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夜空さくら
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悪の科学者に覆われた少女 ①後半

■ 悪の科学者である僕は、自分で作った『全身触手スーツ』を用いて、僕を捕まえようとする捜査員を屈服させ、性奴隷にするはずが、スーツの暴走によって心臓を貫かれ、あえなくその悪の華を散らした――わけがないだろうが! 悪の科学者はしつこいものなのだ。これは悪の科学者である僕が、再び起つまでの物語。

■ 現在連載中の『全身触手スーツを作った悪の科学者』の、少女視点です。触手スーツになった悪の科学者に覆われていく少女の視点です。本編の裏話的な位置づけです^w^ 今後も本編の合間にちょくちょく挟んでいきます。


■ この作品には触手服・皮物・軽微なグロテスク表現・乗っ取りなどの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

■ 続きは支援者様向けと、全体向けの交互に書いていく予定です。ある意味バッドエンドで、ある意味ハッピーエンドな結末になる予定なので、完全無欠にハッピーエンド以外はダメだという方はご遠慮ください。

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 私の不幸がいつから始まっていたかといえば、きっと産まれる前から始まっていた。


 私の本当の父親は、人間の屑を絵に描いたような人物だったらしい。

 酔った勢いで母と肉体関係を持ち、挙句妊娠させ、責任を取ると嘯いて、直前になって突如失踪してしまったのだという。

 堕胎可能期間を過ぎてしまった母親は、周囲に反対されながらも産む他なく、実の親からは勘当同然に縁を切られ、孤立無援の状態になったそうだ。

 そんな時に母を助けたのが、今の義父だ。ただ、それはいつか義理の娘を好きなように扱えるようになるからという最低なくせに気の長い下心を持ってのことだった。

 お金だけはある義父に、誰からも見捨てられていた母が依存するのは、仕方のないことだっただろう。何より義父は母には普通に優しかった。

 結果、私は父にも母にも奴隷のように扱われ、子供の頃から二人のために生きることを強いられて育った。

 ただ、読み書き計算くらいは出来なければ命令する方も不便だということで最低限の教育は受けさせてもらえた。見た目が悪いと見る方が楽しくないということで、身なりはそこそこ整えられた。

 あとから思えば、とりあえずいうことを聞いてさえいれば理不尽なことをされなかった子供時代が私の中で一番幸せだったかもしれない。

 そんな私の不幸が一気に噴出したのは、小学校に入ってからだ。

 普通に遊ぶことをほとんど許されていなかったから、私は勉強に関しては同年代と比べれば少し突出していた。

 不運だったのは、私が所属するクラスに、一位になることに固執している女の子がいたことだろう。その子は常に自分が中心でなければ我慢できないタイプの、言ってしまえばよくいるタイプのいじめっ子だった。

 その子の成績や見た目を素で上回ってしまった私は、その子に目をつけられ、虐められるようになった。

 一度そうなってしまうと、あとはもうどこに行っても同じような扱いを受けた。

 小学校までは単純な暴力や誹謗中傷による苛めだったけれど、中学生になって周りが『そういうこと』に対する興味を持ち始めると、苛めの内容はそういったことも含まれるようになった。

 ちなみに私の初めては義父によって奪われていたため、性的な苛めの結果、『非処女』であるということも嘲笑の内容に加わったことは言うまでもない。

 中学、高校と、おおよそ経験しうる全ての苛めや虐待を受けながら、私はきっとこのまま一生虐げられて生きていくのだろうと、そう思っていた。

 逆にいえば今以上のことはないと、高を括っていたのかもしれない。


 そんな私はいま、皮の化け物に『私』という存在自体を乗っ取られようとしていた。





 私には自由なんてないと思っていた。

 けれど、何一つ不備のない体を動かす、という自由があった。

 そのことに気付いたのが、皮の化け物にその自由を奪われてからだというのが、なんとも皮肉で、酷い話だった。

(……っ! ……う、うごけな……い……っ)

