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夜空さくら
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お嬢様、ヒトイヌ奴隷 序

■ お嬢様に与えられた、ヒトイヌ奴隷。その奴隷の面倒を見るように言われたお嬢様は、従順にそのヒトイヌの面倒を見るのだが……

■ 新作ヒトイヌものです!0w0クワッ!

■ こちらの作品は、序・破・急の三本立てになる予定です。

※破と急は支援者様向け限定となります。ご了承くださいーw-ペコリ

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 成人として認められるその日、お父様が私に特別なプレゼントをくださることになりました。

「おお、カロリーナ。本当にお前は美しく可憐に育ったねぇ」

 いつもニコニコと優しく、大らかなお父様は、そういって私の頭を撫でてくださいます。

 頭を撫でられるのは子供に対する行いのような気がしますが、お父様がする以上間違いはありません。

 実際、歳にしては小さな私の体は、とても撫でやすいもののようですし。

 私の世話をしてくれているメイドたちも、何かと理由をつけては撫でて来るので、そういうものなのだと思っています。

 正直、私としても頭を撫でられるのは嬉しいことですので、お互い問題ないというわけです。

 撫でられて少し乱れた短い髪を手櫛で直しながら、私はお父様に尋ねます。

「それでお父様? プレゼントというのは、どういったものなのですの?」

 一年前の誕生日祝いでは、素敵なドレスをいただきました。

 今年はどんなものが頂けるのか、はしたなくも少しワクワクしてしまいます。

 お父様がメイドに向かって合図をすると、そのメイドが部屋のドアを開けました。

 何が入ってくるのかと思いきや、手ぶらのメイドが入室してきました。

 いえ、正確には手ぶらではなく、その手には真っ赤な紐のようなものが握られていました。

 その紐が繋がっている先を辿ってみます。


 そして私は、生まれて初めて『ヒトイヌ』奴隷を目にしました。


 最初、私はそれが何なのかよくわかりませんでした。

 なぜならその体は全身が真っ黒だったからです。何か不思議な光沢を放つ素材のもので頭まで包まれていました。

 黒くないのは、メイドの手に持つ赤い紐が繋がっている先である、赤い首輪だけでした。

 犬は見たことがありましたので、最初は変わった犬種の犬なのかと考えましたが、あまりにも別物すぎます。

 のっぺりとしたものがよたよたと動いていることしかわかりませんでした。

 まだ『ヒトイヌ』という言葉も知らなかった私は、口に手を当てて驚くことしかできなかったのです。

「お父様……これは、ええと……何、ですの?」

 こんな不思議な生き物が世の中にはいるのかもしれない、と私は思ってそう問いかけましたが、お父様の返答は私の予想外なことでした。

「これはね、最高級の『ヒトイヌ』奴隷というんだよ」

「どれい? 奴隷というと……これは、人、なのですの?」

 お父様はその通りだ、とばかりに頷かれます。

「よく見てご覧。四肢は手足が折り畳まれている状態だし、頭や胴体のシルエットは人間だろう?」

「確かに……そのようですね。あ、それに背中にチャックも見えます」

 私がそうお父様に応えると、お父様は「よく気付いたね」と私の頭を撫でて褒めてくださいました。

 そう思ってよく見ると、それは確かに人間の形をしていました。わかり辛いですが、若干胸が膨らんでいるようですので、女性の奴隷であるようです。

「カロリーナには今後この子の世話をするように」

「私が、ですか?」

「出来るだろう? 我が家では成人となった際に、必ず一人は奴隷を飼うしきたりになってるからね。カロリーナが扱いやすそうなものを取り寄せたんだよ」

 お父様が気を使ってくださった結果だったようです。

 変わった奴隷ではありますが、奴隷自体は何度か見た覚えがありますし、扱いに問題はないと言えます。

「わかりました。大事にいたしますわ。ありがとうございます、お父様」

 お礼を言って頭を下げると、お父様はもう一度優しく私の頭を撫でてくださいました。

 ゴツゴツとしたお父様の手に頭を撫でられると、私はとても幸せな気持ちになります。

「よし、いい子だ。ただ、ヒトイヌ奴隷の拘束具は脱着に少しコツがいるものもあるからね。わからないことは、メイドのトーニャに聞くこと」

 お父様がそう言うと、キリっとした顔立ちのトーニャが前に出て来て、格式ばった動きで頭を下げました。

 いつもお勉強の時間に色々教えてくれるのですが、何を考えているのかわかり辛いところもあって、少し苦手な相手でした。

 とはいえ、どんな相手にも笑顔で接するように躾けられていますので、顏には出さないように笑顔を浮かべます。

「よろしくお願いしますわね、トーニャ」

「ご主人様の命令に従うのみです」

 ニコリともせず、ぴしゃりと言い切るトーニャ。

(うぅ、やっぱり苦手ですわぁ……)

