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夜空さくら
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状態変化スーツ歴史館 平面化スーツ

■ その世界のあらゆるところで活用されている「状態変化スーツ」。人体を圧縮し、コンパクトなサイズになることで、この時代の人間たちはあらゆる恩恵を受けていた。そんな状態変化スーツがすっかり一般にも浸透した時代。とある五人の少女たちは、学びの一環でスーツを取り扱う歴史館を訪れ、そのスーツの歴史を学んでいく。

■ 初めて書いた時と若干平面化スーツの設定が違うかもしれませんが、気にしたら負けですーw-ウム←ウムじゃないが


■ この作品には状態変化・圧縮などの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

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 歴史館を訪れた五人の学生たちが最初に目にした展示物は、状態変化スーツの最初期型・平面化スーツの展示だった。

 スーツ成立の経緯や状態変化スーツの開発者のことなどが簡単に触れられ、机の上には初期の試作品が広げて置かれている。

 触れることは出来なかったが、見た限りの質感は極普通のラバースーツといった様子で、独特の光沢を放っていた。

 それを見て、学生たちは感心しつつも、微妙に困惑したような表情を浮かべる。

「昔の物に対してこういってはなんですが……とても、普通ですね」

「そだねー。なんか、テクノロジーの塊というより……普通の服って感じー」

 彼女たちが今も身に着けているラバーセーラー服――に見える、最新型の状態変化スーツは、着たまま自在に形態を変えることが出来る。脱ぐのも着るのも一瞬だ。

 それに比べると、そこに展示されている平面化スーツは、普通のラバー製のラバースーツとあまり変わらないように見えた。

「説明文を見る限り、普通の服と同じように、一から脱ぎ着する必要があるようだな」

「それはかなりの手間ですねぇ。あ、でも幸世ちゃんが着るのを手伝う……というのは、中々良いかもしれませんね♡」

「い、いや、子供じゃないんだ。ひとりで服くらい着れる!」

 ボーイッシュな幸世が、おかっぱのゆかりの言葉を受け、少し頬を朱に染める。そんな幸恵の反応を、ゆかりはとても楽しんでいるようだった。

 仲睦まじい二人の様子を見て、葵と奈那は溜息を吐く。

「全く、あの二人は人目も憚らず、呼吸するようにいちゃつくねー」

「いつものことですけどね」

 貧乳で快活な葵が二人のことを茶化すと、真面目委員長タイプの奈那は諦めたようにそう呟いた。

「ふーん……えー。体型によってサイズも変化しないんだぁ……フルオーダーしかなかったの……? とても不便……」

 巨乳で気弱そうなひかるは、展示物の説明書きなどを逐一全部読んでいた。マイペースを貫いている。

 三者三様ならぬ、五者五様に展示を楽しんでいるのを見た職員は、頃合いを見計らって案内を続けた。

「初期型の平面化スーツは、文字通り平面化することしかできません。それだけでも当時の常識からしたらあまりにも突出した技術で、多くの混乱もあったそうです」

 人体を圧縮する技術が世界に齎した影響は、限りなく大きかった。

 車や携帯といった技術同様に、それが世の中に出たことによって大きく世界が変化したのだ。

 職員は混乱と一口に纏めたが彼女らには想像もつかない大騒ぎになったものである。

 もっとも、すっかり技術が定着して安定している彼女たちの世代にとっては、極当たり前に活用されている技術でしかないのだが。

「それでは次に実際に平面化スーツを使用の際にどうなるのかを見ていただきましょう」

 そういって職員が五人を誘導し、次の展示物の前に連れて行った。

 その展示物は、一言で言えば『磔にされた人間』だった。

 一人の女性がわずかに角度のついた壁に寝かされている。

 首から下をラバースーツに覆われたその人は、手足が大の字になるように壁に貼り付けられていた。

 首、肩口、肘、手首、胸の上下、腰、足の付け根、膝、足首、と輪っかを半分にしたような枷が取り付けられており、彼女を空中に浮かせている。

 率直に例えるのなら、昆虫が標本にされているような感じだ。

 無論、その女性は生きているので、標本になっているわけではないのだが、かなりそれに近い状態にあると言える。