 もう首元まで完全に覆われてしまった。

 さっきまでは呼吸くらいは出来たのに、もう大きく息を吸おうとしても体が動かなかった。

 体の感覚自体はむしろ研ぎ澄まされていて、首から下の体の輪郭すらはっきりわかる程度にはなっていた。物理的に体を覆われているからかもしれないけれど。

 ただそれは、私の体を覆う皮の内側にびっしりと生えた触手がどう動いているかもはっきり認識出来るということだった。体中を虫が這いまわっているかのような、そんな言いようのない不快感を伴う感覚が私を襲ってきている。

 毛穴の一つ一つに何かが入り込んで来て、動いているような感じだった。体が動くのであればその感覚に耐えかねて転がりまわっていることだろう。

 けれどどれほどその感覚を苦痛に感じても、私の体はもうぴくりとも動かなかった。

 本当の不自由というものはこんなにも辛いものだったのだろうか。私は自分が不幸だと思っていたけれど、もっと不幸なことがこの世界には存在したのだということを実感し、絶望していた。

 私が絶望している間にも、皮の化け物の浸食は続く。私の顔を、頭を皮が覆っていっていた。

(いやああぁぁ……っ!)

 覆ってくる皮の感触が目に近付いてきて、思わず瞼を閉じた。瞼だけでも自分の意志で動かせたことに少し喜びを覚える。

 けれど、そんなささやかな幸せはすぐに失われてしまった。

 目を閉じて視界が真っ暗になった分、体の感覚が研ぎ澄まされ、増幅されてしまったからだ。

 私の体を覆う皮の内側で、無数の触手が蠢いて、私の体を這いまわっている。まるで虫の大群が体中を這いまわっているようで、恐ろしく気持ち悪かった。

 触手は体の表面だけじゃなく、膣にそうしているように、体の穴という穴に潜り込んで来ていた。

 耳、鼻、口。全ての穴にも入り込んで来て、私は自分の体が食い荒らされているかのような感覚に陥った。

 痛みはなかったから、まだよかったのかもしれないけれど、気持ちいい感覚に全て還元されていて、それはそれでかなり辛かった。

(気が……狂っちゃう……っ)

 嵐の大海原に放り出された木の葉のように、快感の大渦に振り回される私。途方もない快感と無力感に蝕まれていく。

 意識が散り散りに消えてしまいそうになった時、不意に目に眩しい感覚が生じた。

 どうやら瞼に張り付いた皮が、私の瞼を無理矢理こじ開けたようだった。

 眩しさに思わず目を閉じようとしたけれど、もう瞼も私の自由にはならなかった。

 生い茂った木の葉が見える。隙間から差し込む光が、暗闇に慣れた私の目を刺激し、これが現実であるという実感を与えて来ていた。

 もう少しで意識を失いそうだったのに、ギリギリのところで引き上げられてしまった私は、まだ苦しまなければならないらしい。

 いっそ呼吸を止めて殺してくれえば楽になれるのに、皮の化け物は触手を体内に伸ばしてきても、気道を塞ぐことはせず、私を活かし続ける。


 その私の全身が、一気に締め付けられた。


 一瞬何が起きたかわからなかった。

 ただ全身が余すことなく締め付けられる感覚は、それまでとは比べ物にならない感覚で、私はなけなしの力を振り絞って呻いた。

「んぅ、んギュ、ウウッウウウゥっ!?」

 断末魔、というのはこういうものなのだろうというくらい、悲痛な声が自分の喉から零れる。

 皮の化け物に覆われた全身が、その皮の化け物によって締め付けられていた。

 いままでは単に覆っていただけだったのが、圧縮でもするかのように強力に張り付いて締め付けて来る。

(い、いったい、なにが、どうなって……?)

「んぎゅ、ぅ、うう……っ」

 あげていた呻き声も出せなくなるほどに体全体が締め付けられた。

 このまま巨人に握りつぶされるように、皮の化け物によって潰されてしまうのだろうか。

 それならそれで、楽になれるのだろうから、早くそうして欲しいとさえ思った。

 けれど現実はそう甘くなく、楽になることはなかった。

 締め付けは相変わらず感じているけれど、不意に体が起き上がった。起こされた、というべきだろうか。

 もちろん私は動かしていない。外から力が加わって、勝手に半身を起こした形になった。

 目は一応見えていたから、私の体の一部が視界の端に見える。

 何も身に着けていない、大きすぎて邪魔な乳房と、投げ出された素足が見える。

(……あれ? なんだか、変、よね……?)

