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夜空さくら
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記者、ヒトイヌ拘束を施される 笛吹ちぐさside③

■ あらすじ:知る人ぞ知るヒトイヌ拘束が気軽に楽しめる有料公園『ヒトイヌ公園』。資産家による惜しみのない投資で成り立つその公園に、後ろ暗い裏があると睨んだ女記者・笛吹ちぐさ。後輩カメラマン・田中照正を連れて公園を訪れた彼女だったが、高額な一般入場料に手が出なかった。そこで彼女は自らヒトイヌとなり、照正をパートナーとして、公園内に侵入し、特ダネを掴もうとするのだが……。

■ 『ヒトイヌ公園』シリーズです。単体で読んでも、一応問題はないように書いています。なし崩しにヒトイヌになった彼女を待ち受ける、数々の試練をお楽しみください^w^ 笛吹ちぐさは無事特ダネを掴めるのか。それともヒトイヌ公園に飲み込まれてしまうのか! きっと今回もハッピーエンドですーw-ウム


■ 笛吹ちぐさsideは支援者様向けに公開、田中照正sideは全体向けに公開します。片方だけ読んでも楽しめるようになっています。

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 田中が私の着ているラバースーツのジッパーをあげるべく、遠慮がちに身体に触れてくる。

 一応恋人設定だというのに、ただ単に触れるだけのことをそんなに躊躇っていたら怪しまれるじゃない、と思ったけど、それを声に出して指摘することはできない。

 職員が傍で田中の代わりにカメラを構えているというのもあったけど、恥ずかしいやら何やらでこちらにもそんな余裕はなかったからだ。

「それじゃあ……いきますよ……っ」

 いちいち確認を取るんじゃない。

 普段ならそれくらいは、バシッと言っていただろう。

 いまはぐっと堪えて、頷くだけに留めた。

 ゆっくりと田中の手でジッパーがあげられていく。

――ジジ、ジジジジ……

 ジッパーが閉じて行くかすかな振動すら、私の肌は感じ取っていた。

 敏感になっているのか、小さな振動さえ感じ取れるようになっているみたいだ。

 ぞくぞくっ、と不思議な快感が背中を這い上がっていく。

 無性にくすぐったくて、私は身体を捩って悶えそうになるのを必死に堪えた。

「ふ……っ、うぅ……!」

 ジッパーが上がって行くにつれて、ラバースーツが身体により身体に密着し、締め付けてくる。

 お腹を引き絞られるような感覚は、コルセットを締める時の感覚にちかいのかもしれない。

 もちろん実際には違うのだろうけれど、体が着実に絞られていく感覚は、そう表現しておかしくないように思う。

――ピチッ、ミチッ、ピチチッ……

 少し余裕のあった部分のラバースーツが肌に張り付き、私の身体を覆っていく。

 その感覚を堪えようと、私の身体が前屈みになろうとするのを、職員の人が制止してきた。

「背筋を伸ばして、胸を張ってください。腕は頭の上まであげて……手を頭の後ろで組むようにすると、ジッパーが上げやすくなりますよ」

「う……は、はい……」

 言われるまま、私はポーズを取る。

 手の先は分かれていなくて指を組めないから、重ねるだけにした。

 肘も開いて、なるべく身体の前面を大きく晒すような体勢になる。

 正直恥ずかしかったけれど、そのおかげで背中のジッパーは閉めやすくなったようだ。

 慎重にジッパーをあげる田中が、やりやすそうにしていた。

 背中の中程までジッパーがあがった時。

「ちょっと、失礼しますね」

 田中がそう言って、ラバースーツの隙間を手で持って引っ張る。

 上に行くほど割れ目の間隔が広がっていたようで、それを狭めたかったようだ。

 その結果、身体の前面に張り付いていたラバースーツが、より強く密着し、私の胸を押さえつけてくる。

「ひゃぅ……っ」

「あ、すみません、苦しかったですか?」

 田中が慌てた様子でそう言ってくるけど、そうじゃない。

「いい、から……っ!早く、あげちゃって……っ」

 逐一確認してくるのは田中の誠意なのだろうけれど、いまの私にとってその丁重さはあまりありがたくないものだった。

「田中様、いまの段階で胸の位置を調整された方が良いですね」

 そう職員に指摘され、私と田中は一瞬ドキリとして動きを止めた。

 ブラジャーがそうであるように、乳房の位置を調整し、肉を寄せて装着するのは女性の下着においては重要な要素だ。

 このラバースーツがその辺の仕組みがどうなっているのかわからなかったが、やあありある程度触れて調整する必要があるようだ。

「外から胸全体を撫でるようにして揉んでください。スーツには位置調整をする機構がありますので、自動的に良い形に収まるはずです」