 その彼女の首から上はラバースーツに覆われておらず、本来彼女に被せるべき全頭マスクが、その顔のすぐ横に広げて展示してあった。

 呼吸の度にラバースーツに包まれた胸が上下しており、彼女がまぎれもなく生きた人間であるということは伝わってくる。

 彼女の首から上は、ラバースーツとは別の装備品が覆っていた。

 彼女の頭には、大きな透明な箱のようなものが被せられていた。首輪と完全に連結しているようで、動かすことは出来ない。

 その箱は透明だったが中から外は見えておらず、音も遮断されているのか、職員と五人が近づいても、その中の女性は全く反応しなかった。時折視線が不自然に泳いでいる。

 そして彼女の口には、丸いボールギャグのようなものがはめ込まれていた。完全に口を塞いでいる様子で、唇の端から涎が垂れる隙間もない。

 ひと昔前であればSMプレイか何かの、センシティブな行為と勘違いされかねなかったが、色々な意味で寛容になった今の時代では、その程度は騒ぐようなことではない。

 とはいえ、どうしてそんなものを咥えているのか気になったのか、真面目な奈那が職員に質問する。

「なぜあの人は口枷を咥えているんですか?」

「あれは口枷ではなく、舌で機器を操作するためのデバイスです。まあ、喋れないという意味では口枷とあまり変わりないのは確かですが……」

 こほん、と職員は咳ばらいをして話を戻す。

「私たちからはあの箱が透明に見えますが、彼女の側からはディスプレイとして機能しております。彼女の仕事はああして平面化スーツを着て待機することですが、何もせず待機ではあまりにも時間を浪費させてしまうということで、好きな映画を見たり本を読んだり出来るようになっているんです」

「なにそれめっちゃ楽な仕事じゃん!」

「葵さん、あの方に失礼ですよ」

 思わず本音が出た葵に対し、奈那が嗜める。

 学生らしい率直な反応に対し、職員は苦笑しながら言う。

「実際、実演の中では一番待機時間を自由に使えるので、希望する職員がそれなりに多い役どころではありますね。そういう自由を確保しているのは、それだけが理由ではないのですが……それに関しては見ていただいた方が早いでしょう」

 言いつつ、職員は壁の一角に設置されているスイッチを示した。

「さて、それでは実際に平面化されるところを見ていただきましょう。こちらのボタンを押してみてください」

「あ、じゃあアタシが押していいかな?」

 快活な葵が率先して手を挙げ、他の四人から名乗り出る者もいなかったので、そのまま葵がスイッチを押す。

 ポチッ、とスイッチが押されると同時に、展示されている彼女の頭の周りに展開されている箱がパカリと開いた。

「う……? ――んう、んううううう!?」

 同時に、彼女の体を覆っている平面化スーツが、その圧縮機能を遺憾無く発揮し始める。

――ギュウウゥゥゥッッッ……

 平面化スーツがより強く彼女の体に張り付き、その輪郭を必要以上に露わにさせる。

 乳房の膨らみや乳首の出っ張り、股間の細かな凹凸、ヘソの僅かな凹みまでも浮かび上がらせて――その厚みが手足の先から失われていく。

「フゥッ……! ンウウウッッ!!」

 ミチミチ、ミシミシと体が軋む音が響き、女性は唸り声をあげて頭を振る。

 そのあまりに激しい反応に、学生たちは思わず息を呑んだ。

「お、おい……彼女は大丈夫……なのか? いや大丈夫なんですか?」

 心配になったのか、幸世が職員に尋ねる。

 その反応は予想の内だったのか、案内している職員は優しい笑顔で答えた。

「ご安心ください。一見苦しんでいるように見えますが、痛みや苦しみといった感覚は極端に鈍くなるようになっています。これは初期型スーツから皆さんの着ている最新型に至るまで、スーツの開発者が一番拘っていた機能ですから」

 もっとも、と職員は続ける。

「そうは言っても、皆さんの最新型に搭載されている感度調整機能と比べると、かなり荒い調整になることは否めません。皆さんのスーツは、かなり自由に感覚を調整することができますよね」

 その言葉に、五人は頷く。

 実際人によって調整は様々だが、全くの無感覚から、発狂しないギリギリまで、かなり自由に設定することが出来る。

「初期型スーツでは、圧縮によって受ける感覚を単純に快楽に転化することしかできず、人によっては快楽に転化されてなお、その感覚を苦痛に感じてしまうこともあったとされています。適用していない人は時間制限を設ける必要があったようです」

