悪の科学者に覆われた少女 ①前半
Added 2021-05-24 14:36:48 +0000 UTC■ 悪の科学者である僕は、自分で作った『全身触手スーツ』を用いて、僕を捕まえようとする捜査員を屈服させ、性奴隷にするはずが、スーツの暴走によって心臓を貫かれ、あえなくその悪の華を散らした――わけがないだろうが! 悪の科学者はしつこいものなのだ。これは悪の科学者である僕が、再び起つまでの物語。
■ 現在連載中の『全身触手スーツを作った悪の科学者』の、少女視点です。触手スーツになった悪の科学者に覆われていく少女の視点です。本編の裏話的な位置づけです^w^
■ この作品には触手服・皮物・軽微なグロテスク表現・乗っ取りなどの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。
■ 続きは支援者様向けと、全体向けの交互に書いていく予定です。ある意味バッドエンドで、ある意味ハッピーエンドな結末になる予定なので、完全無欠にハッピーエンド以外はダメだという方はご遠慮ください。
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おとぎ話の主人公はずるい。
それが私――鈴木ハナ子の、おとぎ話に対する感想だった。
おとぎ話の主人公、あるいはヒロインたちは、最初不幸の身の上であることが多いのに、必ず最後は幸せになれるからだ。
不幸が逆転するということが、そうそうありえないことであると知っている私は、それが不条理に感じられてしまう。
不幸な人間はそんな簡単に幸せにはなれない。現実は非情なのだ。
空から落ちてきた主人公かヒロインが、自分の人生を変えてくれるような、そんな夢物語みたいな話が現実に起きるわけがない。
その日まで、私はそう考えて、辛く息苦しい現実を諦めて生きていた。
昼休み、私はいつものように体育倉庫裏の少し開けた場所に、お弁当を食べていた。
教室にいたらゴミを混ぜられて食べさせられかねないからだ。
まあ元々野菜くずや食べ残しを詰め込んでいるだけなので、ゴミのようなものだけど。
それでも、私にとっては生きるために必要な栄養だった。
(あの人が来る前に、急いで食べなきゃ……はぁ……お腹、空かないなぁ……)
食欲なんてわかないけれど、早く食べておかないと放り捨てられてしまう。
地面に落ちた食べ物はもう二度と食べたくない。
私は食べ始めながら、深くため息を吐いた。背中を丸め、俯いて食べるのはもう習性のようなものだ。
少しでも目立たないように、迷惑をかけないようにしているはずなのに、なんで周りの人たちはいつも私を目の敵にするのだろう。
(はぁ……もっと醜かったら、周りの反応も違ったのかなぁ)
自慢ではないけれど――本当に自慢ではない。むしろ疎ましくさえ感じる――私は美人の部類に入るらしい。さらに周りと比べても明らかに胸の発育が良いことも相成って、男子からは気持ち悪い視線を、女子からは嫉妬のまなざしを向けられる。
そのせいで周りに目をつけられ、日々何かと突っかかられるのだから、全く嬉しくない。通学路で『そういう意味』での目を付けられることも多いし。
まともに肉なんてついていない手足に対し、胸やお尻だけは不釣り合いに大きくなるのだから、私の体はどこかおかしいのだろう。
(栄養なんて全然足りてないはずなのにね……はぁ……)
心の中で溜息を吐き続ける。
口で吐かないのは、以前何気なく教室で吐いたときに、自分たちに対するあてつけかとヒステリーを起こした人に突き飛ばされたからだ。
その時は背中を強打し、しばらく悶絶させられた上、溜息を吐けないようにとスカーフを使って猿轡を噛まされた。その日は体育もあったのに外させてもらえず、窒息しそうな状態になりながら延々と走らされた。
あれはもう二度と体験したくない類の苦しみだった。
その時の息苦しさを思い出して、思わず箸が止まってしまう。
(はぁ……って、いけないいけない! 早く食べてしまわなきゃ――え?)
