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夜空さくら
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流刑少女 壱の国 6

 首と両手を磔にされ、尻を突き出す形で晒されている囚人の少女。  彼女に対する市民からの加虐は止むこと無く、彼女を痛めつけ続けていた。  体中に鞭の跡を筆頭に、暴行のあとが多数残り、開口具を噛まされた口や無防備に晒された股間は幾人もの男性によって性のはけ口にされたらしく、その端正な顔や綺麗な身体を白濁液が汚していた。 「お昼になりましたし、一端休憩としましょう」  午前中の仕事を終えてやってきた長官が、尋問官の者たちに命じて囚人に水をかけさせた。汚れを洗い流すための行為と見えたが、水をかけられた途端、 「イギッ、グウゥゥゥッ!!」  ぐったりしていた囚人が急に目を見開き、身体を動かせる範囲で暴れ出す。  突然の反応に驚く市民達に対し、長官はこともなげに説明した。 「ああ、消毒するために、水に少し塩を混ぜてあるんですよ」  その説明に、囚人の反応も道理だと市民達は納得する。囚人の彼女はいま、全身に無数の傷を負っている。そんなところに塩水をかけられれば、どうなるかは火を見るより明らかだ。文字通り傷口に塩を塗られたのだから。  長官はいまだ痙攣している囚人の頭側へ回ると、その開口具に栓をした。中が空洞になっている特殊な栓だ。 「ここをこうして……と。よし、準備はできましたね」  管を通して流動食を流し込むのだと誰もが思っただろう。  だが、そこに運ばれてきたのは、明らかに普通の流動食ではなかった。囚人の彼女ですら、思わず目を見張って嫌悪の色を濃くする。  なぜなら、いまから注がれようとされているものは、茶色のドロドロとした液体だったからだ。有り体にいって、排泄物を溶かしたものにしかみえなかったのである。 「ああ、ちょっと色と匂いは悪いですが、中身はちゃんとした軍用食だったものですよ? かつて軍で実用されていたときは香りを付けたり、色を誤魔化したりしていましたけどね」  乾燥や湿気に強く、栄養だけは満点。しかしその不味さは、それを食べるくらいならその辺の毒キノコに当たって死んだ方がマシだといわれるほどのものだった。  最近はもう少しマシな味と匂いの軍用食が開発されたため、倉庫の奥で眠っている代物である。  つまり、無駄なまでに大量にあるのだった。 「こういう機会でもないと消費できませんからねぇ……」  長官が独りごちている間に、尋問官たちが囚人の口から伸びる管の反対側に、その流動食を注ぎ入れるための大きな漏斗を接続する。それを囚人の口より高いところに固定し、準備は完了した。 「それでは存分に食べてくださいね。しっかり食べて、体力を回復させないとあとが辛いですよ」  長官の合図に従い、尋問官たちが漏斗に向けてその特製軍用食を流し込む。その瞬間、囚人の彼女は目を見開き、無駄とわかっているだろうに、不自由な身体を全力で暴れさせた。  注がれた流動食の匂いは、彼女が目で見て想像した通りの、排泄物そのものの匂いだったからだ。そんなものが目の前の管を通って自分の口内へと向かってくるのだ。いかに無駄であることがわかっていても、拒絶するのが自然な反応というものである。 「ンンンン――!! ングゥ――――!!」  涙を浮かべ、懸命に首を振り、嫌がる囚人。  そんな彼女の姿を見て、長官は――否、それを見守る市民達も――愉悦に満ちた笑みを浮かべた。  流動食が囚人の口の中へと滑り込んでいく。 「グフッ、オッ、ウ……!!」  身体を震わせて囚人が悶える。その酷い匂いに違わず、その味もまた酷いものだった。本物の排泄物をそのまま放り込まれているのではないかと錯覚するほどの味。