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夜空さくら
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軟体怪盗リィンツリーの受難 軟体前屈固定拘束①

■ 現代の義賊・黒猫怪盗リィンツリー(本名:鈴木志保)は、とある資産家・渡部亜希子の罠に嵌って捕らわれの身となってしまう。観念したリィンツリーだったが、渡部の目的は怪盗リィンツリーの全てを手に入れることだった。怪盗としての意地をかけ、彼女と拘束からの脱出ゲームを行うことになる。しかし渡部の狂気すら宿る拘束度合いにリィンツリーは瞬く間に追い詰められてしまうのだった。

■ もはや渡部の目的が拘束からの脱出を防ぐというよりは、いかにしてリィンツリーの心を壊さないかになっていますが気にしたら負けですーw-ウム


■ この作品には拘束・軟体・調教などの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

■ 続きは支援者様向けと、全体向けの交互に書いていく予定です。今回の作品は紛れもなくハッピーエンドになる予定ですので、ご安心いただける構成となっておりますーw-ペコリ

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 黒猫怪盗リィンツリー・本名鈴木志保。

 彼女を捕らえた資産家の渡部亜希子は、怪盗である彼女をその存在ごと自分のものにするべく、次なるゲームの――拘束の準備を進めていた。

 楽し気に道具を磨きながら、傍に控えていた執事に尋ねる。

「彼女の様子はどうだ?」

「脱出する様子どころか、目が覚める様子もありませんね」

「だろうな。昨日は随分無理をさせたからな」

「体力の回復に集中しているようです」

 執事が見ているデバイスの画面には、スリープサックという拘束具に囚われたリィンツリーが、特に暴れることもなく眠っている様子が映し出されていた。

 寝返りこそ打てないものの、横倒しにされ、飛び出している頭は別のクッションで支えられているので、吊るされていた時の状態に比べれば遥かに快適な状態である。

「心拍数、呼吸音、その他計器で計測出来る範囲の数値はすべて正常です」

 スリープサックは膨らむことでリィンツリーの体を拘束していると同時に、各所に仕込まれた計器によって、リィンツリーの身体情報を収集していた。

 執事からの報告を受けた渡部は、満足そうに頷く。

「彼女には健康でいてもらわなければならないからな……うむ。いい具合になってきた」

 ピカピカに磨き上げた道具を掲げ、渡部はニコニコと笑顔を浮かべる。

 そんなご機嫌な渡部に対し、執事が尋ねる。

「差し出がましいようですが、渡部様。彼女を篭絡するのに幾日かけるおつもりですか?」

「なんだ、私が彼女に時間を割いていることが不満か?」

 そう渡部は聞き返したが、執事はそれに応えなかった。

 実際のところ、渡部という存在は彼女一人で世界に通用するレベルの資産を築きあげた、はっきりいって度の超えた天才である。

 そんな彼女が『怪盗を自分のものにする』という、いわば趣味でしかないことに傾倒しているという事実は、執事にとって決して好ましい状況とはいえない。

 彼女が日々を快適に過ごし、その大いなる才覚を存分に発揮させるのが彼の仕事だからだ。

 リィンツリーを手に入れる、ということもある意味必要な気分転換ではあるかもしれないが、あくまで趣味の範疇である。仕事に集中してもらいたい、というのが彼女の執事としての本音であった。

 とはいえ、雇われの身でしかない執事が出来るのは、彼女の意思を曲げることではなく、『趣味にどれほどの日程を割くつもりなのか』という確認を取ることだけだった。

 それ次第で、執事に出来ることも色々と変わってくる。

 執事のそんな思いを知ってか知らずか、渡部は尋ねられたことに応えた。

「そうだな……私としては、何か月でもかけて彼女をじっくり自分のものにしたいところではあるが……恐らく長くて一週間。早ければ数日以内には、彼女は私なしではいられなくなるだろうな」

「随分と、自信がおありですね」

 執事は嫌味ではなく、純粋に驚いた様子でそう言った。

 その反応に対し、渡部は愉快そうに笑う。

「私の想定より、彼女は『こういう行為』に馴染みがないようだからな。正直、怪盗として見られる彼女は美しくとも、その内実はもっとドロドロしているだろうと想像していたのだが」

 実際に触れて、見て、話して、感じた結果。

「リィンツリーは私の想像より、遥かに純真で穢れのない少女だ」

 そう渡部は結論付けていた。

「まあ『性的なことに慣れている』ことを穢れているというのは、少々異論もあるところだとは思うが……いずれにせよ、そういったことに慣れていないのであれば、恐らく堕ちる時は一瞬だ」

