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夜空さくら
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軟体怪盗リィンツリーの受難 金属フレーム拘束④

■ 怪盗リィンツリー(本名:鈴木志保)はあくどい商売をして私服を肥やす資産家から、そのお宝や情報を盗みだすことで懲らしめる現代の義賊。持ち前の軟体の身体を活かし、誰にも捕まらずに盗み続けていた彼女だったが、ある時盗みに入った資産家・渡部亜希子に捕まってしまう。観念するリィンツリーだったが、亜希子は彼女にとって予想外の提案をしてくるのだった。

■ ちなみにリィンツリー自身が自分の怪盗の姿を猫モチーフにしたのは、某有名な三人組怪盗姉妹をリスペクトしたためですーw-ウム


■ この作品には拘束・軟体・調教などの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

■ 続きは支援者様向けと、全体向けの交互に書いていく予定です。今回の作品は紛れもなくハッピーエンドになる予定ですので、ご安心いただける構成となっておりますーw-ペコリ

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 渡部亜希子がふと壁にかけられた時計を見上げる。

「そろそろ頃合いか」

 そう執事に声をかけた彼女は、るんるんとまるで童のように上機嫌な様子で地下室へと向かった。

 わずか数時間の間に数多の資産を運用し、『リィンツリーに盗みに入られた資産家』という悪評をものともせずに利益をあげてみせたその悪魔的手腕からは想像も出来ない様子だ。

 そんな彼女の興味は、現在一人の存在だけに向かっている。片手間で並外れたことをやってのける彼女は、どこまでいっても天才であった。

 リィンツリーを捕らえた地下室の扉の前で、一瞬だけ立ち止まる。

「さて……脱出など決してできないはずだが……怪盗ならあるいは……?」

 もし脱出されていてもそれはそれで楽しいと言わんばかりの渡部に、彼女の気質をよく理解する執事はやれやれと溜息を吐いた。

 渡部が逸る気持ちを抑えながらその扉を開く。

 そしてその先には――


 渡部が退出したときと変わらぬところに、怪盗リィンツリーが吊り下げられていた。


 現代の怪盗である彼女であれば、自分の想像しない方法で脱出しえているかもしれない、という期待は裏切られた。

 そういう意味での失望感がないわけではなかったが、元々ゲームが成立しないレベルの厳重な拘束を施した自覚は渡部にもあった。

 むしろリィンツリーが魔法や異界の法則を使って――要するに言ってしまえば反則・ズルをして――活動をしていたわけではなく、あくまでこの世界のルールに従った上で、情報や技術などを駆使して怪盗行為を成し得ていたということがわかり、そういう意味での好感度はむしろあがる。

