流刑少女の監理員の受難 その3
Added 2018-07-04 13:07:58 +0000 UTC※『流刑少女』シリーズの裏側で起きているお話です。こちらのみ全体公開となりますが、全体公開分だけ読んでも話は通じるようにする予定です。 ―――――――――――――――――――――― (どうして私がこんな目に……) 関所管理員の女は泣きたくなる現状を前に、そう考えていた。 目の前には超技術を持つ大国の囚人護送用のバイクがある。 そして彼女の両手は、そのバイクと鎖で繋がれている手枷によって拘束されていた。 上層部が指定した待機場所に爆発物が埋まっていたことで、バイクは自身に危害が加えられようとしていると判断し、彼女を人質として確保していた。 爆発物が意図的であれ、手違いであれ、巻き込まれた彼女にとっては溜まったものではない。一刻も早く拘束を脱したいところだった。 しかし彼女の願いは虚しく、上層部は「五日間耐えろ」と言って彼女の解放を諦め、遠巻きに見張りを置くことしかしてくれなかった。 それも彼女にしてみれば余計なことである。 (上層部の考えはわからないでもないけど、見張りなんか立てたら余計に警戒されるだけじゃないの……?) 国を豊かにして来た優秀な上層部だと彼女は認識していたが、今回のバイクへの対応については、ことどとくが裏目に出ている気がするのだった。 五日間、恐ろしい技術力を持ったバイクと過ごさなければならないというプレッシャーも大きかったが、先に彼女に襲いかかってきた試練は、人間ならば誰でも逃れることのできない排泄の欲求だ。 トイレに移動して欲しかった彼女だが、バイクはその要求を却下。バイクの持つ機能のひとつである、囚人用の排泄物処理装置で用を足すように要求してきていた。 (うう……囚人みたいに用を足すとか、絶対嫌……だけど……) 彼女はちらりと視線を走らせ、周りを確認する。 見張りに立っている衛兵隊の者たちが、バイクの挙動を見逃さないように目を光らせている。彼女がいまいる場所は、あまり人気の無い場所であるため、野次馬の国民の姿がないことが救いではあった。 たまに通りかかる少数の通行人は、見張りが追い払っている。国としても大国の使いに関所管理官が拘束されているという事態を見られるわけにはいかないのだろう。それは彼女にとっても都合がいいことではある。 しかし、彼らは見張りだけあって彼女から視線を外すようなことはしてくれない。 もしバイクの提案に乗らなければ、その辺りの地面にするしかなく、見張りの彼らに排泄するところを見られてしまうことになる。バイクに跨がれば、目隠しとして、シャッターのようなものを展開してくれるのは、彼女はその状態を見ていたので知っているのだ。 (あの状態なら実質個室みたいなものだし、周りに見られることはない……ないけど……!) 背に腹は代えられないという。 彼女は囚人用の装置を使うという忌避感と、衛兵隊の男達に排泄姿を見られるという羞恥心を天秤にかけた結果、後者を優先し、前者を受け入れることにした。 (囚人用の装置といっても、私は別に囚人じゃないんだし……ちょっと変わった方法で用を足すだけよ) 加えて、衛兵隊の男達とは今後も国内で出くわす可能性がある。 そんな男達に用を足していたところを見られるというのは耐えられなかった。彼らとてそれが責務なのだから、弁えている者なら触れることはないだろうが、見張りに立っている衛兵達がどういう人間なのかまではわからない。 下手をすればそれを平然と揶揄してくる、意地の悪い人間がいないとも限らないのだ。 彼女はそうやって理論武装し、一時だけ我慢すればいい方を選んだ。 「……そ……その装置を、使わせてください」 バイクに向けてそう要求する。一大決心であったわけだが、バイクの側は平然と応じた。 『了解しました。それでは、下着を脱いで騎乗部に跨がってください』 「し、下着を脱げって……ここで……?」 排泄するためには当然そうしなければならないのは無論わかっていたが、実際やるとなると緊張感が違う。彼女は見張りの位置を確認し、バイクが遮蔽になる場所に移動した。 (うう……こんなところで脱ぐなんて……) 着ていた服がスカートであったことが幸いした。 彼女はスカートの中に手を入れ、ショーツを刷り下ろすと、片脚ずつあげて下着を脱ぎ去った。手際が良かったため時間としては一瞬で、見張りの男たちが気づいた様子はない。