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夜空さくら
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全身触手スーツを作った悪の科学者 触手繁殖苗床の章 今野恵子②

■ 自らの作り出した生物兵器の暴走で死んだと思われていた悪の科学者は、自らの作った生物兵器に自分の人格や知識、記憶をすべて引き継いで生きていた! たまたま見つけた度の過ぎた薄幸の少女にして虐められっ子・鈴木ハナ子の体を覆い、乗っ取った。ハナ子の立場を乗っ取った悪の科学者は、再起するべく都合の悪い相手を徐々にその力を使って浸食していくのだった。 

■ 引き続きイジメ描写注意ですーw-ウム おや……? ハナ子の様子が……?0w0クワッ


■ この作品には触手服・皮物・軽微なグロテスク表現・乗っ取りなどの描写が含まれます。苦手な人は回避をお願いします。

■ 続きは全体向けを主に書き、たまに支援者様向けの部分(外伝や視点違い)も書いていく予定です。ある意味バッドエンドで、ある意味ハッピーエンドな結末になる予定なので、完全無欠にハッピーエンド以外はダメだという方はご遠慮ください。

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 ただ一つの虐めから目を逸らせば、私の教師生活は安泰と言って良かった。

 本質的に賢しい生徒達は、いじめという最高のストレス発散方法を得てしまったことにより、それ以外の問題行動はほとんど起こさなかったからだ。

 彼ら自身、いじめが露見したときのことを考え、目立たないように行動するようにしていたのだと思う。

 それは要するに悪いことを悪いことだと認識していたということでもあるのだけど。

 さらに、私と生徒たちの間には、奇妙な連帯感のようなものまで生まれていた。

 いじめが発覚すれば困るのはお互い様だ。

 だから私は虐めには決して直接的には参加せず、生徒たちも私を巻き込むようないじめは起こさなかった。

 最初に私の前で堂々とやってみせたのは、私がどういう対応をするか見極める意図があったのだろう。

 あるいはその時の反応次第によっては――私もいじめの対象になっていたのかもしれない。

 私は鈴木さんに対するいじめを見て見ぬ振りをするだけで良かった。

 そうしているうちに、いつしか私は、いじめの現場を見て見ぬ振りをすることが得意になっていった。

 うっかり現場に居合わせた時も、鈴木さんが見えない振りをしてやり過ごした。

 かつて自分が夢描いた理想の教師とはかけ離れた存在になっていることはわかっても、私にはどうすることも出来なかった。

(ただの一教師にどうしろっていうのよ)

 学校ぐるみで行われているいじめに、教師ひとりでどうすることが出来るだろう。

 自分には何も出来ない。

 いや、そもそも私は何も見ていない。

 だから私は知らない。

 だからいじめは存在しない――そう思い込むことで私の気持ちは楽になった。

 それこそが何よりも罪深いことだと半ば自覚しつつも。


 私は偽りの平穏を過ごしていた。


 用務員の男が彼女を犯していたところを見たのは、そんな平穏な日常にも慣れてきてしまっていた頃のことだ。

 体育倉庫の裏、あまり人が来ないところで、鈴木さんは用務員の男に犯されていた。

 白昼堂々と、そんな光景が展開されていることに驚き、私は思わず立ち止まって見てしまった。

 いつもは鈴木さんの姿を認識したらすぐに目を逸らすのだけど――いつ虐められているかわからないからだ――そのときはさすがに目線を逸らすのが遅れた。

 校舎の窓からでも、その光景はよく見えた。

 鈴木さんは相変わらず、かなり痩せ細った手足に、アンバランスな豊かな乳房を有していた。

 かなりの栄養失調状態にあると思われるのに、なぜ胸やお尻だけはあんなにも男好きのする形を保っているのだろう。考えてみると不思議だった。

 まるで犯されるためだけに存在しているような、そんな不思議な考えにすら至る。

 もしも彼女が痩せぎすの貧相な身体をしていたとしたら、少なくとも性的な対象としてはみられなかったかもしれないのに、神様という存在は本当にろくでもないものばかりを彼女に与えたようだ。