「それは、宜しゅうございましたね」

 執事はそう言ったが、渡部は肩を竦めた。

「いや、それがそうでもない。私は肉欲に溺れた唯の少女が欲しいわけではないからな。もちろんそうなったらそうなったで、ちゃんと責任を取るつもりではいるが」

 彼女が危惧しているのは、リィンツリーを堕とせるか堕とせないかということではなく。


「危惧すべきは、堕とす過程で『怪盗リィンツリー』としての存在を壊しはしないか――ということだ」





 リィンツリーが目覚めた時、彼女はストレッチャーのような、簡易ベッドのような上に寝かされていた。

 一瞬状況が掴めなかった彼女だが、徐々に意識が鮮明になると同時に、体を起こそうと動きかけ――体が動かないことに気付いた。

(……!? これ、は……)

 首だけは自由に動かせたので、自分の体に目を向ける。

 そこには自分の体の形に盛り上がった黒い物体があった。

(ぐ……っ! なん、ですか、これ……? ラバー……ではあるようですが……)

 そのラバーで出来たものは彼女の体にぴたりと張り付き、彼女が体を動かせないように抑え込んで来ていた。

 リィンツリーが体を動かそうとすると、ギシギシ、と小さな軋む音が発生する。

 そのささやかな音を聞きつけて、同じ部屋にいたらしい渡部亜希子がリィンツリーの視界に入り込む。

「おはよう、リィンツリー……いや、志保くん。昨夜はよく眠れたようで何よりだ」

 自分を捕らえ、金属フレームで拘束して散々な目に合わせた渡部に対し、リィンツリーがいい印象を持っているわけがない。

 リィンツリーは非常に嫌な顔をして、彼女を睨んだ。

「……おかげさまで」

 しかしいまの彼女に言えるのは、そんな皮肉くらいだ。

 もちろん渡部にそんな皮肉が通じるわけもなく、ご機嫌な彼女は特に気にした様子もなく、彼女の体に手を触れる。

「ん……っ、ふっ……くっ……!」

 お腹を撫でられ、くすぐったがるリィンツリー。体を捩ろうとして、ギシギシと軋む音が立った。

 彼女の体を覆うラバー素材の膜が、いい具合に触れられた時の感触を倍増させている。

「これはバキュームベッド、というものだ。これに入れる前に、君の体はきっちり外も中も洗浄させてもらった」

 さらりと言われた言葉に、リィンツリーは思わず赤面した。

 確かに彼女は妙にすっきりとした感触を覚えてはいたのだ。

 ただそれは体の外側を、寝ている間に洗われた程度のことだと思っていた。

 それがまさか、内部まで洗浄されていたとは思ってもいなかった。

 それは汚物まで含めた体の隅々まで見られた、ということでもあり、うら若き乙女であるリィンツリーは、死にたくなるほどの羞恥を覚える。

 そんな彼女の気持ちを汲んでか、渡部はフォローするように言った。

「ああ、そういった洗浄は専門のスタッフ……介護職で、そういうことを事務的に処理することに慣れた者たちに任せている。記録には残していないし、もちろん私も見ていないから安心するといい」

 その言葉が真実である保証はどこにもなかったが、リィンツリーは少しホッとする。

 なんとなくの勘ではあったが、渡部がここで嘘を言うような人間ではないと彼女にも理解できたからだ。

 彼女が怪盗としての矜持を持ち合わせている人間であるように、渡部亜希子も普通の人間とは違う、奇妙な拘りを持ち合わせている人間であった。

 そのことをリィンツリーは感覚的に理解していた。

「……それで、今日もまたあなたの異常性癖に付き合わされるわけですか?」

「酷い言われようだな。まあ否定はしないが……」

 特に気分を害した様子もなく、渡部は続ける。

「志保くん。君はかなりの軟体体質のようだな」

 そう言われたリィンツリーは、一瞬ぴくりと眉を動かしたが、すぐに観念したように溜息を吐いた。

「……昨日の時点で、気付いていたでしょう。あんな拘束、普通の人がされたら関節が外れてましたよ」

 軟体体質は彼女の切り札と言える事実であったが、金属フレームに拘束された姿勢は普通の人間であればとても耐えられないものだった。

 それを耐えたのだから、いまさら軟体ではないといっても無意味だと判断したのだ。

 その潔い反応を受け、渡部はさらにご機嫌になる。

「うむ。今回もそんな君にぴったりの拘束具を用意させてもらった」

 そういって執事に持ってこさせたものは、L字型の器具であった。

 平たい板がL字型に組まれており、その板の両方に二つずつ穴が空いている。

 その穴は半分に分かれるような仕組みになっており、俗な言い方をするなら反省板のような構造になっていた。あるいは、晒し目的で手と首を一枚の板で繋げる拘束具のように、というべきか。