 皮の化け物に覆われているはずなのだけど、まるで普通の体のように見えた。足はむしろ程よく肉がついたかのように見えて、骨が浮かび上がるほど不健康だった痩せた足とは思えない。

 今度は手が勝手に動いて、目の前に翳される。その手も、皮の化け物が覆っているとは思えないような私の手そのもので、まるで動くことを確かめるように、握ったり開いたりを繰り返していた。

(これって、まさか……私になってるの!?)

 そうとしか思えない。鏡がないから確証はなかったけれど、見える範囲で考えると、私を覆った皮の化け物は、私の姿に擬態していた。

 目の前で手を開いたり閉じたりしていたのも、体を動かせることを確認していたようだ。

 その手が開かれたまま、ぴたりと止まる。

(何を……? ……っ、いぎっ!?)

 指が本来曲がるべきではない方向に曲がっていた。

 皮の化け物が、私の指を包んだまま、反対方向に曲げようとしていた。

 私自身の指が悲鳴をあげている。

「ンゥッ、ゥウゥゥッ!」

 体を痺れさせる毒の影響か、体の表面にはあまり痛みを感じていなかったのだけれど、これはさすがに痛い。指先を踏み躙られたことはあったけれど、こんな風に直接敵に折られそうになったことはなかった。

(指が……っ! 折れるぅ……!!)

 見開いた――そもそも瞼が自分の意思では動かせないけれど――目から涙がボロボロと零れる。

 その涙は表面を流れる前に皮の化け物が吸収してしまったので、はた目には目が少し潤んだ程度にしかわからないだろう。泣く自由さえ私からは奪われていた。

 そのまま指をへし折られるかと思ったけど、幸い折れる前に元の方向に曲げてくれたので、折れずに済んだ。

 まだ少しじんじんと鈍い痛みを発していたけれど、すぐその痛みは引いていく。

 ほっと安堵すると、今度は痛みを押し流す勢いで快感が生じ始めた。皮の化け物が指を動かす度に、まるで敏感なところを刺激されているような、そんな強い快感が生じていた。

「ふ、んんぅ……っ」

 思わず喘いでしまったけれど、その喘ぎも小さな動きしか出来なくなっている。

 私の体はすでに私の意志ではほとんど動かせず、皮の化け物の動くままに動かされる傀儡人形のような状態になっていた。

 そして体を動かされる度に、全身から鋭い快感が走り抜ける。

 まるで全身が性感帯になってしまったかのような状態で、私は指先一つ――眼球すら――動かせないまま、迸る快感をとにかく与え続けられていた。

(頭が……おかしく、なる、ぅ……っ!)

 満足に息が出来なくて苦しいはずなのに。

 その苦しいという感覚すら、『気持ちいい』という大波に飲み込まれてしまう。

 いっそ狂ってしまえれば楽なのだろうけど、怒濤の快感はそれすらも許してはくれなかった。

 化け物が立ち上がる。私の体もそれに準じて立ち上がった。

 首が増したを向いて、私の視界一杯に乳房が映る。裸であるはずなのだけど、私自身は風の当たる感覚がほとんどせず、なんだか夢の中で歩いているみたいな、そんな不思議な感覚だった。

(んぅっ……!♡ こ、これ、だめぇっ♡)

 立ち上がると重力の働く向きが変わったからか、秘部が常に突き上げられているような感覚になっていた。

 一度大人の玩具を入れたまま授業を受けさせられたことがあったけれど、椅子に座った際に突き上げられたことを思い出す。

 その時もかなり辛かったけれど、今回の皮の化け物は私の体の奥までしっかり覆っているからか、その時の市販されていた玩具よりも遥かに突き上げられる感触が強かった。

 強い衝撃になるということは、それだけ私が覚える快感も強くなるということで、私はあそこが熱くなるのを感じていた。

 たぶん皮の化け物に覆われていなければ、濡れてしまっていたはずだけど、皮の化け物が全部吸い取ってしまっているからか、そこが濡れているという感覚はなかった。

 それでも絶頂はしてしまうようで、頭の中で快感が何度も弾けて、意識が真っ白になりかける。なりかけては、また新しい絶頂を迎えて、私は気を失うことも出来なかった。

(うぅ……つぎは、なにを……?)