 そしてそれに加えて、現在のリィンツリーの姿は、十分渡部の心を掴むものだった。

 リィンツリーの姿を見た渡部は、思わず目を見開き、感動の声を上げる。

「おお……美しい……っ」

 吊るされたリィンツリーは、脱出のために出来る限り足掻いたようだった。

 大量に掻いた汗が全身から滴っており、特有の匂いを部屋中に漂わせている。

 火照って赤く染まった顔といい、脱力して気怠げに俯いている様子といい、渡部を興奮させる要素が備わっていた。

「ふ……、ぅ……っ、く、ぅ……っ」

 ギシギシと音を立てて体に金属の枷が食い込み、リィンツリーが苦し気に呻く。

 その呻き声にはもはや気力がなく、彼女の素のままの様子が露わになっていた。

 そんな彼女は、渡部が部屋に戻ってきたことに気付くと、微かに顔をあげ、その左右の色が違う瞳を向ける。

 身体的にはすっかり弱ってしまっているはずの彼女だったが、その瞳に宿る光はまだ死んではいなかった。

 渡部はその見事な輝きを宿す瞳を見て、思わず感極まった様子で息を吐く。

「ああ……やはり君は私の理想通りの存在だな……ふふ、ふふふふ……」

 理想の存在が目の前で、渡部の手によって捕らえられた状態でそこにいる。

 渡部はあまりの幸福な現状に、感極まっていた。

「……さて、まだ時間は半分ほど残っているが……どうだ? ギブアップするか?」

 リィンツリーに近づいた渡部は、至近距離から彼女の顔を覗き込むように顔を寄せた。

 すっかり脱力し、金属の枷が食い込むままになっているリィンツリーだったが、渡部のその問いに対しては明確に拒否を示し、そっぽを向く。

 その際、体が動いてしまい、ギシギシミシミシと音を立てた。

「んきゅ、っ、う……っ!」

 力なく呻くリィンツリー。体に力を込めれば楽にはなるが、すでに力を使い果たしている彼女は、楽になることもできなかった。

 ただミシミシと体が軋む音と共に、小さく呻いて苦しむだけだ。

 渡部はそんな彼女の様子を見ながら、その頑なな精神を褒め称える。

「そうこなくては! さすがは怪盗リィンツリーだ。うんうん。そう簡単にギブアップされては私としても楽しみがいがないしな……」

 まだまだリィンツリーが抵抗する姿を眺めていたいというのが、渡部の望みだった。そしてそれはリィンツリーがギブアップしなかったことで、叶えられる。

 とはいえ、である。

「このまま終わりまで放置というのも芸がな……いや、そもそも脱水症状で死んでしまうだろう。少し休憩を挟もうじゃないか」

 そういって渡部は執事に台を持ってこさせた。ちょうどリィンツリーの腰の高さになる台で、それによってリィンツリーは吊るされている以外の箇所で体重を支えることが出来る。

 ただ、両足を後ろに持ちあげられている関係上、その台につく場所は太腿の前面と、金属の貞操帯のようなものが覆う股間だった。

――ぐちゅり。

 リィンツリーと台が接した瞬間、そんな音がリィンツリーの体から聞こえてきた。

 ラバースーツ内に溜まった汗が音を立てたのである。その音を至近距離でハッキリと聞いていた彼女は、嬉々としてそのことを刺激する。

「ふふふ、ずいぶんとラバースーツの中は蒸れて……いや、濡れているようだな」

 その言い方は『リィンツリーの性器が濡れている』とも聞こえる。わかっていて渡部はからかっているのだ。

 無論実際には金属の貞操帯のようなものが覆っているのだから、ぐちゅりという音を立てたのは太腿あたりのラバースーツであり、リィンツリーの性器が濡れていることがわかるわけではない。そもそも貞操帯で覆われているからこそ、汗は他のラバースーツだけの部分よりよほど掻くため、濡れていないわけがないとも言える。