「ええ……それは、嫌だなぁ……その頃生まれなくてよかったー」

 ぶるぶる、と気弱な巨乳少女のひかるは震える。

 ひかるは五人の中では最も状態変化スーツでの変化を好んでいた。気弱なことも相成って、出来る限り引き籠っていたいタイプなのだ。

 そんな風に職員が説明を続けている間に、展示されている女性の変化が終わり、一枚の布のようにペラペラの状態になっていた。

 首から上の頭はそのままであるため、平たい体と立体的な頭部のギャップがかなり大きくなっている。

「うぅ……うー……うぅっ」

 口枷が嵌められているため、大きな声にはならなかったが、体が圧縮されている感覚に耐えているのか、女性は呻き声をあげていた。

 最新型のスーツを着ている五人は、普通にスーツを使っている場合はそのような状態になることはないため、異様なものを見る目でその様子を見つめている。

「うわぁ……かなり、きつそうな感じですけど……」

「頭だけ残すとこうなるんだ……へぇ……」

「葵さん、ちょっとやってみたいとか思ってません?」

「ぎくっ。お、思ってないよゆかりん!」

「いや、ぎくって口に出てるぞ」

「さっちん! そこは突っ込んじゃダメなところだから!」

「そ、そうなのか!? す、すまない」

「あらあら。幸世ちゃんってば」

 女三人寄らば姦しく――どころではない騒ぎようになる五人。

 微笑ましい様子を見守っていた職員に、ひかるが尋ねる。

「あの……触ってみても、いい、ですか?」

「ええ。構いませんよ。ただし、枷から引き抜いたりはしないようにお願いします」

 許可を受け、五人は平面化してペラペラな状態になった女性の手足に手を伸ばし、感触を確かめる。

 葵が摘まむようにして平たくなった指を持ち上げる。

「ンヒゥ……!」

「うわぁ……なんか、不思議な感覚……平面化、っていうわりに……分厚くないですか?」

「それが当時では限界の厚みだったんです。いまですと布切れ一枚の薄さまでも可能ですが、初期型ではカーペットと同程度が限界ですね」

「なるほど……これでは折り畳むのも大変そうだが、当時はそれでも十分だったのだろうな」

「今だと、折りたたむところまで全自動ですからねぇ」

「これで、本来は頭も圧縮するんだよ、ね……」

 思い思いの意見を交わしつつ、五人は平面化した女性の体にぺたぺたと触れていた。

 平面化している女性は、五人分の手に触れられ、ひたすら喘いでいた。

 ただでさえ感覚が強調されているのに、その五人の手の感覚はかなり強烈だったのだ。

 ふと、快活な葵が女性の胸元に手を触れさせる。そして、そこからお腹までを両手で撫で降ろしていった。

「ンヒィッ!?」

 それまでは手足の先などを恐る恐る触られていただけだった女性は、いきなり大胆かつ大きく触れられて驚愕の声をあげる。

「葵さん? 何をやってるんですか?」

 不信感を持ったジト目で葵を見ながら尋ねる奈那。

 葵は慌てて手を離し、手を左右に振った。

「い、いや! ちょっと気になってさ! 結構大きなお胸のお姉さんだったから……もしかすると厚みがあったりするのかなー、なんて」

「葵さん、いくら人は自分にないものを欲するからといって、見ず知らずの方の胸にまで触れようとするのは、見境いがなさすぎですよ……」

「そういうつもりで触ったんじゃないよ、なっち!」

「それで、実際どうだったんだ? 厚みはあったのか?」

「あらぁ、幸世ちゃんってばエッチですね♡ わたしのもので良ければ、いつでも触っていいんですよ?」

「ち、ちち違う! そういう意図で言ったのではなくて! 元の厚みが影響するのか、気になっただけだ!」

「はぁ……油断するとすぐいちゃつくんだから……」

 再びきゃいきゃいと騒ぎ始める五人。

 なお、どさくさに紛れて葵は再度平面化した女性の胸の厚みを確かめるように手を動かしていた。

「ンフ、ゥウウウッ♡♡」

 気持ちよさそうに喘ぐ彼女の声は、五人の喧騒に紛れて誰の耳にも届かなかった。

 しばらく五人が騒ぐのを黙ってみていた職員だったが、壁に展示されていた全頭マスクを手に取る。

「……初期型の平面化スーツは、全頭マスクと全身スーツに分かれています。特別に、この全頭マスクを使ってみますか?」

 思いがけない提案に、五人は一斉に騒ぐのをやめた。

「え、いいんですか?」

「はい。せっかくですから、体験もしてみていただきたいと思いまして」

