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鷹取リュウゴ
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淫交洞窟3

3起因  姶良が鹿屋と阿久根と一緒に探検部の部室へ戻った。 しかし、部員のほとんどはすでに帰宅し部長の枕崎と副部長の出水しか残っていなかった。 「迎えに行ったは良いが、阿久根の部屋で居眠りするとはいつもの姶良らしくないな」 部室を出てから2時間が経過していた。もう宵の口と言った時間である。 枕崎が苦い顔を姶良に向けた。 「う~ん、あんまり覚えて無いんすけど……、鹿屋先輩と阿久根先輩からお酒を飲まされちゃったみたいで、それで……」 「鹿屋、阿久根。一応こいつは未成年なんだぞ? それぐらい知ってるくせに飲ませるなよなぁ」 出水は悪びれた素振りを見せない二人をたしなめた。 「いや~、マジで少しだけなんですよ? 新年の祝いですって。お屠蘇をひと口程度ってなもんですから」 「嘘じゃないですよ副部長。ほら、俺らも姶良も酒臭さなんかしないでしょう?」 「はああ~」と息を吐き弁解する阿久根と鹿屋の姿は姶良が目撃したようなマッチョボディでは無い。 もちろん、背丈も前と同じで黒ビキニ一丁でも無く、ダウンジャケットとチノパンと言った冬の男子学生らしい服装だ。 そんな鹿屋と阿久根に枕崎や出水は勿論なのだが、記憶を抜きとられ「お酒のせいで眠ってしまった」と告げられた姶良もまた疑いなどしなかった。 「まぁ、他の部員たちとの顔合わせは明日以降、って事になるな。今日みたくあんまり遅れてくれるなよ?」 「明日って?」 阿久根が首を傾げた。 「今日中に決めておきたかったがお前ら三人のせいで決められなかった次の探検目標について、だ」 「次ですか?」 「次かぁ!」 枕崎部長の発言に阿久根と鹿屋の顔が輝いた。 「お? やけに乗り気じゃね? 今まではどっちかって言うと流れに乗っかってるだけ、って感じだったくせに」 出水の嫌味も意に介さず、阿久根たちは身を乗り出した。 「候補はどこなんです?」 「俺らも意見出しちゃって良いですか?」 枕崎と出水は顔を見合わせてから、プッと吹き出した。 「二人とももしかして、今日の大遅刻の責任を感じて、ってか?」 「部長。巻き添えにした姶良への罪滅ぼしかも知れませんよ? だったら姶良の先輩としていいとこ見せてやんないとな?」 ◇  翌日、探検部の部室にようやく全員が揃った。 改めて昨日の遅刻を詫びた阿久根と鹿屋に対し、会えずに帰宅した他の部員たちは苦笑とともに許すしか無かった。 「さて、今日も集まってもらったのは次の探検候補について話し合うためなんだが、皆の意見を聞かせてくれ」 枕崎の呼びかけに部員がそれぞれ思い付くまま候補地を述べる。 「北海道の秘湯、なんてどうすか?」 「沖縄あたりの鍾乳洞が呼んでいる気がするんですが」 「予算の関係で言うと近場がいいんですよね?」 「後出しで悪いが日程は2月の祝日を含む3連休で考えている。なので北海道と沖縄は難しいな」 出水副部長の発言によって候補地のエリアは狭くなった。 それに、春休みに入ると例年行っている一週間以上の長期探検が待っているのだ。 あまり費用が掛からず、それでいて探検部らしい活動が見込めそうな場所――、部員たちは黙り込んだ。 「昨年は伊豆の旧道を歩いたんですよね?」 一年生の霧島が先輩たちに尋ねた。 「そうだ。昨年の冬期探検は伊豆に行ったんだ。一昨年は八丈島だったな」 「やっぱり雪の無い地域が適しているんですね」 同じ一年の志布志が呟くと 「まぁなぁ。俺も出水も雪国出身じゃないから積もるほど降る場所は避けたいってのが本音だ」 枕崎が答えた。 「なので、日本海側も選択肢から外してもらいたい。雪対策にかける費用は別のに回しておきたいんだ」 出水も部長をアシストするように補足する。 「なら、両方の条件が揃う場所がありますぜ? 皆の衆」 鹿屋が手を上げて発言した。 「そうだよな。灯台下暗し、って感じ? すぐ近くに探検すべき場所がありますぜ?」 阿久根が謎かけのように部員たちを見渡す。 「もったいつけずにズバリ言ってくれ。そんな恰好の場所があるんならな」 枕崎が鹿屋たちに催促した。 「では」 ゴホンと咳払いをした鹿屋が立ち上がって回答した。 「陰交洞窟です」 「は?」 