聖夜にミカは100倍で
Added 2024-12-23 12:56:49 +0000 UTC§
望む窓外は聖夜の街。眼下、いたるところに赤と白。キヴォトスにもクリスマスは来る。ここかしこで硝煙が上がっているのは常の事。正直今は、些事に付き合っている暇はない。シャーレオフィスで一人考え込む。続報を待つべきか自ら動くべきか。聖夜も私を放っておいてはくれないらしかった。
高層階から見下ろす夜景は綺麗で、聖夜に相応しい景観だった。一緒に眺めてくれる人でもいればよかったが、あいにく特別残業だ。
そう考えている折、ふっと影が差す。窓いっぱいに、朝焼け色が広がった。
「うおっ?!」
窓を塞ぐ巨大な何か。琥珀色に輝き、閉じてはまた現れる。それが、つとこちらを見ると。
『あは、見つけた♪』
快活な声が響くのだ。
琥珀色が離れ、目鼻立ちやピンクの髪が現れる。シニヨンを揺らすと、現れたのは少女の顔。ミカだった。
『あは、大きくなると、何かと不便だね?』
大きさ100倍、愛らしさも100倍。およそ人間とは思えないサイズになった少女はビルの中を覗き込み、嬉々として手を振っている。
「どうしたものかな……」
巨大化してしまった少女を前に、再度私は唸った。
いや、どうもこうもない。いつものことだ。だしぬけにハプニングが起こる。解決策がその後を追う。ただ、理由だとか原因だとかは無に等しい。起きたから起きたのだ。今回も同じだった。
「先生、どうしたの? 疲れちゃった?」
「疲れてはないよ。……困ってはいるけど」
ミカが巨人に変わって既に数刻。日中、建物一つ吹っ飛ばす勢いで現れた少女の姿は、ここからでもよく見えるスケールだった。ぺたんと地面に尻もちをついたまま、呆気にとられるミカ。瓦礫を払って立ち上がると、周囲を見回す。そしてこちらに気付いた途端、わーんとでも言いそうな勢いで私に助けを求めたのだ。
壮観だった。ふわふわの綿菓子のような少女が、轟音を立て、いくつもクレーターを穿ち込みながらやってくる。その勢いはほとんど爆砕としか言いようがない。爆轟すら起こしながら、100倍聖園ミカはシャーレに泣き付いた。
『先生助けてぇ……っ!』
助けてとおっしゃられても。
細指ですら私より巨大な少女に泣き付かれ、私の打てる手などないに等しい。ただ、生徒を見捨てることもできない。なんとかするよといつものように請け負ったはいいものの、正直手詰まりだった。
して。
原因究明の間、巨人聖園ミカをシャーレオフィスの隣に座らせておいたのだが。
この少女、暇を持て余しつつあるらしかった。
『せっかくの聖夜にこれってなくない? 私、何もしてないんだけど』
「今調べてもらってるから、もう少しジッとしてようね」
『あ、もしかして先生、私のこと子ども扱いしてたり? 拗ねたら私、面倒くさいよ?』
「してないよ。ただ……、調査も行き詰ってるみたいだね」
『あは♪ とにかく、もう少しいい子で待ってないとね♪』
居住まいを正して、ビルのそばに座り直す少女。ふわふわのピンク髪も一帯に氾濫させ、まるで綺麗なお城だ。大きな目でこちらを覗き込む。美少女の笑顔を直視して、思わず目を背けた。
『あ~、先生、もしかして照れちゃったり?』
「ミカ、声を落として! 窓が割れちゃうからね」
『はぁい♪』
……正直、私に出来るのは、ミカが飽きないよう引き留めておくことくらいしかない。魔女だなんだと煩い連中に遭遇したら、またぞろ事件が起きないとも限らなかった。原因究明は生徒たちに任せるとして……。
試練らしい試練は乗り越えてきたつもりだったが、こうも喜劇的な試練となると話が変わってくる。
どうしたらいいんだ。
対するミカは、手持ち無沙汰にカラカラとベルを振っている。
「……それどこから持ってきたの?!」
『そこにあったよ? オブジェかな?』
「いい子だから返してきなさい!」
『え~?』
不服そうに唇を尖らせながら、イルミネーションを指でなぞるミカ。そして、にっと笑うと。
『へへ、メリークリスマス~♪』
からんからん振ってみせる少女。ピンクの髪がふわふわ揺れて可愛いことこの上ないが、何分鈴が巨大すぎる。私が眩暈を起こしているのを見て、ミカもようやく動きを止めた。
『……えっと、どこにあったっけ?』
「良い子に育って先生は嬉しいよ」
『からかってる? ……あ、そうだ、あっちにあったんだっけ……』
