※先にお知らせです。
今月に入っていろいろと悪い状況が重なり、高熱でしばらく臥せっておりました。(現在は回復済み)
創作状況にも支障をきたしてしまい、大変申し訳ないのですが劇場版の⑥の更新を来月とさせていただければと存じます。
代わりに負担の少ない更新を一つ入れる予定ですので、どうかご了承くだされば幸いです。
それでは、本編をお楽しみください!
挿絵 えすかとろまぎあ様
ミレーヌ・リオナ・ソフィの三人は、謎の光に包まれて別の世界へと飛ばされてしまう。
その先で白黒の謎の怪獣襲われ、何とか撃退したものの状況が飲み込めず困惑するミレーヌたち。
そこへ白い装束に身を包んだ謎の女性が空から降りてきて…
ミレーヌ(以下ミ)「あれは一体…あの人、お空飛んでますよね、お母様…」
ソフィ(以下ソ)「ええ…普通の人ではないのかしら?」
こういう時は博識な義姉に意見をあおごうとしたミレーヌであったが、リオナはまだお酒が抜けてないのかポーっと空中を眺めていた。
一方、空から三人に近づこうとしていた白い装束の女性…救聖天使オーロラシャインも、向こうが自分を視認している様子に驚いていた。
シャイン(以下シ)「あの人たち、私が見えているの?救聖天使を視認できるのは天使か悪魔の手先…一見は悪い人たちには見えないのだけど…」
とはいえ、状況を鑑みるに虎穴に入らんば虎子得ず…何かさっきの巨大生物について知っているかもしれないと、シャインは三人へと接触を図るのだった…
シ「こんにちは!あの…私のことが見えていますよね?」
シャインに話しかけられたミレーヌとソフィは、一瞬目を合わせたあとに頷いた。
ミ「はい…あの…あなたは普通の人ではないんでしょうか?」
悪魔の手先であることを警戒していたシャインは、ミレーヌの真っ直ぐな視線にその可能性がなさそうだと判断する。
シ「くわしくお話しすると長くなるのですが…そう思っていただいて結構です。先ほどこちらで巨大な…怪獣のようなものが現れたと思うのですが…貴女たちは大丈夫でしたか?」
ミレーヌは隠してもしょうがないと思い、ソフィに念話で許可をとった上で、自らが怪獣を撃退したこと…そして自分たちがどこか別の世界から転送されたと思われると話した。
ミ「かくかくしかじか…というわけでして、私たちも事態に困惑していて…」
どこか別の異世界から飛ばされてきた、謎の力を持つ美女三人組…
どうしたものか…と思慮するシャインの後ろから、エンヴィが飛んできたのはその時であった。
エンヴィ(以下エ)「シャイン〜!置いてかないでほしーデビ〜!」
ミレーヌたちにしてみても、謎の女性の後ろから今度はぬいぐるみのような毛玉が現れて驚きを隠せない。
ソ「あらあら…可愛い妖精さんねぇ…」
ソフィはかわいい闖入者をニコニコとつついていたが、二人の姿を見たエンヴィは目を丸く見開いて驚愕する。
エ「あー!アルティマミレーヌとアルティマソフィデビ!…あっ…今は人間の姿だから、内緒にしなきゃダメデビね…ごめんなさいデビ!」
いきなり興奮し始めたエンヴィに困惑するシャインであったが、彼女たちの正体を知っている様子なことに一縷の期待を寄せて質問した。
シ「あなた、この人たちのこと知ってるの?」
シャインの問いに待ってましたとばかりにエンヴィは捲し立てる。
エ「んもー!シャインは遅れてるデビねぇ!アルティマミレーヌといえば…ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ…」
興奮していて要領を得ない部分もあったが、要は最近流行りの特撮ドラマの主役が彼女たちということだった。
シ「今の説明であっていますか?」
シャインはミレーヌたちに確認するが、彼女たちもすこし困惑しているようだった。
ミ「うーん…細かいところは置いておいて、私たちは自分たちがフィクションの認識はないんですけど…言っていることは概ね合っているように思えますね…」
