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両思いのあたしと僕

9発目です。集団入れ替わり、めっちゃいいですよね。作中で描写されてる人達以外にもどんな組み合わせの入れ替わりが起きてるのかとか、妄想がめちゃくちゃ膨らむんで大好きです。今回の話については私は特になんも考えてないです。

両思いのあたしと僕

「あっ、みーちゃん先輩だ!」

「えっ!?ぁ…………」


帰りのホームルームが終わり、図書室に行って勉強でもしようと思いながら廊下を歩いていたところで、突然見知らぬ女子生徒に声を掛けられた。


「あたしたちこれからカラオケ行くんですよ、先輩も一緒に行きませんか!?」

「い、いや……僕は……その……」

「ちょ、ちょっと陽菜、忘れたの?今先輩は、ほら……ね?」


返答に困って口をもごつかせていると、女子生徒の集団の内の一人が僕の胸につけられている名札を指さした。話しかけてきた子もそれに気づいて察したのか、先程とは打って変わって気まずそうに僕から一歩距離を取る。


「あー……えっと、すいません、間違えちゃって……」

「だ、大丈夫だよ。それより、綾瀬さんに何か用事があれば伝え……あ、行っちゃったか……」


ボソボソと喋る僕の声が届いていなかったのか、彼女たちはそそくさとその場を離れてしまっていた。


「(まぁ、間違えるのも無理はないよなぁ……)」


指さされた名札をじっと見つめる。先週、必ず身に着けるようにと言われて渡されたそれには『山岡拓馬』と、本来の僕の名前が書かれていて……それが付けられているカーディガンの胸のあたりは、男であるはずの僕の身体にあるはずもない大きな膨らみがその存在を主張している。

そう、僕はクラスメイトの女子で、片思いしている相手でもある綾瀬さんと身体が入れ替わってしまっていた。




***




こうなってしまった原因となる事故が起きたのはつい先週、修学旅行に行った時だった。

クラス全員が乗っていた観光バスが、山の中で起きた急な嵐に巻き込まれてスリップして転倒してしまい……奇跡的に乗っていた全員が怪我もなく無事だったのだが、目を覚ました時にはその全員が、バスに乗っていた他の誰かと身体が入れ替わっていたのだ。

救助された直後はとんでもないパニックになっていた。当然だろう。事故に遭って目が覚めたら他人の身体になっていて、その上自分の身体が勝手に動いているのだから。

結果として、僕たちのクラスで入れ替わりが起きたことは周知の事実となってしまっていた。どうしてそういうことになったのかは分からないが、元に戻るまでの間は身体ではなく元の精神の立場として生活することになり……混乱を起こさないよう、こうして本来の顔と名前が書かれた名札をつけることになっていた。


「(いつになったら元に戻れるんだろう……)」


入れ替わりが起きたのが丁度1週間前。こんな異常事態が受け入れられているのも、元に戻れることが分かっているのが大きいのだろう。

最初に元に戻ったのは、クラスの女子の斎藤さんと、バスを運転していたおじさんのペアだった。救助された後近くの病院に搬送されてから1日が明けて、次の日に、その2人は事故の前と何ら変わらぬ様子で振舞っていたのだ。

話を聞けば朝起きた時には元に戻っていたらしく……やがて日を経るごとに1組、2組と、何組ものペアが元の身体に戻ることができていた。

それが分かっているおかげで僕もこの状況を受け入れることができているのだけど、僕と入れ替わってしまった綾瀬さんは今も、学校に来れず綾瀬さんの家に引きこもって塞ぎこんでしまっているらしい。……正直僕としては、後少しだけこのままでもいいのに、なんて思っているけれど。


「ああ、ここにいたんですね。少しお時間頂いてもよろしいでしょうか」

「わぇっ!?……く、工藤さん?」


綾瀬さんの身体になったまま1人で家に居ても気が休まらないので、最近はこうして図書室で勉強するのが日課になっていた。そうして黙々と参考書の問題を解いていると、突然背後から声を掛けられた。振り向くと、眼鏡を掛けた真面目そうな女子生徒……クラスメイトの工藤さんが立っていた。

工藤さんも、元に戻ることができた内の1人だ。その証拠に、彼女の胸には誰かと入れ替わっている証である名札が付けられていない。確か、お調子者の亮太くんと入れ替わっていてちょっとした騒ぎになっていたんだけど、修学旅行から戻って学校が始まる頃にはすっかり2人とも元の調子に戻っていたことを覚えている。