座っていたミカが立ち上がる。目の前、お姫様の服が舞い上がり、スカートがひらんと広がる。途端、私は噴き出した。目の前に、タイツ巨尻が現れたのだ。幅30mの途方もない巨尻。清純な白タイツ越しに浮かび上がる、その生々しい肉付きに、思わず目を逸らした時。
ヒールが、地面にドンッと突き立てられて。
“バキンッ!!”と、破滅的な音が響いた。
ミカが、動きを止めた。
『……あ』
「どうしたの……?」
『地面、踏み抜いちゃった……!』
「ええ?!」
何とか踏ん張るが、抜こうにも抜けない。地下鉄でも貫いたのだろう、完全に引っかかってしまったらしい。
『これ、っ、抜けない、かも……!』
「ゆっくり、ゆっくりで良いから……!」
『あと、もう、少し……!』
排水溝にヒールが挟まったような感覚なのだろう、慌てて足を引き抜こうとするお姫様。ピンヒールをグリグリねじると、地表から大地の絶叫が響き渡る。私の目の前でふりふり揺られる少女の白スト巨尻。縦に楕円に膨らむエッチな尻肉が右へ行ったり左へ行ったり、スカートが外壁を撫でたりと、視覚だけで目にうるさい。
その内、どうも、バランスを失ったらしく。
白い臀部が、ゆらぁっと傾き始め……。
『あ、あれ……?!』
……白スト巨尻が、窓いっぱいを埋め尽くす。
転び始めたのだ。
「ちょ……うおおっ?!」
既に壁面に“どんむ゛ッ♡♡”とぶち込まれた巨尻。激震と共に尻肉がべったり窓に押し付けられ、曲面の形に沿って窓を歪ませる。机が一斉に奥へ走り始める中、私は柱に抱き着くことしかできない。
「体重掛けないで……!」
『分かってるって……!』
けれど、慌ててもう片足で一歩踏ん張れば、メキョッと音を立て地面を踏み抜くヒール。完全にバランスを失った少女は、目をまん丸にしてビルを押し倒し始めていた。
『あ、ダメ、かもぉ……!』
ゆっくり倒れていく巨体と巨塔。尻もちを突こうとお尻を突き出せば、一瞬で窓を白ストヒップが突き破る。オフィスの全てを吹き飛ばす爆風。窓を“ズドンッ♡”とぶち抜いた白スト巨尻が、瓦礫も何もかも吹き飛ばし私に襲い掛かる。襲い掛かる熱波と甘い香り、その中へ飛び込めば感じたのは柔らかさだった。少女の尻の谷間に、挟まったのだ。
『~~~~~~ッ!!!』
羞恥で喉を鳴らしているけれど、巨体はゆっくり転倒してビルを粉砕している最中。巨大さのあまりスローモーションで動くその姿は、とても少女が転んでる姿とは思えない。
それでも、ミカの豊臀は高速で地面へ叩きつけられ。
“ぶるるんッ♡♡”と、爆揺れを巻き起こした。
その、途方もないエネルギーと言ったら。
「ぐうううぅッ?!!!」
私を“ぎちちぃッ♡”と挟んだまま大きく“ばるるんッ♡”とバウンドするタイツ巨尻。ふわりとスカートが舞い降りる中、その尻圧に私は締め上げられるばかり。一方のミカはくらくら目を回している。倒れまいととっさに近くのビルを掴めば、力のあまり粉砕してしまうお姫様。そのまま倒れ込むと、「キャッ?!」とミカが悲鳴を上げた。
静かになる一帯。
パラパラと小石の雨が降る。はるかかなたでは、脱ぎ捨てられたヒールが落下し、トラックを丸ごと圧し潰すと、ゴロンゴロン転がった。残響の中、いててとミカは身をもたげようとして……。
『ひゃんっ?!』
尻に挟まった異物感に震えた。このまま立てば、恩師を尻で捻り潰す。動くに動けなくなる少女。そして、おずおずと訊ねるのだ。
『せ、先生、生きてる……?』
「なんとかね……」
片や私は、タイツ尻肉から逃れようと必死。白い山をよじ登り、へなへな崩れ落ちる。死ぬかと思った。いや、一瞬死にかけた。白スト巨尻に挟み潰されて死にかけるなんて。ミカにしてもそれは本意ではなかろう。
「これは……、戦場だね」
見れば周囲は爆撃でも受けたよう。トリニティから点々と穿たれた足跡の先で、尻型のクレーターが克明にミカの尻のデカさを物語っている。シャーレオフィスは巨体の下。私が生き残れたのは、谷間と尻の分厚さに守られたからに過ぎない。
瓦礫の中、くったり寝そべる少女。私がどこにいるかも分からず、横に倒れたままこっちを覗こうと頭を振っている。
『せ、先生、どこいるの……?』
「う、動かないで……!」
『は、早く来て……! くしゃみ出そうなの……!』