状況が飲み込めずに、お互いさらに困惑してしまうシャインとミレーヌたち。
その状況に更なる混乱がもたらされるとは、この時の女神たちには想像もできていなかった。
リオナ(以下リ)「あーっ!ソフィ様、ミレーヌ!そんな怪しい毛玉からは離れてくらさい!危険れす!」
酩酊して木陰で休んでいたリオナがエンヴィの存在を怪獣と間違えたのか、顔を真っ赤にしてシャインとの間に割り込んできたのである。
ミ「お義姉様!まだお酒抜けてないんですね…シャインさん、ごめんなさい。ちょっと落ち着かせてからまた…」
ミレーヌが何とかリオナを落ち着かせようと介抱をはじめ、シャインとソフィはいそいそと連絡先の交換を始める。
ソ「それじゃあ、いったんお互い落ち着いてからまた情報交換を行うということで…街への出方は…なるほど…」
シャインもいったん情報を持ち帰ってハートと相談したかったところでもあり、お互い仕切り直しできるのは願ったりかなったりだったのである。
シ「そちらのスマホがこちらでも使えるのは僥倖でしたね…それでは夜にもう一度落ち合いましょう!」
春野市での再会を約束し、シャインとエンヴィは空へと消えていった。
別れ際にミレーヌたちと一緒にいたいと駄々をこねるエンヴィと、愛する義妹にちょっかいを出そうとする毛玉に噛みつこうとするリオナとの間でひと悶着あったものの、救聖天使とアルティマの女神たちの邂逅は比較的平和に終わりを告げたのだった…
リ「本当に…なんとお詫びすれば…ソフィ様、ミレーヌ…ごめんなさい…」
あの後すぐにバスに乗ることができたミレーヌたちは、春野市に移動してホテルで一息ついていた。
その間にお酒が抜けたリオナは、自分が酔いに任せてシャインたちとのやり取りを邪魔をしたことに反省しきりであった…
ソ「フフフ…リオナは少しお酒との付き合い方を考えなきゃいけないわねぇ…」
ミレーヌはソフィに注意されてしおらしくしている義姉が珍しいのか、ニコニコとその様子を眺めている。
リ「それで状況を整理すると…私たちは元居た世界とほぼ同じ異世界に飛ばされて、そこには天使のような人たちがいて…そしてこの世界には『アルティマミレーヌ』が特撮ドラマとして存在していると…いろいろ混乱してきそうですね。」
律儀にメモを取りながらまとめるリオナの姿に、いつもの様子を取り戻していることを確認したミレーヌは嬉しそうに話に入ってくる。
ミ「なんでもこの町を中心に悪魔と天使が闘っている…そんな世界らしいですよ!」
それこそ女児向けテレビアニメとかでありそうな設定では…リオナは首をかしげつつも今後のことを思案する。
ソ「とりあえず、救聖天使のオーロラシャインさんとは連絡が取れる状況になっているわ。この後、彼女のお仲間と合流して状況整理…ということでいいかしら?」
ウウウウウゥゥ…
ソフィが意見をまとめようとしたその時、外で大きなサイレンの音が響き渡るのだった…
同じ時刻…シャインもまた、春桜学園の寮に戻って状況整理を行っていた。
ハート…久瀬灯はまだ図書委員の仕事で学園に残っているそうで、今日有った事をどう話したものかとシャインはいろいろと思いを巡らせる。
シ「久瀬さんと情報共有したうえで、ソフィさんたちと今後のことを話さないと…」
事態の悪化…なのか、まだ判断つかない状況であったが、オウマとは違う脅威がこの町に迫っていることを感じ、シャインは背筋にヒヤッとした感覚が走るのを感じていた。
その横ではエンヴィがのんきにお昼寝と洒落込んでいる。
エ「んむふふふ…アルティマミレーヌと会えるなんて感激デビ~…」
その身体からどす黒いオーラがあふれ出し、窓の外へと流れていく。
寮の軒先にぶら下がっていたコウモリへとそのオーラが注がれていることに、資料をまとめているシャインは全く気付いていなかった…
グアアアアッ!
