記者、ヒトイヌへと堕ちる 笛吹ちぐさside①
Added 2021-12-25 13:49:32 +0000 UTC■ あらすじ:知る人ぞ知るヒトイヌ拘束が気軽に楽しめる有料公園『ヒトイヌ公園』。資産家による惜しみのない投資で成り立つその公園に、後ろ暗い裏があると睨んだ女記者・笛吹ちぐさ。後輩カメラマン・田中照正を連れて公園を訪れた彼女だったが、高額な一般入場料に手が出なかった。そこで彼女は自らヒトイヌとなり、照正をパートナーとして、公園内に侵入し、特ダネを掴もうとするのだが……。
■ 『ヒトイヌ公園』シリーズです。単体で読んでも、一応問題はないように書いています。なし崩しにヒトイヌになった彼女を待ち受ける、数々の試練をお楽しみください^w^ 笛吹ちぐさは無事特ダネを掴めるのか。それともヒトイヌ公園に飲み込まれてしまうのか! きっと今回もハッピーエンドですーw-ウム
■ 笛吹ちぐさsideは支援者様向けに公開、田中照正sideは全体向けに公開します。片方だけ読んでも楽しめるようになっています。
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とんでもない淫夢を見てしまった衝撃も冷めやらぬ内に、私と田中はヒトイヌ公園の端の休憩所にたどり着いた。
休憩所前で運搬車から降りる。乗るときと違って、降りる先がちゃんと見えているから楽だった。台座で軽く体が擦れて、少しむず痒かったけれど。
「着きました……けど……」
そう歯切れ悪く呟く田中。
彼の言いたいことは大体分かっていた。
(はずれ、かしらね……)
ここに私たちがやって来た理由は、もしかするとほとんど人の来ないここに『無理矢理ヒトイヌにされた』人が逃げてきているかもしれない、と考えたからだ。
ヒトイヌにされている以上、話を聞けるとまでは思っていなかったけれど、そういう人がいるということさえわかれば、探りようもある。
あくまでも私が勘で感じている『ヒトイヌ公園が不法行為に手を染めている』確証さえ持てればそれでいいという判断だった。
だけど。
ようやくたどり着いたここには、誰もいなかった。
(冷静に考えてみれば、当たり前……よね)
私が田中に運んでもらってようやくここに来れたように、もし無理矢理ヒトイヌにされた人がいたとしても、ここに一人で来ることは難しい。
それを考えれば、ここを探りに来るのは悪手だった。
(もっと手前の方で探すべきだったかしら……でもそれだと、本当の利用者かどうかわからないし……)
私はそんなことを思いつつ、休憩所の周りをぐるりと回ってみる。
田中が高い位置から見渡しているのだから、ヒトイヌがいるかいないかを見落としはないだろうとは思ったけれど、もしかするとヒトイヌにしかわからない位置に何らかのメッセージが残されていることも考えられる。
私が休憩所周りを探索していると、田中が併設された水飲み場から水を汲んできた。
「先輩、お水をどうぞ。さっきの二人からヒトイヌの脱水症状にはくれぐれも気をつけるように言われたので……」
全身ラバースーツに覆われているのだから、それはとても重要だった。
ヒトイヌ運搬車のこともそうだけど、どうやらあの二人に色々と聞いてくれたようだ。
「ウゥ……」
しゃがみ込んで目線を合わせてくれる田中。
私は首を持ち上げ、口枷を強く噛むことによって犬型のマスクの顎を開く。
そこに田中が手にしていた給水ボトルの先端を突き入れて、口枷の穴から水を注いでくれた。
冷たい水が喉を潤していく。口枷を咥えている関係上、どうしても涎が出ることは止められないので、思ったより喉が渇いていた。
(あれ、そういえば……単独で公園に来ている人はどうやって水分補給をするのかしら?)
私が見てないだけで、何か仕組みがあるのだろうか。
水分補給できないとなると命に関わるので、一人でも水を飲む方法があるのは間違いないけれど。
(その辺りの説明もなかったわよね……色々と、杜撰すぎやしないかしら?)
もっとも私の場合は、一応パートナーである田中が一緒にいるわけだから、説明の必要がないと判断されたのかもしれない。
それに加えて、どこに行っても施設側の目はあるようなので、万が一何か問題があれば即座に対応できる体制は整っているのだろう。
(不法行為はなかったとしても、その辺の安全管理上の問題を突くことはできるかしら……? 記事にするには少しインパクトに欠けるけれど……)
記者精神でついそんなことを考えてしまう。
十分に水を飲んだところで、田中が吸水ボトルを抜き取ってくれた。
ふぅ、と鼻で深く息を吐く私。喉が潤い、人心地ついた。
しかし、一安心した瞬間、私は全身をぶるりと震わせてしまった。
(あ……っ、やば……!)
迂闊にもほどがあった。さっき催してしまったばかりだというのに、うっかりそのことを忘れて水を飲んでしまった。
いや、飲むにしても勢いを緩やかにすることもできたのに、喉の渇きに促されるまま、ついがぶ飲みしてしまった。
(まずいまずいまずい……! ここって、トイレ近くにあるのかしら……!?)