 別に意地悪して来たり、痛いことをして来たりするわけじゃないから、いいんですけど。

 私はヒトイヌ奴隷のリードを握っていたメイドから、そのリードを渡してもらいました。

「お嬢様、まずレッスン一つ目です」

 トーニャが鋭く声をかけて来ます。

 思わず背筋が伸びました。

「いま、ヒトイヌ奴隷の頭に被さっている物は、全頭マスクと言います。全頭マスクには色々なタイプがありますが、この全頭マスクは呼吸穴以外何の穴も開いていません」

「つまり何も見えてないってことですの?」

「はい。ですから、リードを持っている者が誘導する必要があります。――このように」

 そう言いながら、トーニャは私が握っていたリードを軽く引き、ヒトイヌ奴隷に合図を出します。

 ヒトイヌ奴隷はその合図に従って、慌てて動いておりました。

 引かれた方向に向かってトコトコ歩いていきます。

「このように、リードを引っ張った方向に歩くように躾けられています。下手な方向に引っ張るとあっという間にぶつかってしまうので注意しましょう。止める時は慌てずに素早く二回引きます」

 二回連続で軽くリードを引くと、ヒトイヌ奴隷はその場にぴたりと止まりました。

「……面白いですわね」

「目の見えぬヒトイヌ奴隷にとって、主人の合図は絶対です。それを遵守するように躾けられていますが、毎度のように壁に当てていると、さすがにヒトイヌ奴隷も怯えてその場から動けないようになってしまいます。そうならないように、細心の注意を払って誘導するようにしてください」

「わ、わかりましたわ」

 私は好奇心にそそのかされて無暗に動かしそうになっていた手を止めます。

 なるべくいきなり引っ張ってしまわないように、かといってすぐ停止の合図が出せない状態にもならないように、程よくリードを余らせて手に持ちます。

 私は早速、教わったことを実戦し、まずはヒトイヌ奴隷を自分の部屋まで連れていくことにします。

 ヒトイヌ奴隷はとても従順で、私の拙い指示でもちゃんということを聞いてくれました。

 なんとか自分の部屋までヒトイヌ奴隷を連れてくると、ほっと一息吐けます。

 二回手綱を引いて、ヒトイヌ奴隷を部屋の中央に留めさせます。

「さて、と……ここから躾けるという訳ですわね。……そういえば、この子に名前はあるのかしら?」

 ヒトイヌ奴隷と言い続けるのもなんだか変な感じですし、名前があるならそれで呼ぶべきでしょう。

 するとトーニャは首を横に振りました。

「このヒトイヌには名前がありません。お嬢様が好きな名前を付けてください」

「そうなんですの?」

 誕生日プレゼントになるくらいですし、あえて名無しのまま育てたのかもしれませんね。

 私は少し考えて、そのヒトイヌの側にしゃがみ込みます。

 人がすぐ近くに来たのは体の感覚などでわかるのか、ヒトイヌがその体を少し硬くするのがわかりました。

 私はそんなヒトイヌを安心させるために、手を伸ばしてそのヒトイヌの頭を撫でてあげました。

 頭を撫でられた直後は、さらに体を固くしていましたが、ただ撫でられるだけだということに気付くと、すぐに体をリラックスさせて、私のなでなでを受け入れていました。

 ただ、私はその子の反応を気にしてはいられませんでした。

 なぜなら、手に伝わって来たものの感触があまりに形容しがたいものだったからです。

(すべすべ……つるつるではあるんだけど……なんというか……)