サイレンに驚いて空を見上げたミレーヌたちの目に飛び込んできたのは、コウモリ型の怪獣・キラヌスの姿であった。
ミ「あの怪獣…さっき調べたら今週の『アルティマミレーヌ』に出てきたみたいです!まさか本物が…」
しかしこの世界は本物のミレーヌたちの世界のように防衛隊はいない…あんな怪獣に対抗する手段はないはずであった。
ミ「私が変身して…」
ミレーヌが飛び出そうとするのをリオナが制止する。
リ「だめよ!あなたさっき変身したんでしょう…ここは私が…」
リオナが義妹を制止するも、ミレーヌもそれに反論する。
ミ「お義姉さまだってこっちの世界に来る前に怪獣と戦っているじゃないですか!」
娘たちの様子を見ていたソフィは、スッと二人の前に出る。
ソ「ならここは間を取って私が…文句ないわね、二人とも。」
ソフィの有無を言わせぬ言葉に、ミレーヌとリオナは一瞬気圧されて後ろに下がった。
それが二人の答えと受け取ったソフィは、変身してキラヌスへと向かって飛んでいく。
ミ「ひぇ…お母さま、たまに怖いんですよねぇ…」
そうは言いながらも、二人はソフィの無事を祈らずにはいられなかった…
ソ「お待ちなさい!」
春野市の上空を飛ぶキラヌスに追いついたソフィは、ハンドショットを放って怪獣を牽制していく。
気持ちよく大空を舞っていたキラヌスは、いきなり現れた乱入者に怒りをあらわに襲い掛かっていった。
速度と小回りで上回るキラヌスは簡単にソフィの背後を取ると、目から光線を放ち追い立てる。
ソ「くっ…早い!空中戦では分が悪いわね…それなら!」
ちょうど真下の地上が空き地なことを確認したソフィは、飛びながら器用にキラヌスに向き直ると意識を集中する。
ソ「タイマーフラッシュ!」
エナジータイマーが激しく発光し、フラッシュに目を焼かれたキラヌスは地上へ落ちていった。
グアアアアア…
地上へと落下し、うずくまるキラヌス。
ソ「やっぱりコウモリがモデルなら強力な光には弱かったわね…ここまでよ。大人しくしなさい…」
そこへ降り立ったソフィは、浄化の力をその手に集中する。
しかしそれはキラヌスの罠であった。
ガアッ!
いきなり顔を上げて目から怪音波を放つキラヌス。
その直撃を受けたソフィは身体が硬直してしまう。
ソ「どういうこと…身体が言うことを聞かないっ…」
直立したまま動けなくなったソフィを値踏みするように、背後に回っていくキラヌス。
その鋭い牙からは、獲物を前にして涎のような液体がしたたり落ちていた。
ガブゥ!
ソフィの美しい肢体…その肩口に、キラヌスの牙が突き刺さる。
ソ「キャアアアアッ!」
辺りにソフィの悲鳴が木霊し、同時にドクッドクッとエネルギーを吸い上げる音が鳴り響く。
ピコンピコンピコン…
ソフィのエナジータイマーが赤く点滅し、彼女の危機を報せていく。
グフフフフ…
獲物から力が抜けていくことを感じたキラヌスは、余裕の笑みを浮かべていた。
ソ「くっ…あまり舐めないでちょうだい!」
キラヌスに噛みつかれた痛みは、ソフィに自らの感覚を取り戻させていた。
握り込んだこぶしにため込んだエネルギーを、振り向きざまのアッパーカットでキラヌスへ喰らわせていくソフィ。
ドガッ…
隙を作ろうとはなったソフィの打撃であったが、意外にもキラヌスはその一撃で身体が崩れて闇の中へと消えていってしまった。
ソ「あら…手ごたえはなかったのだけど…」
意外な展開に首をひねるソフィであったが、まずは一件落着とホテルへと戻っていくのだった…
⑤へ続く…