人形ダイブ ~送られて来た人形~
Added 2022-11-25 15:04:22 +0000 UTC■ あらすじ:ある日、送られ来た等身大ドールに意識が移ってしまった東田三平。ネットゲームで使用している獣人族の女の子・ココナの姿になってしまった彼は――
■ 超久々にTSF物に手を出してしまいました! 色んな展開が考えられる話なので、思いつく限り色々なパターン展開ものとして書いてみようかなと思っています。
■ 基本は女体化もので、女の子の快感に振り回される青年のあれこれを楽しんでいただければと思いますーw-ペコリ
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ネットゲームにおいて、本来の性別とは違う性別のキャラクターを使用することはよくあることだ。
そこに深い意味がある場合もあれば、別になんとなく、特に理由もなく選ぶということもあるだろう。
彼――東田三平も、その特に理由もなく女性キャラクターで遊んでいたプレイヤーのうちの一人だった。
普段は男性キャラクターを使うことが多かったのだが、たまたま、本当にたまたま何気なく女性キャラクターでキャラメイクをしただけにすぎない。
そこに確固たる信念や理由などなかった。
だというのに。
「なんで俺が当選するかな……?」
彼は頭を抱える羽目になっていた。
目の前の巨大な箱の中には、一体のドールが入っている。
そのドールの姿は、彼がネットゲームにおいてプレイヤーキャラクターとして使っている獣人族の女の子のものだった。
ドールといっても、その等身は彼と変わらない。
男女の違いゆえか、頭一つ分くらいは差があるものの、ほとんど人間と変わらないといって良いだろう。
梱包材で埋まっていて全体図はまだ見えないが、ちゃんとゲーム内で彼が設定した衣装を身につけているようだ。
彼は自分のゲーム内のキャラと、現実で向き合っていた。
ことは少し前、ゲームの運営が十周年記念のイベントを発表したことに遡る。
その中で、無作為選出により、プレイヤーキャラクターをドールにしてプレゼントにする、というものがあった。
当然倍率はものすごく高く、そのイベント目当てで登録プレイヤーが急増したレベルの話で、三平はまさか自分が当たるなんて全く思っていなかった。
そもそも、彼自身そのゲームを何年もやってはいたものの、別に最古参なわけでもなく、ゲームプレイを放送するストリーマーなわけでも、ランキングの常連というわけでもなく、なにかしら有名になり得ることをしたわけでもなかった。
正しく一般平均的なエンジョイプレイヤーであり、そのゲームの売りである広大かつ雄大なマップを駆け回るだけで、十分楽しめていたのである。
イベントは無作為選出とは謳われていたものの、実際は有名なストリーマーやらランキング上位のップレイヤーが選ばれるだろうと思っていたので、まさかそれが自分に当たるとは想像すらしていなかったのだ。
だから当選の連絡と共に送られてきたそれを見た三平の最初の感想は。
「……どーしよ、これ」
であった。
一人暮らしであるがために、受け取ること自体に問題はなかった。
恋人もいないのでこれだけドールを所有していようが誰に責められることもない。
ただ、おおよそ自分がその権利を得るには恐れ多い、とんでもなく貴重なものだということだけはよくわかる。
「飾るにしてもでかいし……かといってこれクローゼットの中に放り込んどくのもな……」
かといって処分するというのは、あまりにも勿体ない。そもそも処分できるのであれば、当選の連絡が来た時点で断れば良かった。
そうできなかった理由は簡単で。
こんな機会でもなければ、二度と手にすることのない代物であったからだ。
結局のところ、三平は小市民だったのである。
とりあえず箱の蓋を開け、中に詰め込まれていた梱包材を全部取り除く。
そうして改めて見えてきたドールの姿は、実にリアルな作りであり、箱に入っていなければ人間と勘違いしてもおかしくない。
「……まさか本物の人間ってことはないよな?」
そんなわけがあり得ないとは思いつつ、三平はそのドールの顔に手を恐る恐る伸ばした。
触れてみると、柔らかな肌の感触が返ってくる。ただしそこにあるべき体温はなく、作り物であるということは一瞬でわかった。
創造物らしく整った長い睫が生えている瞼に手をかけ、ゆっくりと開かせてみた。
深い青色の目が露わになる。一瞬本物のように見えて三平は肝を冷やしたが、すぐにそれが作り物であるということがわかった。
間近で目をのぞき込みでもしないとわからないが、そこに潤いはなく、カメラのレンズのようになっていたからだ。
「はー……いまのドールってすごいんだな……」
彼が指を離すと、自動的に瞼は閉じる。それも限りなく自然な動きで、わかってみない限りは、本物かどうかの区別は到底つかないだろう。