「え、えっと……僕、綾瀬さんじゃなくて山岡だよ?もし何か用事があれば伝えておくから……」

「ええ、もちろん分かってますよ。山岡くんに用事があって来たんです。ちょっと着いてきてもらえませんか?」

「え……ぼ、僕に?はぁ……。ちょ、ちょっと待ってて、すぐ準備するから……」


慌てて机を片付ける僕を、工藤さんは穏やかな笑みを浮かべながら待っている。確か綾瀬さんと仲が良いらしいけど、僕とは会話すらしたこともなかったはずだ。

一体何の用なのか気になったがそれも聞けないまま、あれこれと妄想を膨らませながら、工藤さんが歩く先へと向かっていった。




***




「あ、あの……それで、ぼ、僕に用事って、一体……」


工藤さんに連れられた先は、今は使われていない旧応接室だった。ちょっと古いけど大きなソファなんかもあって……たまにカップルがここに来て、いかがわしいことをしているなんて噂を耳にしたことがある。こんなところに僕なんかを呼び出して、一体どういうつもりなんだろうか。


「…………」

「く、工藤さん……?」


僕の問いかけにも応えず、工藤さんはただ僕のことをじっと見つめてくる。おっとりとした性格を表すようなたれ目と、整った可愛らしい顔立ち。綾瀬さん一筋であることは変わらないけど、こうしてこんな美少女にじっと見つめられていると思わずドキドキしてしまう。しばらく見惚れていると、不意に彼女は口を開いた。


「私、綾瀬さんのことが好きなんですよ」

「へっ……!?」

「好きっていうのはもちろん、友達とかじゃなくて恋愛対象として。でも、こういうのっておかしいじゃないですか?だからこの気持ちは隠したままにしておこうって思ってたんですけど……」

「えっ!?ちょっ……あ、あの……!?」

「ねえ、山岡くん。綾瀬さんの身体で……女の子の身体で気持ちのいいこと、してみたくないですか……?」


工藤さんの顔がぐっと近づいてくる。彼女の温かい吐息がかかって……というか、え?頭が追い付かない。つまり、工藤さんはレズってことで、僕の……僕が入ってしまっている綾瀬さんの身体と、そういうことをするつもりなのか……!?


「ままま、待って!ぼ、僕はそんなことできないっていうか!そ、それに、これは綾瀬さんの身体で!だ、だから……その……!」

「……くくっ、はははははっ!その童貞臭ぇ反応、お前やっぱり山岡で間違いなさそうだな」

「…………へ?」


僕があたふたとしていると、工藤さんは突然人が変わったように腹を抱えて笑い始めた。清楚という言葉がぴったりな彼女とは思えない程にゲラゲラと下品に笑うその姿に、呆けにとられてしまう。


「いやあ、悪い悪い。入れ替わってるってのは分かってたけど、からかったら面白そうだと思ってつい、な」

「え?ちょ、ちょっと待って工藤さん……な、何?どういうこと?」

「ああ、それなんだけどな。今の俺は工藤じゃなくて亮太なんだよ。大沢亮太、クラスメイトなんだからもちろん分かるよな?」

「い、いやっ、分かるけど……も、元に戻ったんじゃないの?名札だって……」


亮太くんは確かに工藤さんと入れ替わっていたけど、割と早い段階で元の身体に戻っていたはずだ。現に教室での2人は今までと何ら変わらない様子だったし、今日なんかは、亮太くんにセクハラまがいのことをされてからかわれたのを覚えている。間違いなく、2人は元に戻っているはずだった。


「そうそう。まさにそのことを話したくて呼び出したんだよな。ま、座れよ」


工藤さんはソファにドカっと腰を掛けると、隣に座るよう僕に促す。足を大きく開いているせいでスカートの中が丸見えなのに、それすら気にしていない様子で……とても、普段の工藤さんと同一人物だとは思えなかった。


