもここまで早く処理できるなんて、やっぱ先輩って凄いですね。俺、改めて尊敬しちゃいました」 「おいおい。お前こそどうした? そんな風に俺を褒めるなんて、心境に変化でもあったのか?」 「……まぁ、あったと言うか、元から、と言うか」 「元から?」 「あ、いえ。何でもありません」 拗ねたような目付きから薄く苦笑いを見せる翼。そんな表情の変化にドキリとしてしまった。 どうして俺ってば後輩にときめいたんだ? 何だかやっぱりおかしいのか? 俺は……。 しばらく考えても結論など出る訳が無い。  「おう? 苅羽と金剛はもう帰るのか?」 こんな時間に会社に戻って来たのは課長の「徳永 真二」だ。 朝からずっと居なかったのは浜松に日帰り出張していたからだ。 「お帰りなさい、徳永さん。そうなんですよ。悪いんですが丁度良い感じでケリがついたので今日はこれで退社しようかと」 「いいよなぁ。俺も早く帰りたいもんだ。こっちは今から報告書作りだってのによ」 「今日中に求められているんですか?」と、翼が尋ねた。 「まあな。早急に、ってのはつまりそう言う事だ」 「うげぇ」と苦い顔を見せるもののさほど嫌そうじゃない徳永課長。 仕事もできるし俺や翼への当たりも横柄じゃ無くざっくばらんでとっつきやすい人柄だ。 そして何より、元ラガーマンだけあって体格はスーツ越しでも逞しさが窺えるカッコ良さ。 脂の乗った男盛りってオーラが匂い立っているようで精力もすこぶる強そうな印象を受ける。 そんな徳永課長だが2年前に離婚してから性欲はどうやって処理しているのだろう? 俺みたくオナニーだけなのか、或いは風俗で誰かにチンポを嵌めてそのガタイでもって攻めまくっているのか……。 ――ムクッ、ムクク 「ちょっ!? またかよ? どうしたってんだ?」 「ん? 何だ? どうした苅羽」 「あっ、い、いえ、何でもありません……」 どうして俺は徳永課長の卑猥な行動をイメージしちゃってんだ? 翼と言い課長と言い、ちょっとおかしいよ、俺。 「先輩は最近残業続きだったので疲れが溜まってるみたいなんですよ。それで今日ぐらいは早めに切り上げたらどうっすか? って俺から言ったんです」 返答に詰まってた俺に翼が助け舟を出してくれた。 「そうなのか? それでちょっとぼんやりしてたんだな。だったら金剛の言う通り早めに帰って休んでおいた方が良い。 週明けくらいしか早く帰れないだろうしな」 「そ、そうっすね。んじゃお言葉に甘えてこのまま帰らせて頂きます」 「おう。帰れ帰れ。俺の苅羽が倒れたりしたら一大事だ」 え? 俺の苅羽? いつから俺ってば課長のモノになったんだ? 引っかかりを覚えて徳永課長を見るとニンマリと微笑んでいる。 それがまた渋カッコ良くて思わずキスしたくなるほど可愛く見えて……。 「は? お、俺、何を?」 何を考えてんだよ俺は!? 「おいおい~? そんな調子で大丈夫か?」 「ね? 先輩ってばな~んか変でしょう?」 二人の視線が俺に突き刺さる。なのに、俺の股間がまたもやビクビクと反応している。それは二人に対し妙に性的な魅力を感じているからだ。 でも何で? 相手は男だぞ? 俺、そんな趣味あったか? 股間の反応を否定する声が脳内にこだまする。 だけど、カラダはやはり二人に対して違う回答を示していた。

マッスル眼鏡の官能視界 2

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