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夜空さくら
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改変された世界の片隅で ~改変された授業は過酷なものでした②~

 動けない私の目の前で、斉條先生が手に持っていた端末を操作する。  すると、十数秒もしないうちに拘束室の扉が開かれ、怪しげな仮面を被った人たちが入ってきた。  男の人、なのだろうか。  肩幅の広さやその筋肉質な体つきを見て一瞬そう思ったけど、よく見るとどことなく違う気がする。  その人たちはみんな一様に個性の無い仮面を被っていて、全身がラバーに覆われていた。私たちが着ているものよりも薄くて肌に張り付いているのか、細かな筋肉の盛り上がりや張りまではっきりと見える。  見た目はラバースーツというよりは、全身タイツという方が近いかもしれない。材質はタイツのような柔らかそうなものじゃなく、ラバー特有の張りと艶が目立っていたけど。  その人たちは頭まですべてラバーに覆われていて、身長や体格以外の一切の個性が消されていた。  全身パツンパツンの状態だからこそ、股間を見て、その人たちが女性であることはわかった。ただ、体格の良さがすごくて、囲まれるとまるで成人男性に包囲されているような感覚だった。  バレーやレスリングなどの、体格のいい女子スポーツの選手に囲まれたらこんな気分になるのかもしれない。 「水下司さんを拘束します。前へ連れて来てください」  先生がそう合図を出すと、その人たちは私の肩を掴み、強制的にみんなの前に立たされる。二重のラバー越しでも伝わってくるその手の力強さに、刃向かおうという気さえ起きなかった。  みんなの前に立たされたかと思うと、今度は下向きに力が加えられ、私は膝を突いて座り込んでしまう。  斉條先生は拘束室に置かれていた用具の中から、大きなトランクケースを取り出してきた。今朝やられたように、またケースに詰められるのかと思ったけど、人を詰めるにしてはそのトランクケースは小さかった。 「罰則による拘束にはいくつかバリエーションがありますが……今回は『授業中の集中力の欠如』ということで『罰則未満』のこれにしましょう」  そういって取り出された拘束具は、私には何をどう拘束するものかわからなかった。  ただ、妙に柔らかそうな動物の毛皮が目についた。 「これより水下司さんに――『ヒトイヌ拘束』を施します」  アームバインダーが取り外され、私は起きた直後ぶりに両腕が自由になった。ずっと同じ姿勢で固められていたからか、前に戻した両腕に血が流れていく感覚が走る。  それが妙に気持ちよくて戸惑っている間に、今度は両足のブーツが取り外された。てっきりラバースーツと一体化しているものだと思っていたから、取り外せるんだと驚く。  私の首から下の身体を覆っているのは、金属のブラとパンツ以外は、ラバースーツだけになった。  さらに予想外のことに、全頭マスクまで外してもらえた。全頭マスクは内側に突起がある形状をしていたようで、それを外すだけで私の耳、鼻、そして口の中が自由になった。  口の中に溜まっていたよだれをなんとかこぼさないように飲み込みつつ、私は咳き込んで自由になった口で新鮮な空気を吸い込む。  いまなら、自由に話すことが出来る。 「あ、あのっ――」  声をあげようとした瞬間、先生が眉を顰め、周りのクラスメイトたちがざわめいたので、私は声を飲み込んだ。 「……不要な発言は禁止されているはずですが?」  斉條先生の冷たい声が解放された耳朶を直接打つ。  私はラバースーツに覆われた背中に冷や汗を搔くのを自覚した。思わず「ごめんなさい」と言いそうになって、ぐっと言葉を押し込める。  この調子だと、謝罪の言葉を口にすることさえ、罰則の対象になっているような気がしたからだ。  幸い、それが正解だったのか、先生は短いため息を吐くだけで済ませてくれた。 「まあ、いいでしょう。『発言未遂』ということで……口枷を変更します」  トランクケースの中には、穴のない赤いボールギャグが用意されていたけど、それを違うものに変えるらしい。  改めて用意されたのは、恐ろしく長い張り子が装着されたものだった。