タイツの繊維を這い上がり、ようやく少女の太股の上に立つ教師。急げ急げとミカの上を走っていく。粉糖をまぶしたような白い太もも、その上を走るのだ。ふわふわ甘い香りの漂う中、どこまでも続く白い美脚と巨尻。めくれ上がったスカートからは夜空色の模様が広がっていて、ミカの顔はさらに向こうにあった。ミカは私が乗っていて身動きが取れない。私はミカに乗っていては降りることもできない。互いににっちもさっちも行かない中、ともかく私は、ふわふわのスカートを乗り越えるだけ。
「今腰のあたりだから!」
『……パンツ見えてないよね?』
「見てないよ!」
『見えないって言って!!』
珍しく防戦一方で、ミカは仔猫のように喉を鳴らし羞恥心をこらえている。私はというとコルセットのようなお腹周りを走り、なんとか少女のもとへ向かおうと必死。腕を上げたまま動けないミカの、長い二の腕が坂のように伸びている。まくれ上がったケープからは綺麗な腋が見えた。で、ここからどうしたらいいのか。
「とりあえず脇腹まで来たけど……」
『見えるところまで来れる?』
「見えるところ、と言いますと」
ミカがこちらを覗こうとするけれど、ぴょこぴょことピンクの髪が跳ねるばかり。第一、彼女の視線はほとんど巨乳に遮られてしまっている。本人はそのことを意識していないらしい。砂埃を吸うまいとこらえるのに精いっぱい。
だから、私は、大きく張り出した横乳の上へ向かい。
その、母性的なふくらみを、よじ登り始めたのだが。
『ひゃんっ!?』
ミカは思わず、二の腕と横乳で私を挟んでしまう。“ばちんっ♡”と叩き潰されたが最後、ゆさゆさ揺れる横乳にぶち込まれる教師。ミカが腕を上げる頃には、私は完全に乳房にめり込んでしまっている始末だった。
『ご、ごめん……。いや、そうじゃなくて、なんでそんなとこいるの!!』
「来たくて来たわけじゃ……」
『その言い方なくない?!』
100倍ミカが涙目になって抗議するけれど、私は私で忙しい。横転した横乳に乗っかり、なんとか這い上がる。みっちみちに詰まった乳房は私を乗せても微動だにせず、わずかに表面をたわめるだけ。そこから揮発してくる、白百合のような濃厚な香り。あまりに甘く濃い芳香に、くらぁっと目を回しそうだった。たぷたぷと海のように揺れる豊饒な巨乳。それも100倍スケール、100万倍のボリュームとなれば、ほとんど一つの星のようだ。
その向こう、ミカと目が合って。
『……先生』
「はい」
『もしかして、この状況楽しんでる?』
「楽しんでるって言った方がいいかな?」
かあぁっと赤面するミカ。それから、吹っ切れたのか、無理やり笑顔を作って見せると。
『……あは、なら、私も我慢しなくていいよね?』
私を指で押さえ、“むっぎゅううぅ~~ッ♡♡”と横乳に押し付ける。怒りと羞恥と高揚とが入り混じった勢い任せは大胆で、私を一瞬で制圧してしまう。私を乗せてもたわみもしなかった100倍おっぱいは今や“むにゅうぅッ♡”とたわんで楕円を作り、私を中心にむっちりくぼんでいた。
「ミカ゛ッ、死ぬ、死んじゃう……!!」
『お尻に潰されても無傷だったくせに? 先生の嘘つき♪』
丸々とした横乳は、学校のプールのような面積を誇って私を乗せ、たぷたぷ揺れるばかり。おまけに、ノースリーブワンピースの袖から、私を奥へねじ込むと。
『先生、そこで、反省ね♪』
「なっ?!」
グリグリと、私をワンピースおっぱいに監禁してしまうのだ。
「ぐううぅ……ッ!!」
ただでさえみっしり詰まったワンピースの中は爆乳で超満員だった。そこへ無理やり押し込まれるのだから乳圧は凶悪の一言。空気を介さず直接声が響いてくれば、喉を通る呼吸の音さえ聞こえてくるほど。そして、深く重い心臓の音。ミカの一部にされてしまったという感覚が、全身を貫いた。
『……よし♪』
私を谷間に挟むと、左右から“むっぎゅううぅッ♡♡”と寄せ付けるミカ。具合を確かめるように数度たぷたぷ揺らすと、スッキリしたのか立ち上がってしまう。ぐぅんっとGがかかり、立ち上がればふわっと浮かんだ。そして“どぷぷんッ♡♡”とバウンドするのだ。
そこから先は、ノンストップで。
『先生、私が戻るまで、そこにいてくれるよね?』
「待っ……!」
『あは、何も聞こえないや♪』
そのまま、むりやりヒールを引き抜くと、足取り軽く立ち去ってしまうミカ。どっぷんどっぷん揺れるノースリーブおっぱいに封じ込められ、もう、私に抗議する余地などない。
最後に、へくちとくしゃみをすると。
遺されたのはもう、巨大な尻クレーターだけだった。