私はその時、本当に何気なく、違和感を覚えて真上を向いた。
そして、内側に触手の生えた人間の皮が自分に向けて降ってくるのを、目にした。
思わず目を見開いたものの、それ以上の反応はできなかった。
いきなり頭上から物が降ってくる――それこそ用を足しているときに水をかけられたり――経験はあったけれど、そんなものが降ってくるなんて完全に予想外だった。
それが私の体に覆いかぶさって来て、体を締め付けてくるなんて、予想どころか想像もしていなかった。
その皮の内側に生えている触手は、なんとも形容しがたい感触をしていた。生暖かくて、ぬめぬめとしていて、なにより奇妙に柔らかい。
無理矢理握らされた男の人のあれを想起するような、そんな感触だった。そんなものが顔面に張り付いてきたのだから、私が受けた衝撃はすさまじいものだった。
「きゃ――むぐっ!?」
思わず叫んで振り払おうとしたけれど、口の中にその触手のうちの数本が入り込んで来た上に、上半身を覆うように皮が張り付いてきたので、私が出来る抵抗は一瞬で封じられてしまった。
子供の頃、カーテンを被せられて殴る蹴るの暴行を受けたことがあったけれど、その時みたいに皮が腕に絡みついてきて全然外れない。
しかも口の中に入ってきた触手の先端から、妙に生暖かい液体が喉の奥に向けて噴き出してきたものだから、堪らない。
「〜〜〜〜っっ!?」
飲んだらまずいと頭では理解していたけれど、飲み込まずにいたら呼吸が出来ない。吐き出すこともできない以上、飲み干すしか私に選択肢はなかった。
ごくり、ごくりと得体のしれないものを喉の奥に滑り込ませていく。
体を捩らせて暴れたものの、皮の力は思って以上に強く、とても振り払えなかった。
そうしているうちに、体の奥がかっと熱くなって来て、熱に浮かされた時のように、頭がぼんやりとし始めた。
「ん……ぅ、う、うぅ……? あ……あぁ……」
それだけではなく、体が痺れて動かせなくなっていっていた。皮が覆っていない部分、足も痺れているから間違いない。
まるで長時間正座した後のように――そう、かつて私は何もやっていないのに、学校の備品を壊した犯人にしたてあげられて、一日中正座させられた時のように――足が自分の意志に反して、動いてくれない。
さっき飲まされた液体に何かあるのは明らかだった。
(麻痺毒……? 私、このまま食べられちゃうのかなぁ……)
食虫植物がそんな風に虫を捕食すると聞いたことがある。
人間を捕食する生物なんて聞いたことがないけれど、実際こうして襲われているのだから、私が知らないだけでそういう危険な生物がいるのかもしれない。
死ぬかもしれない、と思ったけれど、恐怖はあまり感じなかった。死にたくないから生きているというよりは、ただ生きているから生きていただけのことで、いつ死んでもおかしくないとは思っていた。
だから死ぬのならせめて痛くない方法で死にたいなぁ、とぼんやりする頭で考えていた。
けれども私の想像に反して、その皮と触手で出来た化け物は私から離れていく。
(あれ……? 食べないの……?)
私の上半身を覆っていたその生物が離れていき、私は茂った木々の梢が広がる空を見ることができた。複雑に入り組んだその木々の葉っぱのせいで、この場所は日当たりが悪いのだ。
襲い掛かってきて体の自由も奪ってきたのに、なんで離れていってしまったのか。
その疑問の答えは、靴が脱がされたことで、判明した。
その生物は、私が着ている服を脱がしにかかっていたのだ。
(え、うそ、何それ、なんなの!?)