 さらりと、とんでもないことをいってくる職員。

 装着の補助自体は職員にお願いしたのに、ここだけ田中にやらせているのも納得だった。

 仕事で他人の女性の胸に触れることに慣れている職種の人は――医者なども含めて――いないわけではない。

 ただ、今回のように胸を執拗に揉むような動きをすることはそうそうない。

 恋人が目の前にいるのであれば、そちらにその部分を任せるのは自然な流れだろう。

 田中は相当逡巡していたようだったけれど、やがて意を決したように動き始めた。

「わかりました。……先輩すみません。触りますよ」

 後半は私にしか聞こえないように耳元で囁いてくる。

 耳に田中の吐息がかかり、思わずぞくりとしてしまう。

 普段はそんなことを思ったことはないのだけど、こうして改めて聞いてみると、田中の声は中々響きも良くていい声の部類に入るのだ。

 私は何も口に出来ず、ただ頷くことしかできなかった。

 田中の手が、ゆっくりと私の胸に添えられる。

「ひぅ……ッ」

 ラバースーツ越しとはいえ、自分以外の誰かに、こうもしっかりと胸を揉まれるのは、生まれて初めてだ。

 漫画じゃあるまいし、仲のいい同性同士でも胸をもみ合うなんてことはほとんどしない。

 大人になってからは、セクハラしようとしてくる不届き者はたまにいたけれど、上手くあしらっていたので、実際に身体に触れられたことはやはりない。

 そんな私に、田中の手が初めての感触を与えてくる。

 おっかなびっくり、という表現がぴったりなほど、躊躇いながらではあったけれど、田中の手は優しく私の胸に触れ、乳房を包み込むように覆う。

 背後から両手で同時に私の胸を押さえているので、抱きしめられているような体勢になっている。すぐ背後に田中の気配があった。

 じんわりと、田中の掌の熱が胸に伝わってくる。

 そして――ラバースーツ越しに、田中の手が私の胸をゆっくりと揉み始めた。

「……っ、く……ふ、ぅ……!」

 胸を揉まれる感覚が私の頭を痺れさせる。声が出そうになるのを、歯を食いしばってなんとか堪えた。

 揉むだけで位置調整ができる、なんて眉唾ものだったけれど、確かにちょっとしっくりきていなかったのが、ぴったり合っていっているような気がした。

 少し不自然なラインになっていた胸の膨らみが、ぴったりと綺麗な線を描き始める。

「おお……すごい……」

 そのことは傍から見てもわかるのか、田中が感嘆の声をあげた。

 田中に見られているということを強く意識させられて、頬が余計に熱くなるのを感じる。

「……これくらいで、いいですか?」

 少しの間、私の胸を揉み続けていた田中が、職員に尋ねた。

 職員は田中から預かったカメラのファインダーから目を離し、こくりと頷く。

「はい。それではジッパーを最後まで引き上げてください」

 その職員の言葉に従って、田中が背中のジッパーをゆっくりと引き上げていく。

 胸の位置などが合う仮定でだいぶ馴染んでいたのか、最後は想像以上にあっさり引き上げられた。

――ジジジッ……

 うなじまで引き上げられ、完全にジッパーが上がり切り、ラバースーツの装着が終わった。

 タートルネックの如くまで張り付いて来ている。特に首が締め付けられる感じはしなかったけれど、水着を着ているくらいの圧迫感は感じた。

「……っ、ふぅ――ひぅっ!?」

 私はほっと一息吐いて、頭の後ろに挙げていた手を降ろし――それに伴って全身にラバースーツが擦れる感触が生じて見悶えた。

 想像以上に、全身を覆うラバースーツは私の体に影響を与えてくる。

 少し腕や足を動かす度に色んなところがラバースーツと擦れ、ゾクゾクする快感が私を襲った。

 あまりの快感に膝がブルブルと震える。

「だ、大丈夫ですか?」

 田中が心配そうに問いかけてくる。私はそれに応える余裕がなかった。

 職員が再び近づいて来て、田中にカメラを返す。

 そして、私の後ろに回って、うなじあたりに触れて来た。

「失礼します」

 ぱちっ、と小さな音がした。

 咄嗟に手をうなじにやると、何の感触もない。ついさっきまで田中が引き上げていたジッパーの金具がなくなっていた。

「この金具は邪魔にならないように、取り外せるようになっているんです。また脱ぐ時に戻しますね」

 ここからはまた職員が装着を担当するようだ。

「それでは、笛吹様――四つん這いになっていただけますか」

 職員は、私に四つん這いになるように指示を出してくる。

 ここまでも恥ずかしかったけれど、言ってしまえばラバースーツを着ただけに過ぎない。

 ダイビングスーツというには、指先が分かれてなくて自由度が少ないものだし、そういったものも裸の上から身に着けることはそうないことではあるけれど、まだその範疇に入る。