 用務員の男は、彼女を体育倉庫の壁に手を突かせ、下半身を自分に向けて突き出すようにさせながら後ろから犯していた。

 男が腰を動かす度に、鈴木さんの身体が揺れて、垂れ下がった乳房がゆさりと揺れている

 そんな乳房を男が鷲掴みにし、かなり力を込めて揉んでいるようだった。

 乳房というのは敏感なところだから、そんな風に扱われれば当然痛みが発生する。

 ゆえに、鈴木さんはとても苦しそうな表情で――前髪で目が癒えないので、口元からだけの推測だが――呻いていた。

 白昼堂々と、学校の敷地内で犯されている鈴木さん。

 あまりに現実離れしている光景なのに、なんとも生々しい現実だった。

 ふと、私の視線を感じたのか、用務員の男が私の鵬を見上げた。

 男は一瞬怯んだように身を竦めたが、見ているのが私だと知ると、その顔を不快な笑みで彩る。

 私はもうすっかり見て見ぬ振りをするのが習慣になっていたから、どこかで男にも私のスタンスが知られてしまっていたのだろう。

 男は安心したようにまた腰を動かし始め、彼女を犯し続ける。

 このことを写真や動画に納めて、しかるべき機関に通報すれば、あるいはもしかしたら彼女は助かるかもしれない。

 用務員の男に全ての罪を着せ、鈴木さんにはトラウマを理由にこの学校を去って貰えば、少なくとも彼女にとってはいい結末になる可能性はあった。

 ただ、それで彼女が幸せになると思えないのは――彼女は家庭環境もまた、地獄すぎたからだ。

 一度、三者面談の必要があって、彼女の両親に連絡を取ったことがある。

 そのときは結局予定が会わないということで、直接の面談ではなく、電話での面談になったのだが、その時の彼女の母親の発言はとんでもないことばかりだった。

『あー、進路は決まってるのでどうでもいいわ。大学とか行かせるだけ無駄だし。高校までは一応世間体があるから通わせたけど』

 進路に関しても、彼女は高校を卒業すると同時に、そういう系統の店で働かされることがほぼ決まっているのだという。

 生活費をそれで捻出させ、家では家事手伝いをさせるのだとか。めちゃくちゃだ。

『あれはまあ男好きする身体してるから客も付くでしょ。可愛く産んであげた私に感謝するべきね』

 彼女の親は、彼女のことを体のいい奴隷か何かにしか思っていないのだ。

 何よりめちゃくちゃなのは、それを学校の担任に向かって堂々と言うことだろう。

 もし私が正義感の溢れる、厄介な教師だったらどうするつもりだったのか。

 ただ、それについては信じがたいことに、私がそういうタイプの教師でないということが事前に母親に知られてしまっていたようだ。

『あんたもそう思うでしょ? 他の子に可愛がられてるのをよく見てるそうじゃない』

 どうやら、いじめの首謀者である津木景さんは、そんなところにも裏で手を回していたようだ。

 身体に後が残ったり、後遺症が残ったり、顔を傷つけたりするようないじめをしない代わりに、それ以外の全ての扱いを許しているのだとか。

 つまり鈴木さんは、両親公認の上で虐められていたのだ。

 なんとも最悪な、地獄のような状況だろうか。彼女にはどこにも逃げ道がない。

 もし用務員の男を生け贄に捧げたとして、そんな両親が彼女を素直に解放するとはとても思えない。

 そんな両親が彼女のために引っ越しをするわけがなく、おそらく用務員の男がいなくなっても、彼女はこの学校に通い続けることになるだろう。

 何とも酷い話だ。

 この世には、環境からも状況からも神様からも見放された子がいるのだと思う。

 私はいつも通り、レイプ現場から目を逸らして、その場から立ち去った。

 結局私は一度も彼女を助けなかった。

 罪悪感が胸を焦がしたが、それにも気付かない振りをした。



 鈴木さんが犯されていたのを見かけた時のように、用務員の男が生徒をレイプしている。

 虐められっ子の鈴木さんではなく、いじめの首謀者である津木景さんを。

 どうしてそんな状況になってしまっているのか。

 私にはわからない。

 わからないけれど――男に犯されている津木景さんは、とても苦しそうだということだけはわかった。

「いつまでも見てないで、さっさとどっか行けよ。無能な先生」

 用務員の男はそう言って私を追い払おうとする。

 私は胸を刃物で突き刺されたような痛みを覚えた。

(そうよ……犯されているのが誰であれ……私にはもう、生徒を助ける資格なんて……ないのよ)

 そんな風に考えた私は、男に言われたままにその場を離れようとした。

 どうせ自分には何もできないのだから、いつものように何も見ていない振りをすればいい。

 だけど目を逸らそうとしたそのとき、犯されている津木景さんがこちらを振り向いた。

 私に犯されているところを見られていることに気づき、羞恥心を感じたのか、その顔を朱く染める。

 しかしその上で彼女は――私に向けて、助けを求める視線を向けてきた。

 涙目で、苦しそうで、屈辱に身を焦がしながらも、彼女は私の方を見ていた。

 言葉はなかったが、その涙の浮かんだ目が「助けて」と叫んでいる。

 その視線は、私の中で死んでいた教師魂に火を点けた。

(そうだ……私は……っ)