「んで、話を続けるけどな。俺と工藤は入れ替わったまんまなんだよ」

「で、でも、2人は元に戻ったって先生が……そ、それに、今日の亮太くんを見た感じだと、全然そんな感じしなかったけど……」

「はははっ!そうそう、そこが面白ぇとこなんだよな。……なあ山岡、お前、綾瀬さんの身体でオナニーしたのか?」

「オナ……!?な、何言ってんだよ!そ、そんなことするわけないだろ!?」


唐突にとんでもない質問をされて、思わず声を荒げてしまう。

そりゃ僕だって男だし、そういうことに興味がないわけじゃないけど……女の子の身体でのやり方なんて分かるわけもないし、そもそも大事な綾瀬さんの身体でそんなことをするなんて考えられなかった。今だって、風呂の時や着替えの時なんかはずっと目をつむってるくらいなんだから。


「はっ!まあお前ならそうだよな、だからこそ声を掛けたんだけどよ。 俺はもちろん、思う存分楽しんだぜ?このでけえ胸も処女マンコも、思う存分味わわせてもらったさ」


工藤さんは自分の胸を揉みしだきながら、工藤さんとは思えない男みたいな言葉遣いで卑猥な話を続けていく。初めは彼女にからかわれているだけだと思っていたけど、こうして話を聞くことで、段々と僕も彼女の中身が亮太くんであるということを信じざるを得なくなっていた。


「で、まあ数分もしないうちにイっちまったんだけどよ、そしたら頭ん中が急にスーっと冴えてきて……こんな風に、自由に工藤冬香として振舞えるようになっていたんですよ」

「えっ!?あっ……く、工藤さん……!?」


彼女は目を閉じたかと思うと、途端に、普段の彼女通りの穏やかな表情へと戻っていた。その佇まいもどこか気品のある、凛としたものになっていて……それを見て困惑している僕を嘲笑うかのように、工藤さんは再びその可愛らしい顔にニヒっと下卑た笑みを浮かべる。


「あははっ!すげえだろ?と、まあこんな感じで、どうやらオナニーやらなんやらをして絶頂に達すると、その身体の本人らしく振舞えるようになるみたいなんだよな。もちろん、記憶だって思いのままだぜ?」

「そ、そうだったんだ……。あ、あれ?それじゃあ、元に戻った他のみんなって、もしかして……!?」

「ご名答。あいつらもやることやって、その身体に合った振舞いをできるようになったんだろうよ。そう考えると、真っ先に身体に馴染んだバスの運転手のおっさんなんかは相当なエロジジイだったんだろうな」


愉快そうに告げられたとんでもない事実を前に、しばらく開いた口が塞がらなかった。ということはもしかして、僕はずっと綾瀬さんの身体に……!?


「で、でもっ!それならどうしてみんなはそのことを言わないのさ!お、おじさんと入れ替わった斎藤さんなんて、入れ替わったままなんて嫌なはずじゃ……」

「そう、それなんだよ。色んなやつで試して分かったんだけどよ、どうやら入れ替わった身体を嫌がってるやつはその身体の記憶に呑み込まれちまうみたいなんだよな」

「ど、どういうこと……?」

「お前さっき、俺の身体が普段通りっつってたろ?……工藤の記憶が読めるようになったあと、ちょっとした興味本位で俺の身体を犯してやったんだけどよ、そしたらいきなり、元の俺みたいな感じで話し始めてやんの。自分が工藤だったことも完全に忘れちまったみたいでさ、マジで面白かったぜ! 他の奴らでも試したけど、今の身体を嫌がってるやつはそうなっちまってたからな。間違いないだろうよ」


話を聞いた感じだとどうやら工藤さんは……いや、亮太くんは、面白半分にクラスのみんなにその……そういったことをさせて、その結果、クラスメイトの何人かは"元に戻って"しまったのだろう。

みんなは元の身体に戻ってなんかいない。入れ替わった相手に成りすまして、そうじゃない人は自分が誰だったのかも忘れて、入れ替わった相手として過ごしているだけなんだ。

そんなの絶対に間違ってることだし、それを面白そうに、ニヤニヤと話している亮太くんに怒るべきなんだろうけど――それなのに、僕は何故かドキドキと高鳴っている胸の鼓動を抑えられずにいた。


「で、まあここからが本題なんだけどな?お前を呼び出したのはな、俺たちが味わってるこの幸せをおすそ分けしてやろうと思ったからなんだよ」

「ひっ!?ちょ、ちょっと亮太くん、何して……!?」

「何って、ブラ外してやってんだよ。付けたまんまじゃやることもやりづらいだろ?」


亮太くんは僕の制服の中に手を突っ込むと、慣れた手つきでホックをパチンと外し、そのままブラジャーを抜き取ってしまった。その支えから解放された胸の膨らみがぷるんと揺れてしまい……努めて忘れようとしていた、僕が綾瀬さんの身体になってしまっているという事実を否応なし実感させられる。