見た感じは、口枷の部分に張り子が付けられているような、不格好なものだったけど、それがどれほどのえげつない構造をしているのかは、そういうのに詳しくない私でもわかる。  だってそれを取り付けられた時、口の中にその張り子が入ってくるのだとしたら――どう考えても、喉を貫く長さだったからだ。 (うそ……でしょ……?)  こんなものを咥えたら、窒息して死んでしまう。何かの間違いだと言って欲しくて斉條先生に目で訴えかけたけど、先生は無情にも仮面の人たちに指示を出すのだった。 「装着してください」  その口枷に着いている張り子に、どろりとしたローションのような液体が塗され、テカテカとしたヌメリを生み出していた。  仮面の人たちのひとりに顔と顎を掴まれ、無理矢理口を限界まで開かされる。抵抗しようなんていう気が起こらないほどの力だった。 「あぐぅ、あ、がっ、うぅ……っ!」  その開いた口に、先端だけですでに口の中がいっぱいになりそうな大きさの張り子が、強引に押し込まれる。 「げっ、おごっ、グ、ォ……ッ!」  喉の奥が押し広げられるような感覚。張り子は容赦なく口内を満たし、そして先端が喉の奥を突いていた。喉の奥を突かれて、当然吐きそうになるのだけど、仮面の人たちは押し込む力を緩めてはくれない。 (し、死ぬ……っ!)  本気で喉が詰まり死ぬかもしれない恐怖で、身体が暴れる。でも、別の仮面の人に巧妙に抑え込まれていた。  びくん、びくんと身体が意思に関係なく跳ねる。ただでさえ苦しい状態なのに、奥まで押し込むと、口枷の部分についているベルトが口を割り割くように後頭部に通され、ギチッ、と音がするほど締め上げられた。  固定されてしまうと、もう私の力ではどんなに嘔吐いても吐き出せない。喉の奥まで貫き通された異物感だけが残る。  口で呼吸できないから、鼻で息をするしかなく、その鼻呼吸もかなりギリギリだった。一応気道は確保されているみたいだけど、かなり狭められているのがわかる。  今朝起きた時から、呼吸がマスク越しにしか出来なくて苦しいと思っていたけど、その苦しみなんて全然大したことがなかったのだと実感できた。  分厚い首輪があるせいで元々下が向きにくかったのだけど、いまは喉を貫く張り子があるせいで、いままで以上に上を向き続けなければならなかった。張り子は柔らかい素材ではあったけど、顎を引こうとすると途端に異物感が強くなって、嫌でも上を向く状態に戻すことになった。  実はこの仕組みはヒトイヌ拘束に適したものだったのだと、私はすぐに知ることになる。  次に拘束が施されたのは、両腕だった。分厚い袋のようなものが、肘を限界まで曲げた状態で被せられ、手の先まで覆う。手の先は手のひらを内側に返す形に固定されてしまい、指先までは拘束されていないはずなのに、手の自由はほとんどないと言って良かった。  その袋の上からベルトで締め上げられ、袋が外れなくなる。肩の稼働に影響しないように作られているのか、結構自由に動かせたけど、腕が半分になってしまったような状態だし、なにより手を使った作業は何もできなさそうだった。  肘の部分には分厚いサポーターのようなものが袋の上から被された。ただ、サポーターというにはちょっとゴムの部分が厚すぎるような気もした。厚底ブーツみたい、とちょっと古いファッションのことが思い返される。  両腕共にその拘束を施されると、四つん這いになるように言われた。 (四つん這いといわれても……)  肘で身体を支えろということだろうか。恐る恐る身体を前に倒すと、思ったより早くに肘が地面を捉える感覚があって、身体が平行に保たれていることがわかった。  肘の厚みのあるクッションはこういう意図があったのだ。  さらに、この体勢だと前を見るためには必然的に首を上を向けなければならず、喉を貫いている張り子の苦しさが少し楽になった気がする。下を向こうとすると途端に苦しくなるので、どんなに恥ずかしくても前を向き続けなければならないということでもあったけど。  腕の拘束に問題がないかの確認を挟んだ後、斉條先生が次の指示を出す。 「足の拘束に移ります。そのまま膝を曲げなさい」  言われるまま、膝を曲げて足首がお尻に着くまで折り曲げる。両肘と両膝、その四点で身体を支える形になった。