軍用食などというのは方便で、単に汲み取ってきたものを注がれているのではないかと彼女が思うほどの味だった。  実際、長官はひとつ嘘をついている。  囚人に与えているものは、確かに軍用食であって排泄物ではないのだが、わざとそれに似せるように色と臭いを付けているのだ。軍用食に使われていたものが排泄物そのものと変わらないものであるわけがない。緊急時の対策とはいえ、そんなものを供給していたら上層部の首が飛ぶ。  味や香りを付ける前の軍用食が大量に余っているというのは事実なため、囚人を精神的にいたぶるのを兼ねて、そういった風味を付けたのだ。  そしてその効果は絶大で、排泄物を飲まされていると思っている囚人は市民に痛めつけられていたときよりも絶望した顔になっていた。それこそが長官の狙いなのだ。 (もっともっと絶望して、心が壊れるほどに絶望してくださいよ……今後のことを考えると、貴女の精神も十全に仕込んでおかないといけませんからね)  そのためにはまだまだ追い込みが足りない。 「さあ、たっぷり食べてくださいね。まだまだ用意はありますから」  追加でさらに流動食が漏斗に注がれる。さらに、長官は囚人の彼女の鼻に、特殊な付け鼻を被せた。それは外見は豚のような鼻になる付け鼻だったが、外見はただのおまけ。その付け鼻の実態は、鼻の穴を塞ぐということにあった。 「ンググググ!! ウーッ!!」  鼻呼吸が出来なくなった彼女は、口から呼吸をするしかない。しかし、その口は大量の流動食に満たされている。 「ほらほら、早く流動食を飲まないと窒息してしまいますよ」  残酷なことを長官が命じる。排泄物もどきは飲み込むのにもかなりの時間を必要とするのだが、鼻を塞がれてしまっては急いで飲むしかない。  嫌悪感を堪えて、必死に飲み込んでいく彼女。目を白黒させながら飲みきったところで、ようやく呼吸の自由が生まれる。 「フシュー! フシュー!」  管を通じて、必死に呼吸を繰り返す囚人。長官はそんな彼女の頭を撫でてやりながら、残酷な指示を飛ばす。 「よく飲めました。さあ、追加です」  尋問官たちは容赦なく漏斗に流動食を満たしていく。  地獄の繰り返しが何度も行われた。  やがて、囚人のお腹がぽっこりと膨らみ、囚人の目が白目をむきかけた頃、ようやく流動食の供給が止められた。 「ふむ……想像以上にたくさん食べましたね。途中で吐くなり戻すなりするかと思っていましたが……意外と美味しかったんですかね?」  無論呼吸をするために必死になった結果だが、そんなことは長官に関係がない。  嘲笑の渦が市民に広がり、もはや囚人の彼女のことをひとりの人間として見ている者はどこにもいなかった。ただ、自分たちよりも下等な、虐げもよい存在として、囚人のことを認識していた。 「お腹も満たされたことでしょうし、勤めを再開してもらいましょうか」  そういって、長官は再び市民達に囚人への懲罰への参加を呼びかける。  その勢いは昼前と変わらず、囚人は散々にいたぶられたのであった。  やがて日も暮れた頃、囚人はようやく晒し台から解放され、中央管理塔の地下尋問室に戻されていた。  その身体は痛々しいほどの数多の傷に覆われ、まともに意識があるのかも定かではない。ふらふらとした足取りは危うく、いまにも倒れてしまいそうだ。  ここに囚人を連れてきた長官は、やれやれと呟く。 「ご苦労様でした。いやはや、我が国民ながら容赦ない残酷な人たちですね……」  長官はそう呟きつつ、それこそが人間の本質だと理解していた。平和で何の不便もないこの国でも、たまにはガス抜きが必要だ。  不満を溜めた国民はいつ爆発するとも限らないのだから。  尋問官達の手によって、首輪以外の拘束具が外された。手足の拘束がなくなり、逃げるチャンスではあったが、一日中いたぶられ続けた囚人の彼女に、そんな体力は当然残っていない。  