「ヒヒッ♡クラスのアイドルだった綾瀬相手にこんなことできるなんて……ほんと、役得だよなぁ♡」

「んっ……♡あぁっ♡ ちょ、ちょっと亮太くん、いきなり何を……んぅっ♡♡」

「お前は黙って、されるがままにしてればいいんだよ。どうせ童貞のお前にゃ、女の身体の扱い方なんて分かりゃしねえんだろ?」


亮太くんの手が、工藤さんの身体の細い手が、僕がなるべく触らないようにしていた綾瀬さんの胸をいやらしい手つきで弄っていく。何もかも知り尽くしたような手つきでゆっくりと胸を愛撫される度に、ジンジンと疼き始めた胸の先端をクリクリと弄ばれる度に今まで感じたことの無いような快感が沸き起こり、それと共に、僕が出したとは思えないような色っぽい喘ぎ声が綾瀬さんの喉を通して発せられる。


「さっきのは冗談だったけど、"俺"としてはマジに綾瀬さんのことを狙ってたからな。入れ替われなかったのは残念だが……へへっ、相手がお前みたいな陰キャでよかったぜ!おかげでこうして、好き放題できるんだからよ♡」

「ひぅぅんっ♡♡ ま、待って、亮太く……あうっ♡♡こ、このままじゃ、僕…………」


ぎゅっと寄り添って来られている僕の腕に工藤さんの柔らかい胸の感触が届いて、それ以上に、執拗に責め続けられている僕の……綾瀬さんの身体の胸からもたらされる、甘美な刺激が頭中に響いて。

それらは全部、僕の前の身体でしていたオナニーなんかとは比べ物にならない程気持ちがよくて。それでも終わりが見えない快楽の連続を前に、僕は気が狂ってしまいそうだった。


「おーおー、その初々しい反応、懐かしいぜ。今からそんな様子なら、ここをいじくり回されちまったらどうなっちまうんだろうなぁ?」


亮太くんは工藤さんの声を使って愉しそうに笑いながら、右手を僕のスカートの中に潜り込ませていく。その指先が触れている箇所、そこは僕が絶対に見ないようにしていた、綾瀬さんの大事なところで……


「ま、待って亮太くん!そこだけはやめ……ひううぅぅぅぅっ♡♡♡」


ぐちゅり、と。既に温かい粘液で湿りきったその中へと、亮太くんの指が侵入していく。男だった時には感じようもなかった部分がまさぐられているという感覚がして、くにくにとその内部を愛撫される度に、例えようもないほどの快感が僕の全身を満たしていく。


「はっ♡あうぅっ♡あっ♡♡あぁっ♡♡んあぁっ♡♡」

「っと、この辺か?あんま他人のGスポ探るの得意じゃねえんだけど……ははっ!その感じだと、どうやら当たりみてえだな♡」


アソコだけじゃない、全身に痺れるような気持ちよさが走って、それを感じるごとにびくっびくっと全身が痙攣しているのが分かる。というか、もはや気持ちよすぎて、それくらいしか知覚できないでいた。それ以上に、お腹の下の方で気持ちのいい塊みたいなのがどんどんと大きくなっていって……それが破裂するんじゃないかと思った寸前、ピタリと、僕を愛撫する亮太くんの手が止まってしまった。


「はぁっ……♡はぁっ……♡な、なんで、やめちゃうの…………?」

「ははっ、なあに。最初にイク時くらいは……お前が綾瀬の全部を奪っちまう時くらいは、自分の手でさせてやろうと思ってな。散々その身体に教えてやったんだ、もう後はどうすればいいか分かるだろ?」


亮太くんが工藤さんの顔で、意地の悪そうな顔をしてこちらを見つめてくる。何かを期待しているかのように。

僕がこれからこの"続き"をすればきっと、僕は綾瀬さんの記憶を読めるようになる。なってしまう。それは僕にとって大切な人の身体を汚して、記憶を盗み見ることに他ならないんだから、やっちゃいけないことなんだけど――