 目はまだ見えている。皮の化け物は私から剥ぎ取った服を探しているようだった。

 私にはそういう感覚がなかったけれど、見た目裸であることは間違いない。

 服まで着られたら、その私が私でない証明なんて、誰にも出来ないだろう。

(……私……どうなっちゃうのかな……)

 触手は明らかに意思を持って私を乗っ取っている。活かさず殺さずにしようという意識も感じるので、このまま快感を与えられるまま、活かされ続けるのだろうか。

 そこまで考えて、むしろいままでよりいいことなのかもしれないと思った。

(だって、どうせ私が私であっても……同じだし……)

 むしろ苦痛ではなく快楽を与えてくれる時点で、皮の化け物に覆われていた方がいいまである。

 体の自由も失ってようやく、私は幸せになれるのかもしれない。

 自分の存在の無意味さに、私は思わず心の中で笑ってしまった。

(いいよもう……好きにして……全部ぐちゃぐちゃにして……)

 そう思っていたのだけど、ふと皮の化け物が動きを止める。

 顔を倉庫の表側へと向けていた。

 耳まで覆われた私には聞こえなかったけれど、そっちの方向から人が歩いてくる音がしていた。倉庫の裏側、つまり私がいた場所へと、一人の中年男性が顔を覗かせた。

 その人は、この学校の用務員だった。

 相変わらず、脂ぎった顔をして、非常に不潔な風体をしている。

 外見で人を判断するのは間違っていると思うのだけれど、その人に関しては自分の努力で整えられる範囲も整えずにいるという意味で、あまり同情できる人ではなかった。

 そもそも、その人は虐められている私を見て、ほとんど人の来ないこの場所を教えてくれたまではいい人だったけれど、この誰も来ない場所で私に性的な奉仕を強要してくる程度には、最低な人物だった。

 その人は私の顔と体にしか興味がなく、虐められている事実もどうでもいいと思っているような人だった。虐められる方が悪い、とさえ言われた。

 だから、その人はいつも通り、下品な笑顔を浮かべて、こう呼びかけてきたのだった。

「ほう。俺が来る前から裸になってるとは、だいぶ自分の立場を理解出来てきたみたいじゃねえか」

 ニヤニヤと下劣な笑みを浮かべて歩み寄ってくる用務員。


 そんな人が、私が皮の化け物に覆われているということに気付くはずもなかった。



つづく


Comments

コメントありがとうございます!^w^ 言われてみれば、そういう人為的な行為の結果な可能性もありますね……! 個人的な体質のつもりでしたけど、義父がそういう悪意を持って発育を促していた可能性は大いにありえると思います。とんでもない義父だ……ーw-;←おまいう

夜空さくら

彼女現在の体型は継父によりその体をコントロールの結果である可能性がありますか?たとえば、ホルモンを食品に投入など

c933103

頼れるはずの人が悉く敵に回るとか本当に地獄だと思います……ーw-; ある意味それがあったからこそ、耐えられたと思えば、禍を転じて福と為す……となるかはこれからの研究員次第ですがーw-; 果たしてどんな結末を迎えるか、楽しみにお待ちくださいませ!0w0クワッ!

夜空さくら

想像の斜め下をのたうち回ってるよこの子(;゚Д゚) 頼れる人が一人もいないとか、何その地獄。 むしろそんな境遇でよくぞ生きてきたと感心すらしてしまう。 乗っ取った悪の博士も、少女の境遇を知ったらちょっと同情しそう。 苦しんではいるけど想像以上に耐えられたのはそういった地獄を見てきたからなんでしょうね。 これが普通の子ならとっくに発狂してますわ。 次は悪の博士視点か~、どう物語が動いていくのか楽しみです♪

ミズチェチェ


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