 だけどここからは――いよいよ本当の、ヒトイヌ拘束が始まると言える。

(……絶対苦しい体勢よね……うん、絶対そうよ)

 左右の肘と膝の四点で体を支えようというのだから、その辛さは想像に難くない。

 とてもそれを自分からやろうとは思わないはずだ。それを実感として得られるのは大きい。

 ヒトイヌに『されている』利用者の気持ちがよくわかるだろうからだ。

(いい記事を書くには、実感が必要……だものね)

 わかったつもりになって書く記事と、しっかりと理解して書く記事では説得力が違う。

 最近は思ってもないことをセンセーショナルに書く三流記事書きも多いけれど、プロとしてそんな記事を書いてはいけないと私は思っている。

 私は記事を書くための実感を得るべく、その場に四つん這いになった。

 自室て起きた直後ならともかく、人前で四つん這いになることなんて普通に生きていたらまずないことだ。

 田中の顔が随分遠くになったような気がした。

(これが犬の視点……といえばそうなのかしら)

 上から見下ろされるこの姿勢はかなり屈辱的である。少なくとも私は好き好んで取りたいポーズだとは思えなかった。

 職員はまず手の方に嵌める袋のようなものを手に取った。

「腕を曲げてください。まずは左腕から……」

 言われるまま、肘を限界まで曲げて持ち上げる。体は他の手と足で支える形だ。

 その持ち上げた腕に、職員が袋を被せる。それの底には背が高めのクッション材が仕込まれていて、私の肘はクッション材に空いた穴にすっぽり収まった。

 てっきり袋の大きさは曲げた腕が入るギリギリだと思っていたのだけど、思ったより余裕がある。

 と言っても締め付けられないというだけで、全く伸ばすことは出来ないのだけど。

「あまりギリギリの大きさですと、曲げた腕が鬱血してしまいますので……これくらいがちょうどいいのです」

 そういいながら、職員はその袋の真ん中くらいと口に着けられたベルトのようなものを引き絞っていく。

 それによって私の腕は完全に折りたたんだまま動かせなくなった。

(でもこれ、脱ごうと思えば、ずらして脱げないかしら……?)

 そんな私の懸念は、あとで杞憂だったと知ることになる。

 右手も同様に袋状の拘束具で覆われると、袋の口同士をサスペンダーのようなベルトで接続したのだ。

 そのサスペンダーは一定の力で引っ張り続け、袋がずれて落ちないようにしている。

 こうして私の両腕は半分の長さになってしまった。

 クッション材に高さがあるおかげで、四つん這いになっても胴体がそこそこ地面と水平になっていた。

 前のめりになっていると肩に負担がかかりそうだから、これなら少しはマシかもしれない。

 そう思っている間に、両足にも腕と同じ拘束具が被せられた。

 こっちの膝に当たるクッションは低めのものだ。足の方は袋の口の作りが独特な形になっていて、足の裏に引っ掛けるようにしてずり落ちるのを防止していた。

 腕と同じような形で止めると、お尻を横断することになるので、妥当な作りだろう。

「これで四肢の拘束は終わりです。軽く動いてみましょうか」

 そう職員に言われ、私は試しに部屋の中を四つん這いで動いてみる。

 思ったよりも早く、肘と膝を使ってとことこと動き回ることが出来た。

 ただ、どうしても大きく体を揺することになってしまい、ラバースーツに包まれた乳房が結構な揺れ方をしていた。

 成長期ではないので、多少揺れた程度では痛くはなかったけれど、目立ってしまってかなり恥ずかしい。

 それが目立っていることを示すように、田中のシャッターを切る音が明らかに大きく速くなっていた。

 反射的に田中をギロリと睨んでしまった。もっとも、あとで田中が話してくれたけど、その私の睨み付けには、全く効果がなかったようだ。

 なにせその時の私と来たら、肘と膝を使った四つん這い状態で普段より遥かに視線が低かった。

 そうなると、いくら睨んでも角度的に上目遣いになるしかなく、それに加えて、動くのに必死だったこともあって、目は潤んでいた。

 その二つの要素が合わされば、私がどんな強面であったとしても睨み付けの効果など出るわけもない。

 田中曰くその時の私は――まだそれらしい装備はほとんど身に着けていなかったにも関わらず――


 見ず知らずの場所に連れて来られて、不安げに周りを警戒するイヌのようだった、らしい。


つづく

Comments

やっとヒトイヌらしいところまでたどり着きました!^w^ じっくり書くのは楽しいですが、いまのペースだと時間がかかりすぎてしまうのが難点ですね……ーw-; 一気に数万文字更新!とかできたらいいのですが……

夜空さくら

ついに笛吹さんヒトイヌ化しましたね~ さあはたして、彼女の求める展開のネタが現れるのか? それとも自身がネタになるのか? 楽しみですね~♪

ミズチェチェ


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