「う゛っ♡♡あぁっ♡♡ごめんっ♡ごめんねっ、綾瀬さんっ……♡♡♡」


気づけば、手が勝手に動いていた。だって、しようがないじゃないか。綾瀬さんの身体がこんなにも火照って、疼いて、どうしようもないほどの欲求を僕に伝えてくるのだから。


「ご、ごめんなさっ……♡♡♡ぼ、ぼく、もうっ……♡♡♡♡あ゛っ♡♡うぅぅぅぅっっっっ……♡♡♡♡♡♡」


亮太くんにされていたことを真似するように、あの時感じた快感を再現するようにぐちゅぐちゅと股間を弄っていると、溜まり続けていた快感の塊が弾けて、全身と脳髄を一気に貫いていった。

それは今まで感じたことが無いはずの感覚だったけど、妙に既視感があって……それを皮切りに、嚙み合っていなかったパズルのピースがパチンと合わさるように、僕の脳内を僕が知らないはずの記憶が埋め尽くしていった。


「はははははっ!あの綾瀬さんがこんなエロい姿を見せてくれるなんてな……動画かなんか撮っておけば良かったぜ。……で?綾瀬さんになれた気分はどうよ、山岡くん?」

「……何ふざけたこと言ってんのよ!あたしにあんなことしておいて……最っ低!!」

「へ!?……お、お前、山岡じゃないのか!?」

「はぁ!?なに訳の分かんないこと言ってんの!?……なんてね。大丈夫、僕はちゃんと、山岡のままだよ」

「……は、ははっ!なんだよ、ビビらせんなよ……!」


多分、亮太くんの思惑通りなんだろうか。僕は僕のまま、綾瀬さんとして振舞うことができるようになっていた。……そのせいなんだろうか。さっきまであたしに……綾瀬さんに遠慮してこの身体に馴染むことを躊躇っていたのが、今では馬鹿らしく感じる。


「……で?綾瀬さんになった僕に、亮太くんは何をシてほしいのかな?」

「え?そ、そりゃあお前、男同士なんだから、女の身体でしたいことなんて分かりきってるだろ?へへ……♡」


冬香ちゃん……いや、亮太くんは工藤さんの身体で下卑た笑みを浮かべながら、ワキワキと両手を動かして見せる。正直この娘を冬香ちゃんだと認めたくはないのだけれど、元の本人が亮太くんの身体に染まってしまっている以上、これからはこうなってしまった彼女を受け入れなくてはならないのだろう。


「まあそう焦らないでよ。僕も、女同士でっていうのがどんな感じか興味はあるけど……それよりも、今は元の僕の身体のことが気がかりだからさ。お楽しみはまた今度にしようか」

「ま、まあ、ヤってくれんなら別にいいけどよ……。なんか、あの山岡がこんな風に変わっちまうとは思わなかったな」

「そう?僕としては何も変わったつもりなんてないんだけど……まあいいや。 とりあえず、僕は元の僕を"元に戻して"あげに行くから……それが終わって、明日の放課後とかに今日の続きをしよっか。……それじゃあまたね?冬香ちゃん」

「お、おう。それじゃあ……」


そう。僕があたしとして、綾瀬さんとして生きていくために、やらなきゃいけないことがまだ残っているんだ。乱れてしまった服を整えると、僕は夕暮れ時の校舎を後にした。




***




「――久しぶりだね、綾瀬さん」

「や、山岡くん……!?ど、どうやってここに……?」


学校を後にした僕は、綾瀬さんの部屋のベッドでうずくまっている僕の身体……本来の綾瀬さんと向き合っていた。

ここに来るのも、実に簡単なことだった。学校から家までの道のりは当然覚えているし、合鍵がポストの裏に隠してあることだって記憶を探ればすぐに分かることだ。そして今が、パパとママも会社に行って家に居ない、絶好のタイミングだということも。


「そんなことどうだっていいじゃないか。それより心配してたんだよ?登校日になっても全然学校に来てくれないんだからさ。まあ、元気そうで何よりだよ」


たっぷりの皮肉を込めてそう伝えると、彼もそれを感じ取ったのか、一瞬ピクッと眉をひそめた。

こんなに良い身体から一転、僕の身体になってしまったのだから、元気なわけはないだろう。現に、よほど僕の身体が嫌だったのだろう、髭も伸び放題の状態で、ろくに眠れていないのか目のクマが酷い。