脱いだ下着はとりあえず服のポケットに突っ込んで隠しておく。 バイクはかなりの大型であるため、跨がるとなると相当脚をあげなければならない。 両手がまとめられた状態で固定されていることもあり、這い上がるような形になったが、彼女はなんとかバイクの騎乗部分に跨がることに成功した。 『前屈姿勢を取ってください』 彼女は最初、馬に乗るように上半身を起こしていたが、そう指示を受けて仕方なくバイクの胴体部分に上半身を沿わせて倒した。バイクの胴体は大きく、彼女は横倒しになった大木にしがみついているような感覚だった。 (本当に、完全に自動走行なのね……) 普通のバイクであれば、身体を傾けることで曲がりやすくしたり、微妙な調整を行ったりするものだが、このバイクに関しては当てはまらないことは明らかだ。 そもそも、四輪のバイク自体、彼女の国の常識でいえばありえないのだが。 そんなバイクに騎乗しているということ事態は珍しい経験であるのだが、それがもっと平和的な状況であるならば良かったのにと、彼女は内心思う。 『防壁を展開します』 バイクがそう宣言し、金属で出来た膜が騎乗者を覆うように展開される。収納されるところは見ていた彼女であったが、改めて大国の技術力のすごさを見せ付けられた形だ。 彼女は感心してそれを見つめて、そして目を見開いた。 「……って、ちょっと待ってください!? この壁、半透明じゃないですか!?」 彼女は悲鳴混じりにそう叫んだ。 展開された壁はうっすら外の景色が透けて見えていたのだ。せっかく視線を遮れたと思っていたのに、これでは意味が無い。 そう感じて抗議した彼女に対し、バイクは淡々と応える。 『防壁は内部からのみ、外部が半透明に見えるように設計されています。外部からは黒一色の材質にしか見えません』 「……ほ、本当ですか?」 『入国時、貴女もご覧になっていた通りです』 言われて、関所管理員の彼女は確かにこのバイクがこの国にやってきた時、黒い卵のようにしか見えなかったことを思い出す。 (だ、大丈夫……なのかしら……) この国はマジックミラーという概念もない科学水準であるため、彼女から不安は消えなかったが、ここまで来てしまった以上、バイクの言葉を信じるしかないと割り切った。 彼女は不自由な両手をなんとか使って、尿がかからないようにスカートをたくし上げる。下半身が丸出しになり、恥ずかしかったが、半透明とはいえ壁に囲まれていることで少しは恥ずかしさは軽減されている。 彼女はお尻の位置を調整して、漏斗の形状をした装置の真上に股間が来るようにした。 (うう……こんな格好でおしっこなんて……死にたい) 観念したつもりでも、恥ずかしさに変わりは無い。彼女は務めていまの自分の格好を考えないようにしながら、尿道を締める力を緩めて排尿した。 我慢していた分、勢い良く尿が出ていく。漏斗状の装置はそれを音も無く受け止め、尿を処理していった。 「…………っ……ふぅ……」 溜まっていたものを全て出し、彼女はほっと一息吐く。 用を足して、彼女の気が緩んだ瞬間のことだった。 バイクの胴体から、金属製の湾曲した棒が飛び出し、彼女の太股と腰を捉える。その棒はU字型に展開され、彼女の太股と腰をバイクの胴体に固定するように挟んで抑える。 彼女はその三点でバイクに身体を固定され、股間をバイクから離せなくなった。それだけではなく、たくし上げた状態のスカートが腰の部分の枷に抑えられてしまったことで、スカートを下ろすこともできなくなってしまっていた。 「えっ、ちょっ、何するんですか!」 抗議の声をあげた彼女だったが、バイクは淡々と応じる。 『股間の洗浄を行います。暴れないよう、拘束させていただきました』 「はぁっ!? ちょ、そ、そんなの、自分でやりますから……ッ!」 なんとか枷を外そうと身体を揺すった彼女だが、金属製の枷はびくともしなかった。元々は囚人を拘束するためのものなのだから、暴れて外れるようでは意味がないのだ。 バイクはそんな彼女の抵抗など無意味と言わんばかりに、処理を開始する。 漏斗状の装置が内部に収納され、その代わりに濡れたスポンジのようなもので出来た、歯車のような装置が飛び出してくる。それは回転しながら彼女の股間に接し、彼女の股間をこそぎおとさんばかりの勢いで拭き始めた。 「きゃああああああ!? やめっ、やめてぇえええ!!」 