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夜空さくら
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軟体怪盗リィンツリーの受難 金属フレーム拘束③

■ 怪盗リィンツリー(本名:鈴木志保)はあくどい商売をして私服を肥やす資産家から、そのお宝や情報を盗みだすことで懲らしめる現代の義賊。持ち前の軟体の身体を活かし、誰にも捕まらずに盗み続けていた彼女だったが、ある時盗みに入った資産家・渡部亜希子に捕まってしまう。観念するリィンツリーだったが、亜希子は彼女にとって予想外の提案をしてくるのだった。

■ 改めて考えると脱出の余地がない脱出ゲームはゲームとして成立していない気もしますが、まあ、うん、逃がしたくないから仕方ないよね!0w0←よくない


■ この作品には拘束・軟体・調教などの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

■ 続きは支援者様向けと、全体向けの交互に書いていく予定です。今回の作品は紛れもなくハッピーエンドになる予定ですので、ご安心いただける構成となっておりますーw-ペコリ

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 天井から吊るされ、空中に浮かぶリィンツリー。

 その姿は部屋のライトに照らされて陰影が強調され、とても神秘的な光景となっていた。

――ギシッ……ミシッ……ギギッ……

 鎖が鳴り、金属の軋む微かな音が静かに響く。

「……っ、ふっ……ん……ぅ……く、ぁ……!」

 静まり返った部屋に、彼女の呻き声が木霊する。

 いかに彼女が希代の怪盗として名を馳せているとはいえ、現状彼女の置かれている状況は、そんな彼女でも相当過酷なものだ。

 体中に取り付けられた金属の枷によって、窮屈な姿勢に固められている。

 その上で、天井から垂れ下がった鎖によって吊るされているのだから、過酷でないわけがない。

 幸いというべきか、金属の枷はそれぞれが連結されており、吊るされた彼女の体重を分散して請け負っている。

 そのため、腕や足だけでただ吊るされるよりは、彼女の体にかかる負荷は、はるかにマシな範疇で済んでいた。

 無論、それは鬱血や窒息などといった致命的な負荷にならないというだけで、窮屈に折り畳まれた姿勢で吊るされること自体、相当な苦痛を伴うことである。

 両腕をまっすぐ伸ばした状態で、背中側に回され、左右の腕が一本の棒になるように拘束が施されている。

 それも、手首と肘は完全に引っ付き、肩もほとんどくっつきそうなまでに寄せられているのだ。

 リィンツリーがそれを特技とするほどに軟体だからこそ耐えられているが、常人なら数秒も耐えられない姿勢であろう。

 さらに両足は逆エビ反りの形で、その二の腕を拘束している枷に連結する形で引っ張り上げられており、それも常人であれば悶え苦しむ体勢だった。

 リィンツリーはギリギリ耐えられてはいたが、かなり苦しい姿勢であることには違いない。

「ふ……っ、んん……っ、あ……うぁ……っ」

 苦しみに悶えるリィンツリーは、全身から滝のような汗を掻いていた。

 室温が特別高いわけではないのだが、慢性的に痛みを感じている彼女は、それを堪えようと必死に呼吸をしている。

 だが、胸部を抑えている金属で出来たブラジャーによって、今の彼女は深呼吸ができない。

 そのため浅く早い呼吸をしなければならず、その結果、心臓の鼓動が著しく速くなっていた。

 循環する血液によって彼女の体は活発に動こうとして、体温の上昇を招いてしまっているのだ。

 ほぼ全身を覆うラバースーツの存在もあり、体温が上がり続けてしまい、滝のような汗を掻くに至っていたのである。

 顎先から滴るほどに汗を掻いている彼女の様子を見ていた渡部亜希子は、そんな彼女の汗すらも美しいと言わんばかりの笑顔を浮かべていた。

 空中に吊り下げられ、呻きながらゆっくりと揺れるリィンツリーを、執事に用意させた紅茶を飲みながら眺める。

 至福の時と言わんばかりに、渡部は心からの笑みを浮かべていた。

「ふふっ……良い。実に良い」

 彼女は決してリィンツリーを苦しめるためにやっているのではない。

 愛しているから、飾って愛でたいと考えているのだ。

 普通の人間には――怪盗とはいえ、リィンツリーにも――全く理解できない感覚であったが。

 空中に吊るされたまま、小さく呻いているリィンツリーに、慈愛に満ちた視線を向けていた渡部亜希子は、ティーカップを机の上に戻し、立ち上がった。