"僕"としては、そんな彼女の有様に多少の同情があるのだけれど、"あたし"からすると、こんな身体には死んでも戻りたくはないなあという思いが強まっていくだけだった。


「う……あ、あたしはあなたと話したいことなんてない!早く帰ってよ!」

「まあまあ、落ち着いてよ。僕がここに来たのはね、元の身体に戻る方法を教えてあげるためなんだ」

「えっ……そ、それ、本当なの!?」

「うん、もちろんだよ。クラスのみんなも元の身体に戻って、後は僕たちだけなんだ」

「ぐすっ……よかった、そうなんだ……!本当によかった……!」


綾瀬さんは僕の不細工な顔をくしゃっと歪ませて、嬉しそうに涙を流し始める。本来の綾瀬さんなら何かがおかしいと気づくんだろうけど、今の彼は僕の不出来な脳みそを使わされているせいなのか、都合の良い考えしか浮かばないようだった。

――この身体になって、綾瀬さんの記憶が読めるようになって初めて分かったことだけど、あたし、僕のことが本当に嫌いだったんだなあ。男のくせにいつもナヨナヨとして気持ち悪くて、あたしのことを気色の悪い目で見てきて。

僕のことをそんな風に思っていた、本来は手が届くはずの無かった綾瀬さんの身体を自分のモノにできるだなんて……僕はなんて幸運なんだろうか。


「……そうだね、僕も綾瀬さんが喜んでくれて嬉しいよ。さてと、それじゃあ準備するね」

「準備って、何を……きゃあっ!?ちょ、ちょっと!?何してるの!?」


履いていたズボンとパンツを一息に脱がせてやると、彼は僕の声で、オカマみたいな上擦った悲鳴を上げてみせた。


「何って、元の身体に戻るために必要なことだよ。もしずっとその身体のままでいたいって言うのなら、やめてあげてもいいけど?」

「う……」


そう言うと、綾瀬さんは歯痒そうにしながらも押し黙ってしまった。彼は"あたし"だったのだから、どんな言葉を投げかければどういう反応を返すかなんて手を取るように分かる。そして、彼女は"僕"だったのだから、"綾瀬さん"にどうして欲しいのかも……まるで自分のことのように分かってしまうのだ。


「あははっ!そうそう、そうやって僕にされるがままにしてればいいんだよ♡それじゃあ……こんなのはどうかな?」

「ちょ、ちょっと!?何をして……あ、あうぅぅっ」


ブラウスのボタンを外し、ノーブラのままだった胸をぶるんと曝け出すと、2つの大きな膨らみで綾瀬さんのチンコを優しく挟み込み、そのまま上下に動かして刺激をしてみせる。以前、2個前の元カレに散々やってあげた行為ではあるが、綾瀬さんにとって……何より、僕の身体にとっては初めてのパイズリだ。好きな女子にこんなエロいことをしてもらえたのがよっぽど嬉しいのか、僕の身体の股間は数秒もしないうちに、ムクムクとその大きさを膨らませていった。


「流石、童貞の僕の身体だねぇ。このままじゃパイズリだけでイっちゃいそうだし……ちょっと早いけど、そろそろ本番と行こうか♡」


興奮で湿り気を帯びていたショーツを下ろし、彼の身体に馬乗りになる。何が起きているのか分かっていないのか、僕の身体になっている綾瀬さんは顔を紅潮させつつもしばらく呆然としていたが……やがて何をされようとしているのか理解したのか、僕の野太い声で金切り声を上げ始めた。


「ふっ……ふざけないで!!な、なんであたしが山岡くんなんかと!し、しかも、山岡くんの身体で……!?」

「まあまあ、落ち着いてよ綾瀬さん。実を言うとね、入れ替わった相手とセックスをしないと元の身体に戻れないんだよ」

「そ、そうなの……?で、でも、だからってそんなこと……!」

「ぷっ……あはははっ!嫌がってる割には随分と興奮してるみたいじゃないか!そんなにこの身体と……元の自分の身体とセックスがしたいのかな?」

「えっ!?ち、ちがっ……これは……」


多分、無意識なのだろう。綾瀬さんは僕の身体の股間をギンギンに勃起させて、必死に腰を浮かせて亀頭を僕の秘所に擦りつけていた。

本当に僕の身体は、下衆で、下賤で、汚らしくて……。そんな僕の身体に染まりつつある綾瀬さんの魂を想うと、ゾクゾクとした興奮が込み上げてくる。


「ふふっ、いいよ♡それじゃあ……挿れちゃうね♡……んうぅぅっ♡♡♡」

「ひっ……!?い、いやっ……!やめっ……ああぁっ!!」


ずぶっと勢いよく腰を下ろして、綾瀬さんの、僕の身体の肉棒を僕の膣内へと咥え込んでいく。今までのカレと比べると大分小さいけど、だからこそと言うべきか、彼のペニスはカリがGスポットのあたりを丁度いい感じに刺激してくれて気持ちがいい。