慌てて周囲を見渡す。トイレらしき表示は見当たらなかった。
田中からは急に落ち着きを失ったように見えたのだろう。不思議そうに首を傾げる。
「どうしました? 先輩?」
「ウゥ……!」
まずい。すぐにいけないかもと思ったらますます尿意が高まって来た。
こうなってくると恥も外聞もない。
私はなんとかして田中に状況を伝えようと、迫る尿意で焦りながらも必死に頭を捻り、そして最終的に、犬がおしっこをする時のように片足を上げて見せることにした。
「ウーッ! ウーッ!」
(く……っ、片足あげるのって、結構しんどい……!)
体が安定せず、ぐらぐらする。
伝わることを祈って行った私のポーズを見た田中は。
「うぇっ!? せ、先輩?」
しどろもどろになって視線を泳がせた。
(あんたが恥ずかしがってどうすんのよ! そもそも、今更でしょ!)
「ウーッ!」
キッと睨んで、しゃがんでいた田中の膝小僧に頭をぶつける。
大して痛くはなかったと思うけれど、田中はバランスを崩して尻餅を突いた。
「す、すいません!」
謝らなくてもいいから、とにかく気付いて欲しい。
私は休憩所の屋根を支えている柱に近付き、再度片足を上げた。
それでようやく、田中も私の意図に気付いたようだ。
「あ……! おしっこですか!?」
「ウーッ!!!」
(そうだけど! 大声を出すんじゃないわよ!)
こっちはどれだけ恥ずかしい思いをしていると思っているのか。
私は思わずもう一回、今度は結構な勢いで田中の膝に頭突きをした。
今度は勢いが良かったせいもあって、結構ないい音が響く。目の前でチカチカと星が飛んだ。
「いっ……ッ! すみません!」
どたばたと騒ぎながらではあったけれど、とりあえず田中に私の状況を伝えることはできた。
田中は慌てて公園内の地図を広げる。
「ええと……ここから一番近いトイレは……」
「ウゥッ」
騒いでいるうちに少しでも尿意が和らげばいいと思っていたけれど、全然その気配がない。少しでも油断したら漏らしてしまいそうだ。
もしいま漏らしたら、ラバースーツの中が尿塗れになって悲惨な状況になるだろう。
口枷を噛みしめ、必死に堪える私。必然的に犬マスクの顎が開き、ボタボタと涎が垂れ落ちてしまっていた。
「……せ、先輩。ここから一番近いトイレまでも結構あるらしくて……た、耐えられますか?」
「ウゥッ!」
耐えるか耐えられないかでいえば耐えられる気がしないけれど、耐えるしかないじゃないか。
私はそういう気持ちを込めて田中を睨み付けた。
すると田中は「すみません!」と謝りつつ、恐る恐るといった様子で続けた。
「それで……その……万が一の時の話なんですけど……もしもトイレが近くにない場合に催した場合、緊急の方法っていうのがあるみたいで……」
そんな方法があるのなら、すぐにでもしてもらいたい。
そう思ったけれど、少なくともラバースーツのジッパーを田中に開けられることは確実だ。
できればそれは避けたいのが本心だった。
「もう漏れそうだ、と思ったら、さっきと同じ合図を出してください!」
田中はそう言いつつ、ヒトイヌ運搬車を見た。
「乗れます、か?」
「フ、グゥ……ッ」
いま股間に刺激を与えたら、それこそ決壊しかねない。
まだ体を動かした方がマシかもしれないと思い、私は首を横に振った。
「わかりました。それじゃあ、とにかくトイレの方に向かいましょう!」
そう田中が言うのと、ほぼ同時に。
「――うぅ?」
いきなり第三者の声が間近からして、私は心臓が飛び出すかと思った。
私と田中がそちらを見ると、一人のヒトイヌが休憩所の壁の影から顔を覗かせ、こちらを見ていた。
さっき周りを見た時には確かにいなかったはずだから、私たちが騒いでいる間に近付いてきたらしい。あるいは騒いでいたからこそ、それを聞き付けて近付いてきたのか。
そのヒトイヌは、かなり小柄な女性だった。体が細いためか、ヒトイヌ拘束を施されているのに、手足の太さと長さが丁度良い。
周りにパートナーらしき人はおらず、また首輪のプレートから見ると彼女もまた『野良』のヒトイヌであるようだった。
私が突然現れた第三者に戸惑っていると、ヒトイヌは私の方に近付いてきた。
「わふっ♡ わふっ♡ はふっ♡」
妙に上機嫌なそのヒトイヌは、私の傍までやってくると、その頭を私に擦りつけてきた。
「ひゃふっ」
髪の毛がくすぐったい。本物の大型犬にすり寄られているような、そんな感覚になる。
(く、くすぐった――ッ! んあああっ!!)