 そして再びリィンツリーの傍にいくと、顎から垂れ落ちようとしていた彼女の涎を、指の腹で軽く拭う。

「ふふ……苦しいか? 降ろして欲しいのなら、いつでも降参していいぞ?」

 そう渡部は呼びかけたが、それでリィンツリーが頷くわけがないとほぼ確信していた。

 案の定、目にうっすら涙を浮かべつつも、リィンツリーは顔をぷいと横向け、ギブアップなどしない、と態度で示す。

 そんな彼女の反抗的な姿にも、渡部は上機嫌だった。

「うむ。それでこそ怪盗リィンツリーだ。気高き精神、実に素晴らしい」

 手放しで彼女を褒める渡部。

 簡単に折れないからこそ、手に入れがいがあるというものだった。

 渡部はリィンツリーの額に汗で張り付いた前髪を、指先で払ってあげた。

 はっきりと見えるようになった苦悶に歪む顔を堪能しつつ、渡部は至近距離からリィンツリーの肢体を舐めるように眺める。

 彼女の体を覆う黒いラバースーツは、通常のラバースーツと違い、光沢があまり感じられない。闇夜に紛れるためのものだ。

 ただ、それでもこれだけ明るい部屋の中でライトに照らされれば、ラバースーツ特有のテカリが十分感じられる。

 彼女の体のラインにぴったりと張り付いているそれは、リィンツリーの女性らしいボディラインを浮き彫りにしている。

 そこをさらに金属の拘束具が彩りを添え、体を強調するように締め付けているせいもあって、かなり蠱惑的な姿であると言えた。

 張り詰めたように膨らんでいる胸部が、リィンツリーの僅かな動きに反応してぷるんと、柔らかそうな動きで揺れる。それは見ている者が思わず触れたくなるような動きであった。

 視線を吸い寄せられた渡辺は、抗いがたい魅力を感じてその乳房に手を伸ばしかける。

 だが、すぐに手を止め、頭を振って気持ちを落ち着けた。

「ふぅ……危ない危ない。君があまりに魅力的で、つい触りそうになってしまった」

 渡部自身は、リィンツリーとてこのからは脱出不可能だと思っているが、一応まだ勝負の途中である。

 あるいはリィンツリーが拘束を抜け出すことが出来るかもしれず、その途中で彼女の体に触れて体力を消耗させるのは取り決めを違反することになってしまう。

 渡部は本気を出して長期的に調教すれば、確実にリィンツリーを堕とす自信はあったが、それで手に入るのはリィンツリーという名前の女の体だけだ。

 『怪盗リィンツリー』という存在そのものを手に入れるためには、手順が重要だった。

 ゆえに渡部は触れたくなる気持ちをぐっと堪え、リィンツリーから少し離れる。

「ここにいると触れたくなってしまうし、数時間席を外すとしよう。君も脱出に集中したいだろう?」

 その問いにリィンツリーは答えなかった。答える余裕もなかったというべきか。

 渡辺はそんな彼女の汗をもう一度優しく拭う。

「音声は聞いているから、ギブアップはいつでも受け付けるぞ」

 そう言い残した渡辺は、執事と共に部屋を後にした。

 部屋の中には空中に吊るされて微かに揺れる、怪盗リィンツリーだけが残されるのだった。





 気が狂っているとしか思えない趣味嗜好の渡部亜希子でしたが、勝負を成り立たせるつもりは一応でもあるらしく、私にはそれ以上何もしないまま、部屋を去って行きました。

 そのことで少し安堵した私は、ふぅ、と一つ息を吐き――力が抜けたせいか、一際強く金属の枷が私の体に食い込んできました。

――ギシッ! ミシッ、ギシィ……!

「ぎっ、ン、ギィ……! はァッ……はぁっ……!」

 慌てて体に力を込め、なんとか少し楽な状態を維持することができました

 それでもそもそもこの体勢自体が辛いので、あまり楽にはなりません。

 全身から吹き出した汗で、ラバースーツ内はじっとりと蒸れてしまっていて、かなり気持ちの悪い感覚でした。

(っ……これでも……一応、普通のラバースーツよりはマシなはず、なんですけどね……っ)

 特殊な素材と構造で出来ているこのラバースーツは、怪盗として動き回ることを考慮して作られた特注の物です。

 通気性が良く、汗が内部に溜まらないように出来ているのです。

 ですが、今は金属の枷が要所要所を締め付けているせいで、その特殊な構造による通気性がうまく発揮されない状態になっていました。

 体がほとんど動かせないから耐えられていますが、もし体が自由に動かせていたとしたら、ラバースーツの内部に溜まった汗のせいで動くたびに強く気持ち悪い感覚が生じていたはずです。

 それを味わう羽目にならなくてよかった、と言っていいのでしょうか。

(んぅ……! それに、しても……! こんなの、どうにかなるレベルじゃないですよ……!)