一方、うだうだと言っていた"元"僕の身体は初めて味わう本物の女の子の感触にすっかり夢中になってしまったようで、僕の腰の動きに合わせて必死にヘコヘコと情けなく腰を振り始めていた。


「あっ、ああぁっ!!あたしのナカ、すっごい気持ちいいっっ……!!も、もっとぉっ……!!」

「んぅっ……♡♡ふふっ♡♡いいの?綾瀬さん♡相手は自分の身体なんだよ?……あんっ♡♡」

「う、うるさいっ!元に……元に戻るためなんだから、そんなのどうだって……あっ!も、もうダメっ!あたし!あっ、あうぅぅぅっっ!!」


僕が絶頂に達する前に、思ったよりもずっと早く"綾瀬さん"は自らの精を吐き出してしまった。どぷっと、膣の中に彼の精子が流れ込んでいって……それが子宮まで達していないことが何となく分かってしまい、思わず乾いた笑いが込み上げてくる。


「うふふっ、随分気持ちよさそうだったね♡……それで?今の君は綾瀬さんか、山岡くんか……一体どっちなのかな?」

「……あ、綾瀬さん?何を言って…………って、え!?まって、ぼ、僕、なんでこんなこと、えっ!?ど、どうなってるの……!?」


答えを聞くまでもなく、"彼"がどういう状態なのかは一目瞭然だった。完全に"僕"になってしまったであろう彼は何が何だか分からないといった様子で目をぱちくりとさせながら、身体が繋がったままの僕のことをじっと見ていた。


「ああ、良かった。ちゃんと元に戻れたんだね」

「えっ……!?も、元に戻れたって、どういうこと!?て、ていうか、な、なんで僕、綾瀬さんと、こんな……」


パニックになっている"山岡くん"には、頭の悪い彼でも理解できるようにちゃんと説明してあげた。僕たちが入れ替わっていたということ。そして、"綾瀬さん"の身体になった"山岡くん"が僕に「セックスをしたら元に戻れる」と言ってきて、事に及んでしまったということを。


「ぼ、僕、本当にそんなことしたの?……な、何にも覚えてないんだけど……」

「ふーん?あたしにあんなことしておいて、しらばっくれるつもりなんだ?」

「えっ!?ち、ちがっ、ぼぼぼ、僕はそんなつもりじゃ……!」

「ふふっ、そんな謝らなくてもいいんだよ?やり方はなんであれ、元の身体に戻ることができたんだから。……でも、あたしと山岡くんがそういうことをしたっていうのは誰にも言わないでね?いい?」

「も、もちろんだよ……!へ、へへっ、それじゃあ……」


"山岡くん"は申し訳なさそうにペコペコと何度も頭を下げながら、"あたしの家"から出て行った。もうすぐパパとママが帰ってくる時間だけど、まあ心配ないだろう。だって僕は、綾瀬さんの記憶も、身体も持っているんだから。ただ、元に戻れたということを伝えれば歓迎されるはずだ。


「……っと、これも外していいんだよね。もう僕は綾瀬さんなんだし」


カーディガンの胸元に付けていた名札を取り外す。そこには『山岡拓馬』と、以前の僕の名前が書かれていて……ちょっと前までは僕がこの男子だったのかと思うと、妙な懐かしさすら覚える。


「そう、これからは僕が……いや、あたしが綾瀬みのりなんだ……。ふふっ……あははっ!」


鏡を見れば、いつも通りのあたしの姿がそこに映る。少し明るめのロングヘアに、パッチリとした瞳、潤んだピンクの唇に、ちょっと自慢にも思ってるサイズの大きな胸。その全てはかつて"僕"が恋焦がれた綾瀬さんのもので、今やその全てがあたしのものなんだ。


「これからもずっと、ずーっと……よろしくね?綾瀬さん♡」


鏡に映る愛しいあたしにキスをして、汚れてしまった大事な身体を洗うべく浴室へと向かうことにした。


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