けれど、思ったより身体はふらつかない。肘のサポーターの接地面積が広くて、安定しているからだと思う。  よく考えられているんだな、と私が思っている間に、足にも腕に被せられたようなラバーの袋が被せられる。それは結構ぴちぴちで、あとからベルトで締めるようになっているみたいだったけど、それが必要なさそうなくらいに足を締め付けてくる。  足首と足の付け根をまとめるように袋の口にあるベルトが締められ、伸縮性にかかわらず、足をまっすぐ伸ばすことが出来なくなった。ただでさえラバースーツで締め付けられているのに、さらに締め付けて大丈夫なのか心配になったけど、私にはどうすることもできない。  足にもサポーターのようなクッションが添えられた。そのサポーターは金属の棒みたいなものがあって、さっきしめたベルトに装着出来るようになっていた。  クッションに当たっている部分だけではなく、そこにもテンションがかかるので、足への負担が少し和らいでいる、ような気がする。  ただ、いまの状態だと、足首から先は自由だった。構造上、手と違って完全に封じることはできないのかな、と思う。足首から先だけが自由でも、どうにもならないのだけど。  そんな風に思っていた私の前に、奇妙な形をした器具が差し出された。  それは、金属のフレームで形作られた靴下、みたいなものだった。それで足首から先も拘束するのかな、という私の予想は、半分は当たっていた。 「これは足首から先に装着する靴下型スイッチです。靴下のように履いて使用します。このように――」  斉條先生がその靴下の形をしたフレームを折り曲げる。ちょうど足首を動かしてつま先やかかとを動かすのと似ていた。フレームが変形し、足先が動いているような形だ。 「このフレームは足先の動きを阻害せず、動かした通りに動きます。ただし、この部分、足の甲とかかとの少し上あたりに、スイッチがあるのがわかりますか?」  先生に言われてよく目をこらして見てみると、確かにその部分にスイッチのような機構があるのが見えた。 「このスイッチは、貴女が足首を伸ばしたり曲げたりする度に押されます。そうすると……実際に見た方がわかりやすいでしょう」  そういって、先生は奇妙な形をした張り子に、ボールが連なっている道具を持ってきた。  なんといえばいいのかわからないけど、足を切り落とされたタコの頭みたいな、張り子の頂点から、数珠をまっすぐにして取り付けたみたいな。 「これがこれから貴女が肛門に入れることになるアナルパールです」 「むあぅッ!?」  とんでもないことをさらりと言われて、驚きの声が抑えられなかった。  だって、どう考えても入るような長さじゃない。連なっているボールひとつひとつは入らなくはないだろう大きさだけど、その全部が連なった長さは50センチはある。  お腹を突き破って出てきてもおかしくない。  さらに恐ろしいことに、長いだけがそのアナルパールの真髄じゃなかった。  先生がそのアナルパールを仮面の人に渡し、さっき私に見せていた足首から先を拘束する金属フレームを手に持つ。  その足首を曲げたり伸ばしたりして、足の甲と踵にあるスイッチを起動させると、アナルパールの玉ひとつひとつが、徐々に大きくなった。 「このように、スイッチと連動してアナルパールが大きくなる仕組みになっています。無論、腸が破裂しない程度の大きさで止まるようになっていますから安心なさい」  先生はそう言いながらボールをどんどん大きくしていっていた。 (いやいやいやいや! おかしいおかしいおかしい! めちゃくちゃ大きくなってるじゃない!!)  最初はピンポン球サイズだったのが、いまやソフトボールくらいの大きさになっていた。それに伴ってボールが連なったボ長さもとんでもないものになっていて、もはや凶器にしかみえない。  本気で恐怖する私の青ざめた顔を見てか、斉條先生が言う。 「一応、補足しておきますが、これは全く圧力のかからない状態で膨らんでいるから、これほど大きくなっているのであって、腸の圧力がある状態ではここまで大きくなりませんからね?」  それが何の慰めになるというのだろう。腸の圧力で抑え込まれているだけで、それはつまりそれだけ圧力がかかって苦しい思いをするということだ。  私は先生の正気を本気で疑った。