 言いながら、職員は腰掛けるための椅子を持ってくる。

「他の展示物を見る時間もありますから、代表でおひとりどうぞ」

「代表というなら奈那ちゃんではないでしょうか」

 奈那は五人の班長であった。

 下手に譲り合っても仕方ないと考えたのか、素直に椅子に腰かける奈那。

 その背後に職員が立つ。

「では被せますね」

「お、お願いします……んっ」

 頭のてっぺんから黒いラバー製のような材質の全頭マスクを被せられていく。

 普段は最新型のスーツが自動的に頭も全部覆ってくれるため、ゆっくりと着用していく様子は、五人にとって新鮮だった。

「呼吸穴は空いていませんから、少しだけ苦しいのは我慢してください。圧縮が始まれば問題ありませんから」

「ん、ぅ……っ」

 唸り声で答える奈那。頭がすっぽり全頭マスクに覆われ、表情も何も見えなくなる。

「ふむ……つまり被せたならすぐに圧縮を始めないといけないわけか……かなり不便というか、焦るな」

「いまは本当に便利な時代になったんですねぇ……」

 しみじみと現代の若者たちが呟く中、準備が出来たらしく、職員が早速全頭マスクの圧縮機能を発動させる。

「んうぅ…………ッ、んぅっ!?」

 ミチミチ、と奈那の顔に全頭マスクが張り付き、その顔の輪郭を表情がわかるほどに浮かび上がらせた――かと思うと、頭頂部から厚みが失われていく。

 椅子に座ったままの奈那の体がびくんと跳ね、仰け反って椅子から落ちかけるのを、職員が器用に抑えて落ちないようにしていた。

「ン、ギュ、ウウ、ウゥゥゥッッ!!」

 大きな呻き声をあげながら、頭が平たく潰れていく奈那。

 その普段のスーツの変化では決して見られない反応に、他の四人の視線は彼女に釘付けになっていた。

「これは……なんというか……ちょっと変な気分になるね……」

「だ、大丈夫なのか……?」

 心配になる四人の前で、完全に頭部が平面化した奈那の動きが止まる。

 頭部が平面化したことで、体に指示を出すことが出来なくなったのか、体はぐったりと脱力して椅子にもたれかかっていた。

 職員はそんな彼女の体が椅子から転げ落ちないように支えつつ、説明を加える。

「このように、頭部だけを圧縮すると、胴体が動かなくなります。今回は脱力状態になっていますが、力を込めていれば固定したポーズも取ることが出来るので、それを活用した職業もあったようですね」

「ファッションショーのモデル……とかですか?」

「どちらかといえば、マネキン、というべきかもしれません」

「いまでは考えられないな……」

「モデルを簡易インストールすれば、スーツがその形をとってくれますからね」

 職員が奈那の頭部の平面化を解き、全頭マスクを脱がしてあげる。

 マスクを脱がされた時、奈那は若干放心しており、妙な艶を見る者に感じさせた。

「ど、どうだった……?」

 興味津々な様子でひかるが尋ねると、奈那は何度か瞬きをして、頭を振って意識をはっきりさせる。

「いや……なんというか、すごかった、ですね……いまだかつて経験したことのない感覚でした」

「「いいなぁ……!」」

 心の底から羨ましがる葵とひかる。

 そんな二人に対し、職員は笑顔でこう告げた。

「他にも体験コーナーは用意しておりますので、ご安心ください」

 職員の言葉を受け、期待に目を輝かせる五人。

 そんな彼女たちを微笑ましく思いつつ、職員は先導して順路を歩き始める。


 ここは状態変化スーツの歴史を見て、感じて、学べる記念館。

 スーツの変遷の歴史は短いようで、様々な経緯があるのだった。


つづく

Comments

ありがとうございます^w^ 次章も頑張って書きます! Thank you ^ w ^ I will do my best to write the next chapter!

夜空さくら

I like this:)expect next chapter

どれくらいに設定したかな~と思いつつ、こんな感じだったよな~、という感じで書きました!0w0クワッ←ちゃんと調べろ 今の技術では紙みたいにペラペラになります^w^

夜空さくら

そういえば最初はカーペットみたいな厚さの圧縮でしたね~そんで折り畳んだりしてましたっけ。 今の技術だとそれすら超えてペラペラになるんですね~

ミズチェチェ


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