 しかし、いずれにしてもその穴同士の位置には奇妙な距離があり、手や足を通そうにもどちらか片方しか通せなさそうな構造になっていた。

「これだけ見せてもどう拘束されるかはわからないだろうから、さっそく実践していこう。と、その前に……」

 渡部はそう言いつつ、リィンツリーにラバーで出来た全頭マスクを被せた。

「逃げられては困るからな。一時的にこれを被ってもらおう」

 その全頭マスクは、首に当たる部分が金属の枷で閉じられるようになっていた。

 枷は隙間なくリィンツリーの首を覆い、全頭マスクが彼女の頭部をぴっちりと覆う。

「んっ……ふっ……んぅうっ」

 全頭マスクにはまともな穴が空いていなかった。

 結果、リィンツリーが呼吸をしようとするとマスクが彼女の顔に張り付き、顔の形を浮かび上がられる。

 慌てて彼女が息を吐くと、全頭マスクが少し膨らんで丸いフォルムになる。

 少し余裕がある分、すぐに窒息するようなことはなかったが、リィンツリーにまともな呼吸は出来なくなっていた。

(んぐぅ……っ! く、苦しい……! で、ですが……なんとか……落ち着いてさえいれば……!)

「フーッ……ンッ、ンンゥッ!」

 息を吐いて、もう一度吸おうとしたところ、予想以上に早くマスクが鼻の穴を塞いできた。

 鼻で呼吸が出来なくなったリィンツリーは、咄嗟に口を大きく開け、そこから空気を取り入れようとしたが、口にもそのマスクは張り付いてきて、まともに呼吸をさせてもらえない。

 大きく開いた口の形にマスクが凹み、強く引っ張られたことで、その他の部分に張り付く力が強くなった。

 結果、彼女の苦しんでいる表情すら、全頭マスク越しに浮かび上がってしまう。

 慎重に息をすればなんとか耐えられるかもしれないが、そう長い時間持つような状態ではなかった。

 口をパクパクと開き、藻掻く彼女の姿を見て、渡部は非常に恍惚とした笑顔を浮かべる。

「うむうむ。その枷は私の指紋認証でしか外せないから、逃げないように。仮にこの部屋から逃げ出せたとしても、早晩窒息して死んでしまうからな」

 苦し気に呻くリィンツリーの様子を堪能しながら、渡部はバキュームベッドのスイッチを切り、リィンツリーの体を解放する。

「早くしないと窒息してしまうな。急いで立つがいい」

 バキュームベッドが解除されたことで、リィンツリーの体は完全に自由になっていたが、全頭マスクのせいで逃げるに逃げられない。

 リィンツリーは観念して、言われるままに立ち上がった。

 バキュームベッドに固定されていた彼女の体は、何も身に着けていなかった。

 頭部だけ全頭マスクに覆われた彼女の姿は、どこか滑稽ですらあったが、裸で立たされた彼女にしてみれば、そんなことは関係ない。

 裸で放り出されたような、心細さと恥ずかしさで、思わず手で体を覆ってしまう。

 渡部はそんなリィンツリーの恥じらいを楽しんでいたが、それはそれとしてその隠している手を下ろさせる。

「体を隠している暇はないぞ。苦しくなるのは君だしな」

 全頭マスクを早く外して欲しいのは事実だったため、リィンツリーは渡部の指示に従うしかない。

「まずは足は肩幅より大きく開け。それから、両手はまっすぐ上に伸ばし……」

 時折手を添えて誘導しつつ、渡部はリィンツリーに望みのポーズを取らさせる。

 彼女がまず指示したポーズは、両足を肩幅以上に開き、両手を揃えて真上に伸ばすというポーズだった。

 『人』という字の形が一番その体勢に近いかもしれない。

 さらにそこから渡部はリィンツリーに命じる。

「よし、そのまま体を前に倒せ。……ああ、そうじゃない。膝は曲げずに、背中を丸めるのではなく、腰を折る感覚で……」

 前屈するときのように、体を半分に折り曲げていくリィンツリー。

 常人の場合、膝をまっすぐ伸ばした状態で腰を曲げる、といった形では手が地面まで届かない場合もよくある。

 しかしリィンツリーの体の柔らかさは伊達ではなく、あっさりと両手が地面につき、膝に胸が押し当てられるほどになった。

 横から見れば、体が半分に折り畳まれているような形だ。

 それだけでも、体の硬い人間にしてみれば十分な柔軟性だったが、本題はそこからだった。

「もっとだ。もっと上半身を押し込んで……」

 渡部はリィンツリーの背中をさらに押し、リィンツリーの上半身は股の間を通って、反対側まで曲がってしまった。

 やらせている渡部が、そのリィンツリーの柔軟性に喝采を上げる。

「おお……さすがは軟体自慢だ。まだいけそうだな」

 そう喜ぶ渡部の手で、さらにリィンツリーは体を前屈させられ――もはや前屈といっていいのかわからなかったが――ほぼ四十五度になるまで、上半身を曲げさせられてしまった。