歯車の材質はとても柔らかいため、痛いわけではなかった。 なかったのだが、たとえ柔らかい材質であろうと、高速で回転するものをそこに押しつけられれば平静ではいられない。 彼女は少しでも距離を離そうと腰を浮かせようとするのだが、太股と腰が枷に捕らえられていては、離せても精々数センチのこと。回転する歯車から逃れることが出来ない。 最初は得体のしれない感覚に悲鳴をあげていた彼女だったが、衝撃が過ぎ去ると徐々にその感覚を味わう余裕が出来た。 出来てしまったというべきか。 与えられる感覚が弱いということは一切なく、むしろ強すぎるのが問題だった。 「ひやぅ……ッ、ああっ、ああああ……ッ!」 彼女はそういった行為の経験がないわけではなかったが、経験豊富というわけではなかった。そもそも、この国の科学水準ではバイブやローターという機械的なものは輸入品しかない。そのため、機械による刺激に慣れている者はこの国でも富裕層くらいだった。 さらに、彼女が知る由もないことだったが、バイクの装置が分泌する洗浄液には、洗浄対象に過度な負荷をかけないように、かすかに媚薬成分が含まれていた。 ゆえに、機械による単調な洗浄行為だとしても、経験の乏しい彼女にとっては機械に犯されていることと大差ない。与えられた刺激によって快感が生じた彼女の身体は火照り、その表情も徐々に気持ち良さに蕩けたものに変わっていっていた。 「ああ……うあぁ……ッ」 罪人護送用のバイクの上で、彼女は思わず快感の喘ぎ声を漏らしていた。 だらしなく口が開き、涎が唇の端から零れる。 (い、イっちゃう……ッ!) 彼女がほとんど経験したことのない、性的絶頂。 それに彼女が達しようとしたとき。 『洗浄終了。装置を停止します』 無情にも、バイクがそう宣告し、回転していた歯車が止まった。 「ふぇ……?」 身体は十分以上に火照っているのに、突如刺激を取り上げられた彼女は、惚けてしまう。『洗浄は終了しました。降車してください』 身体を固定していた枷が外され、彼女の身体が自由になった。 彼女はしばらく呆然としていたが、快感に流されそうになっていた自分を自覚し、その頬を羞恥に燃え上がらせた。 慌ててたくし上げていたスカートを下ろし、跨がっていたバイクから降りる。彼女が降りようとするのと同時に展開されていた防壁が解除され、彼女はバイクの傍らに降り立つことができた。 (わ、私ったら、なんてはしたない……! い、いや、でもあんなのされたらしょうがないというか……何なのよあれ……!) 身体の疼きを抱えつつ、彼女は消え入りたい気持ちで身悶える。 その動きによって、下着を吐いていない下半身に空気が触れた。 「ひゃっ……!?」 洗浄装置の刺激によって敏感になってしまっているそこは、わずかな空気の動きにも反応してしまっていた。思わず彼女の口から声が出てしまった。 (下着をはき直さないと……) そう思って服のポケットに入れておいた下着を取り出そうとした彼女は、ふと、見張りの衛兵たちが自分の方を注視していることに気づいた。 (……ッ! いまは、だめね……あとではき直そう……) はき直しているところを見られるのは恥ずかしかったのだ。それに、またしたくなったとき、脱ぐところから始めるのは、見張りの者たちに見られる可能性を増やすことでもある。 むき出しの股間に対する刺激を防ぐため、彼女はその場で膝を抱えるようにして座り込んだ。 足首をぴったり脚の付け根にくっつけていれば、スカートの中を空気が通る感覚はなくなる。 (身体がちょっと変だけど……じっとしてれば治まるわよね) 身体が火照って敏感になっているのは、刺激を与えられたせいであり、しばらくじっとしていれば治まるはずだと彼女は信じていた。 しかし、実際は刺激だけではなく、媚薬成分のせいで彼女の身体は反応している。そのため、彼女の身体の火照りは中々治まってくれなかった。 これはバイクにとっても想定外のことだった。 大国出身の者にとってはさほど強くない媚薬成分だったが、そういった高度な薬をほとんど摂取していないこの国で生まれ育った彼女には、十分すぎるほど強力な効果を発揮してしまっていたのだ。 思わず触れたくなる身体の疼きを、彼女は薬が抜けるまで耐えなければならなくなったのである。 そしてそれは、彼女の精神に深いしこりとなって残り、彼女の正常な判断力を鈍らせていくのだが、彼女はまだそのことを自覚していなかった。 つづく