 幸い男は、彼女を犯すのに夢中で私の方を見ていない。

 私は素早く自分の周りを確認し、そして『それ』を見つけた。

 男の死角に入りながら、それを拾い上げる。

 どくん、どくん、と激しく心臓が跳ね回っていた。

 部屋の中に、津木景さんが犯される音が大きく響いている。

 夢中になって腰を振る男の背後に忍び寄った私は、その無防備な背中、首筋辺りを狙って、渾身の力で『それ』を振り下ろした。

 私が振り下ろしたそれは――おそらく整備や修理に使うための、金属製のトンカチだった。

 そのハンマーのヘッドが男の肉に食い込み、骨にまで達する。

 渾身の力で振り下ろしたから、分厚い脂肪の壁も貫通することができた。

 骨が砕ける嫌な感触が、自分の手に伝わってくる。

「ぐぉっっ!? て、めぇ――っ!? なにしやがっ、あがっ、あぎっ!?」

 男はそう叫びながらも、その場に崩れ落ちてのた打ち回る。

 その体はビクビクと痙攣し、死にかけのゴキブリのようだ。

 男が倒れると同時に、津木景さんの股間に挿し込まれていたペニスが抜け、ボトボトと大量の精液が零れ落ちる。

 一体どれほど犯されれば、そんな状態になってしまうのだろう。

 私は漂ってくる精液の不快な臭いに顔を歪めながら、上着を脱いでそれを津木景さんの体にかけてあげる。

 床に崩れ落ち、藻掻いている男が、恨みがましそうに私を見上げていた。

「てっめぇ……っ、なんの、つも……り……だっ、いま、さら……っ、いい先生、ぶりやがっ、って……っ!」

 さっきから身体を動かそうと藻搔いているけれど、男は全く動けていない。

 手足の先がぷるぷると震えるだけで、まともに動けていない。上手く背骨を砕けたようだ。

 私は初めて人を殺意を持って殴りつけた興奮に息を荒げながらも、その男を見下ろす。

「はぁ……はぁ……はぁ……私は、教師よ。生徒を助けるのは当たり前でしょうが!」

 我ながら白々しい言葉だ。

 だけど、本当は私はこうしたかったのだ。

 生徒のためであれば、いくらでも身体を張る。命をかける。生徒のために必要なら、障害になり得るものはいくらでも排除する。

 まるで自分が理想通りの、物語の教師になれたような気がして、私は胸が空くような思いだった。


 だけど、それは結局――自己満足に過ぎなかった。


 津木景さんが、何か言いたそうに震えていた。

 私は慌てて、彼女の傍に寄り添う。

「もう大丈夫よ、津木景さん。救急車を呼んで、すぐ体内を洗浄してもらえば――」

「……ッ、……ッ、ッッ……!」

 津木景さんがガタガタと震えている。

 一体どうしたというのだろうか。レイプされた衝撃はあるだろうけれど、そのレイプを行った卑劣な男はすでに行動不能になっている。

 彼女の普段の様子を考えれば、こんな風に震えて何も言えなくなるということはないように感じた。

 だけど、そういう認識自体が誤りなのかもしれない。

(この子も、女の子には違いないものね……それだけショックだった、ということかしら)