 絶妙に抵抗も感じるのです。何とも不思議な質感の衣装でした。

 衣装のことに気を取られていると、トーニャが私の前に回り込んで来ていました。

「お嬢様?」

「あ、はい。す、少しぼんやりしてしまっておりましたわ。えーと……名前、でしたわね……」

 何かに名前を付けたことなんてない。

 私は少し考えて、はっと単語が思い浮かびました。

「リリーという名前にしましょう」

 花の名前をそのまま持ってくるのは安直だったかもしれません

 しかしトーニャは特に反対することなく、頷きます。

「では今後、このヒトイヌ奴隷はリリーと呼称します。あとで本人にも伝えておきましょう」

「この人はいま、何も聞こえていないのですか?」

 目の前で決定したのに、トーニャがそういうということはそうなのでしょうけれど。

「多少は聞こえていると思われますが、恐らく明瞭ではないでしょうから」

 念を押しておいた方が確実ということなのでしょう。

 私は頷き、名前を伝えることを忘れないように努めます。

「それでは早速始めましょう。まずはヒトイヌ奴隷を飼う上で避けては通れないこと――衣装の着脱に関してお教えします」

 そう言うと、トーニャはヒトイヌ奴隷の――リリーの後頭部を指差しました。

「まずは全頭マスクから外していきましょう。この全頭マスクはチャック式となっておりますので、まずはこちらを下げてください」

 トーニャに言われるまま、私はまずリリーの後頭部にあるチャックに手をかけました。

 ゆっくりとそのチャックを下へと降ろしていきます。

 全頭マスクに隙間が空き、中から金色の髪が露わになりました。

 それを見て、私は少し驚きます。

 この辺りでは金色の髪は珍しくありません。私も金髪ですし、トーニャやお父様だってそうです。

 少し驚いたのは、お父様が遠くから取り寄せたと言っていたのに、慣れ親しんだ金色だったことが理由の一つ。

 もう一つの理由は、露わになった金色の髪が、艶やかで美しいものだったからです。

 てっきり奴隷なのですから、もっと汚らしいのかと思ってしまっていました。

 しかし実際現れた彼女の髪は、とても艶やかで滑らかで、しっかり手入れしている私の髪に勝るとも劣らないほど、見事な髪質でした。

 全頭マスクのせいで少し蒸れてはいましたが、それを差し引いても十分見事な髪です。

「これは……意外、ですわね」

「今回は全頭マスクを着用させておりましたが、ヒトイヌ奴隷の場合、頭は覆わないことの方が多いのです」

「そう、なのですか?」

「はい。ヒトイヌはその性質上、撫でて褒めることが多く、その際の手触りは非常に重視される項目だからです」

 トーニャは淡々と説明してくれました。

 そういうものなのですね、と呟きつつ、私はリリーの頭から全頭マスクを取り外してあげます。

 そして再度驚きました。

 露わになったリリーの顔、それが私とそう変わらない年齢であったことにも驚いたのですが、驚いたのはその口に噛まされているものです。

 リリーの口には、大きな赤いボール状の口枷が咥えられていたのです。顎が外れそうなほど大きなそれを、ずっと咥え込んでいたのでしょう。

 彼女が咥えているボールには小さな穴が空いており、そこから唾液が溢れ出しています。

 いままでそれを堰き止めていた全頭マスクは、内側が唾液塗れになっていました。

 それは当然、彼女の顔全体に広がってしまっており、テカテカと光ってしまっています。

「軽く顔を拭きましょうか」

 そう言って、トーニャが差し出してくれたタオルを受け取り、私はリリーの顔を拭ってあげました。

 顔を拭われたリリーは、くすぐったそうに顔を顰めた後――その瞼を開きます。


 私と同じ澄んだ青色の瞳がキラキラと輝き、見つめる私を見返して来ました。


つづく

Comments

双子設定!それもいいですね……!0w0クワッ! 今回は違う設定ですが、そういう設定でも書いてみたくなってしまいますな……ーw-フフフ……

夜空さくら

実は双子の妹で、オチとしては主人公もヒトイヌに魅入られて時々入れ替わってヒトイヌライフを二人で楽しむとか?

ありがとうございます^w^ 今回はまだ触りだけですが、次はさらにヒトイヌがヒトイヌらしく動き回る予定ですーw-ペコリ

夜空さくら

人間犬!すごく好きな話です!ウヒョ!WWWWW

goremz


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