枕崎も出水も目を丸くした。 「隠交洞窟っすよ。交通費は実質ゼロになりますぜ?」 「いやいや……。交通費はともかく、あそこは立ち入り禁止じゃん。無理だろ、俺らが勝手に入るなんて」 「大学側もだが地主も許可しないだろ? れっきとした私有地なんだし」 一部の学生が勝手に入っているのは公然の秘密であったが、部活として洞窟内に入るなんて無理に決まっている。 部長も副部長も、そして鹿屋や阿久根以外の部員たちもそう考えた。 「いえ。それぐらい俺も阿久根も分かってます。だから、先に許可を貰っておきました」 二人に向かって「マジで?」と問い質す視線が飛んだ。 「嘘じゃないッスよ? 大学にも地主の人にも洞窟内を調査する許可を得ています。こんな事もあろうかと双方に働きかけていたんスよ」 「ど、どうやって許可をもらったんだ?」 出水副部長がまだ信じられないと言った面持ちで鹿屋たちに聞いた。 「俺たち探検部の今までの実績をお話して、それから、決して危険な真似はしないから、と」 「そうそう。そして、探検結果は必ず報告させて頂きます、ってのも言いました」 部長と副部長は顔を見合わせた。 「……無断で勝手に入られるよりはマシだ、って判断したんですかね?」 「かもな……。それ以外考えられない」 「しかし、いつの間にそんな下ごしらえをしてたんすか? 鹿屋先輩、阿久根先輩も」 姶良が素朴な疑問を口にした。 「ん~、まぁ、年明け早々、かな?」 「最近じゃすっかり噂にもなんねぇけど、洞窟の奥、調べてみたら面白い物が発見できるかも知れないだろ?」 部長として枕崎が改めて鹿屋と阿久根に聞いた。 「許可をもらった、って話、大学側と地主に確認してみても良いか?」 「ええ。構わないっすよ。 これが地主さんの電話番号です」 鹿屋が持つスマホに表示された電話番号を見てから自身のスマホで確認の電話を入れる枕崎。 繋がった相手と少しの会話を交わしすぐに電話を切ると、もう一方の相手へ電話をかけ鹿屋や阿久根の言う事が事実かどうか尋ねてみた。 「疑って悪かった。本当に許可を貰えていたんだな。ここまで準備してくれてたのなら俺に異論はない」 地主サイドと大学サイドの両者から許可を得ていたのが事実だと知った枕崎部長は、安堵をこめて嬉しそうに微笑んだ。 それが決定打になり副部長も他の部員たちも賛意を示した。 「二泊三日の洞窟探検。なかなか良い響きっす」 「ぶっちゃけ、いまだに奥の方については何も分かってないですもんね」 「相当長く伸びてる、って噂だけは聞いてますけど、詳しい状況は誰も知りませんし」 「交通費がゼロってのも有り難い。その分、春休みの長期探検に回せるしな」 副部長も涸れがちな部費を管理する立場上、陰交洞窟への探検に前向きな意見を述べた。  部員たちの雰囲気に満足げな鹿屋と阿久根の股間がムクムクと膨張していた事に気付いている者はいない。 下半身はテーブルの下に隠れて目が届かないからだ。 「上手くいったな……阿久根」 「ああ。俺たちの言う事を聞いてくれなきゃ『あの動画』を流すって脅した甲斐があったぜ」 阿久根と鹿屋が陰交洞窟に入る許可を得られた理由はただ単に説得したから、では無かった。 肉体を人とは異なるモノへと改造された時に芽生えた能力を使い、大学事務方トップの男、地主の男を操って自分たちを「襲わせて」いたのだ。 「還暦を超えても男の性欲ってのは衰えないもんだな」 「チンポだけはしっかり漲っちゃってたよな? 俺らが発情させてたとは言え」 二人の体液、特に精液には猛烈な催淫作用があった。 中高年であろうと、男に興味など全く無くとも、猛烈にセックスしたくなるのだ。 鹿屋と阿久根は何らかの方法によって自身の精液を大学事務方トップの男と地主の男へ与え、彼らの常識や倫理観を一時的に狂わせ、 激しく性欲を掻き立たせた上で自分たちを襲うように仕向け、手を出した辺りからの一部始終を動画に収めていた。 それは、他人が見れば単純に色狂いに陥った初老の男が、若い男子学生のアナルに無理矢理チンポを捻じ込んでいるだけ、の光景である。 襲い掛かった二人の男の記憶から阿久根を襲った部分だけ残し、その前後の記憶は抜きとられている。 故に、「どうして襲ったのか」「どのような処理を受けたのか」本人たちには全く不明のままであった。


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