長官は首輪しか身に付けていない絶世の美女の素裸を目の当たりにしていたが、大きな反応をすることはなかった。 「まずは汚れた身体を綺麗にしましょうか」  そう長官が指示を出すと、尋問室の一角の床がせり下がり、その部分だけが溝のように窪んだ。土葬において、棺桶を埋めるための穴のようにも見える。 「その中に入って、寝転びなさい」  囚人がどんな目に遭わされるのか怯えつつ、その窪みの中に降りて寝転ぶ。  程なくその窪みの中に半分ほどのお湯が注がれた。慌てて上半身を起こした囚人は、その水に塩が含まれているのではないかと怯えていたが、この水にはそういったものは含まれていなかったようだ。しかし傷口に染みて痛いものは痛い。彼女は顔を顰めて、痛みを堪えていた。  お湯は熱湯というほどではなかったが、かなり熱めの温度であったため、それもまた苦しみのひとつになる。 「しっかり洗われてくださいね。汚いままでは病気になるかもしれませんからねぇ」  長官は含み笑いと共にそう命じる。その言葉に従って、数人の尋問官たちがその手に長柄のブラシを持って来た。  その毛先は硬く、鋭く見えた。 「ひっ……! や、やめてください!」  逃げようとした囚人の彼女だったが、散々嬲られた身体は自由には動かない。  四方八方から伸びたブラシが押さえつけ、擦り揚げる。 「ギャアアアアアアア!!! 痛いっ、痛い! やめて!!」  ただでさえ傷つき、血が滲んでいた身体に新たな傷が刻まれ、お湯によってふやけた肌は容易くブラシの毛に傷つけられる。  さらに尋問官たちはブラシで彼女を押さえつけるように擦るため、彼女はお湯の中に幾度も沈められた。 「ガボッ、ゲホッ! ぐぇっ! ボゴボッ!」  自身の血が滲むお湯の中に沈められ、呼吸するのにも苦しみ、悶える囚人。  お湯が跳ねるのを嫌った長官は少し離れたところから、囚人の憐れな踊りを眺めていた。  やがて一通りブラシによる清掃が終わると、一端水が抜かれて、囚人の彼女は底に力なく横たわった。傷つけられた身体は見るも無惨であり、朝までは傷一つなかったことが信じられないほどだ。 「落としぶたを」  長官がそう言うと、鉄製の網が持って来られた。それはちょうど囚人が横たわっている窪みの大きさであり、それが彼女の上へと投げ込まれる。鉄の網がけたたましい音を立てながら囚人の身体に被さった。さらにその上から重りが投じられ、囚人の彼女は鉄の網に押さえつけられて動きが封じられる。  そこに、再びお湯が満たされていく。その意図を察したのだろう。囚人の顔色が一気に青くなった。 「う、うそ……そんな、溺れちゃ――ゴボッ!」  悲鳴もあげる暇もなく、囚人の身体がお湯に浸かる。いくら抗おうとも、鉄製の網と重りを持ち上げるほどの力は出せず、彼女はお湯の底に沈んでしまった。  上からは空気を求めて暴れる彼女の様子が良く見えた。 「……気を失うまで沈めておいてください」  そう長官は指示を出す。その言葉に、いままで沈黙を守っていた尋問官のひとりが声をあげた。 「……よろしいのですか? 気絶するまで放置しては、水を抜いても間に合わず死亡する可能性がありますが」 「彼女は普通より丈夫ですから平気と考えています。それに、恐らく……」  そう言って長官は続行を指示した。尋問官たちはそれ以上尋ねることなく、傍観を続けることを選択した。  やがて水中で藻掻いていた囚人の彼女が気泡を吐き出さなくなり、動かなくなる。  すぐに水の排出が始まったが、致命的なダメージを受けることは間違いない。  だが、その時、水中から機械音声が響いた。 『警告。囚人の生命維持に重大な障害が発生。緊急措置を実施します』  それと同時に首輪から不可思議な物体が噴き出し、囚人の頭部を丸ごと覆う。そして、その中に空気が送り込まれたのか、風船のようにぷくりと膨らんだ。  