こんなことに荷担している時点で、正気では無いのだろうけど、これに関してはそれを差し引いても酷い。  非難の気持ちが目に出ていたのだろうけど、先生は全く堪えてないようだった。 「故意にスイッチを作動させなければ、ここまで大きくなることはそうそうありません。……わざと限界まで膨らませてしまう生徒もいますが」  足首から先を拘束するためのことなのだろうけど、酷いやり方だった。どれほど苦しくても、足首から先を動かして気を紛らわせることも出来ないということだ。  なるべく足首を動かさないようにしようと、心に決める。  アナルパールを持った先生が私のお尻側に回り、金属製のパンツをなにやら操作し始める。蓋が開いたのか、肛門に風が当たる異様な感覚がした。さらに、冷たいアナルパールの先端が押しつけられた。思わず肛門を締めそうになったけど、私の意思に反して肛門は全く動いてくれなかった。何かされているのか、それとももう開いているのがあたりまえなのか、全然力が入らない。  ずるずると身体の中にアナルパールが入ってくる。ボールの一個一個が入る度に、排泄物が逆流するような、気持ち悪い感触が背筋を這い上がってくる。 (うぅ……これ、もう、この時点で苦しい……っ)  まだボールは全く大きくなっていない状態のはずなのに、すでにお腹の中がいっぱいになっている感覚があった。便秘の時の感覚に少し似ている。  最後にタコの頭のような形をした張り子が、肛門に押し込まれて、挿入作業は終わったみたいだった。あの奇妙な形をした張り子は、括約筋にぴったりはまり込むように作られていたみたいで、常に排泄しているような感覚になってしまった。頭がおかしくなりそう。  思わず括約筋を意識して締めると、やっぱり何か違和感がある。  そして、まっすぐ伸ばした足首にさっきの拘束具が取り付けられた。思わず足首から先を動かしそうになるのを、堪えなければならなくなる。  外から見た拘束度合いとしてはみんなとあまり代わりがないけど、動けば動くほど自滅してしまうような状態で、拘束されている感じはみんなよりも酷かった。 「最後に、ヒトイヌとしての飾りを取り付けます」 (まだ何かあるの……?)  すでに疲労の溜まっていた私の耳に、イヤーマフ兼犬耳が取り付けられる。それは口枷と連結され、外れなくなる。  さらに、お尻に差し込まれている張り子の飛び出している部分に、ふさふさのしっぽ飾りが取り付けられた。四つん這いの体勢で、ちょうど先端が床に届かないような長さだった。 「括約筋を締めてご覧なさい」  先生に言われて、さっきのように意識して肛門を締めて見る。すると、ふさふさの尻尾飾りが左右に揺れた。  どうやら、括約筋に締め付けられている張り子に何か仕掛けがあるみたいだ。 「ヒトイヌ拘束をされている時の返事は、尻尾を動かすことで行いなさい」  反射的に頷きかけて、慌てて尻尾を動かすことで堪えた。  一瞬目が冷たくなったけど、見逃してくれるみたいだった。 「よろしい。では授業を再開します。壁際に戻りなさい」  そう言われ、四つん這いで移動を始めようとして、思わず足首から先を動かしてしまった。スイッチが入り、差し込まれたボールが若干大きくなって、お腹の底から突き上げるような衝撃が襲う。 「んぐぅ――っ!!」  悶絶して転がりそうになるのをなんとか堪えて壁際に戻る。ぶるぶると身体が震えてしまっていたけど、なんとか堪えた。  心配そうに私を見ている子が何人かいたけど、それに反応する余裕もなく、ただ耐えることしかできなかった。  苦しみながら『拘束』の授業を受けていた私は、このときはまだ知らなかった。  いまの私の状態で――改変された次の授業を受けることがどれほど辛く、苦しいことなのか。 つづく

改変された世界の片隅で ~改変された授業は過酷なものでした②~

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コメントありがとうございます! ヒトイヌプレイは最高ですよね!

夜空さくら

ヒトイヌはいつも最高です! translated by google

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