SamSuka
詠里
詠里

fanbox


解説イラスト : 真白についてのメモ











最後の2枚、ノナは指文字で「お」「れ」「が」「い」「る」と言って真白を励ましています(顔は無表情だけどw)。真白は片手手話で「わかった」「ありがとう」と返事しています。


※11月14日更新

上記に関して、Twitter掲載分だと「い」の親指の位置がやや不適切で「や」に見えるようなのでFanboxとPixivのほうで修正しました。すみません💦



…あの、なんで急にこんなものを描いたのかなんとなく察しがついている方もおられるかと思いますが。おそらくその推察は当たっています。


一応断っておきますがあのドラマの内容そのものはちゃんと筋が通っているし、今回の話もしっかり取材された上で「ある一人のろう者のエピソード」として構成したものなのだろうとある程度納得がいっております。「できれば私も片手にかわいいハンドバッグを、そしてもう片方の手はあの人と繋いだ状態で楽しくおしゃべりをしながら歩いてみたかった、聴者のカップルが普通にそうしてるみたいに。(でも私は口話ができないからその願いは叶わない)」…もし聴者や中途失聴者を好きになって、しかもそこにさらにその相手がまだ聴者だった頃に付き合ってた元カノ(聴者)が急に現れて自分のことは差し置いてよりを戻す感じになってるとしたらそういう考えを抱くろう者の方も普通にいると思いますし、それがおかしいといいたいのではありません。


そうじゃなくて。


私が「ん?」と思っているのは、そのシーンが制作側の意図である「ある一人のろう者の話」としてではなく、「ろう者という人たちはみんなそういうものなのだ」という非常に大きな主語として受け取られ「”ろう者は”両手があいていないと手話ができないから、おしゃれなハンドバッグを持てないんだ…好きな人と手を繋ぐこともできないんだ…」という誤った解釈になって視聴者の間で拡散されていっている事実があるのに、それに対しての制作側からのフォローが一切ないことです。一部の出演者の方などが個人で「ドラマではあのようになっていましたが、実際のろう者はハンドバッグを持ったり好きな人と手を繋いで歩く人もたくさんいますよー」と詳しく解説のツイートなどをしてくださってはいますが、そこにたどり着けなかった人はずっと誤解したままになりますがそれは…???説明しすぎないのが良いところでもあるドラマなのだとは思いますが、この件に関してはもう少しちゃんと公式から解説があったほうがいいのでは…と感じました。


私はもし真白が他人から勝手に「あの子はろう者だから、片手が塞がったら手話ができなくて自由に話もできない。好きな人と手を繋ぐこともできないんだ、かわいそうに」と決めつけられたらめちゃくちゃ悲しいですよ。


いつも片手でめっちゃ話してるんだが!!!!!!!!!!

手だって普通に繋いでるんだが!!!!!!!!!!!!(最近はおもにノナと😊)

ちゃんと見てから言うて!!!!!!!!!

と机をバンバンしたくなる。。


劇中でろう者同士の会話のシーンでは片手手話が出てきてはいます。でも、しっかりとした監修が入ったことであまりにも自然すぎることが今回の場合は災いしてか、片手手話というものを知らない人は画面にそのシーンが映っていても気づくことができなそうなレベルです。現に全然気づかずに「手話は両手があいてないとできないものだ」という認識でドラマを見ている人が多いためにそういう方向のバズりかたになってしまってますよね。本当はドラマの設定に則して厳密にいうと「私はろう者だけど好きになった人は中途失聴者でまだ片手手話がわからない人なので、その人にちゃんと私の言葉が届くようにできるだけ両手をあけておきたいと思う」という前提があってのことなのですが、それはある程度手話などの知識があって「深読み」できた人しかわからないようになっている。


いや、それ自体はいいと思うんですよ。

もともとそういう作りのドラマなので。

そういうところが人気の要素でもあるわけですし。


これが次回から急に説明セリフがもりもりになっちゃったりしたらそれはそれで別の心配をしてしまいます。


ただ、やっぱり扱っている題材に対して、見る人に対しての情報のフォローが心もとないように感じるんですよね。


たとえば公式ツイッターとかで「ろう者同士の会話のシーンで、片手手話という話し方をしています。たとえばこんな感じで…」みたいな動画解説がちょっとでもあったらその後の「両手があいてないと手話できないから、ハンドバッグを持てない」のシーンの見え方がだいぶ変わった気がするのですが、そういうのが特にないので自力で色んな人の感想を読み漁った結果運よく辿りつけて、さらに勘が良い人だったらやっと正確にわかるかなという感じですよね。その方向でやってみたらまあ、たしかにこうなりますよねというか…


なんかこう、「感動しました」「泣けました」「勉強になりました」とは言うものの、腹の内では実際に今生きているろう者が嫌な思いをしようが不利益をこうむろうがそんなの自分には関係ないから知ったこっちゃない、聴者が感動できるシーンを作るためなら、ろう者には耳が聴こえないことで苦しんでほしい、できるだけかわいそうなままでいてもらいたいと悪気なく思っている人がいっぱいいるんだなぁと…よくない考えですね。でもそれ以上の感想が出てこない。地獄かな…??