 初めて犯されたのであれば、その衝撃は計り知れないものになるはずだ。

 だから私は、安心させようと彼女に寄り添い、落ち着いて優しい声を意識して声をかける。

「先生がついているから、大丈夫よ。絶対に、悪いようにはしないから……」

 そう囁く私。

 そのとき、ブチッ、という何かのコードが切れるような音が響いた――ような気がした。

 ギシッ、ミシッ、と何かの軋むような音も響く。

 何の音なのか、とその音がした方向を見た私は、想像もしていなかった人がいることに気付いた。

「す、鈴木、さん……?」

 ぼさぼさの髪で表情が見えないところは、鈴木さんらしい風貌だったけれど、どこか違う気がした。

 彼女の身体はかなり痩せ細っていたはずなのに、いまの目の前の彼女はちゃんと体に肉が付いているように見える。

 その上、元々大きかった胸もさらに大きくなっているようで、制服のシャツが今にも弾けそうなほどパツパツになっている。

 幽鬼のようにゆらゆらと、しかし不自然にガクガクと身体を揺らしながら、こちらに向かってくる。

 お前が観に覆われた髪の合間から、目が覗いていた。

 このとき私は初めて、彼女と目を合わせた。

 それまでは常に彼女が俯いているか、私が目を逸らしていたから、目があったことがなかったのだ。


 彼女の目は血走り――全てを焼き尽くすような、憎悪の炎に燃えていた。





 教師が用務員室に入ってきた時、僕は咄嗟に物陰に隠れた。

 幸いそいつは目の前で行われているレイプ現場の方に完全に視線が奪われていたため、隠れるのは容易だった。

 触手を使えば、どんな相手であれ恐れることはなかったが、触手で浸食するには、相手が油断している時の方が都合がいい。

 それにしても不自然なくらいこっちに目を向けて来ず、拍子抜けしたくらいだ。

 そうして物陰から様子を窺っていると、用務員の猿の物言いから、そいつがいじめを黙認していたくだらない女教師だということが知れた。

 僕が覆って身体を乗っ取っている鈴木ハナ子と、新奴隷一号として得た津木景ミナミの担任であるらしい。

(さて、騒がれると面倒だけど……ん? 何をする気だ?)

 てっきり事なかれ主義を貫くのかと思ったその教師は、男の背後に回り込むと、拾い上げた軽作業用のハンマーを振るい、的確に男の頸椎を砕いた。

 人間の体の構造上、そこを砕けば一撃で動きを止めることも、あるいは殺すことさえ可能かもしれないが、躊躇なくそこを打ち砕く手口に感心してしまう。

「はぁ……はぁ……はぁ……私は、教師よ。生徒を助けるのは当たり前でしょうが!」

 興奮しているのか、そんなことを叫ぶ女。

 ここだけ見れば、生徒を助けるために、自分より遙かに大柄な男にも立ち向かっていく、教師の鏡そのものの姿なのだが――その他の事情を知ると何とも空しい叫びだった。

(これへのいじめを放置しておいて、よくもまあそんなことを叫べたもんだよなぁ……)

 呆れつつ、今度は僕が彼女に忍び寄って触手を浸透させようとし――ブチッ、という何かが千切れる音を確かに聞いた。

(なん――だ……ッ!?)

 ギシギシ、ミシミシと身体が音を立てて動き始める。

 一瞬何が起きているのか、僕にもわからなかった。

 完全に身体を覆い、支配し尽くしたはずの鈴木ハナ子が――自らの意志で身体を動かしている。

(嘘だろ!? 身体を動かす神経網は完全に乗っ取ったはずだ!)

 僕は急いで現状を把握するために、自分の体に意識を巡らせる。

 すると、全身の神経に浸透したはずの触手が、内側から発生した強大な怒りによって、逆に主導権を奪われていることに気付いた。

 人の頭にはまだ解明されていない秘められた能力があるというが、怒りや恨みといったものがこうまで触手の行動に影響を及ぼすとは。

 僕がハナ子の体を動かす理屈は、皮膚に限りなく密着して、強引に姿勢を固定し、動かしているという形になるわけだが、それを無視してハナ子は動いていた。

 そうなれば当然皮膚は破れ、骨は軋み、想像を超える激痛が彼女の全身を襲う。襲っている、はずだ。

 だがそれでも彼女は、まったく止まらなかった。

 あの教師に対する怒りが、それを上回っているのだろう。

 精神が肉体を凌駕している、という言葉はいまの彼女に相応しい言葉なのかもしれない。

 麻痺しているはずの身体を無理矢理動かし、ハナ子は教師へと近付いていく。

 完全に動かないはずの喉が、声を絞り出す。

「コロ、ス……ッ! コロ、シテ――ヤルッ!」

 血の涙を流しながら、ゾンビのようにハナ子は教師に迫っていく。

 非常にまずい状況だった。

 ここであの教師を殺してしまえば、確実に大騒ぎになる。

 僕という存在が、あの厄介な機関に露見する可能性も高まる。

(ぐううううっ……! と、とまれぇ……ッ!)

 身体の中に潜り込ませた部分を動かして、なんとか気を散らせないかと試してみたが、全くの無反応に終わった。

 いくら性感帯を開発していようと、強烈な刺激を与えようと、彼女の意志は止まらない。

 骨や腱を斬って物理的に動けなくする事も考えたが、完全に支配してやろうと浸透させていた触手が裏目に出た。

 すでに彼女の筋肉は本来なら活動に支障が出るほど断絶しており、それをして止まるならもうとっくに止まるはずの状態になっていたのだ。

 彼女の体は意思の力だけで動いていた。物理的にどうにかしようとしても、止められない。

 触手の主導権を取り返せば止められるはずだが、どんなに頑張っても主導権を取り戻せない。

 乗っている感情の量と質が、違い過ぎる。

(まずい、このままだと、詰む……ッ!)

 人間を超越し、あらゆる全てに対応できる人外の存在へと昇華したはずの僕。


 そんな僕が、一人の少女の憎悪によって窮地に立たされていた。



つづく


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