 しかしあえてそう指摘することによって、リィンツリーの羞恥心を掻き立て、その場所を意識させることに成功した。

「……っ、ん、ぁっ!」

 咄嗟に腰を動かしかけたリィンツリーは、現在台の上に乗せられているということを忘れていた。

 その結果、腰を動かそうとしてしまったことにより、むしろかえって台に腰を擦り付けるような動きをしてしまった。

「んぅぅっ……!」

 金属の貞操帯越しに刺激が走り、敏感になっていたリィンツリーは声を出してしまう。

「おやおや。そんなに刺激が欲しいのか?」

 からかう渡部に対し、顔を真っ赤にしたリィンツリーは慌てて声をあげる。

「……ちがっ、違いますっ。あ、汗が、溜まってっ、気持ち悪いだけです!」

 ガラガラの声でそう叫ぶ彼女。

 実際彼女のラバースーツの内側は流した汗でぐちょぐちょに濡れており、相当気持ち悪い状態である。

 リィンツリーの言葉を聞いた渡部は、それを待っていたとばかりにニヤリと笑う。

「汗に塗れた状態のまま放置し続けると、皮膚がふやけて悲惨なことになりかねないしな……あとでそのラバースーツは脱がしてあげよう」

「……っ」

 リィンツリーはそれも拒否しかけて、言葉を飲み込んだ。

 いくらリィンツリーの着ているラバースーツが特注のものであるとはいえ、一生脱がずに過ごすことが出来るような代物ではない。

 渡部の言う通り、いつか脱がされることは覚悟していたのだ。

 だがそれについてあまり抵抗する気持ちを見せると、かえって渡部を喜ばせてしまうのではないかとリィンツリーは考え、あえて言及しないでおいた。

「ふふっ、安心しろ。そのスーツはいわば仕事着だろう? 破いたり傷つけたりすることはしない。丁重にメンテナンスもして保存しておいてやるぞ」

 渡部はそういいつつ、真っ白いバスタオルのようなものを取り出すと、リィンツリーの頭にそれを被せ、大量の汗でシャワーを浴びたような状態になっている彼女の髪を拭き始めた。

 頭の上に乗っていたリィンツリーの衣装の一つである猫耳は丁重に取り外して、机の上に置く。

「ああ、ちなみに君が元々つけていたものはすでに預かっている。あれを付けたままだと、簡単に脱出されてしまうからな」

「……道理で、目が覚めてすぐに脱出しようとしても、出来なかったわけです」

 リィンツリーの猫耳や尻尾飾りは、酔狂で着けているわけではない。特徴的な姿の印象を強めることで逃走しやすくする意図がないわけではないが、実のところ猫耳と尻尾飾りには様々な怪盗行為を遂行する上での機能が備わっていた。