本編のつくりは別に感動ポルノではないというかむしろそうならないように色々考えぬかれている感じがするのですが、制作側の理念とは裏腹に受け取る側のキャパがまだ全然ついていってなくて結果的に感動ポルノ的な反応になってしまっている感がすごいのが本当に残念でなりません。ただただ、一番広く外に向かって説明してほしいところが圧倒的に説明が足りない。正しい情報が広く提示されないあいだに、聴者にとって都合のいい、気持ちのいい考察や憶測のほうがものすごいスピードで拡散され、あらたな差別や偏見の種がばらまかれてしまっているように見えます。


まあそりゃ、テレビ局にそんなとこまで責任を持てっていうのも無理な話ではあるんですが…。でもそれにしたってもうちょっとやりようがあったやろ…。ドラマ自体の出来はいいからこそ、つい考えてしまいます。


同じような題材を扱っている身としては他人事じゃない部分もあるんですよね…。ここの支援者の皆さんやすでに私の作品を読んで下さっている方はそんなことはないと知っておりますが、今から本が出て、さらに全く知らない人に広く読んでもらえるようになった時にどう受け止められるのかと。


うーん、不安だけど、これだけは言いたい。

真白は耳は聴こえないけど、かわいそうじゃありません。

愛されて育った幸せな子供のひとりです。

そこはわかってもらえたらいいなぁ。


なんかだいぶ愚痴っぽくなってしまってごめんなさいね。

ちゃんと気持ちを絵にしたことでだいぶ落ち着いてきました。

読んで下さってありがとうございました…!


詠里

解説イラスト : 真白についてのメモ 解説イラスト : 真白についてのメモ 解説イラスト : 真白についてのメモ 解説イラスト : 真白についてのメモ 解説イラスト : 真白についてのメモ 解説イラスト : 真白についてのメモ 解説イラスト : 真白についてのメモ 解説イラスト : 真白についてのメモ

Comments

こちらこそありがとうございます✨ 日本では私が生まれてからの短い間だけでも何度も何度も、ろう者や難聴者を主要人物にすえたドラマが放送され、そのたびに手話がブームになってきました。しかしそのブームはいずれも長続きせず…手話という言語や聴覚障害に対する理解はいつのまにかまた振り出しに…ということが繰り返されています。そういう点に注目してみると、今回の「silent」という作品はそういった良くない流れからの脱却を試みようとしていることが作品の端々から伺えます。「僕らには僕らの言葉がある」と、目指そうとしているところがかなり似てるんです!ただ、せっかく忠実に再現しても受け取る視聴者側の土壌がまだまだ整っていないようだということもよくわかりました…。加えてテレビ番組の場合は娯楽性も強く求められますから、正しい情報と脚色のバランスが本当に難しそうですね。その点、漫画は作者の裁量で娯楽性よりも知識普及の面を強めることも比較的容易な媒体なので、私はおそらくかなり恵まれているほうなのです。これからも漫画という媒体の強みを生かして発信していけたらと思います…!😊

詠里

ああ…先生の切実な気持ちを感じましたね。 ドラマの場合、専門分野の表現でどこまでできるかは、制作チームそのものの心がけ次第です。(最近『グランメゾン東京』を見ていて、専門性へのこだわりに感動しました[しかも木村拓哉かっこいいなww]。) 聴覚障害者の題材であれば、確かに監修の方が難しいでしょう。芸術表現のために専門性を犠牲にすることは一般的に存在し、このような聴者にとって全くなじみのない分野は、表現上の厳密さを達成しても、視聴者に誤解される可能性があります。 これが知識普及の存在価値だろう……先生は漫画の作者ではありますが、知識の普及にも多くの努力をされていますね、ありがとうございます。

Lan

ありがとうございます✨ ドラマ自体はすごくよくできているけど、説明が足りてないせいで手話やろう文化についての予備知識がない人たちから曲解されている部分もある感じなのがちょっともったいないかなと感じました。うまく正しい情報にたどり着けずに「ろう者とは片手が塞がってると手話ができなくて話もできない、誰かと手を繋ぐこともできないかわいそうな人たちである」という誤解をしたままこのドラマを最後まで見終える人がどれくらいいるんだろうなと恐ろしくなってしまい、とてもじゃないけど泣けませんでした。難しいですね…私もずっと考えていきたいと思います。

詠里

おはようございます ちっちゃいマシロくん可愛いっ! (*≧∀≦*) スマホでお母さんと話す 寂しげなお顔も切なくて良いです。 お父さんも優しそうですね♪ 放送のドラマは初耳でした。 確かに、耳の聴こえない人達にも いろんな人達がいて当然ですよね。 アップありがとうございます。 何度も読み返して、考えていきたいです♪

海人熊


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