さらに、首輪から何らかの刺激が与えられたのか、呼吸が止まっていたはずの囚人が身体を震わせて咳き込み、呼吸が再開されたことがわかった。 「……なんという技術だ」  思わず長官が呟く。囚人の生命が危機に晒されると、超技術で生命維持が成されるという情報は、別の国から仕入れていた。  しかしまさか、ここまで直接的に呼吸を確保するというところまでは想像していなかったのだ。  窪みから水が抜け、空気が自力で確保出来る状態になると、再び首輪の中に不可思議な物体が吸い込まれていく。 『現地監理員に警告。囚人の生命を維持するようにしてください』  最後に再度機械音声が響き、沈黙する。  恐ろしいまでの技術力に、長官の背筋を冷たい汗が滑り落ちた。 (このまま、予定通り計画を進めてもいいのか……?)  弱気になっていることを自覚した長官は、慌てて首を振ってその思考を打ち消す。 (いや、いまさら引き返すことはできませんね……成せば成る。成さなくても成す。それが彼女のため……)  ただ、計画の成就がより確実になるように、新たな指示を飛ばす必要があると、長官は感じていた。  腹部に衝撃を感じて囚人は気絶から目を覚ました。稲妻のように走った激痛に、囚人は身体を暴れさせかけて、全く自由が利かないことに気づく。 「げほっ! ごほっ!」  咳き込む自由だけはあった。だが、相変わらず身体は全く動かない。 「おお……すごいなこれは。割と本気で吹き飛ばすつもりでやったんだが」  そう呟いたのは、この国の司令官であった。端麗な容姿を軍服に包み、威風堂々とした立ち姿で囚人の彼女の前に立っていた。  囚人は立っている姿勢のまま、動けないでいた。直立不動の状態だ。どうやら司令官がその状態の彼女の腹部に向け、打撃を繰り出して気絶から回復させたらしい。 「首輪の機能を使ってみようと思ったんですが、やはりとんでもない技術ですねぇ……技術力的に、何百年も先に行っていますよ」  そういう長官の手元には、首輪の機能を扱うためのマニュアルが握られていた。それによって首輪をある程度自在に動かせるのだ。  現在、首輪から展開されたラバースーツのようなものが、囚人の全身を被っている。そのラバースーツは彼女の身体を覆うと同時に硬化しており、意識のない彼女を立たせたまま固定することも出来ていた。  さらに、司令官が試したように多少の打撃は吸収してしまう。 「ふむ……打撃を吸収し、過剰な分は全身に流すようになっていて、この状態での打撃で死ぬことはないようですね」 「ほう。つまり存分に殴ってもいいというわけか」 「司令官自らやるんですか?」 「私にもストレスは溜まるのでな。ちょうどいい」  そう言うや否や、司令官は体勢を整えると、ほとんど予兆無く鋭い蹴りを繰り出した。それはまるで巨木をも薙ぎ倒そうというほどの鋭さであり、囚人の膝に正確に吸い込まれた。  バチン、という鋭くゴムが叩かれるような音が響く。普通ならその一撃で膝が砕け、歩けないようになっていただろうが、囚人の膝は無事だった。しかし激痛は走ったのか、その表情が苦痛に歪む。  司令官が囚人の膝を触って、骨が砕けていないことを確認する。 「……ほう。なるほど、感触でわかってはいたが、確かに砕けていないようだ。ゴムにしか見えないのに、凄まじい技術力だな」  次に司令官はナイフを取り出した。それを用いて、ふくらはぎ辺りにそれを突きたてる。  するとその刃はあっさりとゴムを切断し、囚人の足に深く突き立った。 「ひぎぃいい!!!」  激痛に身悶える囚人。そんな囚人を眺めつつ、司令官はナイフを引き抜いて傷口に薬を塗りつけた。  深い切り傷に薬を塗りつけられ、囚人は骨に染みるような激痛に悶絶する。 「ふむ。打撃には強くとも切断には弱いと」 「マニュアルにもそのように書いていますね。