 しかし現在彼女に装着されているものは、本物と限りなく似ていたが、そういった機能を持たない、本当にただの飾りになっていた。

「そんなそっくりなものがなんで……いえ、愚問でしたね」

 リィンツリーを捕まえようと画策していた渡部が、似たようなものを用意していても、なんら不思議はないのだから。

「ふふふ。面倒な説明をしなくて済むのはありがたい。さて、こんなものかな。仕上げに、っと」

 丁寧に拭いていた手つきを一変させ、渡部はリィンツリーの頭をタオルで包むようにしてガシガシと拭き始めた。

「んびゃっ!?」

 思わず声をあげて驚くリィンツリーに構わず、渡部は本当の猫にやるようにタオルを動かし――しっかり水気が拭き取れたのを確認して、タオルを離す。

 髪がぼさぼさになったリィンツリーが、ポカンとした顔をしていた。

 それはまさにお風呂に入れられた風呂嫌いのペットが放心しているような表情で、渡部は思わずにやけてしまうのを止められなかった。

「くふっ、くふふ……! 愛い。とても愛いぞ、リィンツリーくん……!」

 掌でリィンツリーの頭を優しく撫でる渡部。

 リィンツリーはしばらくポカンとしていたが、非常に不満そうな顔になってそっぽを向いた。

「あんまり撫でないでください。気持ち悪いです」

 リィンツリーのつれないツンとした態度も、渡部は全く気にしなかった。

 むしろ猫っぽくてとてもいい、とばかりにニコニコ笑顔を浮かべている。

 櫛を使ってぼさぼさになったリィンツリーの髪を丁寧に整え、新しい猫耳を頭の上に乗せる。

「ふむ。それにしても若いというのは羨ましいな。化粧も何もせずこの顔立ちとは……いや、若いだけではないか。君が魅力的だからだな」

 まじまじと至近距離から見つめられ、リィンツリーは嫌そうに顔を顰めた。

「……年齢詐称疑惑のある人に言われたくないですけど」

「何をいう。私の完全に装いと気合の結晶だ。すっぴんになったら見分けがつかないかもしれないぞ」

 そういう渡部であったが、実際のところ彼女もほとんど化粧っ気はなく、すっぴんでもほとんど外見が変わらない。

 年齢を考えれば、年若いリィンツリーよりもよほど浮世離れしているのであった。

 とはいえ、執事に言わせればジャンルこそ違え、ふたりとも十分並外れた容姿の持ち主なのだが。

 渡部が道具を用意していた棚から一本のドリンクを取り出す。

「さあ、あとは水分補給だな。零さないようにしっかり飲むんだぞ」

 喉の渇きは耐えがたいものがあったのか、ドリンクの飲み口を口元に宛がわれたリィンツリーは、大人しくそのドリンクを口にする。

 ごくごく、とリィンツリーの喉が必死になってドリンクを嚥下していた。

「……っ、しょっぱ……い……」

 ドリンクを飲み干したリィンツリーが最初に呟いたのは、そんな言葉だった。顔を顰めて、いかにも不味そうな表情を浮かべている。

「しょっぱいのは苦手だったか? 次からは甘く感じるようにフレーバーを調整するか……」

 空になったドリンクを片手に、渡部はぶつぶつと呟く。

 そんな彼女に、リィンツリーは非常に胡乱げな目を向けていた。

「そんなの、どうでもいいですから。用事が済んだのなら、出てい、っ……?」

 突如、リィンツリーが戸惑ったように声を詰まらせる。

 胸を締め付けている枷のことがあり、浅い呼吸を心掛けていたはずのリィンツリーの呼吸が荒くなっていた。

「うん。やはり適度に乾いた状態からだと、吸収も早いな」

「なに、を……っ、むがっ!?」

 問いかけたリィンツリーの口に、真っ赤なボールが――ボールギャグというものが押し込まれた。

 渡部は素早くそのボールギャグのベルトをリィンツリーの後頭部で締めると、そのまま固定してしまう。

「んぐっ、んぅっ……!」

 口が開きっぱなしになってしまい、リィンツリーが声にならない声で呻く。

「ギブアップはしないだろうから、口も塞がせてもらうぞ。この方が君も存分に悶えられていいだろう」

「んぅ……っ! んっ、なあっ……!」

 抗議しようとしたのか、何か言おうとしたリィンツリーだったが、口元から涎が落ちそうになり、慌てて上を向いた。無論そんなことをしても開きっぱなしになった口はそのままなのだから、いずれ限界はくるのだが、それでも簡単にダラダラと涎を垂らすのは、リィンツリーのプライドが許さない。

 そんなリィンツリーの抵抗を堪能しつつ、渡部は再びリィンツリーの体を吊り下げ、台を撤去してしまう。

 そして、より過酷な事実を告げる。

「苦しいだけでは楽しくなかろうと思ってな……先ほどのドリンクの中には、快感を倍増させる薬を混ぜておいた」

「んごぅっ!?」

「ああ、別に常習性のあるような薬ではないから安心しろ。ただ、体の疼きはこれまで以上に高まるだろうから、楽しむといい」

 その渡部の言葉に嘘はなく、リィンツリーは自分の体の内側から、どうしようもなく官能のもどかしい熱が湧き上がるのを感じていた。


つづく

Comments

渡部の理想は単純に「リィンツリーと仲睦まじい関係になること」ではあるのですが、普通にやっても怪盗である彼女には逃げられてしまうので、やむをえず拘束してるところはありますーw-; おっしゃる通り迂遠ではありますが、愚直な求愛行動ではあるのです。まあこの方法でリィンツリーにそれが伝わるかどうかは……今後の展開をお楽しみに……ということで(笑)

夜空さくら

人の愛はそれぞれと言いますが、渡部さんは本当に変わってると思う。 愛するがゆえに怪盗リィンツリーとしての矜持や流儀を尊重しつつ、その上で自分のモノにするために何重もの罠をめぐらせて雁字搦めにして愛でる。 大分遠回りなはずのにすんごい愚直な求愛とでも言えばいいのか… 楽しんでいるのは虐めたいからではなく、好きになった人の怪盗としての美しさやその心の在り方をじっくり観察できるからなんだろうな。 リィンツリーからすれば拷問に近い拘束と羞恥責めをされている所為で渡部さんが腹黒か悪魔にしか見えてないだろうけど( ̄▽ ̄;)

ミズチェチェ


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