恋人のような距離感ならわかるかもしれないが、普通に話す程度の距離をおいておけばまずこれがドールなどということはわからないに違いない。
「それにしてもすごいな……これだけ精巧に出来てるってことは……」
三平の目は、自然とそのドールの胸部に吸い寄せられていた。
そのドールは裸ではなく、三平がキャラクターに着せている装備品がそのまま身につけられている。
ファンタジー色の強いゲームで、三平のキャラクターはいわゆる軽戦士という扱いだ。
ゲームによってはどんな痴女かというレベルの露出が多い服装の職業だったりするが、そのゲームは割と硬派なゲームで、少なくとも胸元が極端に露出していたり、やたらと防御力の薄そうな格好ではなかった。
膨らみのある胸部も、弓道における胸当てのような鎧で守られており、その下の体がどうなっているかどうかはわからない。
(ゲーム内ではあまり気にしたことなかったけど……こうして見ると、だいぶでかいな)
三平は特に巨乳が好きというわけではなかったため、胸の大きさに関してはかなり適当に設定していた。
ゲーム内での視点はキャラクターの視点になるため、意識して見でもしない限り、胸なんてほぼ見えない。
設定画面やムービーシーンなどで全身が映ることはあっても、そういう時は大体装備の合計値やらストーリーの内容に集中しているため、自キャラの外見など気にしていなかった。
だからこうして、改めてキャラクターの姿だけに注目してみると――想像以上に、大きな胸をしていることがわかった。
「……鎧のせいでちょっと大きく見えてるのかもな」
そんな風に呟きつつ、三平はさらに下の方に視線を落とした。
等身大リアルドールは、当然上半身だけでなく、下半身も存在する。
ある意味では、その下の造形がどうなっているかは、もっとも気になるところだった。
(未成年でも可、ってあった以上、まさかそういう、十八禁になりかねない造形はしてないと思うけど……正直、気になるよなぁ)
キャラクターが来ている衣装は、膝上丈のスカートだ。リアルで考えれば、前衛に立つ者としてはどうかと思うが、別に不自然でもないくらいの丈で破廉恥だったり、下品だったりはしない。
果たして、その下はどこまで作り込まれているのか。
三平は好奇心とスケベ心、半々くらいの塩梅でスカートを捲ってみた。
ドールとはいえ、女の子のスカートを捲るという行為に、三平の心臓が激しく高鳴る。
果たしてその下は――純白のショーツに包まれていた。
女の子らしい、レースの装飾に彩られた、非常に可愛らしいデザインのものだ。
(なるほど……こうなっていたのか)
いくら色々設定できるゲームとはいえ、下着までは設定出来なかった。
だからプレイヤーといえど、下着をみるのは初めてのことだ。
(この外見に、すごく似合ってるな……制作陣の拘りを感じる……)
しみじみと思いつつ、スカートの中を眺めていた三平は、そのドールの股間あたりから、細長い尻尾が伸びていることに気付いた。
彼のキャラクターは獣人という設定であるため、その尻尾はあって当然のものだ。
試しに触れてみると、想像以上に柔らかくて心地良い尻尾の感触が伝わってくる。
猫の尻尾の中でも、非常に触り心地のいいもので、とても素晴らしい感触であった。
その感触を堪能しながら、三平はドールの入っていた箱に付属していた、小さな箱の存在を思い出す。小さいと言っても、等身大ドールが入っている箱と比べてのことで、抱えられる程度の大きさはあった。
説明書などが入っていると思われるその箱を引き寄せた三平は、その中を確かめてみた。
そこには取り扱い説明書と、謎のヘッドギアらしきものが入っていた。
「あれ、これってもしかして……動かせるのか?」
この時代、ゲームといえば3Dの立体感や臨場感が前提となっている。そのゲームも多分に漏れず、頭全体を覆うヘッドギアを用いるものだった。
「普通のヘッドギアと、少し違うな……なるほど、イベント限定デザインって訳か」
三平は特にそのゲームに命を賭けているわけではなかったが、限定という響きには弱い。
基本はいつものヘッドギアと同じと考えた彼は、特に説明書を開くことなく、いつものようにそのヘッドギアを頭部に装着する。
ヘッドギアが自動的に三平の頭のサイズにバンドを調整し、しっかりと固定した。
「おー。結構いい付け心地――」
彼が暢気にそう呟いた時、三平の意識が急に揺らめいた。
何を思う暇もない。何かが倒れる大きな音が少し離れたところから響き、三平はいつの間にか閉じていた目を見開いた。
「なん――んんっ!?」
三平は思わず声をあげかけたが、おかしな音が響いて思わず口を噤んでいた。
彼の体はいつのまにか横になっており、視界は天井を見上げている。
(なんだ、いまの、俺の声、だよな?)