切断出来なくするようなことも出来るみたいですが……」 「いくら技術力が高くとも、両方を両立させることは出来ないというわけだな。勉強になった……よ!」  司令官が蹴りを囚人の胸部へと放つ。壁際まで吹き飛ばすことの出来る威力だったが、囚人の身体を覆うスーツが衝撃を吸収し、わずかに傾いだだけで済ませた。  衝撃が全身に伝播したのか、切り傷の傷口から血が噴き出す。 「よし、あとは任せた。計画通りに進めるぞ」 「……了解しました」 「あとで私の部屋に報告に来い」  司令官は長官の耳元でそう囁くと、上機嫌にその場を去る。そんな司令官を肩を竦めて見送りながら、長官は囚人の首輪を操作し、一端身体の硬直を解かせた。  ぐったりと地面に倒れ込む彼女を無理矢理立たせ、尋問官達に協力させつつ、囚人が大の字になるように姿勢を取らせた。 「この状態で、固定、と」  再びスーツが硬直し、囚人はその格好のまま動けなくなった。 「明日も今日と同じようにしてもらいますが、さすがにこのままだと死んでしまいそうですからね。夜寝ている間に回復できるよう、ちゃんと処置させていただきますよ」  そう言って長官が部屋に運び込ませたのは、昨夜散々囚人を苦しめた白い液体だった。  囚人はまた全身をそれに漬けられてしまうのかと戦々恐々としていたが、今日はそうではなかった。 「まずは口枷を」  長官がそう言って彼女に再び口枷が装着される。  そして、流動食と同じように、管を通じてその液体が彼女の口内に注がれた。飲みたくなかった彼女だが、呼吸を奪われれば飲まざるを得なくなるので、その前に自分からその白い液体を飲み干して行く。  それはドロドロとした甘い液体だった。全身がカッと熱くなり、まるで酒を飲んでいるかのような酩酊気分になる。意識がふわふわと混濁し、気持ちいいという感覚だけが生じていた。 「ふふふ……お酒みたいで美味しいでしょう? 例の液体はですね、熟成させると快感の増幅・疲労回復・新陳代謝の促進・そして精神安定に効果がある妙薬になるんですよ。熟成させるのは大変なんですけどね」  ちなみに、その熟成させる方法とは、一晩中人肌で暖め続けることである。つまり、普通なら気が狂うほどの痒みを生み出すそれを塗って耐えなければならない。本来なら囚人のような罪人や奴隷を用いて作るものである。いま囚人に飲ませた分は今朝囚人を解放した後の袋に溜まっていたものだった。  作り方が非人道的過ぎるということと、もう一つ問題があるため、流通が厳しく制限されている秘薬なのである。 「さて、それではまた明日」  そういって長官たちは尋問室を出て行く。尋問室の中、立ったまま大の字で固定された囚人の少女は、飲まされた秘薬の効果で多幸感を覚えつつ、朦朧とした意識のまま放置された。  秘薬のもうひとつの問題とは、それに依存性があるということだ。  数日飲み続ければ、もうこの薬なしでは生きていけない身体になる。この国で一生管理されなければならなくなるのだ。逃亡を防止するための処理でもあった。 (あの液体はこの国でしか採れないもの……この国に無理矢理縛り付けるには最適なんですよねぇ)  この国の人間にとって、囚人の身体は調査実験しがいのあるサンプルである。  通常でも数日間のデータを取ることが出来るが、それ以上のデータを集めるべく、囚人を薬漬けにするつもりだった。 (計画は想定通り進んでいるはず……あとはあれの始末さえ出来れば、この国は一気に進歩することでしょう……)  期日までにすべての準備を整え、計画は実行に移される予定だった。 (すべてはこの国と……貴女のために)  長官は改めて決意を固め、最愛の女性と愛し合うべく、その部屋へと向かった。 (次回:2018年7月28日 22:00頃更新予定)


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