いまの状況でくすぐられるのはまずい。
私は脂汗を掻きながら、くすぐられて脱力してしまわないように、慌ててそのヒトイヌから離れた。
「う?」
そのヒトイヌはこっちが催していることに気付いていないのか、不思議そうに首を傾げて、また近づいてくる。
それは野良のヒトイヌとしては正しい行動だったのかもしれないけれど、いまの私にとっては悪魔の行為だった。
(ダメダメこないで! 助けて!)
尿意を我慢しながら逃げ回るのはとても困難を伴った。
私は慌ててそのヒトイヌに背を向けて、逃げようとして、自分のお尻から伸びている尻尾飾りが、ぶんぶんと左右に揺れているのを感じる。
意識するのと同時に、尻尾飾りが左右に動いて肛門が刺激されていることを自覚し、体を反らした。
(んひぃっ!? な、なんでぇ!?)
どうやら、尿意を我慢しようとして、肛門に力が入ってしまっていたようだ。
野良のヒトイヌが積極的に近づいて来たのも、左右に尻尾が揺れているのを、歓迎している合図だと勘違いしたのだろう。
(と、止めなきゃ……! んひゃいいいいいッ! むりぃいいいッ!)
尻尾の動きを止めるには、肛門から力を抜かないといけない。
けれど、いま肛門から――ひいては股間から力を抜いたら、確実に決壊する。
ぶんぶんと尻尾を激しく振り回しながら耐えるしかない。
普通なら尻尾が左右に揺れていても、様子がおかしいということに気付いて止まってくれるだろう。
けれどその野良の子は、私の様子に気付かないようで、追いかけっこが始まったのと勘違いしたのか、逃げる私を追いかけてくる。
私も必死に逃げるのだけど、向こうの方が速い。
(た、田中ぁ! 止めてよ!)
「ウーッ! うウーッ!」
逃げ回りながらなんとかそう叫ぶと、ようやく田中が動いた。
「ちょ、ちょっと待て! 待てってば!」
「うーっ♡」
私と同じ四つん這いでそんなに動きは早くないはずなのに、その子は田中の手をするりとかいくぐって逃げてしまう。
田中が本気で止めようと思えば、抱き着いてでもなんでも止められるはずなのだけど、女性の体に躊躇なく触れられるほど、田中は女性慣れしていなかった。
首輪を掴んで止めようとしているので、ヒトイヌの動きに慣れているその子は全く捕まらない。
田中の命令に従わないのは、野良という設定だからだろうか。
どうあれ、私は何とか逃げようと動き続け――
「――ッ! 先輩ッ! 前ッ!」
田中の鋭い警告に、危うく顔面から柱に衝突するのを回避することが出来た。
咄嗟に体を傾け、大きく体勢を崩しつつも、なんとか柱にぶつからないように止まる。
肩をぶつけそうになったのを辛うじて避け、脇腹あたりが柱に当たってしまった。押し付けてしまうような形になり、少し苦しい。
ひんやりとした柱の冷たさがラバースーツ越しにも伝わって来て、尿意がこれ以上ないくらい高まる。
(ひ、あ――う――ッ)
ぎゅぅ、と目を固く瞑ってなんとか堪える。もう漏れる寸前だった。
何とかその大きな波を乗り越えた私は、一瞬ほっとして――すぐ傍に野良の子が近づいて来ていることに気付かなかった。
「くぅん?」
その子は私と並ぶようにして、体を摺り寄せて来ていた。ふわさふわさと揺れる尻尾が、私のお尻を撫でていく。
ふわふわした砂糖菓子みたいな髪が、私の肩口付近に押し付けてきて、体全身を擦りつけてくる。
ゾクゾクっと新しい感触が私の全身を貫いた。
「だ、め、だってば!」
野良のヒトイヌの動きが止まったことで、ようやく田中がその野良の首輪を掴んだ。
田中が掴んだ首輪を引っ張って、なんとか野良のヒトイヌを私から引き離してくれる。
「むーぅ?」
さすがに野良とはいえど、そうまでされて従わないことはないらしく、納得はいかなそうな表情ながらも、大人しく従ってくれた。
それは良かった、のだけど。
少しそれは遅かった。
「う――ッ」
頭が真っ白になる。全身が自分の意識しない形でぶるぶる震えてしまう。
位置関係的に、それが定めだったと言わんばかりの状態で――私は片足を後ろに振り上げた。
その時の私の姿を見れば、それは正しく、犬がマーキングをするときの姿だったに違いない。
私は我慢の限界を示す合図を、田中に送ったのだ。
つづく
Comments
実際、尿意を我慢しすぎると死ぬこともありますからねぇ……ーw-; 文字通り我慢は体に毒って奴ですな 野外で犬のトイレと言えば当然そこですわな0w0ニヤリ 当然、公園側がそういうことを把握していないわけがなく……ーw-ムフフ
夜空さくら
2021-12-25 15:12:23 +0000 UTC尿意を我慢するのって地獄の苦しみに等しいからお気持ち察します。 さて都合よく目の前に柱が現れました。 そして犬のトイレと言えば、ご家庭ならオシッコシート、外なら電柱などのお気に入りのマーキングポイントですね。 ということは目の前にある柱は…
ミズチェチェ
2021-12-25 14:45:24 +0000 UTC