何かがおかしいことに彼は気づき初めていた。彼の体は、妙に狭いところに押し込められているようだった。
全身、それこそ頭からつま先まで、妙に柔らかいような固いような、不可思議なもので囲われている。
(なんなんだ……? まるで、柔らかいクッションの中に全身沈んでいるような……)
体の横に這わせていった手を持ち上げて、その柔らかいものがなんなのか探ろうとする。
体の前面まではそれは覆っていないようで、手を持ち上げることは容易に出来た。
(というか、俺の体、一体どこにはまり込んで……?)
三平は頭を持ち上げて、自分の体を見た。その視線は、胸の辺りまでしか達しなかった。
なぜならば、彼の胸には、その視線を遮るほどの、膨らみがあったからだ。
「は?」
奇妙に高い声が彼の口から零れる。
とっさに喉に手をやろうとした彼は、その途中で視界に入り込んで来た白い指先に驚いた。
明らかに見慣れた自分の手ではない。真っ白で白魚のような指先が、間違いなく彼の意思に従って動いていた。
驚きながらもう片方の手も自分の顔の前に持ってくる三平。両腕共にほっそりとしたもので、明らかに三平の腕ではない。
それは間違いなく、女性の腕だった。
「……はぁ!?」
腹筋に力を込め、起き上がる三平。自分の手を眺めつつ、起き上がった彼はすぐにその他あの異変にも気付いた。
全身を包む奇妙な、だが見覚えのある衣装。明らかに自分の体と違う、けれどやはり見覚えのある女性の体。自分の周りを囲んでいる梱包材の存在。
「まさか……俺……」
呟いた声は、彼本来の声に比べると、あまりにも高く――可愛らしいものだった。
「ドールになってる……!?」
そうとしか思えない状況に、彼は陥っていた。
部屋を見渡してみれば、確かに見覚えのある自分の部屋。
そして。
ヘッドギアを身につけたまま、ひっくり返って倒れている自分自身の体がそこにあった。
倒れた拍子に色々なものにぶつかったのか、とんでもなく荒れた状態になっているが、息はあるらしく、胸はちゃんと上下していた。
死んではないことに安堵したものの、それはそれとしておかしなことに三平は気付く。
(いや……あり得ないだろ常識的に考えて……こんな技術、聞いたことないぞ……!?)
ゲームの世界にフルダイブ、というのはよく聞くフレーズだが、完全に意識をゲームの世界に入らせることが出来る技術などまだ存在していなかった。
彼がやっているゲームとて、視点こそゲーム世界のものになるものの、移動や行動などは手元のコントローラーでやるものだ。
もちろん感覚のフィードバックなどあるはずもなく、触れる感触はもちろん、匂いですら再現されることはない。
だというのに。
(……俺の部屋のはずなのに、なんか……妙に匂いが溢れているように感じるな)
三平は特に香料を用いた趣味を持っているわけではない。精々一社会人の嗜みとして消臭スプレーなどを用いるくらいだ。
だから特にこれという匂いがあるはずもないのだが、妙に色んな匂いがするように感じていた。
(俺の部屋ってこんなに色んな匂いがしたのか……って、だから匂いを感じるのがまずおかしいんだって!)
三平は匂いのことはいったん忘れ、ひとまず箱の中から脱出することにした。
箱の縁に手をかけ、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた状態の体を引き出すのに苦労しながら、なんとか箱の中から外へと這い出る。
ひらり、と三平の腰の辺りで布が揺れた。その本来であればありえない服装の感触に、三平はますます混乱する。
(と、とりあえず鏡……鏡をみよう……)
半ば状況は掴めていた三平であったが、目で確認して確かめたいという思いから、急いで洗面所に向かう。
そしてそこに辿り着いた三平が見たのは。
自分がゲームの中で使用している獣人族のキャラクターが、困惑仕切った顔で鏡を見つめている姿だった。
つづく