「フグッ! ンゥッ!」

 ほぼ上半身が水平になって、顔が天井へと向いている。普通に腰を後ろに逸らす形であれば誰でも出来るが、リィンツリーは股の間に体を通して後ろに曲げているのだ。

 さしもの軟体自慢のリィンツリーであっても、相当苦しい姿勢であることは間違いない。

 彼女の足はプルプルと震え、慎重にするようにしていた呼吸も完全に乱れてしまう。

 全頭マスクが彼女の顔に張り付き、苦しみに藻掻く彼女の表情をはっきり浮かび上がらせる。

「ウゥッ! ンンゥッ!」

 そんなリィンツリーの表情を楽しみながら、渡部は先ほどリィンツリーに見せたL字型の拘束具を用意する。

 底面に当たる部分の穴を分割し、その穴に通す形で、リィンツリーの太腿を固定した。

 さらに、L字型の側面に空いている穴も同様に分割し、その穴にリィンツリーの両腕を通して固定する。

 リィンツリーはL字型の側面部に背中を丸めて寄りかかるような体勢になっていた。

 いくら彼女が体勢を元に戻そうとしても、L字型の拘束具が邪魔をして元に戻せない。

 それどころか、渡部はそのL字型の拘束具の左右から伸ばした数本の鎖で、リィンツリーの体を空中に浮かせてしまった。

 昨日の拘束に比べれば、リィンツリーの両手と両足に拘束具はなく、一見自由に動かせるように見える。

 だが、足も腕も相当捻った状態で根元を枷の穴によって抑えられているため、見た目以上にリィンツリーの自由は少なかった。

 拘束を完成させた渡部は、リィンツリーの全頭マスクを取り外す。

 リィンツリーはねじ曲がった体の痛みを堪えつつ、目を開き――目の前に自分の股間があることに気付いて、目を逸らした。

 いくら自分の体とはいえ、そんな体勢で、かつ至近距離で見つめることは滅多にない。

 ちなみにリィンツリーの股間には恥毛は一切生えていなかった。

 これは渡部が命じて部下に剃らせたわけではなく、元々彼女の体には頭髪や眉毛以外の毛が生えていなかったのだ。

 普段着ているラバースーツとの兼ね合いもあり、極力体毛がないほうが都合がよかったためだが、その所為で彼女の割れ目を隠すものは何もなくなっていた。

 それでいままで問題はなかったが、こうなると人並程度に生やしておけばよかったかとリィンツリーは少し後悔する。

 渡部は普通の人間なら到底取れないであろうポーズで拘束することに成功したことを、しみじみとした顔で喜んでいた。

「うむ。素晴らしい……腕や足がある程度自由という拘束方法も中々いいだろう? 自分の体の様子も良く見えるしな」

 渡部がリィンツリーを煽るように、彼女の目の前にある乳首に指先を触れさせる。

「……っ」

 触れるか触れないかのところで指が動かされ、リィンツリーはもどかしい感触を覚えて体を震わせた。

 絶妙な刺激を与えられたリィンツリーの乳首が、むくむくと固くなって存在感を主張する。

「ほら、よく見えるだろう」

 煽る渡部に対し、リィンツリーは真っ赤になった顔を逸らすことしかできなかった。

 外的刺激を与えられればそんな反応を見せることは当然のことではあったが、それで彼女の感じる羞恥心がなくなるわけではない。

「さて、これで拘束は終わり……と言いたいところだが、これだけでは少々刺激が足りないだろうから」

 渡部はキャップのようなものを三つ取り出した。

「乳首に着けるキャップと――クリトリスにつけるキャップだ。今回はこれを付けてもらう」

 そう告げられたリィンツリーは、思わず目を瞬いた。

 それだけでいいのか、と思ってしまったからだ。

 彼女はそういった性具を使用したことはなかったが、乳首やクリトリスを多少吸引される程度なら、そう大した刺激にはならないだろう、と考えたのだ。

(昨日は薬を使われて不覚を取りましたが……それさえなければ、その程度の刺激は、受け流せるはずです……!)

 少しでも渡部の思惑を外せると、リィンツリーは考えた。


 それがとても甘い考えだったということを――彼女はすぐ思い知ることになる。



つづく


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