人を襲い、麻痺させ、服を脱がしにかかる生物なんて聞いたこともない。
パニックを起こしかけた私は、そういう生き物が存在することを思い出してしまった。
(あぁ……睡眠薬を盛られて犯されたことあったなぁ……)
そう考えると、私が感じているこれは、悪夢なのかもしれないと思った。
ご飯を食べていて、眠ってしまったのではないだろうか。
(そういえば昨日全然寝れなかったし……そうかも)
酔って帰ってきた義父に酌をしろだのなんだの言われて、深夜まで相手をしていたから、授業中かなり眠気は感じていた。
だとすると、早く覚めてくれないと昼ご飯を食べ損なってしまう。
私は謎の生物に下半身を裸に剥かれながら、現実逃避気味にそんなことを考えた。
(夢にしては……思考も感覚もやけにはっきりしている気がするけれど……きっと、そういう夢なのよね)
実際ここまで経験してきた内容は、割と現実でも経験してきた内容に近いものがあった。
それが悪夢としてよみがえっていると考えれば、妙に現実味のある感覚にも納得がいく。
抵抗するなと命令されて色々されるのはよくあることだったし、体が動かないのはそれの追体験のようなものだろう。
そんな風に、私が考えていたら。
足先から経験したことのない感覚が這い上がってきた。
まるでムカデが群れを成して這い上がってきているような、そんな感覚。
ムカデのような気持ちの悪い虫を食べさせられたことはあったけれど、体を這いまわらされたことはない。
ゾクゾクする背筋の悪寒に、それを振り払いたくなったけれど、私の足は全く動いてくれなかった。
(なに……? なにが、起きてるの……?)
なんとか頭を起こして、自分の足先をみやる。
そこでは、内側に触手がびっしりと生えた人間の皮のようなものが、私の足を覆っていっているところだった。
まるで別の人の皮を着せられているかのように、足の先から徐々に別の皮が覆っていく。
(ひっ……! い、いやぁ!)
忌避感と嫌悪感が湧き上がり、足を振るべく渾身の力を込めた。
けれどやっぱり私の足は全く動かず――それどころか、皮が覆っていったところはピクリとも動かせなくなってしまっていた。
皮の内側に生えている触手が何かしているのかどうかはわからないけれど、私の体の自由は徐々に奪われていっている。
(に、逃げなきゃ……っ、誰か……っ)
早く逃げなきゃ、取り返しのつかないことになる。
そう本能で察した私はどうにか逃げようとしたけれど、体は意思に反して全く動いてくれない。
無駄な抵抗をしているうちに、皮はどんどん上の方まで這いあがって来て、私の下半身を覆ってしまった。
股間にも触手が這ってきて、私は嫌悪感と恐怖で心がいっぱいになる。
ふと気づいたのだけど、私を覆っている皮の股間部分に、私の体に接していない部分があった。
それがなんなのか一瞬わからなかったけれど、男性のペニスの皮だということに遅れて気付く。
(この皮……男の人のものだったの……?)
私の体を皮は覆ってきているけれど、その部分は私にはないものだから、覆いきれなくて余っているのだろう、と思った。
そんな私の想像を超え、そのペニスの皮は、私の中に――膣の中に、沈み込むように入ってきた。
体の内側を抉られる感触は初めてではなかったけれど、その皮が潜り込んでくる感触はいままでの挿入される感覚とは全く違っていた。
「……んぅっ、ぐうっ……っっ!?」
体の中を虫が這い進んでくる強烈な違和感。
ほとんど顔も知らないような男の人に勝手に穴にペニスを挿し込まれる感触も気持ち悪いものだったけれど、この感触はもはやそんな次元にない。
生理的な嫌悪感を遥かに超えた、本能的拒否反応が私の痺れた体を突き動かす。
ビクビクッ、と跳ねただけで終わってしまったのは、私の体が本格的に麻痺しているからだった。
どうやら最初に飲まされた分だけじゃなく、体を覆っている触手の方からも何らかの毒が分泌されているらしく、毒が確実に全身に回っていっているのを感じる。
(ひ、ぃ……ッ!)