 少し体を動かそうとするだけで、窮屈に押し込められた関節が悲鳴を上げます。

 私だからこの程度で済んでいるだけで、もしも普通の人がこんな状態にされたら、脱出がどうこう以前に激痛のあまり泣き叫ぶばかりで何も考える余裕もなくなっていることでしょう。

 その厳しい拘束の具合を感じれば感じるほど、脱出ゲームを成り立たせる気が本当にあるのか怪しく思えてきます。

(とはいえ……その点に関しては彼女を信じるしかありません……っ)

 このまま成されるがままにされるというのも業腹な話です。

 少しでも脱出できないかどうか、私は自分の体と拘束具の具合を改めて感じ取っていくのでした。

(……まず腕は……これは完全に無理ですね)

 後ろ手に拘束されただけなら、いくらでも脱出する方法はありましたが、手首から先を厳重に拘束している物が絶対に外せないようになっています。

 そもそもテープで固定した上に指枷までつけるというのが、あまりにも徹底していました。

 せめて指と指の間を開いたり閉じたりできれば、それによって何かを挟むこともできますが、ここまで完璧に封じられていると、手は全く役に立ちません。

 縄なら爪先を擦り付けることで切断することも叶うかもしれませんが、金属には全くの無意味です。

(体は……こっちもほぼ動かせませんね……)

 胸部や腹部、股間を覆っている枷は私の体にしっかりフィットし、胸を逸らしてお腹を突き出すような体勢のまま、体を捻ることも許してくれませんでした。

 絶妙に体に食い込んでくる金属が体を軋ませ、乳房が絞り出されて震えている羞恥も相成って、かなり苦しい姿勢です。

 いつサイズを計ったのかはわかりませんが、私の体に隙間なくピッタリ張り付いて食い込んで来ていて、緩みも歪みもありません。

 少し大きく深く呼吸をすると、膨らんだ胸が金属の拘束に食い込み、痛みを発します。

(可能性があるとすれば……やはり足、でしょうか)

 足は逆エビ反りの形に持ち上げられ、二の腕に食い込んでいる枷に連結されて固定されていますが、そこくらいしか拘束されていません。

 足の指先は比較的自由なので、もし脱出の糸口を掴めるとしたら、そこしかありません。

 私は試しに足首を動かして、二の腕に食い込んでいる枷か、そこから繋がっている胸に食い込んでいるブラジャーのようなものが外せないかと試してみます。

 しかし、そもそも鍵穴もない枷は、恐らく電子制御で固定されているので、仮に手の指で弄ったとしても、到底動かせそうにない状態でした。もちろん、足の指で弄った程度で外れるような作りはしていません。

 私を吊るしている鎖ならどうにかして外せるかもしれませんが、空中に吊るされている以上、外れたら落ちてしまいます。

 そこまで高い位置に吊り下げられているわけではありませんが、受け身も取れない状態で落下すれば最悪命に関わります。

(うぅん……仮に足の拘束が外れても、ギリギリ足がつかないような高さですし……これは、参りましたね……)

 足の先で弄るだけで終わってしまいそうです。

 私は今回脱出するのは諦めることにしました。いずれ縄を使うと言っていたこともありますし、もっと脱出の可能性があるときを待った方が得策でしょう。

(ギブアップは……したくないですね……)

 体力の消耗を避けるという意味では、さっさとギブアップをしてこの状態から解放してもらうべきなのでしょうけど、なんとなく私はギブアップしてもこの状態からは抜け出せないと確信していました。

 渡部亜希子はある程度勝負を成り立たせる気はあるようですが、今回脱出の余地が全くない拘束を仕掛けてくるなど、私を手に入れるためには手段を択ばない様子も見せています。

 仮にギブアップしたとしたら、それを揶揄して私を追い詰めてくるのは容易に想像がつきましたし、心まで彼女に屈するわけにはいきません。

(ここはなるべく体力を温存して……耐えて……耐えて……っ)

 みしみし、と自分の体から不穏な音が響き、思わず呻いてしまいました。

 私は怪盗として特殊な訓練を積んできているので、長時間動かないで止まり続けたり、不自然な体勢を維持し続けたりすることには慣れています。

 かつては厳重な監視の目を潜り抜けるために、男性が抱えて運べる程度の小さなトランクケースに体を折り畳んで入ったこともあります。

 その時もかなり苦しかったですが、半日以上じっとしてやり過ごし、まんまとお宝を盗み出したものでした。

(だから今回だって……耐えきってみせます……!)

 渡部亜希子の思い通りにはさせない。

 そんな強い決意を私は固めていました。


 けれど私は――この責めの本当の辛さを、まだまだわかっていなかったのです。



つづく

 

Comments

あんまり苦痛ばかりでも可哀想なので、なにかしらお助けアイテムをあげようかなと思いますーwーフフフ……水分補給は必要ですからね!0w0クワッ! その中にちょっと変わった成分が混じってるかもですがw 脱出をされるまでに渡部がリィンツリーの心を掴めるかに全てはかかっています0w0クワッ!

夜空さくら

本当に想像するだけで関節が痛い(´;ω;`) さてこれからどういう風に過酷になっていくのか。 更なる苦痛か?それとも苦痛とは別の辛さか? そしていずれ脱出のチャンスはやってくるのか? 次回も楽しみにしていますね♪

ミズチェチェ


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