どれほど恐怖を感じても、歯を鳴らすことも、もうできない。
膣内に入り込んできた皮も、奥まで達したのかそこでぴたりと動きを止めた。体の中まで覆いつくされていることを実感として感じる。
(や、やっぱりおかしい……! こんなの、知らない……!)
自分が経験してきたのとは似ても似つかない感覚ばかりだ。
恐怖で固まっているうちに、その触手と皮の化け物は私の上半身の衣服も脱がしにかかってきた。
ブラジャーを外すときに若干戸惑っていたようにも思えたので、やはり知性があるようだ。
恐怖もあったけれど、服を脱がされて丸裸にされると、さすがに羞恥も感じる。顔に熱が集中するのがわかった。
そんな私の状態には構わず、皮の化け物が私の上半身を――乳房をその皮で覆ってしまう。
皮の内側に生えた触手が、私の胸を撫でまわすように探ってくる。
強引に胸を揉まれても、普通は気持ち悪いだけで、そう簡単に気持ちよくなることはない。
実際触手の化け物に揉まれても、最初はただ気持ち悪いだけだった。
けれど、しつようにもみほぐされているうちに、私はだんだん自分の呼吸が荒くなっているのを自覚した。
「……っ、んぅ……ぁっ……!」
喘ぎ声みたいな息になってしまう。これまでの経験ではそんな風に感じられたことなんてなく――殴られたくなくて演技で喘いだことはあったけれど――気持ちよくなっていることが信じられなかった。
きっと触手が分泌する毒の影響なのだろうけど、信じられない想いだった。
(初めて気持ちよくしてくれたのが、触手の化け物だなんて……そんなの……っ)
惨めすぎる。
そう思った私の胸の先端に、凄まじい衝撃が走った。
「〜〜〜〜っっっ!!!」
乳首に何かされたのだということはわかったけれど、何をされたのかはわからなかった。
ただ、思考が飛ぶくらいに刺激的な何かをされたのだということだけがわかる。
(あ……っ)
股間が緩んで、溜まっていた尿が排出されていくのを感じた。でも股間は触手に覆われているから、濡れている感覚はしない。垂れたり広がったりする感触もなかったから、もしかすると触手が吸収してしまったのかもしれなかった。
それにほっとすればいいのかどうかはわからなかったけれど、もしも私の体を覆って言っている皮の化け物の目的が、そういう自分の出した体液であったなら。
(もしかして私……ギリギリまで、死なせてもらえない?)
単純に私の体を消化して食べたいのであれば、ここまで徹底的に体を覆う必要もない。
しっかり覆ったのはそれが原因ではないかと思えた。
これから私は、生かさず殺さずのまま、化け物に搾取され続けるのかもしれない。
ただ、それは――私のいままでの生活と、大して変わらないことでもあったけれど。
後半につづく
Comments
不幸の星の元に生まれた、というと表現としては陳腐ですが、実際そうとしか思えない人生を歩む人はいますからねぇ……ーw-;全く誰のせいなのか(この作品に関しては間違いなく作者のせい) 不幸のバーゲンセール状態の彼女がどんな結末を迎えるのか、ご期待いただければと思います(ΦωΦ)フフフ…
夜空さくら
2021-05-26 11:58:07 +0000 UTC不幸は不幸だけど、不幸に慣れて、諦めて被害を最小限にしようとしてる系の女の子でござった。 途中までは生存本能も働いていたけど、やっぱり諦めてしまった。 弁当の内容から、たぶん周りだけでなく身内からもそういう扱いを受けてるのかな? 人間が歪むには十分な環境だけど、これだけ不幸な目に会うというのも一種の天性なのかもしれない。嫌な天性だけど。 ある意味ハッピーエンドという結末に期待して続きをお待ちしております♪
ミズチェチェ
2021-05-25 10:22:48 +0000 UTC